「職務経歴書をどう書けばいいのか分からない」「書類選考で落ち続けている」――エンジニア転職で、多くの人が最初につまずくのが職務経歴書です。
私自身、最初の転職では書類選考の通過率が30%以下でした。しかし、職務経歴書を改善した結果、2回目の転職では通過率80%を達成しました。30社に応募して24社が書類通過、その中から3社の内定を得ることができました。
この記事では、書類選考の通過率を劇的に上げる職務経歴書の書き方、実際に通過率80%を達成したテンプレート、そして採用担当者が見ているポイントまで、実体験に基づいて詳しく解説します。
エンジニアの職務経歴書で最も重要なこと
まず、職務経歴書で何を伝えるべきかを理解しましょう。
採用担当者が3分で見ているポイント
採用担当者は、1枚の職務経歴書に3〜5分しかかけません。短時間で以下を判断しています。
1. 技術スタックが合っているか 求人票に書かれている技術を使った経験があるか、または学習意欲があるかを確認します。
私が書類選考を通過した企業は、全て私の使用技術(Ruby on Rails、React、AWS)と、求人票の技術が一致していました。
2. 実務経験年数は十分か 「未経験可」と書かれていても、実際には2〜3年の経験を求めることがあります。経験年数が一目で分かるように記載することが重要です。
3. 具体的な実績があるか 「〇〇を開発しました」だけでなく、「〇〇を開発し、その結果〇〇という成果が出ました」という具体的な実績があるかを見ています。
4. 読みやすいか 長すぎる文章、小さすぎる文字、情報が散らばっているレイアウトは、読む気を失わせます。見やすさも重要な評価ポイントです。
私が職務経歴書を改善したとき、最も効果があったのは「読みやすさ」でした。情報を整理し、箇条書きを増やした結果、通過率が大幅に上がりました。
職務経歴書と履歴書の違い
履歴書は、学歴や職歴を時系列で記載する定型的な書類です。フォーマットが決まっており、個性を出す余地は少ないです。
職務経歴書は、これまでの業務内容、実績、スキルを詳しく記載する書類です。フォーマットは自由で、あなたの強みをアピールする場です。
エンジニア転職では、職務経歴書の方が圧倒的に重要です。採用担当者は、履歴書よりも職務経歴書を重視します。
通過率80%を達成した職務経歴書の特徴
私が通過率80%を達成した職務経歴書には、以下の特徴がありました。
特徴1: 1ページ目で全てが分かる スキルサマリー、職務要約、主な実績を1ページ目に集約しました。採用担当者が1ページ目を見ただけで、「この人に会ってみたい」と思えるように工夫しました。
特徴2: 数字で実績を示す 「売上が〇〇%増加」「ユーザー数が〇〇人増加」「レスポンス速度が〇〇秒短縮」など、定量的な成果を記載しました。
特徴3: 技術スタックを詳細に記載 使用した言語、フレームワーク、ツールを、経験年数とともに記載しました。採用担当者が「この技術を使える人」とすぐに判断できるようにしました。
特徴4: 2〜3ページに収める 長すぎる職務経歴書は読まれません。情報を厳選し、2〜3ページに収めました。
職務経歴書の基本構成
職務経歴書は、以下の構成で作成します。
【1ページ目】職務要約・スキルサマリー
職務要約(3〜5行) これまでの経歴を簡潔にまとめます。何年間、どんな業務を、どんな技術で行ってきたかを記載します。
良い例
Webアプリケーションエンジニアとして5年間の実務経験があります。バックエンド開発を中心に、Ruby on RailsとReactを使用したフルスタック開発に従事。ECサイトやSaaSプロダクトの新機能開発、パフォーマンス改善、インフラ構築まで幅広く担当しました。チーム開発ではスクラムを採用し、アジャイル開発の経験も豊富です。
避けるべき例
色々な開発をしてきました。様々な言語を使えます。チームワークを大切にしています。
→具体性がなく、何ができるか分かりません。
スキルサマリー
使用できる技術を、カテゴリ別に整理します。
テンプレート
■ 言語
- Ruby: 5年(実務)
- JavaScript: 4年(実務)
- Python: 1年(個人開発)
■ フレームワーク
- Ruby on Rails: 5年(実務)
- React: 3年(実務)
- Next.js: 1年(実務)
■ データベース
- MySQL: 5年(実務)
- PostgreSQL: 2年(実務)
- Redis: 2年(実務)
■ インフラ・その他
