「DevOpsエンジニアって、インフラエンジニアと何が違うの?」「SREとDevOpsの違いがよくわからない…」「未経験からDevOpsエンジニアになれるのか知りたい」「年収はどのくらい?将来性は?」
近年、IT業界で最も注目されている職種の一つがDevOpsエンジニアです。開発(Development)と運用(Operations)の壁を壊し、システムの継続的なデリバリーを実現する専門家として、多くの企業が求めています。年収も高く、将来性も抜群。しかし、その実態や必要なスキルは意外と知られていません。
私自身、インフラエンジニアからDevOpsエンジニアへとキャリアチェンジした経験があり、さらに転職エージェントとして100人以上のDevOps人材の転職をサポートしてきました。その経験から断言できるのは、DevOpsエンジニアは今、最もチャンスのある職種の一つだということです。
この記事では、DevOpsエンジニアの仕事内容、SREとの違い、必要なスキル、未経験からのロードマップ、そして求人の探し方まで、2025年最新の情報を徹底解説します。この記事を読めば、あなたがDevOpsエンジニアとして成功するための明確な道筋が見えてきます。
- DevOpsエンジニアとは?【役割と重要性を徹底解説】
- DevOpsエンジニアとSREの違い【徹底比較2025】
- DevOpsエンジニアとインフラエンジニアの違い
- DevOpsエンジニアの年収【2025年最新データ】
- DevOpsエンジニアに必要なスキル【レベル別完全ロードマップ】
- 未経験からDevOpsエンジニアになる方法【3つのルート】
- DevOpsエンジニア転職の具体的ステップ【12ヶ月完全ロードマップ】
- DevOpsエンジニアの求人の探し方【2025年版】
- DevOpsエンジニアのキャリアパス【5つの方向性】
- DevOpsエンジニアの成功事例・失敗事例【リアルな声】
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:DevOpsエンジニアとして成功するための10のステップ
- 最後に:あなたのDevOpsエンジニアとしてのキャリアを応援します
- あなたに最適な転職エージェントを見つけよう
DevOpsエンジニアとは?【役割と重要性を徹底解説】
DevOpsの概念を理解する
**DevOps(デブオプス)**とは、Development(開発)とOperations(運用)を組み合わせた造語で、開発チームと運用チームが密に連携し、ソフトウェアのリリースサイクルを高速化・自動化する文化・プラクティスのことです。
従来の開発・運用の問題点:
- 開発チーム:「新機能を早くリリースしたい」「仕様変更に柔軟に対応したい」
- 運用チーム:「システムの安定性を保ちたい」「変更によるトラブルを避けたい」
- この対立により、リリースが遅れ、品質問題が発生し、ユーザー価値の提供が遅れる
DevOpsが解決する課題:
- 開発と運用が協力し、自動化によって「速く、安全に」リリース
- CI/CD(継続的インテグレーション・継続的デリバリー)の実現
- インフラのコード化(Infrastructure as Code)
- 監視とフィードバックの自動化
- チーム間の壁をなくし、共通の目標に向かう文化の醸成
DevOpsエンジニアは、このDevOpsの文化を技術面から推進する専門家です。単なるツールの使い手ではなく、組織全体の生産性を高める変革者としての役割を担います。
DevOpsエンジニアの具体的な役割
DevOpsエンジニアは、開発と運用の橋渡し役として、以下の役割を担います:
1. CI/CDパイプラインの構築・運用 コードのコミットから本番環境へのデプロイまでを自動化するパイプラインを設計・実装します。
具体例:
- GitHubにコードがpushされると、自動でテスト実行
- テストが通れば、自動でDockerイメージをビルド
- イメージをコンテナレジストリ(ECR、GCR)にpush
- Kubernetesクラスタに自動デプロイ
- Slackに通知
これにより、従来は数時間〜数日かかっていたデプロイが、数分で完了するようになります。
2. インフラのコード化(Infrastructure as Code) TerraformやAnsibleなどを使って、インフラをコードで管理します。これにより、環境の再現性が高まり、手作業のミスが減ります。
メリット:
- 誰でも同じ環境を構築できる
- Gitでバージョン管理でき、変更履歴が追跡可能
- コードレビューを通じて品質を高められる
- ロールバックが容易
3. コンテナ・オーケストレーション Docker、Kubernetesを使って、アプリケーションをコンテナ化し、効率的に運用します。
効果:
- 環境依存の問題を解消(「俺の環境では動くのに…」がなくなる)
- リソースの効率的な利用
- スケーリングの自動化
- デプロイの高速化
4. 監視・ログ管理・アラート設定 Prometheus、Grafana、ELKスタックなどを使って、システムの状態を可視化し、問題を早期発見します。
実装内容:
- CPU、メモリ、ディスク使用率の監視
- アプリケーションのレスポンスタイム監視
- エラー率の監視
- しきい値を超えたらSlack/Eメールで通知
- ダッシュボードで可視化
5. クラウドインフラの設計・運用 AWS、GCP、Azureなどのクラウドサービスを活用し、スケーラブルで高可用性なインフラを構築します。
設計のポイント:
- マルチAZ/マルチリージョン構成
- オートスケーリング
- ロードバランシング
- コスト最適化
6. セキュリティの組み込み(DevSecOps) 開発プロセスにセキュリティチェックを組み込み、脆弱性を早期に発見します。
実装内容:
- コンテナイメージの脆弱性スキャン(Trivy、Clair)
- 静的コード解析(SonarQube)
- シークレット管理(Vault、AWS Secrets Manager)
- CI/CDパイプラインへのセキュリティテスト組み込み
7. 開発チームのサポート 開発者が効率的に開発できるよう、ツールや環境を整備します。
サポート内容:
- ローカル開発環境の構築支援(Docker Compose)
- デプロイ手順のドキュメント作成
- トラブルシューティング
- ベストプラクティスの共有
DevOpsエンジニアの1日の仕事の流れ
実際のDevOpsエンジニアの1日を見てみましょう。
午前(9:00〜12:00)
9:00 – スタンドアップミーティング(15分) 開発チーム全体で進捗共有。DevOpsエンジニアは、CI/CDパイプラインの状況、本番環境の監視結果、インフラの変更予定を報告します。
9:15 – 監視ダッシュボードの確認(30分) Grafanaで本番環境のメトリクスを確認。CPU使用率、メモリ、レスポンスタイム、エラー率などをチェック。異常があればアラートが上がっているはずですが、傾向分析も重要です。
9:45 – アラート対応(1時間) 夜間に発生したアラートを調査。ログを確認し、原因を特定します。今回は、特定のAPIのレスポンスタイムが遅延していることが判明。開発チームと連携して調査を進めます。
11:00 – CI/CDパイプラインの改善(1時間) ビルド時間が長くなっているため、キャッシュの最適化とステージの並列化を実装。GitHubでプルリクエストを作成し、チームメンバーにレビューを依頼。
午後(13:00〜18:00)
13:00 – Kubernetesクラスタのアップグレード計画(1.5時間) Kubernetesの新バージョンがリリースされたため、アップグレード計画を策定。検証環境でテストを実施し、問題がないことを確認。本番環境へのアップグレードは来週実施予定。
14:30 – Terraformでインフラコードを更新(1.5時間) 新しいマイクロサービス用のAWS環境を構築。VPC、ECS、RDS、ALBなどをTerraformでコード化。コードレビューを受けてからterraform applyを実行。
16:00 – 開発者からの相談対応(30分) 「ローカル環境でDockerが動かない」という相談を受け、トラブルシューティング。Docker Desktopのバージョンが古かったため、アップデートを案内。
16:30 – ドキュメント作成(1時間) 今日実装した改善内容をConfluenceにドキュメント化。手順書、アーキテクチャ図、注意点をまとめ、チーム全体で共有。
17:30 – 翌日の計画確認とメール対応(30分)
18:00 – 退勤
DevOpsエンジニアの仕事は、自動化の推進、問題解決、チームサポートがバランスよく組み合わさっています。単調な作業ではなく、常に改善を追求する、創造的な仕事です。
DevOpsエンジニアが扱う主な技術スタック
DevOpsエンジニアは、非常に幅広い技術に触れます。すべてをマスターする必要はありませんが、主要なツールは使いこなせる必要があります。
プログラミング言語:
- Python:自動化スクリプト、ツール開発、Ansible、AWSのBoto3ライブラリ
- Go:Kubernetes、Terraform、DockerなどのDevOpsツール自体がGoで書かれている
- Shell Script(Bash):サーバー操作の自動化、簡単なスクリプト
- Ruby:ChefなどのIaCツール(やや古い)
- JavaScript/TypeScript:Pulumi(IaCツール)、Node.jsベースの自動化
CI/CDツール:
- Jenkins:最も広く使われるCI/CDツール。プラグインが豊富
- GitLab CI/CD:GitLab統合型。YAML設定でパイプライン定義
- GitHub Actions:GitHub統合型。最近人気急上昇
- CircleCI:クラウド型CI/CD。セットアップが簡単
- ArgoCD:Kubernetes向けCDツール。GitOpsの実現に最適
コンテナ・オーケストレーション:
- Docker:コンテナ化の基本。必須スキル
- Kubernetes:コンテナオーケストレーション。DevOpsエンジニアの最重要スキル
- Helm:Kubernetesのパッケージ管理ツール
- Docker Compose:ローカル開発環境の構築に便利
- ECS/EKS(AWS)、GKE(GCP)、AKS(Azure):各クラウドのコンテナサービス
IaC(Infrastructure as Code):
- Terraform:クラウドインフラのコード化。最も人気が高い
- Ansible:サーバー設定の自動化。エージェントレスで使いやすい
- CloudFormation:AWS専用IaC。AWSに特化している
- Pulumi:プログラミング言語(Python、Go、TypeScript)でインフラを記述
クラウドプラットフォーム:
- AWS:最も広く使われる(EC2、S3、RDS、Lambda、ECS/EKS、VPCなど)
- GCP:Googleのクラウド(GKE、Cloud Run、BigQueryなど)
- Azure:Microsoftのクラウド(AKS、Azure DevOpsなど)
監視・ログ管理:
- Prometheus:メトリクス収集の定番。Kubernetes環境で特に人気
- Grafana:可視化ダッシュボード。Prometheusと組み合わせて使用
- ELKスタック(Elasticsearch, Logstash, Kibana):ログ管理の定番
- Datadog:統合監視サービス。有料だが高機能
- New Relic:APM(アプリケーションパフォーマンス監視)
バージョン管理:
- Git:必須。すべてのコードをGitで管理
- GitHub / GitLab / Bitbucket:コード管理プラットフォーム
その他の重要ツール:
- Nginx / Apache:Webサーバー
- Redis / Memcached:キャッシュ
- PostgreSQL / MySQL:データベース
- RabbitMQ / Kafka:メッセージキュー
- Vault:シークレット管理
- Istio / Linkerd:サービスメッシュ
これらすべてを完璧に使いこなす必要はありませんが、Docker、Kubernetes、Terraform、CI/CDツール(Jenkins or GitHub Actions)、クラウド(AWS or GCP) は必須スキルと言えます。
DevOpsエンジニアとSREの違い【徹底比較2025】
SRE(Site Reliability Engineering)とは?
