「内定をもらった!でも、退職の切り出し方が分からない…引き継ぎはどうすればいい?」
転職活動が実を結び、念願の内定を獲得したあなた。しかし、内定はゴールではなくスタートです。退職交渉、引き継ぎ、入社準備と、やるべきことは山積みです。
私も31歳でエンジニアに転職した際、そして2度目の転職時にも、内定後の手続きで多くの不安や困難に直面しました。この記事では、2度の転職経験と50名以上のエンジニアへのインタビューをもとに、内定後の流れを完全網羅して解説します。
この記事で分かること
- 内定から入社までの全体の流れとスケジュール
- 退職の切り出し方と引き止められた時の対処法
- スムーズな引き継ぎのコツ
- 退職代行サービスを使うべきケース
- 入社前に準備すべきこと
- 失業保険や年金などの手続き
- トラブル回避のための注意点
執筆者プロフィール 31歳で営業職からエンジニアに転職。その後、2度目の転職も経験。退職交渉では強く引き止められたが、円満退職を実現。現在はWeb系企業でフルスタックエンジニアとして勤務しながら、50名以上の転職者の相談に乗っている。
内定から入社までの全体の流れ
まず、内定から入社までの全体像を把握しましょう。
標準的なスケジュール(3ヶ月の場合)
内定〜2週間
- 内定通知の受領
- 労働条件通知書の確認
- 内定承諾の返事
- 退職の意思表示(上司に報告)
2週間〜1ヶ月
- 退職願・退職届の提出
- 引き継ぎ計画の作成
- 後任者への引き継ぎ開始
1ヶ月〜2ヶ月
- 引き継ぎの継続
- 社内手続き(健康保険証返却等)
- 取引先への挨拶
- 有給休暇の消化交渉
2ヶ月〜3ヶ月
- 引き継ぎの完了
- 退職日
- 離職票等の書類受領
- 健康保険・年金の切り替え
入社前
- 入社書類の準備
- 必要な持ち物の確認
- 入社前研修(企業による)
入社日
- 入社式・オリエンテーション
- 必要書類の提出
- 新生活のスタート
期間別の目安
| 退職までの期間 | 状況 |
|---|---|
| 1ヶ月 | かなり急ぎ(引き継ぎが簡単な場合のみ) |
| 2ヶ月 | 一般的(最も多いパターン) |
| 3ヶ月 | 余裕を持ったスケジュール |
| 4ヶ月以上 | 重要ポジションや大規模プロジェクト中 |
私の場合、2度目の転職では内定から入社まで2.5ヶ月かかりました。引き継ぎに時間がかかったためですが、円満退職できたので良かったです。
内定通知を受けたらすぐにすべきこと
内定通知を受けたら、まず以下を確認しましょう。
1. 労働条件通知書を確認する
企業から「労働条件通知書」が届きます。これは法律で交付が義務付けられている重要書類です。
必ず確認すべき項目:
- 雇用形態(正社員、契約社員等)
- 勤務地
- 業務内容
- 始業・終業時刻
- 休日・休暇
- 賃金(基本給、手当、賞与)
- 退職に関する事項
- 試用期間の有無と期間
- 社会保険の加入状況
面接で聞いていた条件と相違がないか、必ず確認してください。
2. 不明点を質問する
労働条件通知書の内容で不明な点があれば、すぐに質問しましょう。
よくある質問:
- 試用期間中の待遇は?
- リモートワークの具体的な頻度は?
- 残業代の計算方法は?
- 有給休暇の付与日は?