- AWS(EC2, RDS, S3, CloudFront): 4年(実務)
- Docker: 3年(実務)
- GitHub Actions: 2年(実務)
- 開発手法: スクラム、アジャイル開発
私は、この形式にしてから、「技術スタックが一目で分かる」と採用担当者から評価されました。
【2ページ目以降】職務経歴詳細
時系列で、各企業での業務内容を記載します。
テンプレート
■ 株式会社〇〇(2020年4月〜2023年3月)
【事業内容】ECサイト運営
【従業員数】50名
【雇用形態】正社員
【在籍期間】3年
◆ プロジェクト1: ECサイトの決済機能リニューアル(2022年1月〜2023年3月)
【プロジェクト概要】
既存の決済システムを刷新し、複数の決済方法に対応。セキュリティ強化とユーザー体験向上を実現。
【担当業務】
- 要件定義、基本設計
- バックエンド実装(Ruby on Rails)
- 外部決済APIとの連携
- テストコード作成
- 本番環境へのデプロイ
【使用技術】
Ruby on Rails 6.1、MySQL 8.0、Redis、Sidekiq、AWS(EC2, RDS)
【チーム構成】
5名(バックエンド3名、フロントエンド2名)
【実績・成果】
- 決済完了率が85%から93%に向上
- 決済エラー率が5%から0.8%に低下
- 売上が月500万円増加
【工夫した点】
- 決済処理を非同期化し、ユーザー体験を改善
- エラーハンドリングを徹底し、ユーザーに分かりやすいエラーメッセージを表示
- テストカバレッジ90%以上を達成し、品質を担保
このフォーマットで記載することで、採用担当者が必要な情報をすぐに見つけられます。
【最終ページ】自己PR・今後のキャリアビジョン
自己PR(5〜8行) あなたの強みを3つ程度に絞って記載します。
テンプレート
【強み1: 技術的な問題解決能力】
パフォーマンスの問題や複雑なバグに対して、原因を特定し、効率的に解決できます。DBクエリの最適化により、レスポンス速度を3秒から0.5秒に短縮した実績があります。
【強み2: チームでの協調性】
コードレビューや技術共有を積極的に行い、チーム全体の技術力向上に貢献します。週次でLTを実施し、学んだことをチームに共有しています。
【強み3: 継続的な学習意欲】
業務外でも技術学習を継続し、Qiitaに50記事以上投稿。個人開発でも複数のWebアプリを公開し、新しい技術を積極的に取り入れています。
今後のキャリアビジョン(3〜5行) どんなエンジニアになりたいか、何を実現したいかを記載します。
テンプレート
今後は、フルスタックエンジニアとしての経験を活かし、テックリードとして技術的な意思決定に関わりたいと考えています。チームの技術力向上に貢献しながら、ユーザーに価値を提供できるプロダクト開発を目指します。また、モダンな技術スタックを積極的に取り入れ、常に技術トレンドをキャッチアップし続けます。
書類通過率を上げる10のテクニック
職務経歴書を改善するための、具体的なテクニックを紹介します。
テクニック1: 成果を数字で示す
「〇〇を開発しました」だけでは、インパクトがありません。数字で成果を示すことで、説得力が増します。
数字で示す例
- ユーザー数が1万人から3万人に増加
- 売上が月500万円増加
- レスポンス速度が3秒から0.5秒に短縮
- エラー率が5%から0.8%に低下
- テストカバレッジ90%以上を達成
- コードレビュー対応時間を50%削減
私も、最初は「パフォーマンスを改善しました」と書いていましたが、「レスポンス速度を3秒から0.5秒に短縮しました」と具体的に書いたところ、面接で高く評価されました。
テクニック2: 技術スタックを詳細に書く
「色々な技術を使えます」では伝わりません。使用した技術を、バージョンや経験年数とともに記載します。
良い例
- Ruby on Rails 6.1〜7.0: 5年(実務)
- React 17〜18: 3年(実務)
- AWS(EC2, RDS, S3, CloudFront, Lambda): 4年(実務)
避けるべき例
- Ruby: できます
- JavaScript: 使えます
- クラウド: 経験あり
テクニック3: プロジェクトごとに成果を書く
各プロジェクトで、何を達成したかを明確に記載します。
テンプレート
【実績・成果】
- 〇〇機能を実装し、ユーザー数が〇〇人増加
- 〇〇を最適化し、レスポンス速度が〇〇短縮
