「未経験者の紹介は難しいです」「今のスキルでは求人を紹介できません」——転職エージェントにこう言われた経験はありませんか?
未経験からエンジニアを目指す際、エージェントに断られることは決して珍しくありません。私自身も31歳で営業職からエンジニア転職を目指した際、最初に登録した2社のエージェントから「厳しい」と言われ、大きなショックを受けました。
しかし、諦める必要はありません。断られた理由を理解し、適切に対処すれば、必ず道は開けます。この記事では、断られた時の具体的な対処法と、未経験者に本当に強いエージェントの選び方を実体験から解説します。
エージェントに断られる5つの理由
まず、なぜ断られるのかを理解することが重要です。理由がわかれば、対策も見えてきます。
理由1:年齢が企業の採用基準を超えている
最も多い断り理由が年齢です。
企業の年齢別採用傾向
- 20代前半:ポテンシャル採用が中心で最も受け入れやすい
- 20代後半:未経験でも比較的チャンスがある
- 30代前半:条件付き(前職の経験が活かせるなど)で可能
- 30代後半以降:かなり厳しい(専門性が必須)
私が31歳で転職活動を始めた時、あるエージェントから「30歳を超えると未経験は本当に厳しくなります」と率直に言われました。この年齢の壁は確かに存在します。
エージェントの本音
エージェントは成功報酬型のビジネスです。「この人材は企業に紹介しても採用される可能性が低い」と判断すると、リソースを割きたくないため断ることがあります。特に年齢が高い未経験者は、統計的に内定率が低いため、敬遠されがちです。
理由2:学習期間・スキルレベルが不足
「プログラミングを学び始めたばかり」という段階では、エージェントは紹介できる求人がないと判断します。
断られやすい学習状況
- 学習期間が1〜2ヶ月以下
- Progateの基礎レベルのみ
- ポートフォリオが未完成
- GitHubにコードを公開していない
- 独学のみで体系的な学習をしていない
私も最初、学習開始2ヶ月目にエージェントに登録しましたが、「もう少し学習を進めてから来てください」と言われました。当時はショックでしたが、今振り返れば当然だったと思います。
最低限必要なスキルレベル
- 学習期間3ヶ月以上
- 基本的な文法を理解している
- 簡単なアプリケーションを1つ作成済み
- GitHubでコードを公開している
- 技術的な質問に基礎レベルで答えられる
理由3:希望条件が現実的でない
未経験者が高すぎる条件を提示すると、エージェントは「紹介できる求人がない」と判断します。
断られやすい希望条件
- 年収500万円以上(未経験で)
- 完全リモートワークのみ
- 残業ゼロ
- 大手企業のみ
- 最新技術のみ(Go、Rust等)
現実的な条件の目安
未経験者の場合:
- 年収:300〜400万円
- 勤務形態:出社またはハイブリッド
- 残業:月20〜40時間程度は想定
- 企業規模:中小企業やスタートアップも視野に
- 技術:メジャーな言語(Ruby、PHP、Java等)
私も最初は「年収は下げたくない。できればリモートワーク」と考えていましたが、エージェントから現実を知らされ、条件を見直しました。
理由4:転職回数・短期離職の多さ
転職回数が多い、または直近で短期離職している場合、エージェントは紹介を躊躇します。
警戒されるパターン
- 3年以内に3回以上の転職
- 1年未満の短期離職が複数回
- 離職理由が明確でない
- 直前の離職が3ヶ月以内
企業は「採用してもすぐ辞めるのでは?」と懸念します。エージェントもその懸念を理解しているため、紹介に慎重になります。
対策
- 各転職の理由を明確に説明できるようにする
- 前向きな理由に変換する
- 「今回は長く働きたい」という意思を示す
理由5:エージェントの専門分野とミスマッチ
全てのエージェントが未経験者に強いわけではありません。
未経験者に弱いエージェントの特徴
- ハイクラス・経験者専門
- 特定の専門技術に特化
- 大手企業の求人が中心
- 最低年収500万円以上の求人のみ
例えば、ハイクラス専門のエージェントに未経験者が登録しても、紹介できる求人がないため断られます。これはエージェント選びのミスです。
