「プログラミングは苦手だけど、エンジニアとして働きたい」「開発よりもテストや品質管理に興味がある」「未経験からIT業界に入りたいけど、ハードルが低い職種はないだろうか」
そんな悩みを持つあなたに最適なキャリアが、**QAエンジニア(Quality Assurance Engineer)**です。QAエンジニアは、ソフトウェアの品質を保証する専門家として、開発チームに欠かせない存在。実は、未経験からでも比較的入りやすく、キャリアアップの道も広がっている注目の職種なのです。
私自身、営業職からエンジニア転職を目指す過程で、QAエンジニアという選択肢を真剣に検討しました。また、転職エージェントとして100人以上のQAエンジニア志望者をサポートしてきた経験から、この職種の魅力とリアルな実態を熟知しています。
この記事では、QAエンジニアの仕事内容から年収、未経験からの転職方法、キャリアパスまで、2025年最新の情報を徹底解説します。この記事を読めば、あなたがQAエンジニアとして成功するための具体的なロードマップが手に入ります。
QAエンジニアとは?仕事内容を徹底解説
QAエンジニアの役割と重要性
QAエンジニア(Quality Assurance Engineer)は、ソフトウェアやWebサービスの品質を保証する専門職です。単なる「テスト担当者」ではなく、製品の品質全体に責任を持つエンジニアとして、開発プロセスの上流から下流までを見渡す重要な役割を担います。
QAエンジニアが担う主な責任:
- ソフトウェアのバグを発見・報告
- テスト計画の策定と実行
- 品質基準の設定と管理
- 自動テストの設計・実装
- 開発プロセスの改善提案
- リリース判断のサポート
開発者が「機能を作る」のに対し、QAエンジニアは「品質を守る」。この両輪があって初めて、ユーザーに価値あるプロダクトを届けられるのです。
QAエンジニアとテスターの違い
多くの人が混同しがちなのが、QAエンジニアとテスターの違いです。
| 項目 | QAエンジニア | テスター |
|---|---|---|
| 役割 | 品質保証全般 | テスト実行 |
| 工程 | 上流〜下流 | 主に下流 |
| 技術力 | プログラミング必須 | 基本不要 |
| テスト設計 | 自ら設計 | 設計書に従う |
| 自動化 | 積極的に推進 | 関与しない場合も |
| 年収 | 400〜800万円 | 300〜450万円 |
| キャリア | エンジニア職 | アシスタント職 |
QAエンジニアは、テスト戦略の立案から自動化まで、技術的なスキルを駆使して品質を作り込む「エンジニア」です。
テスターは、決められた手順に従ってテストを実行する「オペレーター」的な役割が中心です。
この記事では、エンジニアとしてのキャリアを築ける「QAエンジニア」にフォーカスして解説します。
QAエンジニアの1日の仕事の流れ
午前中(9:00〜12:00)
9:00 – 朝会(デイリースタンドアップ) 開発チーム全体で進捗状況を共有。QAエンジニアは昨日発見したバグの報告や、テストの進捗を報告します。
9:30 – テスト計画のレビュー 今日リリース予定の機能について、テストケースを最終確認。抜け漏れがないかチェックします。
10:00 – 手動テストの実施 新機能のテストを実行。実際にアプリケーションを操作し、仕様通りに動作するか確認します。
11:00 – バグチケットの起票 発見したバグをJiraやBacklogなどのツールに登録。再現手順、スクリーンショット、期待値と実際の動作を詳細に記載します。
午後(13:00〜18:00)
13:00 – 自動テストコードの実装 繰り返し実行されるテストを自動化するため、Seleniumやその他のテストフレームワークでコードを書きます。
15:00 – 開発者とのバグ調査 発見したバグについて、開発者と一緒に原因を調査。再現条件を絞り込み、修正の優先度を議論します。
16:00 – リグレッションテストの実行 過去に動いていた機能が新しい変更で壊れていないか、自動テストを実行して確認します。
17:00 – テスト結果のレポート作成 1日のテスト結果をまとめ、チームに共有。リリース可否の判断材料を提供します。
18:00 – 退勤
これはあくまで一例ですが、QAエンジニアの仕事は手動テスト、自動化、バグ管理、チームとのコミュニケーションがバランスよく組み合わさっています。
QAエンジニアが扱う主なテスト種類
QAエンジニアは、様々な種類のテストを設計・実行します。
機能テスト(Functional Testing) 仕様書通りに機能が動作するかを確認するテスト。QA業務の基本です。
例:「ログインボタンを押すと、正しくホーム画面に遷移するか」
非機能テスト(Non-Functional Testing) パフォーマンス、セキュリティ、ユーザビリティなど、機能以外の品質を確認します。
- パフォーマンステスト:同時に1000人がアクセスしても正常動作するか
- セキュリティテスト:脆弱性がないか、SQLインジェクション対策は十分か
- ユーザビリティテスト:直感的に操作できるか、ユーザー体験は良好か
リグレッションテスト(Regression Testing) 過去に動いていた機能が、新しい変更で壊れていないかを確認するテスト。自動化の対象になりやすいです。
統合テスト(Integration Testing) 複数のモジュールやシステムを組み合わせたときに、正常に連携するかを確認します。
例:「ECサイトで、カート機能と決済システムが正しく連携しているか」
受け入れテスト(Acceptance Testing) 実際のユーザー視点で、製品が使用に耐えるかを最終確認するテストです。
QAエンジニアが使う主なツール
テスト管理ツール:
- Jira:バグ管理、テストケース管理
- TestRail:テストケース管理に特化
- Backlog:日本企業でよく使われるプロジェクト管理ツール
自動テストツール:
- Selenium:Webアプリケーションの自動テスト(最も人気)
- Appium:モバイルアプリの自動テスト
- Cypress:モダンなWebアプリ向け自動テストフレームワーク
- JUnit/TestNG:Javaのユニットテストフレームワーク
- Pytest:Pythonのテストフレームワーク
パフォーマンステストツール:
- JMeter:負荷テストの定番