- 〇〇を改善し、エラー率が〇〇低下
私は、各プロジェクトで必ず1〜3個の成果を記載するようにしていました。
テクニック4: チーム構成と役割を明記する
一人で開発したのか、チームで開発したのかを明記します。また、チームでの役割(リーダー、メンバーなど)も記載します。
良い例
【チーム構成】
5名(バックエンド3名、フロントエンド2名)
【役割】バックエンドのリーダー
これにより、チーム開発の経験があることをアピールできます。
テクニック5: 工夫した点を書く
ただ実装しただけでなく、「どんな工夫をしたか」を記載することで、技術力や問題解決能力をアピールできます。
例
- 決済処理を非同期化し、ユーザー体験を改善
- キャッシュ戦略を最適化し、サーバー負荷を50%削減
- CI/CDパイプラインを構築し、デプロイ時間を2時間から10分に短縮
私も、「工夫した点」を書くようにしてから、面接で技術的な質問が増え、深い会話ができるようになりました。
テクニック6: 見やすいレイアウトにする
情報を詰め込みすぎず、余白を適度に取ります。箇条書きを活用し、パッと見て理解できるようにします。
見やすくするコツ
- フォントサイズ: 10.5〜11pt
- 行間: 1.2〜1.5倍
- 箇条書きを活用
- 太字や下線で重要な情報を強調
- セクションごとに適度な余白
私は、Googleドキュメントで作成し、PDFでエクスポートしていました。
テクニック7: 不要な情報は削除する
職務経歴書は、履歴書ではありません。学歴や趣味など、業務に関係ない情報は最小限にします。
削除すべき情報
- 詳細な学歴(大学名と専攻だけでOK)
- 趣味・特技(エンジニアリングに関係ない場合)
- 家族構成
- 通勤時間
テクニック8: 最新の実績を先に書く
時系列で書く場合、最新の職歴を先に記載します(逆編年体形式)。採用担当者は、最新の経験を最も重視します。
時系列の例
■ 株式会社B(2020年〜現在)
■ 株式会社A(2017年〜2020年)
テクニック9: キーワードを意識する
求人票に書かれている技術やキーワードを、職務経歴書にも含めます。ATS(応募者追跡システム)で自動的にフィルタリングされることがあるため、キーワードマッチが重要です。
例: 求人票に「React」「AWS」「スクラム」と書かれていれば、職務経歴書にもこれらの言葉を含めます。
テクニック10: 第三者にレビューしてもらう
自分では完璧だと思っても、他人から見ると分かりにくいことがあります。転職エージェントや友人にレビューしてもらいましょう。
私も、転職エージェントに3回添削してもらい、その都度改善しました。
経験年数別の職務経歴書の書き方
経験年数によって、アピールすべきポイントが異なります。
未経験〜2年目
アピールすべきポイント
- 学習意欲と成長スピード
- ポートフォリオや個人開発
- 基礎的な技術スキル
職務経歴書のポイント
- 実務経験が少ない場合、個人開発やプログラミングスクールでの成果物を記載
- 「〇〇を学習中」「〇〇に興味があり、独学で学んでいる」など、学習意欲を示す
- チーム開発の経験があれば、必ず記載
私の友人は、未経験からの転職で、個人開発のWebアプリを詳しく記載し、書類通過しました。
3〜5年目
アピールすべきポイント
- 実務での具体的な実績
- 複数のプロジェクト経験
- 技術的な問題解決能力
職務経歴書のポイント
- 各プロジェクトで、どんな成果を出したかを数字で示す
- 使用技術を詳細に記載
- 「チームのリーダーを務めた」「新人の教育を担当した」など、役割の変化を示す
私が3年目で転職したときは、「決済機能を実装し、売上が月500万円増加」という実績を強調しました。
6年目以上
アピールすべきポイント
- マネジメント経験
- 技術的な意思決定の経験
- チームや組織への貢献
職務経歴書のポイント
- 「テックリードとして、5人のチームをリード」など、マネジメント経験を記載
- 「技術選定を担当し、〇〇を導入」など、意思決定の経験を記載
- 「社内勉強会を主催し、技術共有の文化を醸成」など、組織への貢献を記載
私が5年目で転職したときは、「サブリーダーとして、3人のメンバーをマネジメント」という経験を強調しました。
よくある失敗とその対策
職務経歴書でよくある失敗と、その対策を紹介します。
失敗1: 長すぎる(5ページ以上)
情報を詰め込みすぎて、5ページ以上になると、読まれません。
対策
- 2〜3ページに収める