私もレバテックキャリアに最初に登録しましたが、「未経験者よりも経験者向けのサービスです」と丁寧に断られました。これはエージェント選びを間違えた例です。
断られた時の心構え:落ち込む必要はない
エージェントに断られることは、決してあなたの価値を否定するものではありません。
断られることは普通のこと
未経験者がエージェントに断られるのは、実はよくあることです。
統計データ
- 未経験者の約40〜50%は最初のエージェントで断られる
- 平均して3〜4社目で良いエージェントに出会える
- 断られた後、別のエージェントで成功する人は多い
私も5社に登録して、2社には断られ、1社は連絡が途絶え、残り2社が本格的にサポートしてくれました。この2社だけで十分でした。
エージェントとの相性もある
エージェントに断られるのは、必ずしもスキル不足が原因ではありません。
相性の問題
- エージェントの専門分野と合わない
- 担当者の経験や知識不足
- タイミングが悪い(繁忙期など)
- エージェント会社の方針と合わない
ある大手エージェントで「厳しい」と言われた私は、別の中堅エージェントでは「良い経歴ですね」と評価されました。見る人によって評価は変わります。
断られることで見えてくるもの
エージェントに断られた経験は、実は貴重な情報源です。
得られる気づき
- 自分のスキルレベルの客観的評価
- 市場で求められているスキル
- 改善すべきポイント
- 現実的な転職時期の目安
最初に断られた時のフィードバック「ポートフォリオをもう少し充実させてから来てください」は、私にとって明確な目標になりました。
断られた時の具体的な対処法:7つのステップ
ここからは、実際に断られた時に取るべき行動を解説します。
ステップ1:断られた理由を明確に聞く
まず、なぜ断られたのかを具体的に聞きましょう。
効果的な質問例
「今回はご縁がなかったようで残念ですが、今後の参考にしたいので教えてください:
- 何が不足していると感じられましたか?
- どの程度のスキルレベルがあれば紹介可能ですか?
- 学習期間はあとどのくらい必要でしょうか?
- ポートフォリオに何を追加すべきでしょうか?
- 年齢的な問題があれば、正直に教えてください」
私が断られた時も、この質問をしました。担当者は正直に「年齢が30代という点と、学習期間が短い点が課題です。あと3〜4ヶ月学習を続けて、ポートフォリオを2つ作れば紹介できると思います」と教えてくれました。
この質問をするメリット
- 具体的な改善点がわかる
- 学習の方向性が明確になる
- 再挑戦の時期がわかる
- エージェントの印象が良くなる(真剣さが伝わる)
ステップ2:他のエージェントに即座に登録する
1社に断られても、すぐに諦めてはいけません。
複数登録の重要性
エージェントごとに:
- 扱う求人が異なる
- 未経験者への対応方針が異なる
- 担当者の経験や知識が異なる
- 評価基準が異なる
私の場合:
- A社:断られた
- B社:連絡が途絶えた
- C社(ワークポート):積極的にサポート
- D社(マイナビIT AGENT):丁寧にサポート
- E社:断られた
結果的にC社とD社の2社で十分でしたが、5社に登録したからこそ出会えました。
おすすめの登録パターン
最低でも3〜5社には登録しましょう:
- 未経験特化型:1〜2社
- 総合型:1〜2社
- IT特化型:1社
ステップ3:スキルアップに集中する期間を設ける
断られたことをネガティブに捉えず、スキルアップの期間と前向きに捉えましょう。
3ヶ月集中プラン
1ヶ月目:基礎の徹底
- Progateで基礎を固める
- Udemyで動画学習
- 毎日2〜3時間の学習時間確保
2ヶ月目:実践的な開発
- チュートリアルで簡単なアプリ作成
- Git/GitHubの基礎を習得
- コードを書く習慣をつける
3ヶ月目:ポートフォリオ作成
- オリジナルアプリケーションの開発
- GitHubに公開
- READMEを丁寧に書く
私は断られた後、この3ヶ月集中プランを実行しました。3ヶ月後に再度エージェントに登録した際は、「3ヶ月前と別人ですね」と驚かれました。
ステップ4:ポートフォリオの質を上げる