私も労働条件通知書で「みなし残業45時間」という記載を見つけ、「超過分の残業代は支払われるのか?」と確認しました。
3. 内定承諾の返事をする
労働条件に納得したら、内定承諾の返事をします。
返事の期限: 一般的に内定通知から1週間〜10日以内が目安です。それ以上かかる場合は、事前に相談しましょう。
返事の方法:
- 電話で承諾の意思を伝える
- メールで正式に承諾する
- 内定承諾書にサインして返送
4. 入社日を調整する
現職の退職日を考慮して、入社日を調整します。
入社日調整のポイント:
- 「〇月〇日までに退職予定です」と現状を伝える
- 可能な範囲で企業の希望に合わせる
- 余裕を持ったスケジュールを組む
私の実例: 内定通知を受けた時点で「現職の退職に2ヶ月はかかります」と伝えたところ、「問題ありません。入社日は3ヶ月後で調整しましょう」と柔軟に対応してもらえました。
退職の意思表示と切り出し方
内定承諾後、次は現職に退職の意思を伝えます。これが最も緊張する瞬間です。
退職を伝えるタイミング
法律上: 退職の2週間前までに伝えれば法的には問題ありません(民法第627条)。
実務上: 1〜3ヶ月前に伝えるのが一般的です。就業規則を確認しましょう。
私のおすすめ: 2ヶ月前に伝えるのがベスト。引き継ぎ期間も十分取れ、円満退職しやすいです。
誰に最初に伝えるか
必ず直属の上司に最初に伝える
これは鉄則です。同僚や他の上司に先に伝えると、直属の上司の面目が潰れ、関係が悪化します。
NG例:
- 同僚に先に相談する
- 人事部に先に伝える
- 上司の上司に先に伝える
退職を切り出す方法
1. アポイントを取る 「お話ししたいことがあるのですが、今週中にお時間いただけますか?」と伝え、会議室など個室を予約します。
2. 直接会って伝える メールやチャットではなく、必ず対面で伝えましょう。リモートワークの場合はビデオ通話でもOKです。
3. 簡潔に要件を伝える 回りくどい言い方はせず、最初に結論を伝えます。
良い例: 「お忙しいところ恐れ入ります。実は、このたび退職させていただきたく、ご相談に参りました。」
悪い例: 「最近、色々と悩んでいまして…」(遠回しすぎる)
4. 退職理由を説明する 簡潔に、かつ前向きな理由を伝えます。
良い退職理由:
- 「新しい技術に挑戦したい」
- 「キャリアアップのため」
- 「自分の強みを活かせる環境で働きたい」
避けるべき退職理由:
- 「給料が低いから」(交渉材料になる)
- 「上司が嫌だから」(関係悪化)
- 「会社に不満がある」(引き止められる)
5. 退職日を提案する 「〇月末での退職を希望しております」と具体的な日付を伝えます。
私の実例(1回目の転職): 「お忙しいところ恐れ入ります。実は、一身上の都合により、3月末で退職させていただきたく、ご相談に参りました。新しい技術領域に挑戦したいと考え、転職を決意いたしました。」
上司は驚いた様子でしたが、「そうか…分かった。まずは人事に相談してみよう」と受け入れてくれました。
引き止められた時の対処法
退職を伝えると、多くの場合引き止められます。その対処法を解説します。
よくある引き止めパターン
パターン1:「給料を上げるから残ってくれ」
対処法: 「お気持ちは大変ありがたいのですが、給与だけでなく、新しい環境で挑戦したいという気持ちが強く、決意は変わりません。」
一度退職を申し出て給与を上げてもらっても、その後の社内での立場が微妙になることが多いです。
パターン2:「今辞められると困る。せめて〇〇まで待ってくれ」
対処法: 「ご迷惑をおかけして申し訳ございません。引き継ぎはしっかり行いますので、〇月末での退職でご理解いただけませんでしょうか。」
多少の調整はOKですが、無期限に引き延ばされないよう、明確な期限を切りましょう。
パターン3:「裏切り者だ」「無責任だ」と感情的に責められる
対処法: 冷静に、「ご期待に添えず申し訳ございません。しかし、私自身のキャリアのために、この決断をいたしました。」
感情的な引き止めには、感情で返さず、冷静に対応しましょう。
パターン4:「引き継ぎが終わるまで辞めさせない」
対処法: 「引き継ぎはしっかり行います。〇月末までに完了するよう、計画を立てております。」
法律上、2週間前に申し出れば退職できます。無理な引き延ばしには応じなくてOKです。
引き止めを断り続けるコツ
1. 決意が固いことを示す 「熟慮の上での決断です」「すでに次の会社も決まっております」と伝え、覆らないことを示します。
2. 感謝を伝える 「これまで大変お世話になりました」「多くのことを学ばせていただきました」と感謝を伝え、敵対しない姿勢を示します。