- 古いプロジェクトは簡潔にまとめる
- 重要な情報に絞る
私も、最初は7ページの職務経歴書を作りましたが、エージェントから「長すぎる」と指摘され、3ページに削減しました。
失敗2: 抽象的な表現が多い
「様々な開発をしてきました」「チームワークを大切にしています」など、抽象的な表現では伝わりません。
対策
- 具体的な技術名、プロジェクト名を記載
- 数字で成果を示す
- 「〇〇を使って、〇〇を開発し、〇〇という成果が出ました」という形で書く
失敗3: 技術スタックが不明確
「色々な言語を使えます」では、何ができるか分かりません。
対策
- 使用した技術を、バージョンや経験年数とともに記載
- カテゴリ別(言語、フレームワーク、データベース、インフラ)に整理
失敗4: 成果が書かれていない
「〇〇を開発しました」だけでは、どんな価値を提供したか分かりません。
対策
- 各プロジェクトで、必ず成果を1〜3個記載
- 数字で示せない場合も、「ユーザーから好評」「チームの開発効率が向上」など、定性的な成果を記載
失敗5: 見にくいレイアウト
フォントが小さすぎる、余白がない、情報が散らばっているなど、見にくいレイアウトは読まれません。
対策
- フォントサイズは10.5〜11pt
- 適度な余白を取る
- 箇条書きを活用
- セクションごとに区切る
失敗6: 誤字脱字がある
誤字脱字は、注意力の欠如と見なされます。
対策
- 完成後、必ず見直す
- 第三者にレビューしてもらう
- 声に出して読んでみる
私も、一度「Ruby on Rai」と誤字があり、エージェントから指摘されました。
失敗7: PDFではなくWordで提出
WordやExcelで提出すると、レイアウトが崩れることがあります。
対策
- 必ずPDFで提出
- ファイル名は「職務経歴書_氏名.pdf」など、分かりやすくする
職務経歴書作成の手順
職務経歴書を作成する、具体的な手順を紹介します。
ステップ1: 情報を整理する(1〜2時間)
まず、これまでの経歴を整理します。
整理すべき情報
- 在籍した企業名、期間
- 担当したプロジェクト名、期間
- 使用した技術
- チーム構成、役割
- 実績・成果
メモ帳やスプレッドシートに、思いつく限り書き出しましょう。
ステップ2: テンプレートを用意する(10分)
GoogleドキュメントやWordで、テンプレートを作成します。
基本構成
- 職務要約
- スキルサマリー
- 職務経歴詳細
- 自己PR
- 今後のキャリアビジョン
ステップ3: 職務要約とスキルサマリーを書く(30分)
1ページ目の職務要約とスキルサマリーを書きます。これが最も重要な部分です。
ステップ4: 職務経歴詳細を書く(2〜3時間)
各プロジェクトの詳細を記載します。最新のプロジェクトから書き始めましょう。
ステップ5: 自己PRとキャリアビジョンを書く(30分)
あなたの強みと、今後の目標を記載します。
ステップ6: 見直しと調整(1時間)
全体を見直し、以下を確認します。
- 誤字脱字はないか
- 数字で成果を示しているか
- 技術スタックは詳細に書かれているか
- 見やすいレイアウトか
- 2〜3ページに収まっているか
ステップ7: 第三者にレビューしてもらう(1〜2日)
転職エージェントや友人にレビューしてもらい、フィードバックを反映します。
ステップ8: PDFでエクスポート(5分)
完成したら、PDFでエクスポートします。ファイル名は「職務経歴書_氏名.pdf」とします。
私は、この手順で職務経歴書を作成し、合計で8〜10時間かけました。時間はかかりますが、その分、書類通過率が大幅に上がりました。
職務経歴書作成のツール
職務経歴書を作成する際に、使えるツールを紹介します。
Googleドキュメント(おすすめ)
メリット
- 無料で使える
- 自動保存されるため、データが消える心配がない
- どこからでもアクセスできる
- PDFでエクスポートできる
- コメント機能でレビューを受けやすい
私は、Googleドキュメントで作成し、転職エージェントにコメント機能でフィードバックをもらいました。
Microsoft Word
メリット
- 多くの人が使い慣れている
- テンプレートが豊富
- PDFでエクスポートできる
デメリット
- 有料(Microsoft 365が必要)
- バージョン管理が難しい
Notion
メリット
- 情報を整理しやすい
- テンプレート機能が便利
- PDFでエクスポートできる
デメリット
- レイアウトの自由度がやや低い