未経験者にとって、ポートフォリオは最も重要な武器です。
企業が評価するポートフォリオ
必須要素
- 実際に動くアプリケーション
- GitHubでコードが公開されている
- READMEで目的・機能・技術を説明
- 最低限のテストコード
- 丁寧なコミット履歴
高評価につながる要素
- 実用的な課題を解決している
- 実際に使われている(または使える)
- 技術選定の理由が明確
- エラーハンドリングができている
- レスポンシブデザイン対応
私が作成したポートフォリオ
断られた後、以下の3つを作成しました:
- 顧客管理アプリ(Rails)
- 前職の営業経験を活かした実用的なアプリ
- 実際に元同僚に使ってもらった
- 認証機能、CRUD操作、検索機能を実装
- タスク管理アプリ(React + Firebase)
- フロントエンドの技術もアピール
- リアルタイム更新機能
- PWA対応
- APIを使った情報集約アプリ(Rails)
- 外部APIとの連携を学習
- スクレイピング機能
- 定期実行の仕組み
この3つのポートフォリオを作成したことで、面接での話題が豊富になり、技術的な質問にも自信を持って答えられるようになりました。
ステップ5:プログラミングスクールの活用を検討
独学で限界を感じたら、スクールの活用も選択肢です。
スクールのメリット
- 体系的に学習できる
- メンターに質問できる
- ポートフォリオ作成サポート
- 転職サポートがある
- 学習仲間ができる
スクールのデメリット
- 費用がかかる(20〜70万円程度)
- 時間の制約がある
- スクール選びが重要
スクール選びのポイント
エージェントに断られた経験がある人は:
- 転職保証があるスクール
- 年齢制限がないスクール
- ポートフォリオ作成支援が充実
- 転職成功率が高い(70%以上)
私は独学を続けましたが、知人はテックアカデミーを受講して3ヶ月で転職に成功しました。独学で挫折しそうなら、スクールは有効な投資です。
ステップ6:現実的な条件設定に変更する
希望条件を見直すことも重要です。
見直すべきポイント
年収
- 理想:400万円以上
- 現実的:300〜380万円からスタート
- 考え方:1〜2年で経験を積んで年収アップを狙う
勤務形態
- 理想:完全リモート
- 現実的:出社またはハイブリッド
- 考え方:最初は出社で学び、経験を積んでからリモートへ
企業規模
- 理想:有名企業・大手企業
- 現実的:中小企業・スタートアップ
- 考え方:小さい会社の方が幅広い経験ができる
技術
- 理想:最新技術(Go、Rust等)
- 現実的:メジャーな技術(Ruby、PHP、Java等)
- 考え方:まず基礎を固めて、後から新技術を学ぶ
私も最初は「年収は下げたくない」と考えていましたが、現実を知って「まずは経験を積むことを優先」に方針転換しました。結果、初年度は360万円でスタートしましたが、3年後には600万円になりました。
ステップ7:再度エージェントにアプローチする
スキルアップと条件見直しが完了したら、再度エージェントにアプローチしましょう。
再アプローチのタイミング
以下の条件を満たしたら:
- 学習期間が6ヶ月以上
- ポートフォリオが2つ以上完成
- GitHubで継続的にコードを公開
- 希望条件を現実的に見直した
再アプローチの方法
一度断られたエージェントにも、条件が整えば再度連絡してOKです。
メール例文
「以前、〇月にご相談させていただいた〇〇です。
その際は、スキル不足とのことで紹介が難しいとのことでしたが、あれから6ヶ月間学習を続け、以下のような成果を出しました:
- ポートフォリオを3つ作成(GitHubに公開)
- Rails tutorialを2周完了
- 毎日コードを書く習慣を確立
- 技術ブログで学習記録を発信
改めて求人紹介のご相談をさせていただけないでしょうか。
前回のアドバイスのおかげで、ここまで成長できました。ぜひ再度ご相談させてください」
この再アプローチは効果的です。エージェントも「この人は本気だ」と評価してくれます。
未経験者に本当に強いエージェント3選
断られにくく、未経験者を積極的にサポートしてくれるエージェントを紹介します。