- Gatling:スケーラブルな負荷テストツール
- Locust:Pythonベースの負荷テストツール
CI/CDツール:
- Jenkins:継続的インテグレーションの定番
- GitHub Actions:GitHub統合型CI/CD
- CircleCI:クラウド型CI/CDサービス
これらのツールを使いこなせるようになることが、QAエンジニアとしてのスキルアップにつながります。
QAエンジニアの年収【2025年最新データ】
経験年数別の年収相場
QAエンジニアの年収は、経験年数やスキルレベルによって大きく変わります。
未経験〜1年目:
- 年収レンジ:300万円〜400万円
- 平均年収:350万円
- 主な業務:手動テストの実行、バグレポート作成
2〜3年目:
- 年収レンジ:380万円〜500万円
- 平均年収:430万円
- 主な業務:テスト設計、簡単な自動テスト実装
4〜5年目:
- 年収レンジ:450万円〜600万円
- 平均年収:520万円
- 主な業務:テスト戦略立案、自動テストフレームワーク構築
6〜10年目(シニアQAエンジニア):
- 年収レンジ:550万円〜750万円
- 平均年収:650万円
- 主な業務:品質プロセス全体の設計、QAチームのリード
10年以上(QAリード・マネージャー):
- 年収レンジ:700万円〜1000万円
- 平均年収:800万円
- 主な業務:組織全体の品質戦略、チームマネジメント
企業規模別の年収比較
スタートアップ・ベンチャー企業:
- 年収レンジ:350万円〜650万円
- 特徴:ストックオプション付与の可能性、裁量が大きい
- 向いている人:新しい技術に挑戦したい、スピード感を求める
中堅IT企業:
- 年収レンジ:400万円〜700万円
- 特徴:ワークライフバランスが取りやすい、研修制度が充実
- 向いている人:安定性を重視、じっくり成長したい
大手IT企業・SIer:
- 年収レンジ:450万円〜800万円
- 特徴:福利厚生が充実、大規模プロジェクト経験
- 向いている人:大きな案件に関わりたい、福利厚生重視
外資系IT企業:
- 年収レンジ:600万円〜1200万円
- 特徴:高年収、成果主義、英語力必須
- 向いている人:グローバル志向、高収入を目指す
SES・テスト専門会社:
- 年収レンジ:300万円〜500万円
- 特徴:様々なプロジェクトを経験、年収の伸びは限定的
- 向いている人:未経験からの入口、多様な経験を積みたい
地域別の年収相場
東京都:
- 平均年収:520万円(全国最高)
- 求人数:全体の約50%
大阪府:
- 平均年収:460万円
- 求人数:全体の約15%
愛知県(名古屋):
- 平均年収:440万円
- 求人数:全体の約8%
福岡県:
- 平均年収:410万円
- 求人数:全体の約6%
完全リモート:
- 平均年収:480万円
- 近年増加傾向、地方在住でも東京水準の年収を得られる
地方在住の場合、完全リモート可能な企業を選ぶことで、生活費を抑えながら高収入を得られる可能性があります。
QAエンジニアと他職種の年収比較
| 職種 | 平均年収(3年目) |
|---|---|
| フロントエンドエンジニア | 480万円 |
| バックエンドエンジニア | 520万円 |
| QAエンジニア | 430万円 |
| インフラエンジニア | 500万円 |
| データエンジニア | 550万円 |
| プロジェクトマネージャー | 600万円 |
QAエンジニアは、開発エンジニアと比較すると若干年収が低めです。ただし、QA組織のリーダーやマネージャーになれば年収700万円以上も十分可能です。
また、未経験からの入りやすさを考慮すれば、キャリアのスタート地点としては非常に魅力的な選択肢と言えます。
年収を上げるための戦略
戦略1:自動化スキルを磨く
手動テストだけでは年収の伸びに限界があります。Selenium、Cypress、Appiumなどの自動テストツールを習得し、自動化を推進できるQAエンジニアは市場価値が高いです。
年収への影響:+50〜100万円
戦略2:プログラミング言語を習得する
Python、Java、JavaScriptなどのプログラミング言語を習得すると、SDET(Software Development Engineer in Test)としてキャリアアップできます。
年収への影響:+80〜150万円
戦略3:セキュリティテストやパフォーマンステストに特化
専門性の高い領域に特化することで、希少価値が上がります。
年収への影響:+60〜120万円
戦略4:英語力を身につけて外資系企業へ
外資系IT企業では、同じスキルレベルでも年収が1.5〜2倍になることも。TOEIC 750点以上が目安です。
年収への影響:+200〜400万円
戦略5:マネジメント経路を選ぶ
QAチームのリーダー、マネージャーになることで、大幅な年収アップが見込めます。
年収への影響:+150〜300万円
QAエンジニアに必要なスキル【レベル別解説】
未経験から転職するために最低限必要なスキル
1. 基本的なITリテラシー
- パソコンの基本操作(Windows/Mac)
- インターネットの仕組みの理解
- ファイル管理、フォルダ構造の理解
2. テストの基礎知識
- テストケースとは何か
- バグレポートの書き方
- テスト計画の読み方
3. コミュニケーション能力
- バグを的確に説明できる
- 開発者と協力してバグ調査ができる
- チームでの報告・連絡・相談ができる
4. 論理的思考力
- 「こういう操作をすると、こうなるはず」という仮説を立てられる
- バグの原因を推測できる
- テストの優先順位を判断できる
5. 基本的なWeb知識
- ブラウザの仕組み
- URLの構造
- HTTPの基礎(リクエスト・レスポンス)
これらのスキルがあれば、未経験でもQAエンジニアとして採用される可能性は十分にあります。
1〜2年目で身につけるべきスキル
1. SQLの基礎 データベースから情報を取得し、テストデータを確認できる能力。
学習方法:
- Progateの「SQL」コース
- 「SQL 第2版 ゼロからはじめるデータベース操作」(書籍)
2. ブラウザ開発者ツールの使い方 Chrome DevToolsを使って、ネットワークリクエストやコンソールエラーを確認できる能力。
学習方法:
- Chrome公式ドキュメント
