「未経験からエンジニアに転職できた!でも、最初の1年をどう過ごせばいいんだろう…」
内定をもらって喜んだのも束の間、入社後の不安が頭をよぎる。そんな経験、ありませんか?私も31歳で営業職からエンジニアに転職した時、同じ不安を抱えていました。
この記事では、未経験エンジニアの最初の1年間をどう過ごすべきか、研修・OJT・独学のバランスや具体的な行動指針を、私自身の経験と50名以上の未経験転職者へのインタビューをもとに詳しく解説します。
この記事で分かること
- 入社後最初の1ヶ月・3ヶ月・半年・1年の具体的な過ごし方
- 研修・OJT・独学の最適なバランスと時間配分
- 最初の1年で身につけるべき技術スキルとビジネススキル
- つまずきやすいポイントと乗り越え方
- 先輩エンジニアとの関係構築方法
- 独学の効率的な進め方と時間の作り方
執筆者プロフィール 31歳で営業職からエンジニアに転職。最初の1年間は毎日2時間の自己学習を継続し、入社6ヶ月で小規模機能の実装を任されるように。現在はWeb系企業でフルスタックエンジニアとして勤務しながら、未経験エンジニアのメンター経験50名以上。
未経験エンジニアの最初の1年間が重要な理由
エンジニアとしてのキャリアは、最初の1年間の過ごし方で大きく変わります。なぜなら、この期間に身につけた基礎スキルと学習習慣が、その後のキャリア全体の土台になるからです。
最初の1年間で決まること
1. 技術の基礎体力 プログラミングの基本的な考え方、コードの書き方、デバッグ手法など、エンジニアとして最も重要な基礎が身につく時期です。この時期に正しい方法を学べないと、後から修正するのに何倍もの時間がかかります。
2. 学習習慣 技術は日々進化します。最初の1年で「継続的に学ぶ習慣」を身につけられるかどうかが、5年後、10年後のエンジニアとしての市場価値を左右します。
3. 社内での評価 最初の1年間の頑張りは、上司や先輩エンジニアの記憶に強く残ります。「この人は成長が早い」という印象を与えられれば、その後のキャリアで良い影響が続きます。
現実的な成長曲線
未経験エンジニアの成長は、直線的ではありません。以下のような波があるのが普通です。
入社〜1ヶ月目:混乱期
- 分からないことだらけで圧倒される
- 研修内容についていくのに必死
- 「自分には向いていないのでは」と不安になる
2〜3ヶ月目:停滞期
- 基礎は理解したが実務で活かせない
- 簡単なタスクでも時間がかかりすぎる
- 成長を実感できず焦りを感じる
4〜6ヶ月目:転換期
- 突然「分かる」瞬間が増える
- 簡単なタスクを一人でこなせるようになる
- エンジニアとしての自信が芽生える
7〜12ヶ月目:成長期
- 小〜中規模の機能実装を担当できる
- コードレビューで指摘されることが減る
- 後輩に教えられるようになる
私も最初の3ヶ月は本当に辛く、「このままでいいのか」と毎日不安でした。でも4ヶ月目くらいから急に理解が進み、半年後には「エンジニアとして働ける」という実感が持てました。
【時期別】最初の1年間の具体的な過ごし方
入社後1ヶ月目:環境に慣れる・基礎を固める
この時期の最重要ミッション
- 会社・チームの文化に馴染む
- 開発環境のセットアップ
- プログラミングの基礎固め
- 質問する習慣を身につける
研修での学び方(目安:1日6〜7時間)
多くの企業では、入社後1〜3ヶ月の研修期間があります。この研修を最大限活かすコツを紹介します。
研修で意識すべきポイント
- 分からないことは必ずその場で質問する 後回しにすると、分からないことが雪だるま式に増えます。私は「5分考えて分からなければ質問」というルールを作っていました。
- 手を動かして実際にコードを書く 講義を聞いているだけでは身につきません。必ず自分でコードを書いて動かしてみましょう。
- メモは後で見返せる形で取る 私はNotionで研修ノートを作り、コードサンプルや理解したことをまとめていました。後から何度も見返して復習に使えます。
実例:私の最初の1ヶ月
- 午前:Java基礎研修(変数、制御構文、オブジェクト指向)
- 午後:演習問題を解く
- 夜:自宅で2時間復習+Progateで補足学習