3. 前向きな理由を強調 「新しい挑戦をしたい」「自分の成長のため」とポジティブな理由を繰り返します。
4. 同じ回答を繰り返す 何度引き止められても、同じ回答を繰り返すことで、決意の固さを示します。
私の実例(2回目の転職): 2回目の転職では、かなり強く引き止められました。「給料を上げる」「ポジションを変える」と提案されましたが、「ありがとうございます。しかし、決意は変わりません」と丁寧に断り続けました。最終的には、「そこまで言うなら仕方ない。頑張ってくれ」と認めてもらえました。
退職願・退職届の書き方と提出
上司に口頭で退職の意思を伝えた後、正式に退職願または退職届を提出します。
退職願と退職届の違い
| 項目 | 退職願 | 退職届 |
|---|---|---|
| 意味 | 退職を願い出る(希望) | 退職を届け出る(確定) |
| タイミング | 上司に口頭で伝えた直後 | 退職が承認された後 |
| 撤回 | 可能(承認前) | 不可 |
一般的には、まず「退職願」を提出し、承認されたら「退職届」を提出します。ただし、企業によっては退職届のみの場合もあります。
退職願・退職届の書き方
手書きの場合:
退職願
私儀
このたび、一身上の都合により、
令和7年3月31日をもって
退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。
令和7年1月15日
開発部 開発一課
山田 太郎 印
株式会社〇〇〇〇
代表取締役社長 △△ △△ 殿
ポイント:
- 白い便箋に黒いペンで書く
- 「私儀」から書き始める
- 退職理由は「一身上の都合」でOK
- 退職日は明確に書く
- 所属部署と氏名を書き、押印
- 宛名は社長名
パソコンで作成の場合: 企業によってはパソコンでの作成もOKです。就業規則や人事部に確認しましょう。
提出方法
1. 封筒に入れる 白い封筒に「退職願」または「退職届」と書き、中に入れます。
2. 直属の上司に手渡し 人事部ではなく、まず直属の上司に提出します。
3. 受理されたら、人事部へ 上司から人事部に回されます。必要に応じて人事部とも面談があります。
引き継ぎの進め方とコツ
退職が決まったら、後任者への引き継ぎを開始します。
引き継ぎの全体の流れ
1. 引き継ぎ計画を作成する(退職1ヶ月前)
- 引き継ぐ業務のリスト化
- 引き継ぎスケジュール
- 必要な資料の整理
2. 後任者と引き継ぎ開始(退職3週間前)
- 業務の説明
- 実際に一緒に作業
- 質問対応
3. 引き継ぎ資料の作成(退職2週間前)
- マニュアル作成
- 重要な連絡先リスト
- パスワード等の共有
4. 引き継ぎの確認(退職1週間前)
- 後任者の理解度確認
- 不明点の解消
- 最終チェック
引き継ぎ資料に書くべき内容
エンジニアの場合の引き継ぎ資料:
1. 担当プロジェクト一覧
- プロジェクト名
- 現在の進捗状況
- 今後の予定
- 注意点
2. システム構成
- 使用技術
- サーバー情報
- データベース情報
- 環境構築手順
3. コードの説明
- 重要なファイルの場所
- コードの構造
- よく使う関数の説明
- ハマりやすいポイント
4. 運用手順
- デプロイ手順
- バックアップ手順
- 障害対応手順
- モニタリング方法
5. 連絡先リスト
- 社内関係者
- 社外取引先
- ベンダー担当者
6. パスワード・アカウント情報
- サーバーのログイン情報
- 各種サービスのアカウント
- APIキー等
引き継ぎをスムーズに進めるコツ
1. 早めに始める 退職が決まったら、すぐに引き継ぎ計画を作りましょう。
2. 文書化する 口頭だけでなく、必ず文書(マニュアル)として残しましょう。
3. 実際に一緒に作業する 説明だけでなく、後任者と一緒に作業し、実践的に教えましょう。
4. 質問を受け付ける時間を設ける 「毎日15時から30分は質問対応の時間にします」など、質問しやすい環境を作りましょう。
5. 引き継ぎログを残す 「〇月〇日:△△について説明」と、引き継ぎ内容を記録しましょう。後から「聞いていない」と言われるのを防げます。
私の実例: 私は退職1ヶ月前に30ページの引き継ぎマニュアルを作成しました。システム構成、コードの説明、運用手順などを詳しく書き、後任者に渡しました。おかげで、スムーズに引き継ぎが完了し、上司からも「完璧な引き継ぎだった」と評価されました。
退職代行サービスを使うべきケース
どうしても自分で退職を伝えられない場合、退職代行サービスという選択肢があります。
退職代行サービスとは?