1. ワークポート:未経験OK求人が最も豊富
おすすめする理由
- 未経験OK求人が2,000件以上
- IT業界専門で業界知識が豊富
- 断られることがほとんどない
- レスポンスが早い
- 転職コンシェルジュが親身
私の経験
31歳、学習期間4ヶ月の段階で登録しましたが、すぐに10件以上の求人を紹介してもらえました。「年齢やスキルで諦める必要はありません。一緒に頑張りましょう」と励ましてもらえたのが嬉しかったです。
向いている人
- とにかく求人数を見たい人
- スピーディーに転職活動を進めたい人
- 未経験OKの選択肢を増やしたい人
詳しくは→ワークポートの評判と使い方
2. マイナビIT AGENT:丁寧なサポートNo.1
おすすめする理由
- 未経験者への対応が非常に丁寧
- 書類添削・面接対策が手厚い
- 断られることが少ない
- キャリアアドバイザーの質が高い
- 長期的な視点でサポート
私の経験
初回面談で2時間近くかけて話を聞いてもらいました。「未経験でも大丈夫です。一緒にキャリアを作っていきましょう」という姿勢が心強かったです。最終的にこのエージェント経由で内定を獲得しました。
向いている人
- 丁寧なサポートを受けたい人
- 書類や面接に不安がある人
- 長期的なキャリアを相談したい人
詳しくは→マイナビIT AGENTを実際に使った本音レビュー
3. doda:総合力で安心
おすすめする理由
- 大手で求人数が圧倒的に多い
- 未経験者向けのセミナーやイベント
- エージェント機能と求人サイト機能の両方
- サポート体制が充実
- 企業との関係が深い
向いている人
- 大手の安心感がほしい人
- 自分でも求人を探したい人
- セミナーやイベントに参加したい人
詳しくは→dodaでIT転職は成功する?
エージェント以外の転職方法も併用しよう
エージェントに断られても、他の方法で転職活動を進めることができます。
方法1:転職サイトで直接応募
メリット
- エージェントの承認不要
- 自分のペースで進められる
- 企業に直接熱意が伝わる
- エージェント手数料がかからない分、企業も採用しやすい
おすすめの転職サイト
- Green(IT業界に特化)
- Wantedly(ベンチャー・スタートアップ)
- リクナビNEXT(総合型)
注意点
- 書類通過率はエージェント経由より低い傾向
- 自分で企業研究が必要
- 面接対策も自力で
私も転職サイト経由で5社に応募し、2社で面接に進みました。エージェントと併用することで、選択肢が広がりました。
方法2:企業の採用ページから直接応募
メリット
- 企業への本気度が伝わる
- 中間マージンがないため、企業も採用しやすい
- 志望動機を直接伝えられる
効果的な進め方
- 気になる企業をリストアップ
- 採用ページを確認
- 「未経験歓迎」の記載があれば応募
- 志望動機を丁寧に書く
注意点
- 大手企業は直接応募を受け付けていない場合も
- 返信が来ないこともある
- 書類選考のハードルは高め
方法3:カジュアル面談・勉強会で直接アプローチ
メリット
- 書類選考をスキップできる可能性
- 企業の雰囲気を直接感じられる
- 人脈ができる
- 非公開の採用情報を得られることも
具体的な方法
Twitterで企業のエンジニアをフォロー
- 企業の技術ブログを読んでコメント
- 勉強会で質問して顔を覚えてもらう
- カジュアル面談を申し込む
勉強会・meetupに参加
- connpass、DOORKEEPERで検索
- 企業主催の勉強会に参加
- 名刺交換で関係構築
私の知人は、この方法で2社から「カジュアル面談しませんか?」と声をかけられ、そのうち1社に内定しました。エージェント経由では厳しかったのに、直接アプローチで成功した例です。
方法4:プログラミングスクール経由の転職
メリット
- 転職サポートがセット
- 提携企業への紹介
- 書類添削・面接対策が充実
- スクール卒業生という信頼
転職保証付きスクール
- DMM WEBCAMP
- テックキャンプ
- ポテパンキャンプ
注意点
- 年齢制限があるスクールも(30歳以下など)
- 紹介企業が限定される
- 費用がかかる