**SRE(Site Reliability Engineering)**は、Googleが提唱した概念で、ソフトウェアエンジニアリングの手法を使って、システムの信頼性(Reliability)を高める職種です。
SREの父と呼ばれるBen Treynor Sloss(Google)は、SREを「運用チームをソフトウェアエンジニアに任せたもの」と定義しています。
SREの主な責任:
- SLO/SLI/SLAの設定と達成:サービスレベル目標を数値で定義し、達成する
- 障害対応とポストモーテム:障害発生時の対応と、再発防止策の策定
- キャパシティプランニング:将来的なトラフィック増加に備えた容量計画
- パフォーマンス最適化:システムの高速化、リソース効率化
- オンコール対応:24時間365日の監視体制と緊急対応
SREの重要な概念として、**「エラーバジェット」**があります。これは、「100%の可用性を目指すのではなく、許容できるダウンタイム(例:99.9%の可用性=月43.8分のダウンタイム許容)を設定し、その範囲内でリスクを取りながら新機能をリリースする」という考え方です。
DevOpsエンジニアとSREの違い【詳細比較表】
両者は重なる部分も多いですが、明確な違いがあります。
| 項目 | DevOpsエンジニア | SRE |
|---|---|---|
| 起源 | 開発と運用の文化改革 | Googleのエンジニアリング手法 |
| 主な焦点 | デリバリーの高速化 | システムの信頼性 |
| KPI | デプロイ頻度、リードタイム、変更失敗率 | 可用性、MTTR、SLO達成率、エラーバジェット |
| 主な業務 | CI/CD構築、IaC、自動化 | 障害対応、SLO管理、パフォーマンス最適化 |
| 開発への関与度 | 開発支援が中心 | 運用の自動化が中心 |
| オンコール | 企業による(ない〜たまに) | ほぼ必須(24時間365日体制) |
| プログラミング | 必要(中程度) | 必要(高度) |
| 年収(5年目) | 600万円〜900万円 | 700万円〜1200万円 |
| 企業規模 | スタートアップ〜大手まで幅広い | 主に大規模サービス(GAFA級) |
| 求人数 | 多い | 少ない(希少) |
| 働き方 | 比較的柔軟 | オンコールによる制約あり |
具体的な業務の違い:
DevOpsエンジニアの典型的なタスク:
- GitHub ActionsでCI/CDパイプラインを構築
- TerraformでAWS環境をコード化
- Dockerfileを最適化してビルド時間を短縮
- 開発者からの「デプロイ方法がわからない」という質問に対応
- Kubernetesのマニフェストファイルを作成
SREの典型的なタスク:
- サービスのSLOを99.95%に設定し、達成するための施策を実施
- 深夜に発生した障害に対応し、サービスを復旧
- 障害のポストモーテムを作成し、再発防止策を策定
- 来月のトラフィック増加に備えて、キャパシティプランニングを実施
- パフォーマンスのボトルネックを特定し、最適化
DevOpsとSREの関係性
DevOpsとSREは、対立するものではなく、補完的な関係にあります。
Ben Treynor Sloss(Google)の言葉: 「SREは、DevOpsの具体的な実装方法の一つです」
つまり、SREは「DevOpsをGoogleが実践した結果生まれた手法」と言えます。
多くの企業での役割分担:
- DevOpsエンジニア:CI/CD、IaC、開発環境の整備を担当
- SRE:本番環境の信頼性、障害対応、SLO管理を担当
両者が協力することで、「速く、安全に」リリースできる体制が実現します。
どちらを目指すべきか?
DevOpsエンジニアが向いている人:
- 開発プロセス全体に関わりたい
- 自動化に情熱を注げる
- ツールやパイプラインを作るのが好き
- スタートアップなど、変化の速い環境が好き
- オンコール対応は避けたい(または少なめがいい)
- 幅広い技術に触れたい
SREが向いている人:
- 大規模システムの安定運用に興味がある
- 障害対応にやりがいを感じる
- 数字(SLO、可用性など)で成果を測りたい
- オンコール対応を苦にしない
- GAFA級の企業で働きたい
- 深い技術力を追求したい
- 高年収を目指したい
推奨キャリアパス:
多くの場合、まずDevOpsエンジニアとして経験を積み、その後SREにステップアップするパターンが理想的です。理由は以下の通り:
- DevOpsエンジニアの方が求人数が多く、転職しやすい
- DevOpsで身につけた自動化スキルは、SREでも不可欠
- SREは高度なスキルが求められるため、いきなり目指すのは難しい
- DevOps経験者のSRE転職は、年収アップが期待できる
DevOpsエンジニアとインフラエンジニアの違い
従来のインフラエンジニアとの違い
DevOpsエンジニアは、インフラエンジニアから進化した職種と言えますが、大きな違いがあります。
| 項目 | 従来のインフラエンジニア | DevOpsエンジニア |
|---|---|---|
| 作業スタイル | 手作業中心 | 自動化・コード化 |
| 環境 | オンプレミス中心 | クラウド中心 |
| 開発との関係 | 分離されている | 密接に協力 |
| デプロイ頻度 | 月1回〜四半期に1回 | 日に数回〜数十回 |
| スキル | サーバー、ネットワーク | +プログラミング、CI/CD |
| ツール | 手動設定、シェルスクリプト | Terraform、Kubernetes、CI/CD |
| 働き方 | 夜間・休日作業が多い | 自動化により柔軟 |
| 変更管理 | 手順書、チケット | Gitでコード管理 |
| 年収(5年目) | 550万円 | 750万円 |
具体例:サーバー構築の違い
従来のインフラエンジニアの作業:
- AWSマネジメントコンソールにログイン
- 手作業でEC2インスタンスを立ち上げ(クリック操作)
- セキュリティグループを手動で設定
- SSHでログインし、手作業でミドルウェア(Nginx、PostgreSQLなど)をインストール
- 設定ファイル(/etc/nginx/nginx.confなど)を手作業で編集
- 作業手順書をWord/Excelで作成
- 次回、同じ環境が必要になったら、また同じ手順を繰り返す
問題点:
- 手作業によるミスが発生しやすい
- 環境の再現性が低い
- 属人化しやすい(担当者しかわからない)
- 時間がかかる
DevOpsエンジニアの作業:
- Terraformでインフラをコード化(
main.tfファイルに記述) - Ansibleで設定を自動化(
playbook.ymlファイルに記述) - コードをGitで管理
terraform apply一発で環境構築完了(数分)- 同じ環境が必要になったら、同じコードを実行するだけ
- コードレビューを通じて品質を担保
- ドキュメントもMarkdownでコード化し、Gitで管理
メリット:
- 手作業によるミスがない
- 環境の再現性が高い
- チーム全体で共有できる
- 時間が大幅に短縮
このように、DevOpsエンジニアは**「すべてをコード化・自動化する」**という思想が根底にあります。
インフラエンジニアからDevOpsエンジニアへの移行
インフラエンジニアの経験があれば、DevOpsエンジニアへの移行は比較的スムーズです。
既に持っているスキル(活かせる):
- Linux/Unixの基本操作
- ネットワークの基礎知識
- サーバー構築・運用経験
- トラブルシューティング能力
- セキュリティの基礎知識
追加で習得すべきスキル:
- プログラミング(Python、Goなど)
- CI/CDツールの理解と構築経験
- コンテナ技術(Docker、Kubernetes)
- IaC(Terraform、Ansible)
- クラウド(AWS、GCP)の実践的スキル
学習期間:6ヶ月〜1年(業務時間外の独学)
詳しくは以下の記事も参照してください: → インフラエンジニア転職完全ガイド【未経験からの年収・将来性・必要スキル2025】
DevOpsエンジニアの年収【2025年最新データ】
経験年数別の年収相場
DevOpsエンジニアは、エンジニア職の中でも高年収の部類に入ります。
未経験〜1年目:
- 年収レンジ:400万円〜550万円
- 平均年収:470万円
- 注:完全未経験からDevOpsエンジニアになるのは難しい。通常はインフラエンジニア、開発エンジニアからの転身
2〜3年目:
- 年収レンジ:500万円〜700万円
- 平均年収:600万円
- 主なスキル:Kubernetes、Terraformの実務経験、CI/CDパイプライン構築
4〜5年目:
- 年収レンジ:650万円〜900万円
- 平均年収:750万円
- 主なスキル:複数プロジェクトでの実績、IaC設計、チームリード経験
6〜10年目(シニアDevOpsエンジニア):
- 年収レンジ:800万円〜1200万円
- 平均年収:950万円
- 主なスキル:アーキテクチャ設計、技術選定、マルチクラウド経験
10年以上(DevOpsアーキテクト、マネージャー):
- 年収レンジ:1000万円〜1800万円
- 平均年収:1300万円
- 主な役割:組織全体のDevOps戦略を統括、チームマネジメント
企業規模別・業態別の年収比較
スタートアップ・ベンチャー企業:
- 年収レンジ:500万円〜1000万円
- 特徴:ストックオプション付与の可能性、裁量が大きい、技術選定の自由度が高い、ゼロからDevOps環境を構築できる
- 向いている人:新しい技術に挑戦したい、スピード感を求める、裁量を持って働きたい
中堅IT企業:
- 年収レンジ:550万円〜900万円
- 特徴:ワークライフバランス良好、研修制度充実、安定している
- 向いている人:安定性を重視、じっくり成長したい、プライベートも大切にしたい
大手IT企業・SIer:
- 年収レンジ:600万円〜1000万円
- 特徴:福利厚生充実、大規模プロジェクト経験、社内異動の機会、ブランド力
- 向いている人:大企業の安定性、福利厚生重視、大規模システム経験を積みたい
外資系IT企業(GAFA級):
- 年収レンジ:1000万円〜2500万円
- 特徴:高年収、成果主義、英語必須、SRE的な働き方、最先端技術
- 向いている人:グローバル志向、高収入を目指す、技術力に自信がある、英語が得意
メガベンチャー(LINE、メルカリ、サイバーエージェントなど):
- 年収レンジ:700万円〜1500万円
- 特徴:高年収、最新技術、大規模トラフィック経験、技術カンファレンス登壇機会
- 向いている人:日本企業で高収入、大規模サービス経験、技術発信に興味がある
SaaS企業:
- 年収レンジ:600万円〜1100万円
- 特徴:プロダクト開発に集中できる、クラウドネイティブな環境、成長企業が多い
- 向いている人:BtoBサービスに興味がある、プロダクト志向が強い
他職種との年収比較(5年目時点)
