「転職エージェント経由と直接応募、どちらが内定率が高いの?」「企業は直接応募の方を好むって本当?」
転職活動を始めると、この疑問に必ずぶつかります。私も31歳で営業職からエンジニア転職を目指した際、同じ企業にエージェント経由と直接応募のどちらで応募すべきか、何度も悩みました。
実際に両方の方法で転職活動を行った結果、それぞれに明確なメリット・デメリットがあることがわかりました。この記事では、両者の違いを徹底比較し、状況別の最適な選択方法を実体験から解説します。
結論:状況によって使い分けるのが正解
先に結論を言うと、「どちらか一方が常に有利」ということはありません。
あなたの状況に応じて最適な方法は変わります:
エージェント経由が有利なケース
- 未経験からの転職
- 書類作成・面接に不安がある
- 年収交渉をしたい
- 効率的に多くの企業を受けたい
- 非公開求人にアクセスしたい
ダイレクト応募が有利なケース
- 志望企業が明確に決まっている
- 企業との直接的な関係を築きたい
- 熱意を直接伝えたい
- エージェント経由では扱っていない企業
- 採用コストを抑えたい企業を狙う
私の場合、最終的にエージェント経由で内定を獲得しましたが、ダイレクト応募でも2社で最終面接まで進みました。両方を併用することで、選択肢が大きく広がりました。
エージェント経由のメリット・デメリット
メリット1:書類通過率が圧倒的に高い
私の実体験データ
- エージェント経由:応募35社中11社通過(約31%)
- ダイレクト応募:応募18社中3社通過(約17%)
約2倍の差がありました。エージェントが企業に推薦文を送り、応募者の強みを補足説明してくれるためです。
メリット2:非公開求人にアクセスできる
転職市場の約60〜70%は非公開求人です。私が内定を獲得した企業も、エージェント経由の非公開求人でした。
メリット3:書類添削・面接対策のサポート
マイナビIT AGENTでは、面接前に必ず30分程度の模擬面接を実施してくれました。職務経歴書も5回以上添削してもらい、書類通過率が大幅に向上しました。
メリット4:企業の内部情報を教えてもらえる
- 実際の残業時間
- チームの年齢構成
- 未経験者の受け入れ実績
- 離職率・定着率
こうした情報を事前に知れることは大きなメリットです。
メリット5:日程調整や条件交渉を代行
在職中の転職活動では、これが非常に助かります。年収交渉では、当初提示380万円→交渉後420万円に引き上げてもらえました。
メリット6:面接後のフィードバック
不合格の場合も理由を教えてもらえるため、次の面接に活かせます。
メリット7:複数選考を効率的に進められる
エージェントが進捗管理をしてくれるため、最大7社の選考を同時並行で進められました。
デメリット1:企業側に採用コストがかかる
年収の30〜35%がエージェントへの手数料。年収400万円なら約120〜140万円です。
デメリット2:熱意が伝わりにくい場合がある
「多くの企業の中の1社」という印象を与えることがあります。
デメリット3:エージェントの質に左右される
質の低いエージェントに当たると、サポートが不十分になります。
デメリット4:応募できる企業が限定される
エージェントが取引していない企業には応募できません。
デメリット5:エージェントのペースに巻き込まれる
「早く決めないと」と急かされることがあります。
ダイレクト応募のメリット・デメリット
メリット1:熱意が直接伝わる
「わざわざ応募してくれた」という印象を与えられます。ある企業の面接で「直接応募してくれたのが嬉しかった」と言われました。
メリット2:企業の採用コストが低い
- エージェント経由:100〜150万円
- ダイレクト応募:数万円程度
特にスタートアップでは、この差が採用判断に影響することがあります。
メリット3:応募から面接までのスピードが早い
エージェントを通さない分、約1週間早く選考が進みました。
メリット4:カジュアル面談から始められる
Wantedly経由でカジュアル面談を2社経験。非常に有意義でした。
メリット5:企業との直接的な関係を築ける
採用担当者と直接コミュニケーションが取れます。
メリット6:全ての企業に応募できる
エージェントの取引有無に関係なく、気になる企業全てに応募可能です。
メリット7:自分のペースで進められる
エージェントに急かされることなく、じっくり検討できます。
デメリット1:書類通過率が低い
私の場合、エージェント経由の約半分(17%)でした。