1ヶ月目は分からないことだらけで、毎日が試験前日のような緊張感でした。でも、分からないことを放置せず、必ず理解してから次に進むよう心がけました。
OJT(実務訓練)の受け方
研修が終わると、先輩エンジニアについてOJTが始まります。
OJT初期で心がけるべきこと
- メモを徹底的に取る 先輩の説明は一度しか聞けないことが多いです。重要なポイントは必ずメモを取り、後で整理しましょう。
- 同じ質問を繰り返さない 一度聞いたことは必ずメモし、次回から自分で解決できるようにします。ただし、理解が浅い場合は「前回教えていただいた〇〇について、もう一度確認させてください」と正直に伝えましょう。
- 報告・連絡・相談を徹底する エンジニアの世界でも「ホウレンソウ」は超重要です。特に「困ったら早めに相談」が大切。
OJT初期の典型的なタスク
- 既存コードの軽微な修正(文言変更、デザイン調整等)
- テストコードの作成
- バグ修正の補助
- ドキュメント作成
最初のタスクはとても簡単に見えますが、開発環境の使い方やコードの書き方、レビューの受け方など、学ぶことは山ほどあります。
独学の進め方(目安:平日夜1〜2時間、休日3〜4時間)
研修だけでは絶対に足りません。自己学習は必須です。
1ヶ月目の独学ですべきこと
- 研修内容の復習(優先度:最高) その日学んだことを夜に復習。理解が浅い部分は追加で調べる。
- プログラミング基礎の補強
- Progate:研修で扱った言語のコース
- Udemy:入門レベルの動画講座
- 推定学習時間:毎日1〜2時間
- 環境構築の練習 自分のPCで開発環境を作る練習。エラーが出たら自力で解決する経験が重要。
私の1ヶ月目の独学スケジュール
- 平日:21:00〜23:00(2時間)→研修の復習+Progate
- 土曜:10:00〜13:00(3時間)→Udemyの講座
- 日曜:10:00〜12:00(2時間)→復習+コード写経
正直、最初の1ヶ月は毎日疲れ果てていました。でも「最初が肝心」と自分に言い聞かせ、なんとか継続しました。
1ヶ月目のチェックリスト
- ✅ 開発環境を一人でセットアップできる
- ✅ 基本的なコマンド操作ができる(Git、ターミナル等)
- ✅ プログラミングの基礎文法を理解している
- ✅ 質問を躊躇せずできるようになった
- ✅ チームメンバーの名前と役割を覚えた
- ✅ 簡単なタスクを先輩のサポート付きで完了できた
入社後2〜3ヶ月目:実務スキルを身につける
この時期の最重要ミッション
- 簡単なタスクを一人でこなせるようになる
- コードレビューから学ぶ
- 実務で使うツール・フレームワークに慣れる
- 「自分で調べる力」を身につける
研修・OJTでの学び方(目安:1日7〜8時間)
この時期になると、研修は終わりに近づき、実務タスクの比重が増えてきます。
実務タスクで心がけるべきこと
- タスクの見積もりを意識する 「このタスクは何時間で完了できそうか」を考える習慣をつけます。最初は大きく外れても問題ありません。
- コードレビューを最大の学習機会にする 先輩からのレビュー指摘は、最高の教材です。指摘内容をメモし、なぜそう書くべきなのか理解するまで調べましょう。
私は「レビュー指摘ノート」を作り、同じ指摘を受けないよう記録していました。3ヶ月で50個以上の指摘が溜まり、後から見返すと成長の記録になりました。
- 先輩のコードを読む タスクに取り組む前に、先輩が書いた似たようなコードを探して読みます。「どう実装すればいいか」のヒントが必ずあります。
実例:私の2〜3ヶ月目のタスク
- Week 1-2: ユーザー一覧画面のソート機能追加
- Week 3-4: お問い合わせフォームのバリデーション追加
- Week 5-6: 簡単なAPIエンドポイントの作成
- Week 7-8: 既存機能のリファクタリング補助
最初は1つのタスクに1週間かかっていましたが、2ヶ月目の終わりには2〜3日で完了できるようになりました。
独学の進め方(目安:平日夜1.5〜2時間、休日4〜5時間)
この時期の独学は、実務で使う技術に絞って深掘りします。
2〜3ヶ月目の独学ですべきこと
- 実務で使うフレームワークの理解を深める(優先度:最高) 会社で使っているフレームワーク(React、Spring Boot、Rails等)の公式ドキュメントやチュートリアルを学習。