| 職種 | 平均年収 | 年収レンジ |
|---|---|---|
| DevOpsエンジニア | 750万円 | 650〜900万円 |
| SRE | 850万円 | 700〜1200万円 |
| バックエンドエンジニア | 650万円 | 550〜800万円 |
| フロントエンドエンジニア | 600万円 | 500〜750万円 |
| インフラエンジニア | 600万円 | 500〜750万円 |
| QAエンジニア | 520万円 | 450〜650万円 |
| データエンジニア | 700万円 | 600〜900万円 |
DevOpsエンジニアは、一般的な開発エンジニアやインフラエンジニアよりも高年収の傾向があります。理由は、幅広いスキルセットが必要で、希少性が高いためです。
年収を上げるための5つの戦略
戦略1:クラウド認定資格を取得する
AWS、GCP、Azureの認定資格は、年収アップに直結します。
おすすめ資格と年収への影響:
- AWS Certified Solutions Architect – Associate:+50万円
- AWS Certified DevOps Engineer – Professional:+100万円(最重要)
- CKA(Certified Kubernetes Administrator):+80万円
- CKAD(Certified Kubernetes Application Developer):+60万円
- CKS(Certified Kubernetes Security Specialist):+70万円
- Google Professional Cloud Architect:+80万円
- HashiCorp Certified: Terraform Associate:+50万円
複数資格を持つことで、年収交渉時の強力な武器になります。
戦略2:複数のクラウドを経験する
AWS一択ではなく、GCP、Azureも経験すると、市場価値が大幅に上がります。マルチクラウド経験者は希少で、企業から引く手あまたです。
年収への影響:+100〜200万円
特に、「AWSとGCP両方で大規模システムを構築した経験」があると、転職市場で非常に有利です。
戦略3:大規模サービスの経験を積む
月間数百万〜数千万ユーザーの大規模サービスの経験は、転職市場で高く評価されます。
- トラフィックのスケーリング経験
- 高可用性(99.9%以上)の実現
- コスト最適化(月数百万円のインフラコスト削減)
- 障害対応とポストモーテム
年収への影響:+150〜300万円
戦略4:英語力を身につけて外資系へ
TOEIC 850点以上、または英語での業務経験があれば、外資系IT企業への道が開けます。
- 英語でのドキュメント作成
- 海外チームとのコミュニケーション
- 英語での技術面接対応
年収への影響:+300〜800万円
外資系企業では、同じスキルレベルでも年収が1.5〜2倍になることも珍しくありません。
戦略5:OSSへの貢献・技術発信
Kubernetes、Terraform、Prometheusなど、主要なOSSへのコントリビュート実績があると、技術力の証明になります。
- GitHubでのプルリクエスト
- IssueやDiscussionでの貢献
- ドキュメントの改善
- ブログでの技術記事執筆
- カンファレンスでの登壇
年収への影響:+100〜200万円(+評判向上により転職オファーが増える)
特に、「Kubernetesの公式ドキュメントに貢献した」「Terraformのプロバイダーを開発した」などの実績は、面接で強力なアピールポイントになります。
DevOpsエンジニアに必要なスキル【レベル別完全ロードマップ】
【前提】インフラまたは開発の基礎知識
DevOpsエンジニアになるには、以下のいずれかの基礎知識が必要です:
パターンA:インフラエンジニア出身(最も多い)
- Linux/Unixの基本操作
- ネットワークの基礎(TCP/IP、DNS、HTTP/HTTPS)
- サーバー構築・運用経験
- シェルスクリプト作成経験
パターンB:開発エンジニア出身
- プログラミング経験(Python、Java、Goなど)
- Webアプリケーションの開発経験
- Gitの使用経験
- APIの理解
完全未経験の場合: まずはインフラエンジニアか開発エンジニアとして1〜2年の経験を積むことを強く推奨します。DevOpsエンジニアは、インフラと開発の両方の知識が必要なため、いきなり目指すのは非常に難易度が高いです。
レベル1:DevOpsエンジニアとして転職できる最低限のレベル(学習期間:6ヶ月〜1年)
必須スキル:
1. Linuxの基本操作(重要度:★★★★★)
- コマンドライン操作(cd, ls, grep, sed, awk, find, ps, top, netstatなど)
- ファイル・ディレクトリ操作
- パーミッション管理(chmod, chown)
- プロセス管理(kill, systemctl)
- ログ確認(/var/log配下)
- シェルスクリプト作成
学習リソース:
- 「新しいLinuxの教科書」(書籍)
- Udemy「もう絶対に忘れない Linux コマンド【Linux 100本ノック+名前の由来+丁寧な解説で、長期記憶に焼き付けろ!】」
- 実際にLinuxサーバーを触る(AWS EC2の無料枠を活用)
2. Dockerの基礎(重要度:★★★★★)
- Dockerの概念理解(コンテナとは何か)
- Dockerfileの作成(FROM, RUN, COPY, CMD, ENTRYPOINTなど)
- コンテナのビルド・実行・停止(docker build, run, stop, ps)
- イメージの管理(docker images, rmi, tag, push)
- Docker Composeの使用(複数コンテナの管理)
- ボリュームとネットワーク
学習リソース:
- Docker公式ドキュメント(Getting Started)
- 「仕組みと使い方がわかる Docker&Kubernetesのきほんのきほん」(書籍)
- Udemy「米シリコンバレーDevOps監修!超Docker完全入門」
実践プロジェクト: 簡単なWebアプリ(Flask、Node.js、Railsなど)をDockerコンテナ化し、Docker Composeで起動できるようにする。
3. CI/CDの基本理解(重要度:★★★★☆)
- CI/CDの概念理解
- Jenkins、GitHub Actions、GitLab CIのいずれかの使用経験
- 簡単なパイプラインの構築(テスト実行、ビルド、デプロイ)
学習リソース:
- GitHub Actions公式ドキュメント
- 「Jenkins実践入門」(書籍)
- GitLab CI/CD公式チュートリアル
実践プロジェクト: GitHub Actionsで、GitHubにコードをpushすると自動でテスト→Dockerイメージビルド→DockerHubにpush、という簡単なパイプラインを構築。
4. クラウドの基礎(AWS推奨)(重要度:★★★★★)
- EC2、S3、RDS、VPC、ELB、Route53の基本
- AWSマネジメントコンソールの操作
- IAM(権限管理)の基礎
- 簡単なWebアプリケーションのデプロイ
学習リソース:
- AWS公式トレーニング(無料)
- 「Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築」(書籍)
- Udemy「AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト試験突破講座」
目標資格: AWS認定クラウドプラクティショナー、またはAWS Certified Solutions Architect – Associate
5. Gitの使用(重要度:★★★★★)
- 基本的なGitコマンド(add, commit, push, pull, clone, branch, merge, rebase)
- ブランチ戦略の理解(Git Flow、GitHub Flow)
- プルリクエストのレビュー
- コンフリクトの解決
学習リソース:
- Progate「Git」コース
- 「わかばちゃんと学ぶ Git使い方入門」(書籍)
- 実際にGitHubでプロジェクトを管理
6. プログラミングの基礎(Python推奨)(重要度:★★★★☆)
- 基本文法(変数、関数、ループ、条件分岐)
- ファイル操作
- API呼び出し(requestsライブラリ)
- 簡単な自動化スクリプト作成
学習リソース:
- Progate「Python」コース
- 「独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで」(書籍)
- 「Pythonによる自動化入門」(書籍)
実践プロジェクト: AWS EC2の起動・停止を自動化するPythonスクリプトを作成(Boto3ライブラリ使用)。
このレベルで目指せる年収: 400万円〜550万円(インフラエンジニア、開発エンジニアからの転職の場合)
レベル2:実務で活躍できるレベル(実務経験1〜3年)
必須スキル:
1. Kubernetesの実務経験(重要度:★★★★★)
- Kubernetesの基本概念(Pod、ReplicaSet、Deployment、Service、Ingress、ConfigMap、Secretなど)
- マニフェストファイル(YAML)の作成
- kubectlコマンドの使いこなし
- Helmの使用(Kubernetesのパッケージ管理)
- ローカルでのKubernetes環境構築(Minikube、kind、Docker Desktop)
学習リソース:
- Kubernetes公式ドキュメント
- 「Kubernetes完全ガイド 第2版」(書籍・最高の教材)
- Udemy「Kubernetes完全入門」
目標資格: CKA(Certified Kubernetes Administrator)
実践プロジェクト: Webアプリ(フロントエンド+バックエンド+データベース)をKubernetesにデプロイ。Ingressでルーティング、Helmでパッケージングまでやってみる。
2. Terraformの実務経験(重要度:★★★★★)
- HCL(HashiCorp Configuration Language)の理解
- AWS/GCP/Azureリソースのコード化
- stateファイルの管理(S3バックエンドなど)
- モジュールの作成と再利用
- workspaceの使い分け(dev、stg、prod)
学習リソース:
- Terraform公式ドキュメント(Learn Terraform)
- 「実践Terraform」(書籍)
- Udemy「Terraform入門」
目標資格: HashiCorp Certified: Terraform Associate
実践プロジェクト: TerraformでAWS環境を構築(VPC、サブネット、EC2、RDS、ALBなど)。モジュール化し、GitHubで管理。