退職代行サービスは、あなたに代わって会社に退職の意思を伝え、退職手続きを進めてくれるサービスです。
料金相場:
- 民間企業:20,000円〜30,000円
- 労働組合:25,000円〜30,000円
- 弁護士:50,000円〜70,000円
退職代行を使うべきケース
1. パワハラ・モラハラがある 上司からのハラスメントがひどく、直接話したくない場合。
2. 退職を申し出ても受理されない 何度退職を申し出ても、「辞めさせない」と拒否される場合。
3. 精神的に限界 うつ病など精神的に追い詰められ、自分で退職を伝えられない場合。
4. 法律違反がある 残業代未払い、違法な労働条件など、法的問題がある場合は弁護士の退職代行を利用。
退職代行のメリット・デメリット
メリット:
- 自分で退職を伝えなくて済む
- 即日退職も可能
- 精神的負担が軽減される
- 弁護士なら未払い残業代の請求も可能
デメリット:
- 費用がかかる
- 円満退職は難しい
- 引き継ぎができない
- 業界内で噂が広まる可能性
おすすめの退職代行サービス
1. 退職代行Jobs(民間)
- 料金:27,000円
- 24時間対応
- 即日退職可能
2. 退職代行SARABA(労働組合)
- 料金:24,000円
- 労働組合が運営
- 会社との交渉も可能
3. 弁護士法人みやび(弁護士)
- 料金:55,000円
- 残業代請求も対応
- 法的トラブルにも対応
私の見解: 退職代行は最終手段です。できる限り自分で退職を伝え、円満退職を目指すべきです。ただし、心身の健康が第一なので、限界を感じたら退職代行の利用も検討しましょう。
退職前にやるべき社内手続き
退職日が近づいたら、以下の社内手続きを行います。
1. 会社から返却するもの
- 健康保険証(本人+扶養家族分)
- 社員証・IDカード
- 名刺(自分の名刺+取引先の名刺)
- 制服・作業服
- パソコン・タブレット・スマートフォン
- 社用車・交通ICカード
- 書類・資料
- 会社の経費で購入した書籍
- オフィスの鍵
2. 会社から受け取るもの
- 離職票(退職後10日以内に郵送)
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳(会社が保管している場合)
- 源泉徴収票(退職後1ヶ月以内)
- 退職証明書(必要な場合のみ)
3. 有給休暇の消化
退職前に残っている有給休暇を消化できます。
有給消化のポイント:
- 引き継ぎを優先し、その後に消化
- 上司と相談して消化スケジュールを決める
- 有給が消化しきれない場合、買い取ってもらえる企業もある(任意)
私の実例: 私は退職前に10日間の有給が残っていました。引き継ぎが終わった後、最後の2週間を有給消化に充て、ゆっくり休んでから新しい会社に入社しました。
4. 退職時の挨拶
退職日または有給消化前に、社内の関係者に挨拶します。
挨拶の方法:
- 直属の上司・チームメンバー:直接挨拶
- 他部署の関係者:メールで挨拶
- 取引先:必要に応じてメールや訪問で挨拶
挨拶のポイント:
- 感謝の気持ちを伝える
- 後任者を紹介する(決まっている場合)
- 連絡先を伝える(個人的に)
退職後の手続き(社会保険・年金・税金)
退職後、すぐに次の会社に入社しない場合、以下の手続きが必要です。
1. 健康保険の切り替え
退職日の翌日から、現職の健康保険は使えません。以下のいずれかを選びます。
選択肢1:国民健康保険に加入
- 市区町村の窓口で手続き
- 退職日から14日以内に手続き
- 必要書類:離職票、身分証明書、マイナンバーカード
選択肢2:健康保険の任意継続