- Git/GitHubの操作に慣れる ブランチ作成、コミット、プルリクエスト、マージの流れを完全に理解する。
- 推奨教材:「いまさら聞けないGit」(Udemy)
- 推定学習時間:10〜15時間
- 実務に近い個人プロジェクトを作る 会社で作っているものに近いアプリを自分で作ってみる。例えば、TODOアプリ、簡単なCRUDアプリなど。
私の2〜3ヶ月目の独学スケジュール
- 平日:21:00〜23:00(2時間)→Reactの公式チュートリアル
- 土曜:10:00〜15:00(5時間)→個人プロジェクト(TODOアプリ)
- 日曜:10:00〜14:00(4時間)→Git学習+コードレビュー指摘の復習
この時期から、実務で出会った「分からないこと」を独学で補完するサイクルが回り始めました。
2〜3ヶ月目のチェックリスト
- ✅ 簡単なタスクを一人で完了できる
- ✅ Git操作を一人でできる(コンフリクト解消含む)
- ✅ エラーメッセージを読んで、ある程度自力でデバッグできる
- ✅ 先輩のコードを読んで理解できるようになった
- ✅ コードレビューで指摘される内容が減った
- ✅ 実務で使う主要なツールの使い方を理解した
入社後4〜6ヶ月目:自走力を高める
この時期の最重要ミッション
- 中規模タスクを一人で完遂する
- 自分で技術選定の理由を考えられるようになる
- 後輩や新人に教えられるレベルに達する
- プロダクトコードの品質を意識する
実務での成長(目安:1日8時間)
この時期になると、「研修生」から「実戦力」への移行期に入ります。
実務で挑戦すべきこと
- 設計から実装まで担当する 要件定義は先輩が行いますが、「どう実装するか」の設計を自分で考えるようにします。分からなければ先輩に相談しながら進めます。
- テストを意識した実装 単体テスト、結合テストを意識し、テストしやすいコードを書く習慣をつけます。
- パフォーマンスを意識する 「動けばいい」から「速く、効率的に動く」コードを書くことを意識します。
実例:私の4〜6ヶ月目のタスク
- Month 4: 新規機能の画面追加(フロントエンド+API)
- Month 5: 既存機能のリファクタリング(パフォーマンス改善)
- Month 6: 小規模機能の設計〜リリースまで担当
5ヶ月目くらいから、「エンジニアとして仕事ができている」という実感が持てるようになりました。先輩への質問回数も激減しました。
独学の進め方(目安:平日夜1〜1.5時間、休日3〜4時間)
この時期の独学は、「深さ」を重視します。
4〜6ヶ月目の独学ですべきこと
- 技術書を読む(優先度:高) 基礎から一歩進んだ技術書を読み、体系的な知識を身につける。
- 推奨書籍例:「リーダブルコード」「達人プログラマー」
- 推定学習時間:1冊あたり20〜30時間
- アルゴリズムとデータ構造の基礎 LeetCodeやAtCoderで簡単な問題を解く練習。
- 推定学習時間:週3〜4時間
- ポートフォリオを充実させる 転職活動用ではなく、学習の成果物として個人プロジェクトを作ります。
- 推奨:実務に近い技術スタックで作る
- 推定学習時間:週5〜7時間
私の4〜6ヶ月目の独学スケジュール
- 平日:21:00〜22:30(1.5時間)→技術書「リーダブルコード」を読む
- 土曜:10:00〜14:00(4時間)→個人プロジェクト(天気予報アプリ)
- 日曜:10:00〜13:00(3時間)→LeetCode Easy問題を解く
この時期から、独学が「義務」ではなく「楽しみ」に変わってきました。自分でアプリを作れる喜びを感じられるようになったのです。
4〜6ヶ月目のチェックリスト
- ✅ 中規模タスクを一人で完了できる
- ✅ 設計から実装、テストまで一連の流れを理解している
- ✅ コードレビューで大きな指摘を受けることがほぼない
- ✅ エラーの9割以上を自力で解決できる
- ✅ 後輩や新人に基礎的なことを教えられる
- ✅ プルリクエストの説明を分かりやすく書ける
入社後7〜12ヶ月目:エンジニアとして自立する
この時期の最重要ミッション
- 完全に自走できるエンジニアになる
- チームに貢献できることを増やす