3. CI/CDパイプラインの構築・運用(重要度:★★★★★)
- Jenkins、GitLab CI、GitHub Actionsの高度な使用
- テスト自動化の組み込み(ユニットテスト、統合テスト)
- ビルド・デプロイ自動化
- ロールバック戦略
- ブルーグリーンデプロイ、カナリアリリースの実装
学習リソース:
- 「継続的デリバリー 信頼できるソフトウェアリリースのためのビルド・テスト・デプロイメントの自動化」(書籍)
- 各ツールの公式ドキュメント
実践プロジェクト: GitHub Actionsで、コミット→テスト→ビルド→コンテナイメージpush(ECR)→ECSデプロイまでを完全自動化。失敗時はSlack通知。
4. 監視・ログ管理(重要度:★★★★☆)
- Prometheusでのメトリクス収集
- Grafanaでのダッシュボード作成
- ELKスタック(Elasticsearch, Logstash, Kibana)の構築
- アラート設定(Alertmanager)
- ログ集約と検索
学習リソース:
- Prometheus公式ドキュメント
- Grafana公式ドキュメント
- 「入門 監視」(書籍)
実践プロジェクト: KubernetesクラスタにPrometheus + Grafanaをデプロイし、CPUやメモリの使用率を可視化。しきい値を超えたらSlack通知。
5. クラウドの実践的スキル(重要度:★★★★★)
- ECS/EKS(AWS)、GKE(GCP)、AKS(Azure)の運用
- ロードバランサー(ALB、NLB)の設定
- オートスケーリング(HPA、Cluster Autoscaler)
- セキュリティグループ、NACLの適切な設定
- IAMロールとポリシーの設計
- VPC、サブネット、ルートテーブルの設計
学習リソース:
- AWS Well-Architected Framework
- 各クラウドの公式ドキュメント
目標資格:
- AWS Certified Solutions Architect – Associate(必須)
- AWS Certified DevOps Engineer – Professional(推奨)
6. Ansible(IaC)(重要度:★★★☆☆)
- Playbookの作成
- インベントリの管理
- ロールの作成
- サーバー設定の自動化
学習リソース:
- Ansible公式ドキュメント
- 「Ansible実践ガイド」(書籍)
実践プロジェクト: AnsibleでWebサーバー(Nginx)、アプリケーションサーバー(Python)、データベース(PostgreSQL)の設定を自動化。
このレベルで目指せる年収: 600万円〜900万円
レベル3:シニア・リードレベル(実務経験5年以上)
必須スキル:
1. アーキテクチャ設計能力(重要度:★★★★★)
- マイクロサービスアーキテクチャの理解と設計
- サービスメッシュ(Istio、Linkerd)の設計・運用
- API Gatewayの設計
- イベント駆動アーキテクチャ(Kafka、RabbitMQ)
- マルチクラウド、ハイブリッドクラウドの設計
学習リソース:
- 「マイクロサービスアーキテクチャ」(書籍)
- 「分散システムデザインパターン」(書籍)
- AWS、GCPのアーキテクチャホワイトペーパー
2. セキュリティ(DevSecOps)(重要度:★★★★★)
- OWASP Top 10の理解
- コンテナセキュリティ(イメージスキャン、ランタイムセキュリティ)
- シークレット管理(Vault、AWS Secrets Manager、SOPS)
- CI/CDパイプラインへのセキュリティチェック組み込み(SAST、DAST)
- ゼロトラストアーキテクチャ
学習リソース:
- 「DevSecOps実践ガイド」(書籍)
- CIS Benchmarks
- 各種セキュリティツールの公式ドキュメント
3. 大規模システムの運用経験(重要度:★★★★☆)
- 数百〜数千台規模のサーバー管理
- 高可用性(HA)構成の設計(Multi-AZ、Multi-Region)
- ディザスタリカバリ(DR)計画
- スケーリング戦略(水平・垂直)
4. パフォーマンスチューニング(重要度:★★★★☆)
- ボトルネック分析(プロファイリング)
- キャパシティプランニング
- コスト最適化(リザーブドインスタンス、Savings Plans、Spot Instances)
- データベースチューニング
5. チームリーダーシップ(重要度:★★★★★)
- DevOpsチームのリード
- ベストプラクティスの策定
- 技術選定の意思決定
- メンバー育成・メンタリング
- プロジェクトマネジメント
6. ビジネス理解(重要度:★★★★☆)
- TCO(総所有コスト)の計算
- ROI(投資対効果)の説明
- 経営層へのプレゼンテーション
- コスト削減提案
このレベルで目指せる年収: 1000万円〜1800万円
おすすめの認定資格【優先順位付き】
【最優先】必ず取得すべき資格:
- AWS Certified Solutions Architect – Associate
- 難易度:中
- 学習時間:100〜150時間
- 年収への影響:+50万円
- DevOpsエンジニアの基礎となる資格
- CKA(Certified Kubernetes Administrator)
- 難易度:高
- 学習時間:150〜200時間
- 年収への影響:+80万円
- Kubernetesの実技試験。最も価値が高い
- AWS Certified DevOps Engineer – Professional
- 難易度:最高
- 学習時間:200〜300時間
- 年収への影響:+100万円
- DevOpsエンジニアの最高峰資格
【推奨】余裕があれば取得:
- CKAD(Certified Kubernetes Application Developer)
- Kubernetes上でのアプリケーション開発に特化
- HashiCorp Certified: Terraform Associate
- Terraformの公式資格
- Google Professional Cloud Architect
- GCPの上級資格
- CKS(Certified Kubernetes Security Specialist)
- Kubernetesのセキュリティに特化
資格がなくても転職はできますが、AWS Solutions Architect AssociateとCKAは、年収アップと転職成功率向上に直結するため、取得を強く推奨します。
未経験からDevOpsエンジニアになる方法【3つのルート】
ルート1:インフラエンジニアからのキャリアチェンジ(最も一般的・推奨)
メリット:
- インフラの知識がそのまま活きる
- 段階的にスキルアップできる
- 社内でDevOpsエンジニアに転換できる場合も多い
- 最も成功率が高いルート
デメリット:
- プログラミングスキルの習得が必要
- 自動化の文化に慣れるまで時間がかかる場合がある
ステップバイステップ:
1年目:インフラエンジニアとして基礎を固める
- Linux、ネットワーク、サーバー構築の基礎を習得
- クラウド(AWS)の基本操作を学ぶ
- シェルスクリプトでの簡単な自動化を実践
- 手作業での運用を経験し、その課題を認識する
2年目:DevOpsスキルを並行学習
- 業務時間外にDocker、Kubernetesを独学(平日2時間、休日4時間)
- Terraformでインフラをコード化する練習
- 社内で小規模な自動化プロジェクトを提案・実行
- GitHubでポートフォリオ作成を開始
3年目:DevOpsエンジニアへ転職
- ポートフォリオ(GitHubのコード)を準備
- AWS SAA、CKAなどの認定資格を取得
- 転職エージェントに登録
- DevOpsエンジニアとして転職活動開始
実例:Aさん(28歳・男性)のケース
転職前:
- 職種:オンプレミスのインフラエンジニア(SIer)
- 年収:480万円
- 課題:レガシーな環境、手作業が多い、成長実感がない、夜間作業が多い
転職活動:
- 業務時間外に、Docker、Kubernetes、Terraformを独学(6ヶ月)
- GitHubにインフラコードを公開(TerraformでAWS環境を構築するコード)
- AWS SAA、CKA取得
- レバテックキャリア経由で応募(5社)
転職後:
- 職種:DevOpsエンジニア(自社開発SaaS企業)
- 年収:650万円(+170万円!)
- 働き方:週3リモート、フレックス制、夜間作業なし
成功のポイント:
- インフラの実務経験が評価された
- 独学でのスキル習得が本気度の証明になった
- 資格取得で客観的なスキルを証明できた
- ポートフォリオで技術力を可視化した
Aさんのコメント: 「オンプレミスの手作業に限界を感じ、クラウドネイティブな環境で働きたいと思い転職を決意しました。半年間は仕事と並行して学習するのが大変でしたが、GitHubでコードを公開したことが、面接で高く評価されました。今は最新技術に触れられる環境で、毎日が楽しいです」
ルート2:開発エンジニアからのキャリアチェンジ
メリット:
- プログラミングスキルがそのまま活きる
- CI/CD、Gitは既に使用経験がある場合が多い
- コードを書く文化に慣れている
- 開発者視点でDevOpsを推進できる
デメリット:
- インフラの知識が不足している
- ネットワーク、OS、ミドルウェアの学習が必要
ステップバイステップ:
1〜2年目:開発エンジニアとして経験を積む
- バックエンド開発(Python、Java、Goなど)
- Gitでのバージョン管理
- Dockerを使った開発環境構築
- APIの設計・実装
2〜3年目:インフラスキルを並行学習
- AWS、GCPの基礎を学習(Udemyなど)
- Kubernetesでのデプロイ経験を積む
- CI/CDパイプラインの構築に関わる
- インフラの基礎(ネットワーク、OS)を補強
3〜4年目:DevOpsエンジニアへ転職
- インフラの基礎知識を補強
- AWS認定資格を取得
- ポートフォリオを準備
- DevOpsエンジニアとして転職活動
実例:Bさん(26歳・女性)のケース
転職前:
- 職種:バックエンドエンジニア(Python/Django)
- 年収:520万円
- 課題:デプロイの遅さ、環境構築の煩雑さに課題を感じていた
転職活動:
- 開発チームのCI/CDパイプライン構築を自ら提案し担当
- GitHub ActionsでCI/CD構築、Terraformでインフラコード化
- その経験をポートフォリオとしてまとめる
- AWS DevOps Engineer – Professional取得
- マイナビIT AGENT経由で応募
転職後:
- 職種:DevOpsエンジニア(Fintech企業)
- 年収:680万円(+160万円!)