- 現職の健康保険を最大2年間継続
- 退職日から20日以内に手続き
- 保険料は全額自己負担(会社負担分もなくなる)
選択肢3:家族の扶養に入る
- 配偶者や親の扶養に入る
- 条件:年収130万円未満等
選択肢4:次の会社の健康保険(入社が決まっている場合)
- 入社日から新しい会社の健康保険に加入
2. 年金の切り替え
厚生年金から国民年金へ
- 市区町村の窓口で手続き
- 退職日から14日以内に手続き
- 必要書類:年金手帳、離職票
国民年金の保険料:
- 月額16,520円(2025年度)
- 免除・猶予制度あり
3. 失業保険(雇用保険)の手続き
次の会社がすぐに決まっていない場合、失業保険を受給できます。
受給条件:
- 退職日以前の2年間に、雇用保険に12ヶ月以上加入
- 就職する意思と能力があるが、就職できない状態
手続き方法:
- ハローワークに行く
- 求職申込みをする
- 離職票を提出
- 待機期間7日
- 給付制限期間(自己都合退職の場合2ヶ月)
- 失業認定日にハローワークに行く
- 失業保険が振り込まれる
受給額: 退職前6ヶ月の平均給与の50〜80%
受給期間: 退職理由や年齢によって90日〜360日
4. 住民税の支払い
住民税は前年の所得に対して課税されるため、退職後も支払いが必要です。
支払い方法:
- 退職時に一括で天引き(6月以降の退職の場合)
- 自分で納付書で支払う(それ以外)
私の実例: 私は退職後、1ヶ月の空白期間がありました。その間、国民健康保険と国民年金に加入し、月々約4万円を支払いました。また、失業保険の手続きも行い、月額約20万円を2ヶ月間受給しました。
入社前に準備すべきこと
次の会社への入社が近づいたら、以下を準備します。
1. 入社書類の準備
企業から指定された書類を準備します。
一般的な提出書類:
- 雇用契約書(企業から送られてくる)
- 年金手帳
- 雇用保険被保険者証
- 源泉徴収票(前職の)
- マイナンバーカード(またはマイナンバー通知カード)
- 給与振込先の口座情報
- 扶養控除等申告書
- 健康診断書(企業による)
- 資格証明書(企業による)
2. 必要な持ち物の確認
入社日に持参するもの:
- 印鑑(シャチハタ不可)
- 筆記用具
- メモ帳
- 身分証明書
- 通帳またはキャッシュカード(給与振込用)
3. 服装の確認
- スーツが必要か、私服でOKか確認
- エンジニアの場合、多くは私服(オフィスカジュアル)
4. 通勤ルートの確認
- 入社日に遅刻しないよう、事前に通勤ルートを確認
- 可能なら、一度現地まで行ってみる
- 所要時間を把握する
5. 学習の準備
入社前に、使用する技術を予習しておくと良いでしょう。
入社前に学習すべきこと:
- 入社先で使用する技術スタック
- 業界知識
- 企業のプロダクトを使ってみる
私の実例: 入社先がReact × TypeScriptを使用すると聞いていたので、入社1ヶ月前から公式ドキュメントを読み、簡単なアプリを作りました。入社後、スムーズにキャッチアップできました。
6. 生活環境の準備
引っ越しが必要な場合:
- 入社1ヶ月前までに新居を決める
- 入社2週間前までに引っ越しを完了
- 転居届、住民票の移動
必要なものを揃える:
- 仕事用の服
- 通勤用のバッグ
- 名刺入れ
トラブル回避のための注意点
内定後から入社までの間、トラブルを避けるために注意すべきことがあります。
注意点1:内定取り消しのリスク
内定は労働契約が成立した状態ですが、以下の場合、内定取り消しになる可能性があります。
内定取り消しになるケース:
- 経歴詐称が発覚した
- 健康状態が採用基準を満たさない