- 次の1年のキャリアプランを考える
- 専門性の方向を定める
実務での成長(目安:1日8時間)
この時期には、もう「新人」ではありません。一人前のエンジニアとして扱われます。
実務で挑戦すべきこと
- 複雑な機能の実装を担当 複数の画面やAPIにまたがる機能、他システムとの連携など、難易度の高いタスクに挑戦。
- 技術的な提案をする 「こうした方が良いのでは?」という改善提案を積極的に行います。
- コードレビューをする側に回る 新人や後輩のコードレビューを担当し、教える経験を積みます。
- 障害対応に参加する 本番環境での障害が発生した際、先輩と一緒に対応し、トラブルシューティングを学びます。
実例:私の7〜12ヶ月目のタスク
- Month 7-8: 決済機能の実装(外部API連携)
- Month 9-10: 管理画面の大規模リニューアル
- Month 11-12: 新人のメンター担当+小規模プロジェクトのリーダー
10ヶ月目には、新人のメンターを任されました。人に教えることで、自分の理解がさらに深まることを実感しました。
独学の進め方(目安:平日夜1時間、休日2〜3時間)
この時期になると、独学の時間は減っても質が上がってきます。
7〜12ヶ月目の独学ですべきこと
- 専門性を深める(優先度:最高) フロントエンド、バックエンド、インフラなど、自分が深めたい領域を決めて集中的に学習。
- 最新技術のキャッチアップ 技術ブログ、カンファレンス動画、Podcastなどで最新動向をチェック。
- 推奨:週に3〜5記事の技術記事を読む
- アウトプットを始める
- 技術ブログを書く(Qiita、Zenn、note等)
- 社内の勉強会で発表する
- OSS活動に参加する
私の7〜12ヶ月目の独学スケジュール
- 平日:21:00〜22:00(1時間)→技術記事を読む+Qiita執筆
- 土曜:10:00〜13:00(3時間)→React の深掘り学習
- 日曜:休み(たまに気が向いたら勉強)
1年目の終盤には、無理なく学習を続けられるペースが掴めていました。
7〜12ヶ月目のチェックリスト
- ✅ 複雑な機能を一人で実装できる
- ✅ 技術的な提案ができる
- ✅ 後輩のコードレビューができる
- ✅ 障害対応の基本的な流れを理解している
- ✅ 自分の専門性の方向性が見えてきた
- ✅ 技術ブログや社内発表でアウトプットした
研修・OJT・独学の最適なバランス
未経験エンジニアにとって、この3つのバランスが成長速度を大きく左右します。
時期別の最適な時間配分
入社1〜3ヶ月目
平日(合計12時間)
- 研修・OJT:8時間(業務時間)
- 独学:2時間(夜)
- 休憩・食事等:2時間
休日(合計8時間)
- 独学:4〜6時間
- 休息:残り時間
バランスの考え方 最初の3ヶ月は、研修・OJTで学んだことを独学で定着させる時期です。独学の内容は「研修の復習」が8割でOKです。
入社4〜6ヶ月目
平日(合計10時間)
- 実務(OJT):8時間
- 独学:1.5〜2時間
- 休憩等:残り時間
休日(合計6時間)
- 独学:3〜5時間
- 休息:残り時間
バランスの考え方 実務で困ったことを独学で補完するサイクルが回り始める時期。独学の内容は「実務の補完」が6割、「発展的な学習」が4割。
入社7〜12ヶ月目
平日(合計9時間)
- 実務:8時間
- 独学:1時間
- 休憩等:残り時間
休日(合計4時間)
- 独学:2〜4時間
- 休息:残り時間
バランスの考え方 実務で十分学べるようになる時期。独学は「専門性を深める」「最新技術をキャッチアップ」が中心。無理のないペースで継続することが重要。
独学時間を確保するコツ
「仕事で疲れて勉強する気力が…」という悩みは誰もが抱えます。私が実践した時間確保のコツを紹介します。
1. 朝型学習にシフト 夜は疲れて集中できないなら、朝6時に起きて1時間勉強してから出社。脳が疲れていない朝は効率が良いです。
2. 通勤時間を活用 電車通勤なら、技術記事を読む、Udemyの動画を見る(音声のみ)など、スキマ時間を有効活用。
3. 土日のどちらかは完全オフ 毎日勉強は続きません。土曜日は勉強、日曜日は完全オフ、のようにメリハリをつけます。