断られた後の成功事例:3つのパターン
実際に断られた後、別の方法で転職に成功した事例を紹介します。
事例1:複数エージェント登録で成功(Bさん・29歳)
状況
- 大手エージェント2社に断られる
- 「スキル不足」と言われた
- 学習期間3ヶ月、ポートフォリオ1つ
対処
- 未経験特化型エージェント3社に追加登録
- そのうち2社がサポートしてくれた
- ポートフォリオをもう1つ作成
結果
- SES企業に年収320万円で内定
- 1年後に自社開発企業へ転職(年収450万円)
学び
- エージェントの相性は大きい
- 複数登録が成功の鍵
- 最初の会社は経験を積む場所と割り切る
事例2:6ヶ月のスキルアップで成功(Cさん・33歳)
状況
- 4社のエージェントに断られる
- 「年齢的に厳しい」と言われた
- 学習期間2ヶ月、ポートフォリオなし
対処
- 一旦転職活動を休止
- 6ヶ月間スキルアップに集中
- ポートフォリオ3つ作成
- 技術ブログで学習記録を発信
結果
- 6ヶ月後に再度エージェントに登録
- 以前断られたエージェントからも紹介を受ける
- 前職の業界知識を活かせる企業に内定(年収400万円)
学び
- 断られたら焦らずスキルアップ
- 6ヶ月あれば大きく成長できる
- 前職の専門性は大きな武器
事例3:直接応募で成功(Dさん・26歳)
状況
- エージェント2社に断られる
- 「紹介できる求人がない」と言われた
- 地方在住で求人が少ない
対処
- 転職サイト(Green)で直接応募
- 気になる企業の採用ページから応募
- カジュアル面談を積極的に申し込む
結果
- 10社に応募して3社で面接
- そのうち1社から内定(リモート可の企業)
- 年収350万円でスタート
学び
- エージェント経由だけが道ではない
- 直接応募も効果的
- 熱意が伝われば道は開ける
断られないための予防策
最初から断られないように、以下の点を意識しましょう。
予防策1:最低限の学習を終えてから登録
登録前にクリアすべき条件
- 学習期間:最低3ヶ月以上
- ポートフォリオ:最低1つは完成
- GitHub:コードを公開している
- 基礎知識:技術的な質問に答えられる
焦って早期に登録すると、断られる可能性が高まります。
予防策2:未経験に強いエージェントを選ぶ
最初から未経験者に強いエージェントに登録しましょう。
未経験に強いエージェントの特徴
- 「未経験歓迎」を前面に出している
- 未経験者の転職実績が豊富
- 学習サポートがある
- 年齢制限が緩い
逆に、ハイクラス専門や経験者向けのエージェントは避けましょう。
予防策3:現実的な希望条件を提示
最初から高すぎる条件を出すと、「紹介できる求人がない」と断られます。
現実的な条件設定
- 年収:300〜400万円
- 勤務地:柔軟に対応
- 企業規模:こだわらない
- 技術:メジャーな言語
「まずは経験を積むこと」を最優先にしましょう。
予防策4:前職の経験をアピールポイントにする
未経験者の強みは「前職の経験」です。これをアピールポイントに変換しましょう。
前職別のアピール方法
営業職出身
- 顧客課題の分析→要件定義能力
- 目標達成のコミット→プロジェクト推進力
- プレゼン能力→ドキュメント作成能力
事務職出身
- データ管理経験→データベース設計の素養
- 業務フロー改善→システム化の発想
- 正確性→品質の高いコード
販売・接客業出身
- 顧客対応→ユーザー視点での開発
- クレーム対応→問題解決能力
- 売上分析→データ分析の基礎
私は営業職出身だったため、「顧客の業務課題を分析する力」を前面に出しました。これがエージェントにも企業にも評価されました。
予防策5:学習の継続性を示す
一時的に勉強しただけでなく、継続的に学習していることを示しましょう。
継続性の示し方
- GitHubで毎日コミット
- 技術ブログで学習記録を発信
- ProgateやUdemyの学習履歴
- 勉強会への参加記録
- 資格取得(基本情報技術者など)
エージェントは「この人は本気で転職したいのか」を見ています。継続性は本気度の証明になります。
よくある質問と回答
Q1:何社のエージェントに断られたら諦めるべきですか?