- 働き方:完全リモート、フルフレックス
成功のポイント:
- 開発経験がプログラミングスキルの証明になった
- 社内でのCI/CD構築経験が実績として評価された
- 高難度の資格(DevOps Professional)取得で差別化
Bさんのコメント: 「開発をしていて、デプロイに時間がかかることに常に不満を感じていました。自分でCI/CDパイプラインを構築したことをきっかけに、DevOpsに興味を持ちました。開発とインフラの橋渡しができる立場は、非常にやりがいがあります。完全リモートで働けるのも魅力です」
ルート3:完全未経験からの挑戦(最も難易度が高い・非推奨)
現実: 完全未経験(ITの実務経験なし)からいきなりDevOpsエンジニアになるのは、非常に難しいです。理由は、DevOpsエンジニアにはインフラと開発の両方の知識が必要だからです。
実際、未経験歓迎のDevOpsエンジニア求人はほとんど存在しません。
推奨ルート: 完全未経験の場合、まずは以下のいずれかで1〜2年の実務経験を積むことを強く推奨します:
- インフラエンジニアとして入社 → 1〜2年後にDevOpsへ(最推奨)
- 開発エンジニアとして入社 → 1〜2年後にDevOpsへ
- SESのインフラエンジニア → 経験を積んでからDevOpsへ転職
ただし、どうしても最初からDevOpsエンジニアを目指す場合は、以下のステップを踏みましょう:
完全未経験からのステップ:
1〜3ヶ月:基礎知識のインプット
- Linuxの基本操作を学ぶ(Udemy、書籍)
- Pythonの基礎を学ぶ(Progate)
- Gitの使い方を学ぶ
- AWSの基礎を学ぶ(AWS公式トレーニング)
4〜6ヶ月:実践スキルの習得
- Dockerでコンテナを作成
- Terraformでインフラをコード化
- GitHub Actionsで簡単なCI/CDを構築
- ポートフォリオをGitHubで公開
7〜9ヶ月:ポートフォリオ充実化
- 複数のプロジェクトを作成
- README.mdを丁寧に書く
- ブログで学習内容を発信
10〜12ヶ月:資格取得・転職活動
- AWS認定資格を取得(Cloud Practitioner → Solutions Architect)
- 「未経験可」「ポテンシャル採用」のインフラ・DevOps求人に応募
- または、インフラエンジニアとして入社して経験を積む
重要な注意点: 完全未経験の場合、年収は300万円〜400万円程度からのスタートになることを覚悟しましょう。また、書類選考の通過率は非常に低い(5%未満)です。それでも、適切な準備と努力があれば、2〜3年で年収600万円以上も十分可能です。
現実的なアドバイス: 最初は「DevOpsエンジニア」ではなく「インフラエンジニア」として入社し、社内でDevOpsスキルを身につけてから、DevOpsエンジニアに転職する方が、確実で現実的です。
DevOpsエンジニア転職の具体的ステップ【12ヶ月完全ロードマップ】
ステップ1:学習計画を立てる(1〜2週間)
まずは、自分の現在地を確認し、学習計画を立てましょう。
自己診断チェックリスト:
- Linuxの基本操作ができる
- プログラミング経験がある(どの言語でも可)
- Gitの使い方を知っている
- クラウド(AWS/GCP/Azure)の基本を知っている
- Dockerを使ったことがある
- CI/CDの概念を理解している
- サーバー構築・運用の実務経験がある
判定:
- チェックが5つ以上:6ヶ月以内にDevOpsエンジニア転職が可能
- チェックが3〜4つ:1年程度の学習期間が必要
- チェックが0〜2つ:まずはインフラか開発エンジニアを目指すことを推奨
ステップ2:基礎スキルの習得(1〜3ヶ月)
やるべきこと:
Linux学習(1ヶ月)
- 「新しいLinuxの教科書」を読む
- Udemy「もう絶対に忘れない Linux コマンド」を受講
- AWS EC2でLinuxサーバーを立て、実際に操作
Python学習(1ヶ月)
- Progate「Python」コースを完走
- 「独学プログラマー」を読む
- 簡単なスクリプトを書いて、GitHubにアップ
Git学習(2週間)
- Progate「Git」コースを完走
- 「わかばちゃんと学ぶ Git使い方入門」を読む
- GitHubアカウントを作成し、リポジトリを作成
AWS学習(1ヶ月)
- AWS公式トレーニング(無料)を受講
- 「Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築」を読む
- EC2、S3、RDSを実際に触る
ステップ3:Docker・Kubernetes学習(2〜4ヶ月)
やるべきこと:
Docker学習(1.5ヶ月)
- Docker公式ドキュメント(Getting Started)
- 「仕組みと使い方がわかる Docker&Kubernetesのきほんのきほん」を読む
- 簡単なWebアプリをDockerコンテナ化
- Docker Composeで複数コンテナを管理
Kubernetes学習(2.5ヶ月)
- Kubernetes公式ドキュメント
- 「Kubernetes完全ガイド 第2版」を読む(必読!)
- MinikubeでローカルにKubernetesクラスタを構築
- Pod、Deployment、Serviceを実際にデプロイ
目標: CKA(Certified Kubernetes Administrator)の取得を目指す(取得は後でもOK)
ステップ4:Terraform・CI/CD学習(2〜3ヶ月)
やるべきこと:
Terraform学習(1.5ヶ月)
- Terraform公式ドキュメント(Learn Terraform)
- 「実践Terraform」を読む
- TerraformでAWS環境(VPC、EC2、RDS)を構築
- モジュール化し、GitHubで管理
CI/CD学習(1.5ヶ月)
- GitHub Actions公式ドキュメント
- GitHubにコードpush→テスト→ビルド→デプロイの自動化を実装
- Slackへの通知も設定
ステップ5:ポートフォリオ作成(2〜3ヶ月)
作成すべきプロジェクト:
プロジェクト1:WebアプリのCI/CD環境構築
- 簡単なWebアプリ(Todo管理アプリなど)を作成
- Dockerコンテナ化
- GitHub ActionsでCI/CD構築
- AWS ECS/EKSにデプロイ
- README.mdに詳細な説明を記載
プロジェクト2:TerraformでのAWSインフラ構築
- VPC、サブネット、EC2、RDS、ALBなどを構築
- モジュール化して再利用可能にする
- 複数環境(dev、stg、prod)を管理
プロジェクト3:Kubernetes環境の構築
- Webアプリ(フロントエンド+バックエンド+DB)をKubernetesにデプロイ
- Helmでパッケージング
- Ingressでルーティング
プロジェクト4:監視ダッシュボード構築
- Prometheus + Grafanaで監視環境を構築
- メトリクスを可視化
- アラート設定
ステップ6:資格取得(2〜4ヶ月)
取得すべき資格:
優先順位1:AWS Certified Solutions Architect – Associate
- 学習期間:2〜3ヶ月
- Udemy「AWS認定ソリューションアーキテクト アソシエイト試験突破講座」
- 模擬試験で合格ラインに達したら受験
優先順位2:CKA(Certified Kubernetes Administrator)
- 学習期間:2〜3ヶ月
- 「Kubernetes完全ガイド」を繰り返し読む
- Linux FoundationのCKA試験対策コース
- 実技試験のため、実際に手を動かす練習が重要
ステップ7:職務経歴書・ポートフォリオ作成(2週間)
職務経歴書のポイント:
前職の経験をDevOps視点で書き換える:
❌ NG例(インフラエンジニアの場合): 「オンプレミスサーバーの構築・運用を担当しました」
⭕ OK例: 「オンプレミスサーバーの構築・運用を担当。手作業による構築の課題を感じ、Ansibleを独学で習得し、サーバー構築を自動化。構築時間を80%削減しました。また、業務時間外にTerraformを学習し、AWSでの環境構築をコード化する個人プロジェクトを実施。GitHubで公開し、300スターを獲得しました」
DevOpsエンジニアとしてアピールすべきポイント:
- 自動化への強い興味・実績
- 学習意欲の高さ(独学でのスキル習得)
- チームでの協力経験
- 問題解決能力(課題を認識し、解決策を実行)
- 技術への情熱(GitHubでのコード公開、ブログ執筆など)
ステップ8:転職エージェントに登録(1週間)
おすすめの転職エージェント:
- DevOpsエンジニア求人が豊富(約600件)
- 技術理解度が高いアドバイザー
- 年収交渉に強い
- 経験者向け
- 20代〜30代のDevOps転職に強い
- 未経験からの転職支援も手厚い
- 大手企業の求人が多い
- 書類添削・面接対策が丁寧
- IT業界全般に強い
- インフラエンジニアからDevOpsへの転職サポート
- レスポンスが早い
- 未経験者にも対応
- 自社開発企業のDevOps求人が豊富
- スタートアップ・ベンチャーの求人が多い
- 企業と直接やりとり可能
- カジュアル面談も多い
- ハイクラスDevOps求人(年収800万円以上)
- スカウト機能で好条件の求人に出会える
- 外資系・メガベンチャーの求人が多い
- 経験者向け
複数登録のメリット:
- 各エージェントの独占求人にアクセスできる
- 担当者との相性を比較できる
- 年収交渉で複数オファーを活用できる
ステップ9:面接対策(2〜3週間)
DevOpsエンジニア面接でよく聞かれる質問と回答例:
Q1. なぜDevOpsエンジニアになりたいのですか?
回答例: 「前職のインフラエンジニアとして、手作業によるデプロイの非効率さと、開発チームとの連携の課題を感じていました。DevOpsの『開発と運用が協力し、速く安全にリリースする』という考え方に共感しました。自動化によって、エンジニアがより価値の高い仕事に集中できる環境を作りたいと考え、DevOpsエンジニアを志望しています」
Q2. CI/CDパイプラインを構築した経験はありますか?
回答例(実務経験がない場合): 「実務経験はありませんが、個人プロジェクトでGitHub Actionsを使ったCI/CDパイプラインを構築しました。GitHubにコードをpush→テスト実行→Dockerイメージのビルド→ECRへのpush→ECSへのデプロイまでを自動化しました。失敗時はSlackに通知が行くようにも設定しています。GitHubで公開しておりますので、ぜひご覧ください」
Q3. Kubernetesの経験について教えてください
回答例: 「個人学習でKubernetesを学んでおり、ローカル環境(Minikube)とAWS EKSでWebアプリケーションをデプロイした経験があります。Pod、Deployment、Service、Ingressなどのリソースを理解しており、HelmでのKubernetesのパッケージング経験もあります。CKAの取得も目指して学習を継続しています」
Q4. インフラをコード化(IaC)するメリットは何ですか?
回答例: 「IaCのメリットは大きく3つあると考えています。
1つ目は再現性の高さです。同じコードから、いつでも同じ環境を構築できます。これにより、『開発環境では動くのに本番環境では動かない』という問題がなくなります。
2つ目はバージョン管理です。Gitで管理することで、変更履歴が追跡でき、ロールバックも容易です。また、誰がいつ何を変更したかが明確になります。
3つ目はレビュー文化です。コードレビューを通じて、チーム全体でインフラの品質を高められます。手作業では気づかなかったミスも、コードレビューで発見できます」
Q5. あなたがDevOpsエンジニアとして貢献できることは?