4. 「勉強しない日」を作る 週に1〜2日は勉強しない日を作ってOK。罪悪感を持たず、しっかり休むことも大切です。
私は平日は毎日勉強していましたが、日曜日は完全オフにしていました。このメリハリがあったからこそ1年間継続できたと思います。
最初の1年でつまずきやすいポイントと対処法
つまずきポイント1:分からないことだらけで心が折れそう
症状
- 研修についていけない
- 専門用語が分からない
- 「自分には向いていないのでは」と感じる
対処法
- 「分からなくて当然」と割り切る 未経験なんだから分からなくて当たり前です。3ヶ月後には必ず分かるようになります。
- 質問リストを作る 分からないことをメモし、まとめて質問する。「こんなこと聞いていいのか」と悩まず、どんどん聞きましょう。
- 同期や同じ立場の人と励まし合う 一人で抱え込まず、同期や転職コミュニティで悩みを共有。みんな同じ悩みを抱えています。
私の経験 最初の1ヶ月は本当に辛く、「こんなに分からないなんて、自分には才能がないのでは」と悩みました。でも先輩に相談したところ、「自分も最初は同じだった。3ヶ月続ければ必ず分かるようになる」と言われ、安心しました。
つまずきポイント2:質問するのが怖い・申し訳ない
症状
- 先輩が忙しそうで質問しづらい
- 「こんな簡単なこと聞いていいのか」と躊躇する
- 質問せず一人で何時間も悩んでしまう
対処法
- 「質問しないことの方が迷惑」と理解する 3時間悩んで進まないより、5分質問して解決する方が圧倒的に効率的です。先輩もそれを分かっています。
- 質問の仕方を工夫する 「〇〇が分かりません」ではなく、「〇〇について△△まで調べて□□を試しましたが、××のエラーが出ます。どうすれば良いでしょうか?」と、自分で調べた内容を伝える。
- 質問時間を事前に確保してもらう 「今日15時頃、10分ほどお時間いただけますか?」と事前に聞いておく。
私の経験 最初は質問が怖くて、2時間も一人で悩んでいました。先輩に「なぜもっと早く聞かないの?」と言われ、「質問しないことの方が迷惑」だと気づきました。それからは「15分調べて分からなければ質問」をルールにしました。
つまずきポイント3:コードレビューで凹む
症状
- レビューで大量の指摘を受けて落ち込む
- 「自分はダメなエンジニアだ」と自信を失う
- レビューが怖くてプルリクエストを出せない
対処法
- レビュー指摘は成長の糧と捉える 指摘が多い=学べることが多い、ということです。レビューは攻撃ではなく、あなたを成長させるためのものです。
- 指摘内容をメモして同じミスを繰り返さない 「レビュー指摘ノート」を作り、同じ指摘を二度と受けないように記録します。
- 修正後は必ず「なぜそう書くのか」を理解する 言われた通りに直すだけでなく、その理由を理解することが重要です。
私の経験 最初のプルリクで30個以上の指摘を受けて、本気で泣きそうになりました。でも先輩が「指摘が多いのは期待の表れ。丁寧に見てもらえている証拠だよ」と言ってくれて救われました。3ヶ月後には指摘が5個以下になりました。
つまずきポイント4:成長を実感できず焦る
症状
- 「いつになったら一人前になれるのか」と不安
- 周りと比べて自分の成長が遅いと感じる
- モチベーションが下がる
対処法
- 1ヶ月前の自分と比較する 他人ではなく、過去の自分と比べましょう。「1ヶ月前はこれができなかった」という成長を実感できます。
- 小さな成功を記録する 「今日初めて一人でこれができた」という小さな成功を日記やNotionに記録。後から見返すとモチベーションになります。
- 成長には時間がかかることを理解する エンジニアスキルは一朝一夕では身につきません。半年〜1年のスパンで成長を見ましょう。
私の経験 3ヶ月目くらいに「全然成長していない」と落ち込みましたが、1ヶ月前のコードを見返したら、明らかに今の方が良いコードを書けていることに気づきました。それから週次で「今週できるようになったこと」を記録するようにしました。
つまずきポイント5:プライベートの時間がなくなる
症状
- 毎日勉強で疲弊している
- 友人や家族との時間が取れない
- 趣味を楽しむ余裕がない
対処法
- 完璧を目指さない 毎日2時間勉強は理想ですが、できない日があっても大丈夫。週10時間を目標にするなど、柔軟に考えましょう。