職務経歴書作成サービス
転職サイトのツール dodaやリクナビNEXTには、職務経歴書作成ツールがあります。質問に答えるだけで、自動的に職務経歴書が作成されます。
メリット
- 簡単に作成できる
- テンプレートが用意されている
デメリット
- カスタマイズの自由度が低い
- 他の人と似たレイアウトになりがち
私は、最初はdodaのツールを使いましたが、最終的にはGoogleドキュメントで自分好みにカスタマイズしました。
職務経歴書の更新タイミング
職務経歴書は、一度作ったら終わりではありません。定期的に更新しましょう。
更新すべきタイミング
新しいプロジェクトが完了したとき プロジェクトが完了したら、すぐに職務経歴書に追記します。時間が経つと、詳細を忘れてしまいます。
新しいスキルを習得したとき 新しい言語やフレームワークを習得したら、スキルサマリーに追加します。
実績・成果が出たとき 「ユーザー数が〇〇人増加」「売上が〇〇円増加」など、定量的な成果が出たら、すぐに記録します。
半年に1回は見直す 転職活動をしていなくても、半年に1回は職務経歴書を見直し、最新の状態に更新しましょう。
私は、四半期ごとに職務経歴書を見直し、新しいプロジェクトや実績を追記していました。こうすることで、いざ転職活動を始めるときに、すぐに応募できます。
採用担当者の本音
私が採用担当者(エンジニア出身)に聞いた、職務経歴書の評価ポイントを紹介します。
採用担当者が高く評価するポイント
1. 具体的な成果が数字で示されている 「〇〇を開発しました」だけでなく、「〇〇を開発し、売上が〇〇円増加しました」と書かれていると、インパクトがあります。
2. 技術スタックが求人票と一致している 求人票に「React」と書かれていて、職務経歴書にも「React: 3年(実務)」と書かれていれば、即座にマッチすると判断できます。
3. 工夫や改善の視点がある ただ実装しただけでなく、「パフォーマンスを改善した」「ユーザー体験を向上させた」など、工夫や改善の視点があると、問題解決能力が高いと評価されます。
4. チーム開発の経験がある 一人で開発するのと、チームで開発するのでは、求められるスキルが異なります。チーム開発の経験があることは、大きなプラスです。
5. 学習意欲が感じられる 「個人開発でNext.jsを学習」「Qiitaに技術記事を投稿」など、業務外でも学習している姿勢があると、成長性が期待できます。
採用担当者が低く評価するポイント
1. 抽象的で具体性がない 「様々な開発をしてきました」「色々な技術を使えます」では、何ができるか分かりません。
2. 成果が書かれていない 「〇〇を開発しました」だけで終わっていると、どんな価値を提供したか分かりません。
3. 技術スタックが古い 「PHP 5.3」「jQuery」など、明らかに古い技術しか使っていないと、キャッチアップ能力に疑問を持たれます。
4. 誤字脱字が多い 注意力が低いと判断され、マイナス評価になります。
5. 長すぎて読みにくい 5ページ以上あると、読む気を失います。
採用担当者の本音を知ることで、何をアピールすべきかが明確になります。
よくある質問Q&A
職務経歴書に関する、よくある質問に答えます。
Q1: 職務経歴書は何ページが理想ですか?
2〜3ページが理想です。1ページだと情報が少なすぎ、4ページ以上だと長すぎます。
私の経験では、3ページが最も読みやすく、必要な情報を全て含められます。
Q2: 転職回数が多いのですが、全て書くべきですか?
基本的には全て書くべきです。ただし、短期間(3ヶ月未満)の在籍は、理由を説明できるようにしておきましょう。
私の友人は、3回の転職経験があり、全て記載しましたが、各社での実績をしっかり書くことで、書類通過しました。
Q3: ブランク期間がある場合、どう書けばいいですか?
正直に記載し、その期間に何をしていたかを説明します。
例:
- 「プログラミング学習に専念(〇〇ヶ月)」
- 「家族の介護のため休職(〇〇ヶ月)」
- 「個人開発でWebアプリを制作(〇〇ヶ月)」
ブランク期間があっても、その間に何をしていたかを説明できれば、マイナスになりません。
Q4: 個人開発やOSS活動も書くべきですか?
はい、必ず書くべきです。特に、未経験者や経験が浅い人は、個人開発が大きなアピールポイントになります。
私も、個人開発のWebアプリを詳しく記載し、面接で高く評価されました。
Q5: 職務経歴書と履歴書、どちらが重要ですか?