デメリット2:企業情報が限られる
求人票以外の情報は自分で調べるしかありません。
デメリット3:書類作成・面接対策が自力
全て自分で準備する必要があります。
デメリット4:年収交渉が難しい
自分で年収交渉をするのは心理的ハードルが高いです。
デメリット5:日程調整などの手間がかかる
在職中は、この手間が意外と負担になります。
書類通過率・内定率の実データ比較
私の転職活動の全データ
エージェント経由(3社併用)
- 応募社数:35社
- 書類通過:11社(31.4%)
- 1次面接通過:6社(54.5%)
- 最終面接進出:3社(50.0%)
- 内定:2社(66.7%)
ダイレクト応募
- 応募社数:18社
- 書類通過:3社(16.7%)
- 1次面接通過:2社(66.7%)
- 最終面接進出:2社(100%)
- 内定:0社(0%)
エージェント経由の方が書類通過率が約2倍高く、最終的な内定数も多い結果でした。
未経験者の一般的な成功率
エージェント経由(未経験者)
- 書類通過率:20〜30%
- 内定獲得率:応募社数の5〜8%
ダイレクト応募(未経験者)
- 書類通過率:10〜20%
- 内定獲得率:応募社数の3〜5%
状況別:どちらを選ぶべきか
パターン1:未経験からの転職
おすすめ:エージェント経由メイン
書類通過率が圧倒的に高く、面接対策のサポートが重要です。私もエージェント経由で内定を獲得しました。
パターン2:経験者(3年以上)の転職
おすすめ:両方を並行利用
スキルがあれば書類は通りやすいため、選択肢を増やすために両方活用しましょう。
パターン3:志望企業が明確に決まっている
おすすめ:ダイレクト応募優先
熱意が直接伝わり、企業との関係を直接築けます。ただし重複応募は絶対NGです。
パターン4:在職中で時間がない
おすすめ:エージェント経由メイン
日程調整を代行してくれるため、仕事との両立がしやすくなります。
パターン5:年収アップを狙っている
おすすめ:エージェント経由
私の場合、交渉で40万円アップしました。自分では絶対に交渉できませんでした。
パターン6:地方からの転職・UIターン
おすすめ:エージェント経由メイン
遠方からの日程調整が大変なため、エージェントのサポートが有効です。
パターン7:スタートアップ志望
おすすめ:ダイレクト応募メイン
エージェントと取引がない場合が多く、Wantedlyなどで直接コンタクトが効果的です。
両方を併用する場合の注意点
注意点1:同じ企業への重複応募は絶対NG
企業からの印象が最悪になり、即不採用になります。応募リストを必ず管理しましょう。
注意点2:エージェントには併用を正直に伝える
「現在、ダイレクト応募も並行しています」と伝えましょう。むしろ真剣にサポートしてくれます。
注意点3:情報管理を徹底する
Excelなどで、応募企業・応募ルート・選考ステータスを管理しましょう。
注意点4:連絡頻度のバランス
エージェントとダイレクト応募先、両方の連絡に対応する時間が必要です。
企業側の本音:どちらが好まれる?
大手企業の本音
エージェント経由を好む理由
- 採用業務を効率化できる
- 質の高い候補者をスクリーニング済み
- 採用コストは予算内
中小企業・スタートアップの本音
ダイレクト応募を好む理由
- 採用コストを抑えられる
- 志望度の高さを感じられる
- 直接対話できる
企業規模別の傾向
大手企業(従業員1000名以上) → エージェント経由:◎
中堅企業(従業員100〜1000名) → 両方:○
スタートアップ(従業員100名未満) → ダイレクト応募:◎
実際の成功事例:4パターン
事例1:エージェント経由で成功(私・31歳)
- 未経験、学習期間7ヶ月
- エージェント経由35社応募→2社内定
- 年収420万円で内定(交渉で40万円アップ)
- 現在は年収600万円に成長
事例2:ダイレクト応募で成功(Aさん・28歳)
- デザイナーからフロントエンドへ
- Wantedlyでカジュアル面談→正式選考
- スタートアップに年収380万円で内定
事例3:両方を併用して成功(Bさん・26歳)
- エージェント経由20社+ダイレクト10社
- 計3社から内定
- 第一志望のダイレクト応募先を選択
事例4:経験者がダイレクトで成功(Cさん・34歳)
- GitHub・Twitterで技術発信
- 勉強会で企業の人と直接交流
- 年収550万円で内定
よくある疑問Q&A
Q1:同じ企業に両方で応募できますか?