- 休息日を明確に作る 日曜日は完全オフ、のように休む日を決めます。罪悪感を持たず、しっかり休むことも成長には必要です。
- 効率的な学習方法を探す ダラダラ2時間より、集中して1時間の方が効果的。ポモドーロテクニック(25分集中+5分休憩)などを活用。
私の経験 最初の2ヶ月は毎日勉強していましたが、3ヶ月目に燃え尽きそうになりました。そこから日曜日は完全オフにし、趣味の時間も確保するようにしたら、かえって学習効率が上がりました。
先輩エンジニアとの関係構築術
良好な人間関係は、学習効率を大きく左右します。特に先輩エンジニアとの関係は最重要です。
先輩に好かれる新人の特徴
1. 素直で学ぶ姿勢がある 指摘を受け入れ、同じミスを繰り返さない。「教えがいがある」と思ってもらえます。
2. 分からないことを正直に言える 分かったフリをせず、「ここが理解できていません」と正直に伝える。
3. 自分で調べる努力をしている 質問する前に自分で調べた形跡があると、「ちゃんと努力している」と評価されます。
4. 感謝の気持ちを伝える 「ありがとうございます、勉強になりました」と素直に感謝を伝える。
5. 時間を奪いすぎない 質問は簡潔に。長時間拘束するような質問は避ける。
効果的な質問の仕方
悪い質問例 「〇〇が動きません。教えてください。」
良い質問例 「〇〇の機能を実装しています。△△を実現したいのですが、□□の方法を試したところ、××というエラーが出ました。エラーメッセージを調べたところ、▲▲が原因のようですが、どう対処すればよいでしょうか?」
質問のテンプレート
- 何を実現しようとしているか(目的)
- どんな方法を試したか(試行)
- どんなエラーや問題が起きたか(現状)
- 自分で調べた内容(調査)
- 何を教えてほしいか(質問)
このテンプレートで質問すると、先輩も答えやすく、自分の思考も整理されます。
メンターとの1on1を活用する
多くの企業では、新人にメンターがつきます。この1on1を最大限活用しましょう。
1on1で聞くべきこと
- 今の自分のレベルはどうか
- どんなスキルを優先的に伸ばすべきか
- 自分に足りないものは何か
- キャリアパスについての相談
- 学習方法のアドバイス
私の経験 週1回の1on1で、その週の振り返りと次週の目標を共有していました。メンターから「君はこういうところが成長した」と具体的にフィードバックをもらえたのが、モチベーション維持に大きく役立ちました。
【職種別】最初の1年で身につけるべきスキル
職種によって、優先すべきスキルは異なります。
フロントエンドエンジニアの場合
最優先スキル(1〜6ヶ月)
- HTML/CSS/JavaScriptの基礎
- React or Vue.jsの基本
- Git/GitHubの操作
- レスポンシブデザイン
次に身につけるスキル(7〜12ヶ月)
- TypeScript
- 状態管理(Redux、Zustand等)
- テストコード(Jest、React Testing Library)
- Webパフォーマンス最適化基礎
推奨学習リソース
- Progate(HTML/CSS/JavaScript)
- React公式チュートリアル
- Udemy「モダンJavaScriptの基礎から始める挫折しないためのReact入門」
バックエンドエンジニアの場合
最優先スキル(1〜6ヶ月)
- プログラミング言語1つ(Java、Python、Ruby、Go等)
- SQL基礎
- REST APIの理解
- Gitの操作
次に身につけるスキル(7〜12ヶ月)
- フレームワーク(Spring、Django、Rails等)
- データベース設計基礎
- 認証・認可の実装
- テストコード
推奨学習リソース
- Progate(該当言語)
- Udemy「〇〇(言語名)完全攻略」系講座
- 技術書「リーダブルコード」
インフラエンジニアの場合
最優先スキル(1〜6ヶ月)
- Linux基本操作
- ネットワーク基礎
- クラウドサービス基礎(AWS or GCP)
- シェルスクリプト
次に身につけるスキル(7〜12ヶ月)
- Infrastructure as Code(Terraform等)