- YouTubeのチュートリアル動画
3. テスト技法の理解
- 同値分割
- 境界値分析
- デシジョンテーブル
- 状態遷移テスト
学習方法:
- 「ソフトウェアテスト技法ドリル」(書籍)
- JSTQBの勉強(資格取得目指す)
4. バージョン管理システム(Git)の基礎 テストコードをGitで管理し、プルリクエストを送れる能力。
学習方法:
- Progateの「Git」コース
- 「わかばちゃんと学ぶ Git使い方入門」(書籍)
5. 基本的なプログラミング(Python推奨) 簡単なスクリプトを書いて、テストを効率化できる能力。
学習方法:
- Progateの「Python」コース
- 「独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで」(書籍)
3〜5年目で目指すべきスキル
1. 自動テストフレームワークの実装 Selenium、Cypress、Appiumを使って、自動テストを1から構築できる能力。
学習目標:
- E2Eテストの自動化フレームワーク構築
- CI/CDパイプラインへの組み込み
- テスト実行結果のレポート自動生成
2. API テストの設計・実装 Postman、RestAssuredなどを使って、APIレベルのテストを実施できる能力。
学習目標:
- RESTful APIの理解
- APIテストの自動化
- スキーマバリデーション
3. パフォーマンステストの設計・実行 JMeter、Gatlingを使って、負荷テストを実施し、ボトルネックを発見できる能力。
学習目標:
- 負荷テストシナリオの設計
- 結果の分析とレポート作成
- パフォーマンス改善の提案
4. CI/CDの構築・運用 Jenkins、GitHub Actions、CircleCIを使って、テストの自動実行環境を構築できる能力。
学習目標:
- テストの自動実行パイプライン構築
- テスト失敗時の通知設定
- デプロイ前のゲートとしてのテスト実装
5. テスト戦略の立案 プロジェクト全体のテスト計画を策定し、チームをリードできる能力。
学習目標:
- テストピラミッドの設計
- リスクベースドテスト
- テストカバレッジの最適化
上級QAエンジニアが持つスキル
1. セキュリティテストの専門知識 OWASP Top 10を理解し、脆弱性診断を実施できる能力。
2. モバイルアプリテストの専門知識 iOS/Androidアプリの特性を理解し、適切なテストを設計できる能力。
3. マイクロサービスアーキテクチャのテスト 分散システムにおける統合テストやカオスエンジニアリングの知識。
4. AIを活用したテスト自動化 機械学習を使った画像認識テストやビジュアルリグレッションテスト。
5. QA組織の構築・マネジメント QAチームの立ち上げ、メンバー育成、プロセス改善を推進できる能力。
資格取得のメリット
JSTQB認定テスト技術者資格
- Foundation Level(基礎レベル):未経験者におすすめ
- Advanced Level(上級レベル):3年以上の経験者向け
- Expert Level(エキスパートレベル):10年以上の専門家向け
メリット:
- 体系的なテスト知識が身につく
- 転職時の客観的なスキル証明になる
- 企業によっては資格手当が出る(月5,000円〜10,000円)
その他おすすめの資格:
- ISTQB:JSTQBの国際版
- AWS Certified Solutions Architect:クラウド環境でのテストに有利
- 情報処理安全確保支援士:セキュリティテストに強くなる
未経験からQAエンジニアになる方法【5つのルート】
ルート1:未経験歓迎の求人に応募する
メリット:
- 最もハードルが低い
- 実務経験を積みながら学べる
- 給与をもらいながらスキルアップできる
デメリット:
- 競争率が高い
- 年収が低めからのスタート(300万円〜350万円)
- SES・派遣が多く、キャリアアップに限界がある場合も
おすすめの求人:
- 自社開発企業の未経験QAエンジニア募集
- テストエンジニアから正社員登用の道がある企業
- 研修制度が充実している企業
探し方:
- ワークポート:IT未経験者の支援に強い
- マイナビIT AGENT:未経験歓迎求人が豊富
- Green:自社開発企業のQA求人が見つかりやすい
ルート2:プログラミングスクールのQAコースを受講
メリット:
- 短期間(3〜6ヶ月)で体系的に学べる
- 転職サポート付きが多い
- ポートフォリオ作成支援がある
デメリット:
- 受講料が高い(30万円〜60万円)
- QA専門コースは少ない
- 独学でも学べる内容も含まれる
QAエンジニア向けスクール:
現状、QAエンジニア専門のスクールは少ないため、以下のスクールで「テスト自動化」や「Python」を学ぶのがおすすめです。
- テックアカデミー(Pythonコース):自動テスト実装に必要なPythonを学べる
- 侍エンジニア塾:マンツーマンでQAエンジニアを目指すカリキュラムを組める
- キカガク:Pythonとテスト自動化に特化
ルート3:独学でポートフォリオを作成して応募
メリット:
- コストが最小(ほぼ0円)
- 自分のペースで学べる
- 実践的なスキルが身につく
デメリット:
- 学習の道筋がわかりにくい
- 挫折しやすい(モチベーション維持が難しい)
- 転職サポートがない
独学の学習ロードマップ(3ヶ月):
1ヶ月目:テストの基礎を学ぶ
- JSTQBのシラバスを読む
- 「ソフトウェアテストの教科書」を読む
- テストケースの書き方を練習
2ヶ月目:プログラミング基礎(Python)
- Progateで「Python」コースを完走
- 簡単なスクリプトを書いて動かす
- GitHubにコードをアップロード
3ヶ月目:自動テストの実装
- Seleniumを学ぶ
- 実際のWebサイトを対象に自動テストを作成
- GitHubにポートフォリオとして公開
ポートフォリオ例: 「Amazon.co.jpのログイン機能を対象にした自動テストスイート」
- ログイン成功ケース
- パスワード間違いケース
- 未入力エラーケース
- これらをSelenium + Pythonで自動化し、GitHubで公開
ルート4:テスターから始めてQAエンジニアにステップアップ
メリット:
- 最も確実に実務経験を積める
- テスト実務を経験しながらスキルアップできる
- 社内でQAエンジニアへの転換が可能な場合も
デメリット:
- テスターの給与が低い(年収280万円〜350万円)
- QAエンジニアへのステップアップが保証されていない
- テスター業務だけで終わるリスク
ステップアップ戦略:
- テスターとして入社(未経験OK)
- 業務時間外に独学でプログラミングと自動化を学ぶ
- 社内で小さな自動化プロジェクトを提案・実行
- 実績をもとに社内でQAエンジニアへ昇格、または転職
テスターからの転職におすすめ:
- レバテックキャリア:テスター経験をQAエンジニアにつなげやすい
- type転職エージェント:関東圏のQAエンジニア求人が豊富
ルート5:異業種経験を活かして転職
前職の経験がQAエンジニアに活きる職種:
営業・販売職:
- 顧客視点でのユーザビリティテストが得意
- コミュニケーション能力が高く評価される
- バグレポートでの説明力が武器になる
事務・経理職:
- 細かい作業が得意
- ドキュメント作成能力が高い
- データの正確性にこだわる姿勢が活きる
製造業・品質管理職:
- 品質に対する意識が高い
- チェックリスト作成が得意
- 問題発見能力がそのまま活きる
カスタマーサポート:
- ユーザー視点でのテストが得意
- バグの影響範囲を推測する能力
- 再現手順の説明が丁寧
アピールポイントの例(営業からの転職):
「前職の営業経験で培った、お客様の課題を聞き出すヒアリング力を活かし、ユーザー視点でのテストケース設計に貢献できます。また、チーム内での報連相も徹底しており、バグの早期共有と解決に貢献できると考えています」
QAエンジニアの転職活動の進め方
転職準備(1〜2ヶ月)
やるべきこと:
1. 基礎知識のインプット
- JSTQBシラバスを読む(Foundation Level)
- 「ソフトウェアテストの教科書」を読む
- テスト技法(同値分割、境界値分析など)を理解する
2. 最低限のプログラミングスキル習得
- Pythonの基礎を学ぶ(Progate推奨)
- 簡単なスクリプトを書けるようにする
- GitHubアカウントを作成し、コードをアップロード
3. ポートフォリオの準備
- 簡単な自動テストコードを作成
- テストケース設計のサンプルを作成
- GitHubで公開
4. 転職エージェントへの登録
- 複数のエージェントに登録(3〜5社)
- 希望条件を明確にする
- キャリアカウンセリングを受ける
書類作成・応募(2週間〜1ヶ月)
職務経歴書のポイント:
前職の経験をQA視点で書き換える:
❌ NG例: 「営業として年間5000万円の売上を達成しました」
⭕ OK例: 「営業として年間5000万円の売上を達成。その過程で顧客からのフィードバックを製品改善に活かす提案を行い、不具合報告を整理・優先順位付けして開発チームに共有した経験があります。この経験から、ユーザー視点でのテストケース設計とバグの優先度判断に貢献できると考えています」
志望動機のポイント:
なぜQAエンジニアを目指すのか:
- 品質への興味・こだわり
- 論理的思考が得意
- ユーザー体験を重視する姿勢
なぜその企業を選んだのか:
- 企業のプロダクトへの共感
- QA組織の体制・文化への興味
- 成長機会への期待
志望動機の例文:
「前職の営業で、製品の品質がお客様の満足度に直結することを痛感しました。特に、不具合が発生した際の顧客対応を通じて、『事前に防げていれば』という思いを強く持ちました。この経験から、ソフトウェアの品質を守る仕事に魅力を感じ、QAエンジニアを志望しております。
御社の〇〇というプロダクトは、私自身も日常的に利用しており、その品質の高さと使いやすさに感銘を受けました。御社のQA組織では、自動化にも積極的に取り組んでいると伺っており、私も独学でSeleniumを学んでいます。未経験ではありますが、持ち前の粘り強さとユーザー視点を活かし、御社のプロダクト品質向上に貢献したいと考えております」
面接対策(応募後〜内定まで)
QAエンジニア面接でよく聞かれる質問:
1. なぜQAエンジニアになりたいのですか?
回答例: 「ユーザーに価値を届けるためには、品質が不可欠だと考えているためです。前職の〇〇で、製品の不具合がお客様に与える影響を目の当たりにし、品質を守る仕事に興味を持ちました。開発よりもテストや品質保証に情熱を注げると感じ、QAエンジニアを志望しています」
2. テストケースを作成した経験はありますか?
回答例(未経験の場合): 「実務経験はありませんが、独学で同値分割や境界値分析などのテスト技法を学びました。例えば、ECサイトのログイン機能を例に、以下のようなテストケースを考えました:
- 正常ケース:正しいID・パスワードでログイン成功
- 異常ケース:パスワード間違い、ID未登録、空欄など このように、網羅的にテストケースを設計できるよう学習しています」
3. バグを見つけたとき、どのように報告しますか?
回答例: 「バグ報告では、開発者が再現できるよう、以下の情報を含めます:
- 再現手順(ステップバイステップ)
- 期待される結果
- 実際の結果
- 発生環境(OS、ブラウザ、バージョンなど)
- スクリーンショットやログ
- 優先度・深刻度の判断
また、開発者の作業を妨げないよう、緊急度に応じて直接連絡するか、チケットで共有するかを判断します」
4. 自動化について、どう考えていますか?
回答例: 「自動化は、繰り返し実行されるテストの効率化に不可欠だと考えています。特にリグレッションテストは自動化の対象として適しています。
現在、Seleniumを使った自動テストを独学で学んでおり、GitHubに簡単な自動テストコードを公開しています。入社後は、まず手動テストで業務を理解した上で、徐々に自動化を推進していきたいと考えています」
5. 開発者とのコミュニケーションで気をつけることは?
回答例: 「QAと開発は対立関係ではなく、協力関係だと考えています。バグ報告は批判ではなく、品質向上のための情報共有です。
そのため、報告時には感情的にならず、事実ベースで伝えることを心がけます。また、バグの優先度を適切に判断し、開発者の作業を妨げないよう配慮します。さらに、バグ修正後には感謝の気持ちを伝え、良好な関係を築きたいと考えています」
6. プレッシャーの高い状況でどう対応しますか?