- 企業の経営状態が急激に悪化
- 重大な犯罪行為があった
対策:
- 経歴は正直に申告する
- 企業の経営状態をチェックする(上場企業なら決算情報を見る)
注意点2:退職を周囲に言うタイミング
退職を同僚に伝えるのは、上司への報告後にしましょう。
適切なタイミング:
- 上司に報告
- 人事部に報告
- チームメンバーに報告
- 他部署の関係者に報告
- SNSで公表(退職後が無難)
SNSでの公表は慎重に: 退職前にSNSで「転職します!」と公表すると、現職に知られてトラブルになる可能性があります。退職後に報告しましょう。
注意点3:秘密保持契約・競業避止義務
退職後も、現職の機密情報を漏らしてはいけません。
守るべきこと:
- 顧客情報を持ち出さない
- ソースコードを持ち出さない
- 機密情報を転職先で使わない
- 競合他社への転職制限(契約による)
競業避止義務: 同業他社への転職を一定期間禁止する契約です。契約書を確認し、違反しないようにしましょう。
注意点4:引き継ぎの手抜きは厳禁
「どうせ辞めるから」と引き継ぎを手抜きすると、後でトラブルになります。
起こりうるトラブル:
- 前職から損害賠償を請求される
- 業界内で悪評が広まる
- 新しい会社に迷惑がかかる
しっかり引き継ぎを行い、円満退職を目指しましょう。
注意点5:有給消化中もトラブルを起こさない
有給消化中も、在籍していることには変わりません。
避けるべき行動:
- 競合他社で働き始める
- SNSで会社の悪口を書く
- 機密情報を持ち出す
有給消化中は、ゆっくり休むか、入社準備に充てましょう。
注意点6:離職票が届かない
離職票は退職後10日以内に郵送されるはずですが、届かない場合があります。
対処法:
- 退職後2週間経っても届かなければ、会社に連絡
- それでも届かなければ、ハローワークに相談
- ハローワークから会社に催促してもらえる
私の実例: 1回目の退職時、離職票が3週間経っても届きませんでした。会社に連絡したところ、「発送し忘れていました」とのこと。すぐに送ってもらい、無事に受け取れました。
入社日当日の流れ
いよいよ入社日。緊張する1日ですが、流れを把握しておけば安心です。
入社日のタイムライン例
9:00 出社
- 受付で名前を伝える
- 案内された場所で待機
9:30 入社式・オリエンテーション
- 会社の説明
- 経営理念の説明
- 社内ルールの説明
10:30 人事部での手続き
- 必要書類の提出
- 社員証・IDカードの発行
- パソコン・備品の受け取り
- 各種システムのアカウント発行
12:00 昼食
- 上司や先輩と一緒にランチ(企業による)
13:00 配属部署へ
- 配属部署の上司・メンバーへの挨拶
- 席の案内
- 業務の説明
14:00 環境設定
- パソコンのセットアップ
- 開発環境の構築
- 各種ツールのインストール
17:00 初日終了
- 上司に挨拶
- 退社
入社日に心がけること
1. 時間厳守 遅刻は絶対にNG。30分前には到着するようにしましょう。
2. 明るく挨拶 「本日からお世話になります、〇〇です。よろしくお願いいたします!」と元気に挨拶。
3. メモを取る 説明されたことは全てメモを取りましょう。
4. 質問を積極的にする 分からないことは遠慮せず質問しましょう。
5. 感謝を伝える 「ありがとうございます」と感謝の気持ちを忘れずに。
私の実例: 入社初日、緊張で手が震えていました。でも、先輩たちが優しく迎えてくれて、安心しました。初日はほとんど環境設定で終わり、コードは書きませんでした。
よくある質問(Q&A)
Q1:内定承諾後に辞退できますか?