- Docker基礎
- 監視・ログ管理
- セキュリティ基礎
推奨学習リソース
- Udemy「ゼロから実践するAmazon Web Services」
- LPIC Level1の教材
- Linux標準教科書
データエンジニアの場合
最優先スキル(1〜6ヶ月)
- SQL完全マスター
- Python基礎
- データベース基礎
- ETL処理の理解
次に身につけるスキル(7〜12ヶ月)
- データウェアハウス(BigQuery、Redshift等)
- ワークフローエンジン(Airflow等)
- データモデリング
- 統計学基礎
推奨学習リソース
- Udemy「SQL完全攻略」
- Kaggle Learn
- 技術書「データ指向アプリケーションデザイン」
独学を継続するためのマインドセット
最初の1年間、独学を継続するのは簡単ではありません。私が実践したマインドセットを紹介します。
1. 完璧主義を捨てる
「すべてを理解しなければ」と思うと、挫折します。60%理解できたら次に進む、くらいの気持ちで大丈夫です。実務で出会ったら、その時改めて学べばいいのです。
2. 「できること」に目を向ける
「まだこれができない」ではなく、「今日これができるようになった」に注目しましょう。小さな成功を積み重ねることが、モチベーション維持の秘訣です。
3. 比較対象は「過去の自分」だけ
同期や他のエンジニアと比べるのは無意味です。人それぞれバックグラウンドも学習時間も違います。比較すべきは「昨日の自分」だけです。
4. 「やらない日」を許容する
毎日勉強できなくても自分を責めない。週に1〜2日は勉強しない日があっても全く問題ありません。
5. 長期視点を持つ
1週間や1ヶ月では大きな変化は見えません。でも半年、1年というスパンで見れば、必ず成長しています。焦らず、地道に続けることが大切です。
私の経験 最初の3ヶ月は「毎日2時間」を死守していましたが、4ヶ月目に風邪で3日休みました。「継続が途切れた」と落ち込みましたが、「長期的に見れば問題ない」と切り替え、また再開しました。完璧を目指さず、細く長く続けることを意識しました。
効率的な学習方法とツール
限られた時間で最大の成果を出すための学習方法を紹介します。
インプットとアウトプットのバランス
理想的なバランス:インプット4割、アウトプット6割
インプット(4割)
- 本を読む
- 動画講座を見る
- 技術記事を読む
アウトプット(6割)
- 実際にコードを書く
- 個人プロジェクトを作る
- ブログに学んだことを書く
- 社内勉強会で発表する
「本を読んだだけ」「動画を見ただけ」では、スキルは身につきません。必ず手を動かしてコードを書きましょう。
効果的な学習ツール
プログラミング学習サイト
- Progate(初心者向け):基礎を楽しく学べる
- Udemy(初級〜中級):動画で体系的に学べる
- Qiita(全レベル):日本語の技術記事が豊富
- Zenn(全レベル):質の高い技術記事
コード練習サイト
- LeetCode:アルゴリズム問題
- AtCoder:競技プログラミング(日本語)
- Codewars:ゲーム感覚で学べる
ドキュメント管理
- Notion:学習ノート、タスク管理
- Obsidian:技術メモをリンクで繋げる
- Scrapbox:情報を整理しやすい
コード管理
- GitHub:個人プロジェクトの管理
- GitLab:プライベートリポジトリ
学習記録のつけ方
学習を可視化することで、モチベーションが維持できます。
私が実践していた記録方法
1. 学習時間の記録
- Studyplusアプリで毎日の学習時間を記録
- 週10時間を目標に設定
- グラフで可視化されるのでモチベーションUP
2. 学習内容の記録(Notion)
- 日付、学習内容、学習時間、理解度を記録
- 「今日学んだこと」を3行で要約
- 「明日やること」を1つ決める
3. できるようになったことリスト
- 週次で「今週できるようになったこと」を箇条書き
- 月末に振り返って成長を実感
これらの記録を1年後に見返すと、「こんなに成長したんだ」と感動できます。
1年後のあなたへ:目指すべき姿
最初の1年間を頑張ったあなたは、どんなエンジニアになっているでしょうか?