回答例: 「リリース直前など、プレッシャーの高い状況では、冷静な判断が求められると考えています。優先度の高いテストから実施し、限られた時間で最大限のリスクをカバーします。
また、一人で抱え込まず、チームに状況を共有し、協力を求めることも重要です。前職の〇〇でも、納期が迫る中で優先順位をつけてタスクをこなした経験があります」
7. 技術的な質問:SQLの基礎
「以下のテーブルから、注文金額が10,000円以上のユーザーを抽出するSQL文を書いてください」
回答例:
SELECT user_id, user_name, order_amount
FROM orders
WHERE order_amount >= 10000;
基本的なSQLは書けるようにしておきましょう。
8. あなたの弱みは何ですか?
回答例: 「完璧主義な面があり、細部にこだわりすぎて時間がかかることがあります。ただし、これはQAエンジニアとしては長所にもなると考えています。一方で、スピードも重要だと理解しているため、優先順位をつけてメリハリをつけるよう意識しています」
内定後の条件交渉(オファー面談)
QAエンジニアの条件交渉のポイント:
年収交渉: 未経験からのスタートの場合、大幅な年収アップは難しいですが、以下の条件を交渉材料にできます:
- ポートフォリオの技術レベル
- 前職での実績(営業成績、プロジェクト経験など)
- 資格取得(JSTQB)
- プログラミング経験
年収以外の交渉ポイント:
- リモートワークの頻度
- 研修・書籍購入費の補助
- 資格取得支援(受験費用補助)
- 試用期間後の昇給条件
詳しくは以下の記事を参照してください: → エンジニア転職のオファー面談対策【最終面接後の条件交渉術2025】
QAエンジニアのキャリアパス【5つの方向性】
キャリアパス1:SDET(Software Development Engineer in Test)
概要: 開発エンジニアとしてのスキルを持ちながら、テストに特化したエンジニア。Google、Microsoft、Amazonなどの外資系企業で一般的なキャリアです。
必要なスキル:
- 高度なプログラミング能力(Java、Python、JavaScriptなど)
- テストフレームワークの深い理解
- システムアーキテクチャの知識
- CI/CDパイプラインの構築・運用
年収: 600万円〜1200万円(外資系では1000万円超も)
向いている人:
- プログラミングが好き
- 開発エンジニアと同等の技術力を目指したい
- 自動化に情熱を注げる
キャリアパス2:QAリード・QAマネージャー
概要: QA組織全体を統括し、品質戦略の立案やチームマネジメントを担う管理職。
必要なスキル:
- QA全般の深い知識
- プロジェクトマネジメント能力
- チームマネジメント能力
- ステークホルダーとの調整能力
年収: 700万円〜1000万円
向いている人:
- 人を育てることに喜びを感じる
- 組織全体の仕組みづくりに興味がある
- リーダーシップを発揮したい
キャリアパス3:セキュリティQA・パフォーマンスQA(専門特化型)
概要: 特定の領域に特化したQAエンジニア。希少性が高く、市場価値も高い。
専門領域の例:
- セキュリティテスト(脆弱性診断、ペネトレーションテスト)
- パフォーマンステスト(負荷テスト、スケーラビリティ検証)
- アクセシビリティテスト(障害者対応)
- ローカライゼーションテスト(多言語対応)
必要なスキル:
- 専門領域の深い知識
- 関連する資格(情報処理安全確保支援士など)
- 専門ツールの使いこなし
年収: 600万円〜900万円
向いている人:
- 特定領域を深く掘り下げたい
- 専門家として認められたい
- ニッチな分野で戦いたい
キャリアパス4:プロダクトマネージャー(PdM)
概要: QAエンジニアからプロダクトマネージャーへ転身するキャリア。ユーザー視点と品質視点を活かせます。
必要なスキル:
- プロダクト企画能力
- ビジネス理解
- データ分析能力
- ステークホルダーマネジメント
年収: 700万円〜1500万円
向いている人:
- プロダクト全体に関わりたい
- ビジネス視点を持ちたい
- ユーザー価値の創造に興味がある
キャリアパス5:開発エンジニアへの転身
概要: QAエンジニアの経験を活かし、フロントエンド・バックエンド開発エンジニアに転身。
必要なスキル:
- フロントエンド:React、Vue.js、TypeScript
- バックエンド:Java、Python、Go、データベース設計
年収: 500万円〜800万円(経験3〜5年目)
向いている人:
- 開発により深く関わりたい
- プログラミングが好き
- 機能開発に興味がある
キャリアアップのためにやるべきこと
1年目:
- 手動テストを完璧にこなす
- テスト技法を実践で使えるようにする
- チーム内で信頼を獲得する
2〜3年目:
- 自動テストを実装できるようになる
- テスト設計を任せられるレベルになる
- CI/CDパイプラインの構築経験を積む
4〜5年目:
- チーム全体のテスト戦略を立案できるようになる
- 後輩の育成・メンタリングを行う
- 専門領域を持つ(セキュリティ、パフォーマンスなど)
6年目以降:
- QAリーダー、マネージャーを目指す
- または、SDET、専門QAエンジニアとして技術を極める
- 場合によっては、開発エンジニアやPdMへの転身も視野に
QAエンジニアのメリット・デメリット
メリット7つ
1. 未経験からでも比較的入りやすい
開発エンジニアと比較すると、プログラミングスキルのハードルが低く、未経験者でも採用される可能性が高いです。
2. ユーザー視点を持てる
実際にプロダクトを使う立場でテストするため、ユーザー目線が自然と身につきます。これは将来的にPdMなどへのキャリアチェンジにも活きます。
3. プロダクト全体を理解できる
QAエンジニアは、すべての機能をテストするため、プロダクト全体の仕様を把握できます。これは開発エンジニアよりも広い視野を持てる利点です。
4. リモートワークしやすい
テスト業務の多くは、リモート環境でも実施可能です。特に自動テストの実装は完全リモートで問題ありません。
5. ワークライフバランスが取りやすい