A:絶対にNGです
重複応募は即不採用になります。
Q2:エージェント経由の方が書類通過率が高いのはなぜ?
A:推薦文と企業との関係性が理由です
推薦文で応募者の強みを補足説明してくれます。
Q3:ダイレクト応募は不利になりませんか?
A:企業や状況によります
スタートアップでは有利、大手企業ではエージェント経由が有利な傾向です。
Q4:エージェントを使うと「エージェント頼み」と思われませんか?
A:そんなことはありません
一般的な応募方法として認識されています。
Q5:ダイレクト応募で書類が通らない場合は?
A:エージェントに書類添削を依頼しましょう
添削だけ受けて、他の企業に活用できます。
Q6:内定後の年収交渉は、どちらが有利?
A:圧倒的にエージェント経由が有利です
交渉のプロが代行してくれます。
Q7:カジュアル面談と通常の面接、どう違う?
A:選考の有無が大きな違いです
カジュアル面談は選考ではなく「お話」の場です。
エージェントとダイレクト応募の併用戦略
基本戦略:7:3の法則
おすすめの配分
- エージェント経由:70%
- ダイレクト応募:30%
エージェント経由(週に3〜5社応募)
- 効率的に多くの企業にアクセス
- 書類通過率を確保
- 面接対策のサポートを受ける
ダイレクト応募(週に1〜2社応募)
- 本当に行きたい企業に絞る
- カジュアル面談から始める
- 熱意を直接伝える
企業別の使い分けルール
- 大手企業 → エージェント経由
- 中堅企業 → 両方可
- スタートアップ → ダイレクト応募
- 第一志望 → ダイレクト応募
- その他 → エージェント経由
時期別の使い分け
転職活動初期(1〜2ヶ月目)
- エージェント:80% / ダイレクト:20%
転職活動中期(3〜4ヶ月目)
- エージェント:60% / ダイレクト:40%
転職活動後期(5ヶ月目以降)
- エージェント:50% / ダイレクト:50%
重複応募を防ぐ管理方法
Excelで以下を管理:
- 企業名
- 応募ルート(エージェント名/直接)
- 応募日
- ステータス
- 担当者名
- 次のアクション
まとめ:あなたに最適な方法を選ぼう
エージェント経由が向いている人
- 未経験からの転職
- 効率的に多くの企業を受けたい
- 書類作成・面接に不安がある
- 年収交渉をしたい
- 在職中で時間がない
ダイレクト応募が向いている人
- 志望企業が明確に決まっている
- 熱意を直接伝えたい
- スタートアップ志望
- 経験者で技術発信している
- カジュアル面談から始めたい
最もおすすめ:両方を併用
- エージェント経由:70%
- ダイレクト応募:30%
- 企業規模や志望度で使い分け
- 選択肢を最大化
私の成功パターン
- エージェント経由:35社応募→2社内定
- ダイレクト応募:18社応募→最終面接2社
- 両方を併用したことで選択肢が広がった
重要なポイント
- 重複応募は絶対に避ける
- 両方の良いところを活用する
- 状況に応じて使い分ける
- 情報管理を徹底する
- エージェントには併用を正直に伝える
転職活動に「絶対の正解」はありません。大切なのは、あなたの状況に合った方法を選び、必要に応じて両方を活用することです。
私は両方を試したことで、それぞれの良さを実感しました。そして最終的には、自分に最も合った方法で内定を獲得できました。
あなたも、この記事を参考に、最適な転職方法を見つけてください。応援しています!


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