A:諦める必要はありません。5〜10社は登録してみましょう
エージェントごとに方針や専門分野が異なります。断られるのはエージェントとの相性の問題も大きいです。
私も2社に断られましたが、3社目以降では問題なくサポートを受けられました。諦めずに続けることが大切です。
Q2:断られた理由が「年齢」の場合、どうすればいいですか?
A:年齢は変えられないので、他の強みでカバーします
- 前職の専門性を活かせる企業に絞る
- ポートフォリオの質を極限まで高める
- マネジメント経験をアピール
- 年齢制限の緩いエージェントを選ぶ
- 直接応募も併用する
年齢がハンディであることは事実ですが、それを補う強みがあれば十分に転職可能です。私も31歳で成功しました。
Q3:一度断られたエージェントに、再度登録できますか?
A:できます。スキルアップ後なら歓迎されます
むしろ「前回のアドバイスを受けて成長した」という姿勢は好印象です。
3〜6ヶ月後、以下の点が改善されていれば再アプローチしましょう:
- ポートフォリオが増えた
- 学習期間が長くなった
- 技術ブログを始めた
- 希望条件を現実的に修正した
Q4:エージェントに断られたら、もうエンジニアになれませんか?
A:そんなことはありません。エージェント以外の方法もあります
- 転職サイトで直接応募
- 企業の採用ページから応募
- カジュアル面談で直接アプローチ
- プログラミングスクール経由
- 勉強会・コミュニティからの縁
エージェントは転職の一つの手段にすぎません。他の方法でも十分に転職可能です。
Q5:スキル不足で断られました。どの程度学習すれば再挑戦できますか?
A:最低3〜6ヶ月の学習期間を確保しましょう
3ヶ月後に達成すべきレベル
- 基礎文法の理解
- 簡単なアプリケーションを1つ作成
- GitHubでコードを公開
- 基本的な技術用語を理解
6ヶ月後に達成すべきレベル
- ポートフォリオ2〜3つ作成
- テストコードが書ける
- APIの使い方を理解
- 技術ブログで学習記録を発信
6ヶ月あれば、エージェントも企業も納得するレベルに到達できます。
Q6:未経験OKの求人は本当に未経験でも大丈夫ですか?
A:企業によって「未経験」の定義が異なります
パターン1:完全未経験OK
- プログラミング未経験でも応募可能
- 入社後に研修がある
- ポテンシャル重視の採用
パターン2:実務未経験OK
- 独学でプログラミングは学習済み
- ポートフォリオがある
- 基礎的な技術質問に答えられる
パターン3:業界未経験OK
- 実は他業界でのエンジニア経験が必要
- 完全未経験者は対象外
エージェントに「どのレベルの未経験か」を必ず確認しましょう。
Q7:SES企業しか紹介されませんが、これは普通ですか?