開発エンジニアと比較すると、残業時間が少ない傾向にあります(月平均20時間程度)。
6. 幅広いキャリアパスがある
SDET、QAマネージャー、開発エンジニア、PdMなど、多様なキャリアパスが開けています。
7. 将来性がある
ソフトウェアが存在する限り、品質保証の仕事はなくなりません。特に自動化スキルを持つQAエンジニアは今後も需要が高まります。
デメリット5つ
1. 開発エンジニアより年収が低い傾向
同じ経験年数でも、開発エンジニアと比較すると年収が50〜100万円程度低いことが多いです。
2. 地味な作業が多い
繰り返しのテスト実行、細かいバグの確認など、地道な作業が中心です。華やかな仕事ではありません。
3. 「開発できない人」と見られることも
一部の企業では、QAエンジニアが「開発できない人」という偏見を持たれることがあります(ただし、これは誤解です)。
4. 自動化スキルがないと市場価値が上がりにくい
手動テストだけでは、年収の伸びに限界があります。自動化スキルの習得が必須です。
5. 開発者との対立関係になることも
バグ報告が批判と受け取られ、開発者との関係が悪化することがあります(コミュニケーション能力が重要)。
QAエンジニアに向いている人・向いていない人
向いている人:
- 細かい作業が苦にならない
- 論理的思考が得意
- ユーザー視点で物事を考えられる
- 粘り強く問題を探せる
- チームで協力して働くのが好き
- 品質に対するこだわりがある
- プログラミングより、テストに興味がある
向いていない人:
- 大雑把な性格
- 単調な作業に耐えられない
- 「開発こそエンジニア」という思い込みが強い
- 自分のアイデアを形にしたい(開発志向が強い)
- 人に意見するのが苦手(バグ報告ができない)
QAエンジニアの将来性と市場動向【2025年】
QAエンジニアの需要は高まっている
需要が高まっている理由:
1. ソフトウェアの複雑化 モダンなWebアプリケーション、マイクロサービス、クラウドネイティブなシステムは、テストの難易度が上がっています。専門的なQAエンジニアの必要性が増しています。
2. アジャイル開発の普及 短い開発サイクルでリリースを繰り返すアジャイル開発では、継続的なテストが不可欠です。QAエンジニアは開発チームの一員として、常にテストを実施します。
3. CI/CDの普及 自動テストをCI/CDパイプラインに組み込むことが標準になりつつあり、自動化スキルを持つQAエンジニアの需要が急増しています。
4. セキュリティ・プライバシーへの関心の高まり 個人情報保護、セキュリティ脆弱性への対策が重要視される中、セキュリティテストを担うQAエンジニアの価値が上がっています。
5. DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進 従来IT化が遅れていた業界(製造、医療、金融など)でもソフトウェア開発が活発化し、QAエンジニアの需要が増加しています。
求人動向(2025年)
求人数の推移:
- 2020年:約8,000件
- 2022年:約12,000件
- 2025年:約15,000件(推定)
QAエンジニアの求人は、過去5年で約2倍に増加しています。
特に需要が高い領域:
- 自動テストエンジニア(Selenium、Cypress経験者)
- モバイルアプリQAエンジニア(iOS/Android)
- セキュリティQAエンジニア
- パフォーマンステストエンジニア
- AI/機械学習プロダクトのQAエンジニア
企業規模別の需要:
- スタートアップ・ベンチャー:急増(自社開発企業の増加)
- 中堅IT企業:安定
- 大手SIer:横ばい(外注が多い)
- 外資系IT企業:高い(SDET採用)
AIによる自動化の影響
「AIが発達すると、QAエンジニアの仕事はなくなるのでは?」という不安を持つ方もいるでしょう。
現実: AIは、単純な繰り返しテストの自動化には有効ですが、以下の業務は人間のQAエンジニアが必要です:
AIに代替されにくい業務:
- テスト戦略の立案
- 複雑なテストシナリオの設計
- ユーザー視点でのユーザビリティテスト
- バグの影響範囲の判断
- 開発者とのコミュニケーション
- 新技術へのキャッチアップ
AIに代替される可能性がある業務:
- 単純な繰り返しテストの実行
- 画像比較による差分検出
- 大量のテストデータの生成
結論として、AIはQAエンジニアの仕事を奪うのではなく、単純作業を自動化し、より高度な業務に集中できる環境を作ると考えられます。
QAエンジニアとして生き残るために必要なこと
1. 自動化スキルを磨き続ける 最新の自動化ツール、フレームワークを常にキャッチアップしましょう。
2. プログラミング能力を高める 手動テストだけのQAエンジニアは淘汰されます。プログラミングスキルは必須です。
3. 専門性を持つ セキュリティ、パフォーマンス、アクセシビリティなど、専門領域を持つことで市場価値が上がります。
4. ビジネス視点を持つ 単にバグを見つけるだけでなく、「このバグがビジネスにどう影響するか」を考えられるQAエンジニアは重宝されます。
5. コミュニケーション能力を磨く 開発者、PdM、デザイナーなど、多様な職種と協力できる能力は、AIには代替できません。
QAエンジニア転職におすすめのエージェント・サービス
未経験者におすすめのエージェント
- 特徴:IT未経験者の転職支援に強い
- おすすめポイント:QAエンジニア未経験歓迎求人が豊富、丁寧なサポート
- 求人数:QAエンジニア求人約500件
- 対応エリア:全国
- 特徴:20代〜30代の転職支援に強い
- おすすめポイント:自社開発企業のQA求人が豊富、書類添削が丁寧
- 求人数:QAエンジニア求人約800件
- 対応エリア:全国
- 特徴:業界大手で求人数が多い
- おすすめポイント:QA職種の求人も豊富、スカウト機能が便利
- 求人数:QAエンジニア求人約1,200件
- 対応エリア:全国
経験者におすすめのエージェント
- 特徴:エンジニア特化型、技術理解度が高い
- おすすめポイント:自動化スキルを持つQAエンジニアの年収アップに強い
- 求人数:QAエンジニア求人約600件
- 対応エリア:首都圏・関西・福岡