技術面で到達すべきレベル
- ✅ 基礎的なプログラミングスキルが身についている
- ✅ 小〜中規模の機能を一人で実装できる
- ✅ エラーの8割以上を自力で解決できる
- ✅ コードレビューで大きな指摘を受けることがほぼない
- ✅ Git/GitHubを問題なく使える
- ✅ 技術ドキュメントを読んで理解できる
- ✅ 簡単な技術的質問に答えられる
ビジネススキル面で到達すべきレベル
- ✅ タスクを期日内に完了できる
- ✅ 適切に報告・連絡・相談ができる
- ✅ チームメンバーとスムーズにコミュニケーションできる
- ✅ プロジェクトの全体像を理解している
- ✅ 自分の役割と責任を理解している
- ✅ 問題が起きたら早めに相談できる
マインド面で到達すべきレベル
- ✅ 「エンジニアとして働ける」という自信がある
- ✅ 継続的に学習する習慣が身についている
- ✅ 「分からないこと」を恐れなくなった
- ✅ 失敗から学ぶ姿勢が身についた
- ✅ 次の1年で何を学ぶべきか見えている
- ✅ エンジニアとしてのキャリアに前向きになっている
2年目に向けて:さらなる成長のために
1年目を乗り越えたら、2年目はさらなる成長の時期です。
2年目で目指すべきこと
技術面
- 専門性を深める(フロントエンド、バックエンド等)
- 設計スキルを身につける
- パフォーマンス最適化を意識する
- テスト設計ができるようになる
ビジネス面
- プロジェクト全体を見渡せるようになる
- 後輩のメンタリングができる
- 技術的な提案ができる
- ビジネス価値を意識した開発ができる
キャリア面
- 自分の強みと専門性を明確にする
- マネジメントかスペシャリストかを考え始める
- 市場価値を意識する
- 転職も視野に入れてキャリアを考える
学習の質を高める
2年目以降は「学習時間」よりも「学習の質」を重視します。
質を高める方法
- 技術書を読んで体系的な知識を得る
- カンファレンスに参加して最新動向を知る
- OSS活動に参加する
- 技術ブログでアウトプットする
- 社外の勉強会に参加してネットワークを広げる
まとめ:最初の1年を乗り越えるために
未経験エンジニアの最初の1年間は、間違いなく大変です。でも、この1年間を乗り越えれば、確実にエンジニアとして成長できます。
最も重要なポイントを再確認
- 最初の3ヶ月は基礎固めに全力を注ぐ
- 質問を躊躇せず、分からないことは早めに聞く
- コードレビューは最高の学習機会と捉える
- 独学は「完璧」より「継続」を優先する
- 他人と比べず、過去の自分と比べる
- 休息も成長に必要と理解する
- 小さな成功を記録し、成長を実感する
時期別の目標
- 1〜3ヶ月:基礎を固め、環境に慣れる
- 4〜6ヶ月:簡単なタスクを一人でこなせるようになる
- 7〜12ヶ月:中規模タスクを完遂し、自立する
学習時間の目安
- 1〜3ヶ月:週12〜15時間
- 4〜6ヶ月:週8〜12時間
- 7〜12ヶ月:週5〜8時間
私自身、31歳で未経験からエンジニアに転職し、最初の1年間は本当に苦しい日々でした。「自分には向いていないのでは」と何度も思いました。
でも、諦めずに継続したことで、1年後には「エンジニアとして働けている」という実感を持てるようになりました。今では転職して本当に良かったと心から思っています。
この記事を読んでいるあなたも、必ず乗り越えられます。最初は大変ですが、半年後、1年後には「あの時頑張って良かった」と思える日が来ます。
次のステップ
未経験エンジニアとしてのキャリアをスタートさせるなら、適切な企業選びも重要です。以下の記事も参考にしてください。
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あなたのエンジニア人生が素晴らしいものになることを願っています。一緒に頑張りましょう!
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