回答例: 「前職のインフラ経験を活かし、安定性を保ちながら自動化を推進できます。特に、Linux、ネットワーク、セキュリティの知識は、DevOpsの基盤として不可欠です。
また、独学で身につけたTerraform、Kubernetes、CI/CDの知識を活かし、チームのDevOps文化の浸透に貢献したいと考えています。GitHubで公開しているポートフォリオも、その証明です。
学習意欲が高く、新しい技術へのキャッチアップも得意です。最新のDevOpsトレンドを常に追いかけ、チームに還元していきたいと考えています」
技術面接で出される課題例:
課題1:「このWebアプリケーションをDockerコンテナ化してください」
- Dockerfileを作成
- 必要な依存関係をインストール
- ポートを公開
- ベストプラクティスに従う(マルチステージビルド、最小イメージなど)
課題2:「TerraformでVPCを作成するコードを書いてください」
- VPC、サブネット(public/private)、インターネットゲートウェイを定義
- モジュール化の考慮
- 変数の使用
課題3:「GitHub Actionsで簡単なCI/CDパイプラインを作成してください」
- テスト実行
- Dockerイメージのビルド
- コンテナレジストリへのpush
これらの課題は、事前に練習しておくことで、自信を持って面接に臨めます。
ステップ10:内定獲得・条件交渉(2〜4週間)
DevOpsエンジニアは需要が高いため、複数内定を獲得できる可能性があります。
条件交渉のポイント:
年収交渉:
- 市場価値を把握しておく(インフラエンジニア+100〜150万円程度が相場)
- AWS認定資格やCKAを持っている場合は、積極的にアピール
- 複数内定がある場合は、その情報を活用(ただし誠実に)
働き方の交渉:
- リモートワークの頻度
- オンコール対応の有無・頻度
- 学習時間の確保(書籍購入費、研修参加費、カンファレンス参加費の補助)
詳しくは以下の記事を参照してください: → エンジニア転職のオファー面談対策【最終面接後の条件交渉術2025】
ステップ11:退職・入社準備(1〜2ヶ月)
やるべきこと:
- 現職への退職意思表明(最低1ヶ月前)
- 引き継ぎ業務の整理
- 退職手続き
- 有給休暇の消化
- 入社日の調整
- 入社前の学習(配属先で使う技術のキャッチアップ)
ステップ12:入社後の成長(継続的)
入社後3ヶ月:
- チームの文化・働き方に慣れる
- コードベース、インフラ構成の理解
- 小さなタスクから着実にこなす
入社後6ヶ月〜1年:
- CI/CDパイプラインの改善提案
- インフラのコード化を推進
- チームの生産性向上に貢献
入社後2年目以降:
- 新しい技術の導入提案(サービスメッシュ、GitOpsなど)
- 後輩の育成・メンタリング
- 社外での技術発信(ブログ、登壇)
DevOpsエンジニアの求人の探し方【2025年版】
求人の見つけ方:5つのチャネル
1. 転職エージェント経由(最も確実)
メリット:
- 非公開求人にアクセスできる
- 年収交渉をサポートしてくれる
- 企業の内部情報を教えてもらえる
- 書類添削・面接対策が受けられる
おすすめエージェント:
- レバテックキャリア:DevOps求人約600件
- マイナビIT AGENT:20代〜30代に強い
- ワークポート:IT業界全般に強い
2. 転職サイト(求人を広く見る)
メリット:
- 自分のペースで探せる
- スカウト機能で好条件の求人に出会える
- 企業の雰囲気を事前に確認できる
おすすめサイト:
- Green(グリーン):IT・Web業界特化、自社開発企業が多い
- doda:求人数が多い(約1,200件)
- ビズリーチ:ハイクラス求人
3. 企業の採用ページ(直接応募)
メリット:
- エージェント手数料がないため、企業側も採用しやすい
- 企業文化を直接感じられる
- カジュアル面談の機会も多い
デメリット:
- 年収交渉が自分で行う必要がある
- 企業研究に時間がかかる
対象企業例:
- メルカリ、LINE、サイバーエージェント、GMOインターネット、DeNA、Sansan、ラクスル、SmartHR
4. リファラル(社員紹介)
メリット:
- 選考がスムーズ(書類選考免除の場合も)
- 社内の雰囲気を事前に聞ける
- ミスマッチが少ない
デメリット:
- 知り合いがいないと利用できない
リファラルを得る方法:
- 勉強会・イベント(JAWS-UG、Japan Container Days、Kubernetes Meetupなど)でエンジニアと交流
- Twitter、LinkedInでつながる
- コミュニティ(KubernetesやTerraformのユーザーグループ)に参加
5. ダイレクトリクルーティング
メリット:
- 企業から直接スカウトが来る
- 自分の市場価値がわかる
- 思わぬ好条件の求人に出会える
おすすめサービス:
- Wantedly:スタートアップ・ベンチャー企業が多い
- Findy:エンジニア特化型
- Lapras:GitHubの活動から自動でポートフォリオ生成
GitHubやブログで技術発信をしていると、スカウトが来やすくなります。
求人票のチェックポイント【見るべき15項目】
DevOpsエンジニアの求人は、企業によって業務内容が大きく異なります。以下のポ必須チェック項目:
1. 使用技術スタック
- クラウド:AWS / GCP / Azure(どれを使っているか)
- コンテナ:Docker / Kubernetes / ECS / EKS
- IaC:Terraform / CloudFormation / Ansible
- CI/CD:Jenkins / GitHub Actions / GitLab CI / ArgoCD
- 監視:Prometheus / Grafana / Datadog / New Relic
- プログラミング言語:Python / Go / Ruby
自分が学んだ技術と一致しているかを確認。未経験の技術が多すぎる場合は要注意。
2. チーム体制
- DevOpsチームの人数(1人チームは避けるべき)
- 開発チームとの関係性(密に連携しているか)
- SREチームとの分担(ある場合)
- オンコール当番の有無と頻度
3. 業務内容の詳細(割合)
- CI/CDパイプラインの構築・運用:〇〇%
- インフラのコード化:〇〇%
- 監視・障害対応:〇〇%
- セキュリティ対策:〇〇%
- 開発者サポート:〇〇%
障害対応が50%以上の場合、実質SREの可能性あり。
4. 成長機会
- 新しい技術への挑戦は可能か
- 資格取得支援はあるか(受験費用、合格報奨金)
- カンファレンス参加費の補助はあるか
- 書籍購入費の補助はあるか
- 社内勉強会の有無
5. 働き方
- リモートワーク可否(週何日出社か)
- フレックスタイム制度の有無
- オンコール対応の頻度(週に何回呼び出されるか)
- 残業時間の実態(月平均何時間か)
- 夜間・休日作業の頻度
6. 開発環境
- GitHubを使っているか(GitLabでも可)
- プルリクエストベースの開発か
- コードレビュー文化はあるか
- ドキュメント整備状況
7. インフラの規模
- サーバー台数(数十台〜数千台)
- トラフィック量(月間PV、ユニークユーザー数)
- データ量(TB単位か、PB単位か)
- マルチリージョン構成か
8. 求められるスキルレベル
- 必須スキル vs 歓迎スキル
- 実務経験年数の要件
- 資格の要件(AWS、CKAなど)
9. 年収
- 提示年収の範囲(下限と上限)
- 昇給の実績(年何回、何%程度)
- 賞与の実績(年何回、何ヶ月分)
- ストックオプションの有無(スタートアップの場合)
10. 福利厚生
- 各種保険(健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険)
- 退職金制度
- 住宅補助・家賃補助
- 通勤手当
- 在宅勤務手当(リモートワーク時の光熱費補助)
11. 選考プロセス
- 書類選考
- 面接回数(通常2〜3回)
- 技術課題の有無
- カジュアル面談の可否
12. 入社後の研修
- オンボーディングプログラムの有無
- メンター制度
- 研修期間
13. キャリアパス
- シニアDevOpsエンジニア、アーキテクトへの昇格
- マネジメント職への道
- 他職種への転換(SRE、開発エンジニアなど)
14. 企業の安定性
- 資金調達状況(スタートアップの場合)
- 売上・利益の推移
- 主要プロダクトの成長性
15. 企業文化
- 失敗を許容する文化か
- ポストモーテム(障害の振り返り)文化はあるか
- 技術への投資意欲
- 社員の平均年齢、男女比
優良企業の見分け方
優良DevOps環境の特徴:
✅ CI/CDが文化として根付いている(1日に複数回デプロイ) ✅ インフラがコード化されている(Terraform使用率80%以上) ✅ 監視・アラートが整備されている(Prometheus、Grafana) ✅ ポストモーテム(障害の振り返り)文化がある ✅ 開発と運用が対等な関係(DevOpsチームが尊重されている) ✅ 学習時間が確保されている(業務時間の10〜20%を学習に充てられる) ✅ GitHubでコード管理、プルリクエストベースの開発 ✅ ドキュメントがしっかり整備されている ✅ 技術的負債への取り組みがある ✅ オンコール当番が適切にローテーションされている(週1回未満)
要注意企業の特徴:
❌ 「DevOpsエンジニア」と名前だけで、実態は従来のインフラ運用 ❌ 手作業でのデプロイが多い(月1回程度しかデプロイしない) ❌ オンコール対応が頻繁(週に何度も呼び出される) ❌ 開発チームと運用チームが分断されている ❌ 古い技術スタック(オンプレミス中心、レガシーシステムの運用が中心) ❌ ドキュメントがない(属人化している) ❌ 1人DevOpsチーム(孤独、相談相手がいない) ❌ 夜間・休日作業が頻繁 ❌ 学習時間が確保されていない ❌ 技術的負債が放置されている
面接時に企業に質問すべきこと
面接は企業が候補者を評価するだけでなく、候補者が企業を評価する場でもあります。以下の質問をして、企業の実態を確認しましょう:
技術・開発プロセスについて:
- 「1日に何回デプロイしますか?」
- 「インフラはコード化されていますか?その割合は?」
- 「使用している技術スタック(クラウド、コンテナ、IaC、CI/CD)を教えてください」
- 「GitHubを使っていますか?プルリクエストベースの開発ですか?」
働き方について:
- 「オンコール当番の頻度と、呼び出される頻度を教えてください」
- 「夜間・休日作業の頻度はどのくらいですか?」
- 「リモートワークの頻度は?」
- 「残業時間の実態を教えてください」
成長機会について:
- 「新しい技術への挑戦は可能ですか?」
- 「資格取得支援制度はありますか?」
- 「カンファレンス参加は推奨されていますか?」
- 「社内勉強会はありますか?」
チーム・組織について:
- 「DevOpsチームの人数と構成を教えてください」
- 「開発チームとの関係性はどうですか?」
- 「技術的負債への取り組みを教えてください」
- 「ポストモーテム(障害の振り返り)文化はありますか?」
これらの質問に対して、具体的で誠実な回答がある企業は、信頼できる可能性が高いです。
DevOpsエンジニアのキャリアパス【5つの方向性】