- 特徴:IT・Web業界特化の転職サイト
- おすすめポイント:自社開発企業のQA求人が多い、企業と直接やりとり可能
- 求人数:QAエンジニア求人約400件
- 対応エリア:全国
- 特徴:関東特化、丁寧なサポート
- おすすめポイント:QAエンジニアからSDETへのキャリアアップ支援
- 求人数:QAエンジニア求人約300件
- 対応エリア:東京・神奈川・千葉・埼玉
外資系・高年収を目指す場合
- 特徴:ハイクラス転職サイト
- おすすめポイント:年収600万円以上のQA求人、外資系企業のSDET求人
- 求人数:QAエンジニア求人約200件
- 対応エリア:全国
複数エージェント利用のメリット
QAエンジニア転職では、3〜5社のエージェントに登録することをおすすめします。
理由:
- 各エージェントが独占求人を持っている
- 担当者との相性を比較できる
- 年収交渉で複数オファーを活用できる
- QAエンジニア求人の全体像を把握できる
詳しくは以下の記事を参照: → 複数の転職エージェントを併用するメリットと使い分け方【2025年最新・実践的戦略】
QAエンジニア転職の成功事例・失敗事例
成功事例1:営業からQAエンジニアへ(28歳・女性)
転職前:
- 職種:法人営業
- 年収:380万円
- 課題:ノルマのプレッシャー、長時間労働
転職活動:
- 独学でJSTQB Foundation Levelを取得
- Pythonの基礎をProgateで学習
- Seleniumで簡単な自動テストを作成し、GitHubで公開
- ワークポート経由で応募
転職後:
- 職種:QAエンジニア(自社開発のSaaS企業)
- 年収:400万円
- 働き方:週2日リモート、残業月15時間
成功のポイント:
- 資格取得で本気度を示した
- ポートフォリオで技術力をアピール
- 営業経験をユーザー視点として活かした
本人のコメント: 「未経験からの転職で不安でしたが、営業で培った『お客様の課題を聞き出す力』がQA業務に活きています。バグの影響範囲を考える際、ユーザー視点で優先度を判断できるのが強みになっています」
成功事例2:テスターからQAエンジニアへ(26歳・男性)
転職前:
- 職種:テスター(派遣)
- 年収:320万円
- 課題:スキルアップの機会がない、キャリアパスが見えない
転職活動:
- 業務時間外にPythonとSeleniumを独学
- 社内で小規模な自動化プロジェクトを提案・実行
- その実績をポートフォリオとしてアピール
- レバテックキャリア経由で応募
転職後:
- 職種:QAエンジニア(メガベンチャー)
- 年収:450万円
- 働き方:週3日リモート、フレックス制
成功のポイント:
- テスター経験を活かしながらスキルアップ
- 社内での自動化実績が評価された
- テストの実務経験があったため、即戦力として採用
本人のコメント: 「テスターとして2年働いた経験が、QAエンジニアへの転職に大いに役立ちました。手動テストの経験があるからこそ、どこを自動化すべきかの判断ができるようになりました。今は自動テストフレームワークの構築を任されています」
成功事例3:製造業の品質管理からQAエンジニアへ(32歳・男性)
転職前:
- 職種:製造業の品質管理
- 年収:420万円
- 課題:業界の将来性に不安、ITスキルを身につけたい
転職活動:
- オンラインスクールでPythonとSQL を学習(3ヶ月)
- 製造業での品質管理経験をアピールポイントに
- 「品質へのこだわり」を全面に出した志望動機
- マイナビIT AGENT経由で応募
転職後:
- 職種:QAエンジニア(BtoB SaaS企業)
- 年収:480万円
- 働き方:完全リモート
成功のポイント:
- 品質管理の経験がQA業務に直結
- 製造業での「検査基準の策定」経験をテスト設計に活かせると説得
- 年齢的なハンデを、前職の専門性でカバー
本人のコメント: 「製造業で培った『不良品を市場に出さない』という品質思想が、ソフトウェアQAにも通じると感じました。プログラミングは未経験でしたが、品質への情熱を評価していただけました」
失敗事例1:準備不足で全落ち(25歳・男性)
状況:
- 前職:販売職
- プログラミング経験:なし
- テスト知識:なし
- 応募社数:10社 → 全て書類落ち
失敗の原因:
- ポートフォリオなし
- 志望動機が「楽そうだから」
- QAエンジニアの仕事内容を理解していなかった
- 「未経験歓迎」を「何もしなくていい」と勘違い
反省と改善: その後、3ヶ月かけてPythonとSeleniumを学習し、ポートフォリオを作成。志望動機も「品質への興味」に変更し、再チャレンジで内定獲得(年収380万円)。
教訓: 「未経験歓迎」でも、最低限の準備は必須。企業は「これから学ぶ意欲」を見ている。
失敗事例2:年収にこだわりすぎて機会損失(30歳・女性)
状況:
- 前職:事務職
- 希望年収:500万円以上
- 内定:2社(年収380万円、420万円) → どちらも辞退
失敗の原因:
- 未経験なのに高年収を要求
- 市場価値を理解していなかった
- 「成長機会」より「年収」を優先した結果、転職活動が長期化
結果: 転職活動が1年以上に及び、最終的に妥協して年収350万円で入社。当初の内定を受けていれば、すでに経験を積んで年収も上がっていた。
教訓: 未経験からのスタートでは、年収よりも「成長環境」を優先すべき。1〜2年で年収は追いつく。
失敗事例3:SES企業に入社して後悔(27歳・男性)
状況:
- 未経験からQAエンジニアとして入社
- 入社先:SES企業
- 配属先:大手SIerの受託プロジェクト
問題:
- 単純な手動テストの繰り返し
- 自動化の機会がない
- スキルアップできる環境ではなかった
- 3年経っても年収が350万円のまま
反省: 「未経験歓迎」という点だけで選んでしまい、企業の事業形態を確認しなかった。SESではなく、自社開発企業を選ぶべきだった。
教訓: 未経験でも、入社後の成長環境を重視すべき。SES企業は要注意。
詳しくは以下の記事を参照: → SES企業とは?自社開発・受託開発との違いを徹底解説【2025年版・転職前に知るべき全知識】
よくある質問(FAQ)
Q1. QAエンジニアとテスターの違いは何ですか?