A: 法律上は可能ですが、企業に大きな迷惑をかけます。よほどの理由がない限り、内定承諾前に慎重に判断しましょう。
Q2:退職を伝えるのは何ヶ月前が良いですか?
A: 法律上は2週間前ですが、実務上は1〜3ヶ月前が一般的です。2ヶ月前がおすすめです。
Q3:引き止められたらどうすればいいですか?
A: 丁寧に、しかし決意は固いことを伝え続けましょう。給与アップなどの条件提示にも応じない方が無難です。
Q4:有給休暇を消化できますか?
A: 労働者の権利なので、消化できます。ただし、引き継ぎを優先し、その後に消化するのが円満退職のコツです。
Q5:退職代行を使うのは非常識ですか?
A: 最終手段としてはアリです。パワハラなど、自分で退職を伝えられない状況なら、心身の健康を優先しましょう。
Q6:離職票はいつ届きますか?
A: 退職後10日以内に郵送されます。届かない場合は、会社に連絡しましょう。
Q7:退職時に引き継ぎをしないとどうなりますか?
A: 法律上の義務はありませんが、損害賠償を請求されるリスクがあります。また、業界内で悪評が広まる可能性もあります。
Q8:入社日を延期できますか?
A: やむを得ない事情がある場合は、早めに相談しましょう。ただし、企業に迷惑をかけるので、できる限り避けるべきです。
Q9:転職先に前職の源泉徴収票を提出しないとどうなりますか?
A: 年末調整ができなくなり、自分で確定申告をする必要があります。必ず提出しましょう。
Q10:入社前に勉強すべきことはありますか?
A: 入社先で使用する技術スタックを予習しておくと、入社後がスムーズです。ただし、無理はせず、リフレッシュする時間も大切にしましょう。
まとめ:内定後の流れを理解して円満退職を実現しよう
内定から入社までの流れを完全に理解しておけば、スムーズに転職できます。
内定後の流れのポイント
内定後すぐ:
- 労働条件通知書を確認
- 不明点を質問
- 内定承諾の返事
- 入社日を調整
退職の意思表示:
- 直属の上司に最初に伝える
- 簡潔に要件を伝える
- 引き止められても決意は固いことを示す
- 退職願・退職届を提出
引き継ぎ:
- 引き継ぎ計画を作成
- 引き継ぎ資料を作成
- 後任者と一緒に作業
- 質問対応
退職前の手続き:
- 返却物を返す
- 受け取り物を受け取る
- 有給休暇を消化
- 退職時の挨拶
退職後の手続き:
- 健康保険の切り替え
- 年金の切り替え
- 失業保険の手続き(該当者)
- 住民税の支払い
入社準備:
- 入社書類の準備
- 必要な持ち物の確認
- 学習の準備
- 生活環境の準備
円満退職のコツ:
- 早めに退職を伝える(2ヶ月前)
- 丁寧に引き継ぎを行う
- 感謝の気持ちを忘れない
- 最後まで真摯に仕事に取り組む
トラブル回避のポイント:
- 経歴は正直に申告
- SNSでの公表は退職後に
- 秘密保持契約を守る
- 引き継ぎを手抜きしない
内定はゴールではなく、スタートです。円満退職を実現し、新しい環境で最高のスタートを切りましょう。
次のステップ
円満退職と入社準備を進めるために、以下の記事も参考にしてください。
- 未経験エンジニア向け転職エージェント徹底比較【2025年最新】
- 退職代行サービスの使い方【エンジニアの円満退職完全ガイド2025】
- エンジニア転職の年収交渉術【100万円アップの実例・2025年最新版】
- 未経験エンジニアの最初の1年間の過ごし方【研修・OJT・独学のバランス】
- エンジニア転職の失敗例と対策20選【こんなはずじゃなかった体験談】
- エンジニアの職種別キャリアパス完全マップ【5年後・10年後の年収とスキル】
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