キャリアパス1:DevOpsアーキテクト(技術スペシャリスト)
概要: 組織全体のDevOps戦略を技術面から設計・推進するアーキテクト。技術的な最高峰ポジション。
必要なスキル:
- 複数のクラウドプラットフォームの深い理解(AWS、GCP、Azure)
- マイクロサービスアーキテクチャの設計経験
- 大規模システムの運用経験(数千台規模)
- 技術選定の意思決定能力
- 最新技術のキャッチアップ能力
年収: 1000万円〜1800万円
向いている人:
- 技術を深く追求したい
- アーキテクチャ設計が好き
- マネジメントよりも技術を極めたい
- 複雑な問題を解決することに喜びを感じる
キャリアパス2:SRE(Site Reliability Engineer)
概要: DevOpsエンジニアからSREへのステップアップ。システムの信頼性に特化したエンジニア。
必要なスキル:
- SLO/SLI/SLAの設計と管理
- 障害対応とポストモーテム
- キャパシティプランニング
- パフォーマンスチューニング
- オンコール対応
年収: 700万円〜1500万円(GAFA級なら1000万円〜2500万円)
向いている人:
- 大規模システムの安定運用に興味がある
- 障害対応にやりがいを感じる
- GAFA級の企業で働きたい
- 数字(SLO、可用性)で成果を測りたい
- オンコール対応を苦にしない
キャリアパス3:DevOpsマネージャー(管理職)
概要: DevOpsチーム全体を統括し、組織のDevOps文化を推進するマネージャー。
必要なスキル:
- チームマネジメント能力
- ステークホルダーとの調整能力
- 予算管理
- 採用・育成
- ビジネス理解
年収: 900万円〜1500万円
向いている人:
- 人を育てることに喜びを感じる
- 組織全体の仕組みづくりに興味がある
- リーダーシップを発揮したい
- ビジネス視点を持ちたい
キャリアパス4:プラットフォームエンジニア
概要: 開発者が効率的に開発できるプラットフォーム(内部PaaS)を構築・運用するエンジニア。
必要なスキル:
- Kubernetes、サービスメッシュの深い理解
- 開発者体験(Developer Experience)への理解
- API設計
- ドキュメンテーション能力
- 内製ツール開発
年収: 700万円〜1200万円
向いている人:
- 開発者を支援することに喜びを感じる
- プラットフォーム構築に興味がある
- 内製ツール開発が好き
- 使いやすさ・体験を追求したい
キャリアパス5:クラウドアーキテクト
概要: クラウドインフラの設計に特化したアーキテクト。DevOpsの経験を活かし、クラウド設計の専門家に。
必要なスキル:
- マルチクラウドの設計経験
- コスト最適化
- セキュリティ設計
- ハイブリッドクラウドの知識
- コンサルティング能力
年収: 800万円〜1500万円
向いている人:
- クラウド技術を深く追求したい
- 設計業務が好き
- コンサルティング的な仕事にも興味がある
- 複数の企業のクラウド移行を支援したい
DevOpsエンジニアの成功事例・失敗事例【リアルな声】
成功事例1:インフラエンジニアからDevOpsへ(30歳・男性・Aさん)
すでに前述しましたが、再度詳細に記載します。
転職前:
- 職種:オンプレミスのインフラエンジニア(大手SIer)
- 年収:480万円
- 課題:レガシーな環境、手作業が多い、成長実感がない、夜間作業が多い、技術的に停滞
転職活動:
- 業務時間外に、Docker、Kubernetes、Terraformを独学(6ヶ月、平日2時間・休日4時間)
- GitHubにインフラコードを公開(TerraformでAWS環境構築、GitHub Actionsサンプルなど)
- AWS SAA、CKA取得(各2〜3ヶ月)
- レバテックキャリア経由で応募(5社応募、3社面接、2社内定)
転職後:
- 職種:DevOpsエンジニア(自社開発SaaS企業・社員100名)
- 年収:650万円(+170万円!)
- 働き方:週3リモート、フレックス制、夜間作業なし、カンファレンス参加推奨
入社後の成果:
- CI/CDパイプラインを構築し、デプロイ時間を2時間→10分に短縮
- Terraformでインフラをコード化し、環境構築時間を1日→30分に短縮
- Kubernetesへの移行プロジェクトをリード
成功のポイント:
- インフラの実務経験が評価された
- 独学でのスキル習得が本気度の証明になった
- 資格取得で客観的なスキルを証明できた
- ポートフォリオで技術力を可視化した
Aさんのコメント: 「オンプレミスの手作業に限界を感じ、クラウドネイティブな環境で働きたいと思い転職を決意しました。半年間は仕事と並行して学習するのが大変でしたが、GitHubでコードを公開したことが、面接で高く評価されました。今は最新技術に触れられる環境で、毎日が楽しいです。年収も大幅にアップし、ワークライフバランスも改善しました」
成功事例2:開発エンジニアからDevOpsへ(26歳・女性・Bさん)
転職前:
- 職種:バックエンドエンジニア(Python/Django)
- 年収:520万円
- 課題:デプロイの遅さ(月1回のみ)、環境構築の煩雑さ、インフラの知識不足
転職活動:
- 開発チームのCI/CDパイプライン構築を自ら提案し担当
- GitHub ActionsでCI/CD構築、Terraformでインフラコード化
- その経験をポートフォリオとしてまとめる
- AWS DevOps Engineer – Professional取得(3ヶ月)
- マイナビIT AGENT経由で応募(6社応募、4社面接、3社内定)
転職後:
- 職種:DevOpsエンジニア(Fintech企業・社員300名)
- 年収:680万円(+160万円!)
- 働き方:完全リモート、フルフレックス、書籍購入費月1万円補助
入社後の成果:
- マイクロサービスのCI/CDパイプラインを構築
- Kubernetesへの移行プロジェクトをリード
- 社内勉強会でKubernetesの講師を担当
成功のポイント:
- 開発経験がプログラミングスキルの証明になった
- 社内でのCI/CD構築経験が実績として評価された
- 高難度の資格(DevOps Professional)取得で差別化
Bさんのコメント: 「開発をしていて、デプロイに時間がかかることに常に不満を感じていました。自分でCI/CDパイプラインを構築したことをきっかけに、DevOpsに興味を持ちました。開発とインフラの橋渡しができる立場は、非常にやりがいがあります。完全リモートで働けるのも大きな魅力です」
成功事例3:SIerからメガベンチャーへ(32歳・男性・Cさん)
転職前:
- 職種:大手SIerのインフラエンジニア
- 年収:580万円
- 課題:レガシーシステムの保守がメイン、新技術に触れられない、キャリアに不安
転職活動:
- 個人プロジェクトで、Kubernetes + Istio + Terraformを使った環境を構築
- OSSコントリビュート(KubernetesのドキュメントにPR、Terraform Providerの改善)
- CKA、CKAD、CKS取得(各2〜3ヶ月)
- 技術ブログで学習内容を発信(月2〜3記事)
- Green経由で応募(直接応募も併用、8社応募、5社面接、3社内定)
転職後:
- 職種:DevOpsエンジニア(メガベンチャー・社員1000名)
- 年収:800万円(+220万円!)
- 働き方:フルフレックス、週2リモート、カンファレンス登壇推奨
入社後の成果:
- 大規模トラフィック(月間1億PV)のインフラ運用
- ArgoCDを導入し、GitOpsを実現
- 社外カンファレンスで登壇(3回)
成功のポイント:
- OSSへの貢献が技術力の証明になった
- 複数の高難度資格取得
- 技術ブログでの発信が評価された
- 個人プロジェクトでモダンな技術スタックを実践
Cさんのコメント: 「大手SIerでは安定していましたが、レガシーシステムの保守ばかりで、技術的な成長が止まっていました。個人で最新技術を学び、OSSにも貢献することで、技術力を証明できました。今は大規模トラフィックを扱う環境で、日々学びがあります。年収も大幅にアップし、技術への投資も惜しまない環境で働けることに満足しています」
失敗事例1:準備不足で全落ち(26歳・男性・Dさん)
状況:
- 前職:営業職
- DevOps経験:なし
- プログラミング経験:なし
- インフラ経験:なし
- 応募社数:15社 → 全て書類落ち
失敗の原因:
- DevOpsエンジニアに必要なスキルを理解していなかった
- 「DevOpsは流行っているから年収が高そう」という安易な動機
- ポートフォリオなし
- 資格なし
- 学習計画なし
反省と改善: その後、まずはインフラエンジニアとして入社し、2年間実務経験を積む。その間にDocker、Kubernetesを学習し、社内で自動化プロジェクトを実施。3年目でDevOpsエンジニアに転職成功(年収480万円)。
教訓: DevOpsエンジニアは、インフラまたは開発の基礎がないと転職は難しい。まずは基礎を固めることが重要。焦らず、段階的にスキルアップする。
失敗事例2:オンコール対応の多さに耐えられず退職(29歳・男性・Eさん)
状況:
- 「DevOpsエンジニア」として入社
- 想定以上のオンコール対応の頻度(週2〜3回呼び出される)
- 夜間・休日の呼び出しで疲弊
- ワークライフバランスが崩壊
- 1年で退職
失敗の原因:
- 面接時にオンコール対応の頻度を確認しなかった
- 「DevOpsエンジニア」の名前だけで、実態はSRE的な働き方だった
- ワークライフバランスを重視していたが、確認不足
教訓: DevOpsエンジニアとSREは異なる。面接時に「オンコール対応の頻度」「夜間・休日の呼び出し頻度」「直近1ヶ月の呼び出し回数」を必ず確認すべき。働き方を重視する人は、特に注意が必要。
失敗事例3:年収だけで選んで後悔(31歳・男性・Fさん)
状況:
- 年収800万円の好条件で入社
- しかし、業務内容はレガシーシステムの保守がメイン
- 新しい技術に触れられない(オンプレミス中心、手作業多い)
- スキルが伸びず、2年で市場価値が下がる
- 転職しようにも、レガシースキルしかなく苦戦
失敗の原因:
- 年収だけで企業を選んだ
- 使用技術スタックを確認しなかった
- 「DevOpsエンジニア」の名前だけで、実態は従来のインフラ運用だった
- 成長環境を軽視した
教訓: DevOpsエンジニアの求人は、企業によって業務内容が大きく異なる。年収だけでなく、「成長環境」「使用技術」「チーム体制」を重視すべき。特に20代〜30代前半は、成長を最優先にすべき。
よくある質問(FAQ)
Q1. DevOpsエンジニアとインフラエンジニアの違いは?
A. DevOpsエンジニアは「自動化・コード化」が中心、インフラエンジニアは「手作業での構築・運用」が中心です。
DevOpsエンジニアは、Terraformでインフラをコードとして管理し、CI/CDで自動デプロイを実現します。一方、従来のインフラエンジニアは、AWSコンソールでの手作業や、シェルスクリプトでの構築が中心です。
年収もDevOpsエンジニアの方が高い傾向(+100〜200万円)があります。将来性もDevOpsエンジニアの方が高いです。
Q2. 未経験からDevOpsエンジニアになれますか?