エンジニア転職では、職務経歴書の方が圧倒的に重要です。採用担当者は、職務経歴書を重視します。
Q6: 応募する企業ごとに、職務経歴書をカスタマイズすべきですか?
理想的にはカスタマイズすべきです。求人票の技術スタックに合わせて、該当する経験を強調します。
ただし、毎回大きく変えるのは手間がかかるため、ベースとなる職務経歴書を作成し、応募企業に応じて微調整する程度で良いでしょう。
私は、ベースの職務経歴書を作成し、応募企業に応じて「職務要約」と「自己PR」の一部を調整していました。
Q7: 年収は書くべきですか?
書く必要はありません。年収は、エージェント経由であればエージェントが伝えますし、直接応募の場合は面接で聞かれます。
まとめ:職務経歴書が転職成功の鍵
職務経歴書は、転職活動の第一関門です。どんなに技術力があっても、職務経歴書で伝えられなければ、面接にすら進めません。
職務経歴書作成の5つのポイント
1. 1ページ目で全てが分かるようにする 職務要約、スキルサマリー、主な実績を1ページ目に集約しましょう。
2. 成果を数字で示す 「〇〇を開発しました」だけでなく、「〇〇を開発し、売上が〇〇円増加しました」と具体的に書きましょう。
3. 技術スタックを詳細に記載する 使用した技術を、バージョンや経験年数とともに記載しましょう。
4. 見やすいレイアウトにする 箇条書きを活用し、適度な余白を取り、2〜3ページに収めましょう。
5. 第三者にレビューしてもらう 転職エージェントや友人にレビューしてもらい、フィードバックを反映しましょう。
通過率80%を達成するために
私が通過率80%を達成したのは、以下の取り組みのおかげです。
- 成果を必ず数字で示した
- 技術スタックを詳細に記載した
- 1ページ目に重要な情報を集約した
- 転職エージェントに3回添削してもらった
- 応募企業に応じて微調整した
職務経歴書の作成には、8〜10時間かかりました。しかし、その時間を投資したことで、書類通過率が30%から80%に上がり、結果的に効率的な転職活動ができました。
あなたも、この記事で紹介したテンプレートとテクニックを使って、通過率の高い職務経歴書を作成してください。
【付録】職務経歴書テンプレート(コピー&ペースト可)
以下のテンプレートをコピーして、あなたの情報を記入してください。
【職務経歴書】
氏名: 〇〇 〇〇
生年月日: 19XX年XX月XX日
連絡先: example@example.com
GitHub: https://github.com/xxxxx
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■ 職務要約
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Webアプリケーションエンジニアとして〇年間の実務経験があります。バックエンド開発を中心に、〇〇と〇〇を使用したフルスタック開発に従事。〇〇サイトや〇〇プロダクトの新機能開発、パフォーマンス改善、インフラ構築まで幅広く担当しました。チーム開発では〇〇を採用し、アジャイル開発の経験も豊富です。
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■ スキルサマリー
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【言語】
- 〇〇: 〇年(実務)
- 〇〇: 〇年(実務)
【フレームワーク】
- 〇〇: 〇年(実務)
- 〇〇: 〇年(実務)
【データベース】
- 〇〇: 〇年(実務)
【インフラ・その他】
- AWS(〇〇, 〇〇): 〇年(実務)
- Docker: 〇年(実務)
- 開発手法: スクラム、アジャイル開発
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■ 職務経歴
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◆ 株式会社〇〇(20XX年X月〜現在)
【事業内容】〇〇
【従業員数】〇名
【雇用形態】正社員
【在籍期間】〇年
▼ プロジェクト1: 〇〇(20XX年X月〜20XX年X月)
【プロジェクト概要】
〇〇
【担当業務】
- 〇〇
- 〇〇
- 〇〇
【使用技術】
〇〇、〇〇、〇〇
【チーム構成】
〇名(バックエンド〇名、フロントエンド〇名)
【実績・成果】
- 〇〇が〇〇%向上
- 〇〇が〇〇円増加
- 〇〇を〇〇に短縮
【工夫した点】
- 〇〇
- 〇〇
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■ 自己PR
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【強み1: 〇〇】
〇〇
【強み2: 〇〇】
〇〇
【強み3: 〇〇】
〇〇
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■ 今後のキャリアビジョン
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
今後は、〇〇として〇〇に関わりたいと考えています。〇〇に貢献しながら、〇〇を目指します。
このテンプレートを基に、あなたの職務経歴書を作成してください。通過率80%の職務経歴書で、理想の転職を実現しましょう!


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