A. **QAエンジニアは「品質保証のエンジニア」、テスターは「テスト実行の担当者」**です。
QAエンジニアは、テスト設計、自動化、品質戦略の立案など、技術的なスキルを駆使して品質を作り込みます。プログラミング能力が必須で、年収も高めです。
テスターは、決められたテストケースに従って手動テストを実行する役割が中心です。プログラミングは不要な場合が多く、年収も低めです。
キャリアとしては、QAエンジニアを目指すことをおすすめします。
Q2. 未経験からQAエンジニアになるのは難しいですか?
A. 開発エンジニアよりは入りやすいですが、何の準備もなしでは難しいです。
最低限、以下の準備をしましょう:
- テストの基礎知識(JSTQBの勉強)
- プログラミングの基礎(Python推奨)
- 簡単なポートフォリオ(自動テストコード)
これらの準備を3ヶ月程度行えば、未経験でも十分採用される可能性があります。
Q3. QAエンジニアの将来性は?AIに仕事を奪われませんか?
A. 将来性は高いです。AIに代替される可能性は低いと考えています。
理由:
- ソフトウェアが存在する限り、品質保証は必要
- AIは単純作業を代替するが、高度な判断は人間が必要
- 自動化スキルを持つQAエンジニアは、むしろ需要が増加
ただし、手動テストだけのQAエンジニアは淘汰される可能性があります。自動化スキルの習得が必須です。
Q4. QAエンジニアの年収は低いと聞きますが本当ですか?
A. 開発エンジニアと比較すると若干低めですが、決して低くはありません。
- 未経験スタート:300万円〜400万円
- 3〜5年目:450万円〜600万円
- シニア・リード:700万円〜1000万円
自動化スキルを身につけ、SDETやQAリーダーになれば、年収800万円以上も十分可能です。
Q5. プログラミングが苦手でもQAエンジニアになれますか?
A. 基礎レベルのプログラミングは必須です。
ただし、開発エンジニアほど高度なプログラミングスキルは求められません。Pythonの基礎とSeleniumの使い方を理解していれば、未経験でも採用されます。
「プログラミングが苦手」という理由でQAエンジニアを選ぶのは、おすすめしません。最低限の学習意欲は必要です。
Q6. QAエンジニアからキャリアチェンジは可能ですか?
A. 可能です。むしろ、多様なキャリアパスがあります。
- 開発エンジニア(フロントエンド・バックエンド)
- プロダクトマネージャー(PdM)
- QAマネージャー・リード
- SDET(テスト専門の開発エンジニア)
- セキュリティエンジニア
QAエンジニアは、プロダクト全体を理解できる立場なので、キャリアの選択肢は広いです。
Q7. QAエンジニアに資格は必要ですか?
A. 必須ではありませんが、JSTQB Foundation Levelは取得をおすすめします。
理由:
- 体系的なテスト知識が身につく
- 未経験者の本気度の証明になる
- 企業によっては資格手当が出る
特に未経験からの転職では、資格があると書類選考で有利になります。
Q8. QAエンジニアはリモートワークできますか?
A. できます。むしろ、リモートワークしやすい職種です。
テスト実行、自動テスト実装、バグレポート作成など、多くの業務はリモート環境で完結します。
実際、QAエンジニアの求人の約60%がリモートワーク可(週1〜5日)となっています(2025年調査)。
Q9. SES企業のQAエンジニア求人は避けるべきですか?
A. 未経験者の入口としてはアリですが、長期的にはおすすめしません。
SES企業の問題点:
- スキルアップの機会が限られる
- 年収の伸びが鈍い
- 単純な手動テストばかりのプロジェクトも
ただし、実務経験を積む場としては有効です。1〜2年で経験を積んだら、自社開発企業への転職を目指しましょう。
Q10. QAエンジニアとして何歳まで働けますか?
A. 年齢に関係なく、長く働ける職種です。
理由:
- 経験が重要な職種(年齢とともに市場価値が上がる)
- マネジメント職への道もある
- 体力的な負担が少ない
実際、40代・50代のQAエンジニアも多く活躍しています。開発エンジニアよりも、長く働きやすい職種と言えます。
まとめ:QAエンジニアとして成功するための7つのステップ
QAエンジニアは、未経験からでも目指せる、将来性のある職種です。最後に、QAエンジニアとして成功するためのロードマップをまとめます。
ステップ1:テストの基礎知識を身につける(1ヶ月)
- JSTQBのシラバスを読む
- 「ソフトウェアテストの教科書」を読む
- テスト技法(同値分割、境界値分析など)を理解する
ステップ2:プログラミングの基礎を学ぶ(1〜2ヶ月)
- Pythonの基礎を学ぶ(Progate推奨)
- SQLの基礎を学ぶ
- GitHubアカウントを作成し、コードを管理
ステップ3:自動テストの実装を学ぶ(1〜2ヶ月)
- Seleniumの基礎を学ぶ
- 実際のWebサイトを対象に自動テストを作成
- ポートフォリオとしてGitHubで公開
ステップ4:転職活動を開始する(1〜2ヶ月)
- 転職エージェントに複数登録(3〜5社)
- 職務経歴書・志望動機を作成
- 面接対策を行う
ステップ5:内定獲得・入社(1〜2ヶ月)
- 条件交渉を行う
- 入社準備を進める
ステップ6:入社後1〜2年で基礎を固める
- 手動テストを完璧にこなす
- テスト設計を任せられるレベルになる
- 自動テストを実装できるようになる
ステップ7:3年目以降でキャリアアップ
- QAリード、SDET、専門QAなど、キャリアの方向性を決める
- 専門性を深める(セキュリティ、パフォーマンスなど)
- または、開発エンジニア、PdMへの転身も視野に
あなたのQAエンジニアとしてのキャリアが成功することを心から願っています。
QAエンジニアは、地味に見えるかもしれませんが、ユーザーに価値を届けるために不可欠な、やりがいのある仕事です。未経験からでも、適切な準備と努力があれば、必ず道は開けます。
まずは、この記事で紹介したステップ1から始めてみてください。小さな一歩が、あなたの人生を大きく変えるはずです。
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