どうして国と銀行は無限に紙幣貨幣を発行できるのか?FXの真髄



不換紙幣という幻想

現在の世界通貨のほとんどは不換紙幣となっています。

不換紙幣とは金や銀などの実物資産に交換できず、それ自体には価値がない貨幣のことをいいます。

19世紀20世紀には金本位制や銀本位制、金銀複本位制などが採用され、貨幣制度の基盤を作っていましたが現在はほぼ全ての先進国が不換紙幣を採用しています。

金本位制があった時代は、紙幣発行額に対して一定の資産を保有していなければなりませんでしたが、不換紙幣が基準となった現在は通貨を発行する国が好きなだけ通貨を発行できるようになりました。




無からお金を生み出すシステム

不換紙幣を発行するようになったことで政府は事実上、無限に紙幣を発行できるようになりました。

ここで重要な存在が各国の中央銀行の存在です。

アメリカだったらFRB(連邦準備制度理事会)、EUだったらECB(欧州中央銀行)、日本だったら日本銀行です。

政府は国債を発行し、民間の銀行に売却し、それを日銀が引き受けることで異次元の金融緩和といわれる紙幣の大量発行を行っています。

これは言ってしまえば何もないところからお金を生み出し、それを活用する大きな小切手を発行しているようなものなのです。

一般国民が資産の裏付けもないのに小切手を発行したら罰せられますが、政府と中央銀行にはそれが許されているのです。



全ては国民に

何もないところからお金が生み出されて、それが市中に出回って、経済が上手くいっているならそれでいいじゃないかと思う人も多いと思いますが、それは大きな幻想です。

何もないところから生み出されたお金は最終的に国民に税金としてしわ寄せがいくことになります。

それは、紙幣の過剰供給による、国民の購買力の低下という形で見えない税金といわれています。

例をあげましょう。

ある島で100万円のお金が出回っているとします、商品の量は一定です、そこに政府がさらに100万円を国民にそれぞれ配ります。

国民が所有するお金は200万円で二倍になりましたが商品の量は変わらないので物価も二倍になります。

実際の経済ではこれよりはるかに複雑ですが、政府が紙幣の供給量を増やしても国民の収入や資産が直に反映されるわけではありません。

そのため、紙幣が市中に供給されてもインフレのみが静かに進行し、見えない税金という形で国民から知らない間にお金を徴収するのです。




中央銀行という存在

現在の貨幣システムを形作っているのは中央銀行という存在が非常に大きいです。

政府から独立しつつも通貨を無限に供給できることを可能にしている銀行の中の銀行が中央銀行です。

通貨の供給量と金利の設定という国民生活に多大な影響を及ぼす政策を決定することができる組織をチェックしておくことは非常に大切です。



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