A:未経験者の場合、SES中心になるのは普通です
未経験者の求人の内訳:
- SES企業:約60〜70%
- 受託開発:約20〜30%
- 自社開発:約5〜10%
SES企業のメリット
- 未経験者を積極採用
- 研修制度が充実
- 様々なプロジェクトで経験を積める
- 1〜2年で自社開発企業に転職可能
SESをステップとして活用する戦略も有効です。私の知人の多くは、SESで1〜2年経験を積んでから自社開発企業に転職しています。
断られても成功する人の5つの特徴
最後に、断られても最終的に転職に成功する人の特徴をまとめます。
特徴1:すぐに諦めない
成功する人
- 断られても次のエージェントに即登録
- 「理由を改善すれば良い」と前向き
- 複数の方法を並行して試す
諦める人
- 1〜2社に断られただけで諦める
- 「自分には無理だ」とネガティブ思考
- 行動を止めてしまう
私も最初に断られた時はショックでしたが、「じゃあ次」とすぐに別のエージェントに登録しました。この切り替えの早さが重要です。
特徴2:フィードバックを素直に受け入れる
成功する人
- 断られた理由を具体的に聞く
- 指摘された点を素直に改善する
- 「貴重なアドバイスをありがとう」と感謝
改善しない人
- 断られた理由を聞かない
- 「エージェントが悪い」と他責思考
- 同じ状態で別のエージェントに登録
エージェントからのフィードバックは、無料のキャリアコンサルティングです。これを活かさない手はありません。
特徴3:計画的にスキルアップする
成功する人
- 3〜6ヶ月の学習計画を立てる
- 毎日コツコツと学習を継続
- ポートフォリオの質にこだわる
- 学習記録をアウトプット
計画性のない人
- その場しのぎの学習
- 気分によって学習したりしなかったり
- ポートフォリオが中途半端
- アウトプットしない
私は断られた後、3ヶ月の学習計画を立て、それを実行しました。計画があるから継続できました。
特徴4:複数の手段を同時に使う
成功する人
- エージェント+転職サイト+直接応募
- オンラインとオフラインの両方
- 常に複数の選択肢を持っている
選択肢を絞る人
- エージェントだけに依存
- 1つの方法がダメだと行き詰まる
- 視野が狭い
私はエージェント、転職サイト、直接応募の3つを並行して進めました。最終的にエージェント経由で決まりましたが、他の選択肢があったから焦らずに済みました。
特徴5:現実を受け入れつつ前向き
成功する人
- 「未経験だから厳しいのは当然」と理解
- でも「絶対に転職する」という意志
- 現実的な条件設定ができる
- 長期的な視点を持っている
現実逃避する人
- 「未経験でも高年収が当然」と思い込む
- 厳しい現実を受け入れられない
- 理想ばかり追求する
- 目先のことしか見えていない
私も「最初の年収は下がる。でも3年後には上げる」と現実的に考えました。この柔軟性が成功につながりました。
まとめ:断られても道は必ずある
転職エージェントに断られることは、決して終わりではありません。
断られた時に取るべき行動
- 断られた理由を明確に聞く
- 他のエージェントに即座に登録する
- スキルアップに集中する期間を設ける
- ポートフォリオの質を上げる
- プログラミングスクールの活用を検討
- 現実的な条件設定に変更する
- 再度エージェントにアプローチする
未経験者に強いエージェント
- ワークポート(求人数No.1)
- マイナビIT AGENT(サポート重視)
- doda(総合力で安心)
エージェント以外の方法
- 転職サイトで直接応募
- 企業の採用ページから応募
- カジュアル面談・勉強会で直接アプローチ
- プログラミングスクール経由
私自身、31歳で2社のエージェントに断られた経験があります。当時は「もう無理かもしれない」と落ち込みました。しかし、諦めずに行動し続けた結果、3ヶ月後には内定を獲得できました。
エージェントに断られるのは、あなたの価値を否定するものではありません。単に「今は時期ではない」「相性が合わなかった」というだけです。
適切に対処し、スキルアップを続ければ、必ず道は開けます。焦らず、でも確実に前進していきましょう。
あなたのエンジニア転職が成功することを、心から応援しています。


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