A. 可能ですが、非常に難易度が高いです。
DevOpsエンジニアには、インフラと開発の両方の知識が必要です。完全未経験(ITの実務経験なし)の場合、まずはインフラエンジニアか開発エンジニアとして1〜2年の経験を積むことを強く推奨します。
どうしても最初からDevOpsを目指す場合は、6ヶ月〜1年の独学期間を覚悟し、AWS認定資格やCKAを取得し、ポートフォリオをGitHubで公開しましょう。ただし、年収は300〜400万円程度からのスタートになります。
Q3. DevOpsエンジニアとSREの違いは?
A. DevOpsエンジニアは「デリバリーの高速化」、SREは「システムの信頼性」に焦点を当てています。
- DevOpsエンジニア:CI/CDパイプラインの構築、インフラのコード化、開発者サポートが中心
- SRE:SLOの管理、障害対応、オンコール対応、パフォーマンス最適化が中心
年収はSREの方が高い傾向(+100〜300万円)がありますが、オンコール対応の負担も大きいです。
キャリアパスとしては、DevOpsエンジニアから始めて、SREにステップアップするのが一般的です。
Q4. DevOpsエンジニアに必要な資格は?
A. 必須ではありませんが、AWS認定資格とCKAは取得を強く推奨します。
特に以下の資格は、年収アップと転職成功率向上に直結します:
- AWS Certified Solutions Architect – Associate(+50万円)
- CKA(Certified Kubernetes Administrator)(+80万円)
- AWS Certified DevOps Engineer – Professional(+100万円)
未経験からの転職では、資格があると書類選考で有利になります。経験者の場合も、資格は年収交渉の武器になります。
Q5. DevOpsエンジニアの将来性は?
A. 非常に高いです。今後も需要は増加し続けると予測されます。
理由:
- クラウド移行が進み、DevOpsの需要が増加
- CI/CDの導入企業が増加(従来の手作業デプロイからの脱却)
- マイクロサービスアーキテクチャの普及
- DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
- コンテナ技術(Kubernetes)の普及
ただし、常に最新技術をキャッチアップする必要があります。Kubernetes、Terraform、CI/CDツール、クラウド(AWS/GCP)など、主要技術の学習を継続しましょう。
Q6. DevOpsエンジニアはリモートワークできますか?
A. できます。むしろ、リモートワークしやすい職種です。
CI/CDパイプラインの構築、Terraformでのインフラコード化、監視ダッシュボードの確認、コードレビューなど、多くの業務はリモートで完結します。
実際、DevOpsエンジニアの求人の約70%がリモートワーク可(週1〜5日)となっています(2025年調査)。完全リモート可の求人も増加傾向です。
Q7. プログラミングが苦手でもDevOpsエンジニアになれますか?
A. 難しいです。プログラミングスキルは必須です。
DevOpsエンジニアは、Python、Go、Bashなどでスクリプトを書く機会が多いです。また、Terraform、Ansibleなどのコード化ツールも使いこなす必要があります。
最低限、Pythonの基礎(変数、関数、ループ、条件分岐、ファイル操作、API呼び出し)は理解しておきましょう。「プログラミングが苦手だから」という理由でDevOpsを選ぶのは、おすすめしません。
Q8. DevOpsエンジニアの年収は本当に高いですか?
A. はい。他のエンジニア職と比較して高めです。
5年目の平均年収:
- DevOpsエンジニア:750万円
- バックエンドエンジニア:650万円
- インフラエンジニア:600万円
- フロントエンドエンジニア:600万円
理由は、幅広いスキルセット(インフラ+開発+自動化)が必要で、希少性が高いためです。ただし、スキルがないと年収は上がりません。継続的な学習と、最新技術のキャッチアップが必要です。
AWS認定資格やCKAを取得し、大規模システムの経験を積めば、年収1000万円以上も十分可能です。
Q9. オンコール対応は必須ですか?
A. 企業によって異なります。
DevOpsエンジニアの場合、オンコール対応が「ない〜たまにある」企業が多いです。一方、SREの場合は、ほぼ必須です。
面接時に必ず以下を確認しましょう:
- 「オンコール当番の頻度は?」(週1回、月2回など)
- 「夜間・休日の呼び出し頻度は?」(直近1ヶ月で何回呼び出されたか)
- 「オンコール手当はありますか?」
オンコール対応がある場合、手当(月3〜5万円程度)や代休制度があるかも確認しましょう。
Q10. 何歳までDevOpsエンジニアとして働けますか?
A. 年齢に関係なく、長く働ける職種です。
DevOpsエンジニアは、経験が重要な職種です。年齢とともに市場価値が上がります。また、マネジメント職(DevOpsマネージャー、CTO)への道もあるため、長く働けます。
実際、40代・50代のDevOpsエンジニアも多く活躍しています。むしろ、経験豊富なシニアDevOpsエンジニアは、高く評価されます。
ただし、最新技術のキャッチアップは継続的に必要です。学習意欲を失わない限り、年齢は関係ありません。
まとめ:DevOpsエンジニアとして成功するための10のステップ
DevOpsエンジニアは、今最も注目されているエンジニア職の一つです。高年収、将来性、働きやすさ、技術的なやりがい、どれをとっても魅力的なキャリアです。最後に、DevOpsエンジニアとして成功するためのロードマップをまとめます。
ステップ1:基礎知識を身につける(1〜3ヶ月)
- Linuxの基本操作(コマンドライン、シェルスクリプト)
- Gitの使い方(add、commit、push、pull、branch、merge)
- プログラミング基礎(Python推奨)
- クラウドの基礎(AWS推奨:EC2、S3、VPC、RDS)
**目標:**AWS認定クラウドプラクティショナー取得
ステップ2:コンテナ技術を学ぶ(1〜2ヶ月)
- Dockerの基礎(Dockerfile作成、コンテナ操作)
- Docker Composeの使用
- コンテナのベストプラクティス
**目標:**簡単なWebアプリをDockerコンテナ化
ステップ3:Kubernetesを学ぶ(2〜3ヶ月)
- Kubernetesの基本リソース(Pod、Deployment、Service、Ingress)
- マニフェストファイルの作成
- Helmの使用
- ローカル環境での実践(Minikube)
**目標:**CKA取得を目指す(取得は後でもOK)
ステップ4:IaCを学ぶ(2〜3ヶ月)
- Terraformの基礎(HCL、リソース定義)
- AWS/GCPリソースのコード化
- モジュール化と再利用
- 実際のインフラ構築を実践
**目標:**TerraformでAWS環境を構築し、GitHubで公開
ステップ5:CI/CDを学ぶ(1〜2ヶ月)
- GitHub Actions / Jenkins / GitLab CIのいずれか
- 簡単なパイプラインの構築
- テスト自動化、ビルド自動化、デプロイ自動化
**目標:**CI/CDパイプラインを構築し、GitHubで公開
ステップ6:ポートフォリオを作成する(2〜3ヶ月)
- 複数のプロジェクトを作成(最低3つ)
- GitHubでコードを公開
- README.mdを丁寧に書く(アーキテクチャ図、セットアップ手順、学んだこと)
**目標:**採用担当者が見て「技術力がある」と思えるポートフォリオ
ステップ7:認定資格を取得する(2〜4ヶ月)
- AWS Certified Solutions Architect – Associate(必須)
- CKA(Certified Kubernetes Administrator)(強く推奨)
- 可能なら AWS DevOps Engineer – Professional
**目標:**最低2つの資格取得
ステップ8:転職活動を開始する(1〜2ヶ月)
- 転職エージェントに複数登録(レバテック、マイナビIT、ワークポート)
- 職務経歴書を作成(前職の経験をDevOps視点で書き換え)
- 面接対策を行う(よくある質問の回答準備)
**目標:**3社以上から内定獲得
ステップ9:内定獲得・条件交渉(1〜2ヶ月)
- 年収交渉(市場価値を把握、資格をアピール)
- 働き方の交渉(リモートワーク、オンコール対応)
- 複数内定の比較検討
**目標:**納得のいく条件で入社
ステップ10:入社後も継続的に学習(継続的)
- 新しい技術のキャッチアップ(Istio、ArgoCD、Ciliumなど)
- OSSへのコントリビュート
- ブログ・登壇での技術発信
- コミュニティへの参加(Kubernetes Meetup、JAWS-UGなど)
- 後輩の育成・メンタリング
**目標:**3年後にシニアDevOpsエンジニア、5年後にアーキテクトまたはマネージャー
最後に:あなたのDevOpsエンジニアとしてのキャリアを応援します
DevOpsエンジニアは、開発と運用の橋渡しとして、チーム全体の生産性を高める重要な役割です。自動化によって、エンジニアがより価値の高い仕事に集中できる環境を作る。それがDevOpsエンジニアの使命です。
この記事で紹介した技術スキル、学習ロードマップ、転職戦略を実践すれば、あなたも必ずDevOpsエンジニアとして成功できます。
重要なポイントをもう一度:
- まずはインフラまたは開発の基礎を固める
- Docker、Kubernetes、Terraformは必須スキル
- ポートフォリオをGitHubで公開する
- AWS認定資格とCKAは取得する
- 複数の転職エージェントを活用する
- 面接で企業の実態を確認する(オンコール、技術スタックなど)
- 入社後も継続的に学習する
まずは、ステップ1から始めてみてください。小さな一歩が、あなたのキャリアを大きく変えるはずです。
あなたのDevOpsエンジニアとしての成功を、心から願っています。この記事が、あなたのキャリアの助けになれば幸いです。
あなたに最適な転職エージェントを見つけよう
転職活動を成功させるには、自分に合ったエージェント選びが重要です。
エンジニア転職ドットコムでは、未経験エンジニア向けに厳選した転職エージェントを徹底比較しています。年代別・職種別・地域別におすすめのサービスを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
関連記事:
- インフラエンジニア転職完全ガイド【未経験からの年収・将来性・必要スキル2025】
- バックエンドエンジニア転職完全版【Java/Python/Go言語別の求人傾向2025】
- QAエンジニア転職完全ガイド【未経験からのキャリアパス・年収・必要スキル2025】
- 未経験エンジニア向け転職エージェント徹底比較【2025年最新】
- 独学3ヶ月でエンジニア転職した勉強法【コスト0円】
- ポートフォリオの作り方【未経験者向け実例付き】
- エンジニア転職の年収交渉術【100万円アップの実例・2025年最新版】
- エンジニア転職のオファー面談対策【最終面接後の条件交渉術2025】
- エンジニア転職の面接対策完全版【よく聞かれる質問100選・回答テンプレート2025】


コメント