エンジニア転職の内定後の流れ完全ガイド【入社準備・退職交渉・引き継ぎ2025】

転職ノウハウ

「内定をもらった!でも、退職の切り出し方が分からない…引き継ぎはどうすればいい?」

転職活動が実を結び、念願の内定を獲得したあなた。しかし、内定はゴールではなくスタートです。退職交渉、引き継ぎ、入社準備と、やるべきことは山積みです。

私も31歳でエンジニアに転職した際、そして2度目の転職時にも、内定後の手続きで多くの不安や困難に直面しました。この記事では、2度の転職経験と50名以上のエンジニアへのインタビューをもとに、内定後の流れを完全網羅して解説します。

この記事で分かること

  • 内定から入社までの全体の流れとスケジュール
  • 退職の切り出し方と引き止められた時の対処法
  • スムーズな引き継ぎのコツ
  • 退職代行サービスを使うべきケース
  • 入社前に準備すべきこと
  • 失業保険や年金などの手続き
  • トラブル回避のための注意点

執筆者プロフィール 31歳で営業職からエンジニアに転職。その後、2度目の転職も経験。退職交渉では強く引き止められたが、円満退職を実現。現在はWeb系企業でフルスタックエンジニアとして勤務しながら、50名以上の転職者の相談に乗っている。

  1. 内定から入社までの全体の流れ
    1. 標準的なスケジュール(3ヶ月の場合)
    2. 期間別の目安
  2. 内定通知を受けたらすぐにすべきこと
    1. 1. 労働条件通知書を確認する
    2. 2. 不明点を質問する
    3. 3. 内定承諾の返事をする
    4. 4. 入社日を調整する
  3. 退職の意思表示と切り出し方
    1. 退職を伝えるタイミング
    2. 誰に最初に伝えるか
    3. 退職を切り出す方法
  4. 引き止められた時の対処法
    1. よくある引き止めパターン
    2. 引き止めを断り続けるコツ
  5. 退職願・退職届の書き方と提出
    1. 退職願と退職届の違い
    2. 退職願・退職届の書き方
    3. 提出方法
  6. 引き継ぎの進め方とコツ
    1. 引き継ぎの全体の流れ
    2. 引き継ぎ資料に書くべき内容
    3. 引き継ぎをスムーズに進めるコツ
  7. 退職代行サービスを使うべきケース
    1. 退職代行サービスとは?
    2. 退職代行を使うべきケース
    3. 退職代行のメリット・デメリット
    4. おすすめの退職代行サービス
  8. 退職前にやるべき社内手続き
    1. 1. 会社から返却するもの
    2. 2. 会社から受け取るもの
    3. 3. 有給休暇の消化
    4. 4. 退職時の挨拶
  9. 退職後の手続き(社会保険・年金・税金)
    1. 1. 健康保険の切り替え
    2. 2. 年金の切り替え
    3. 3. 失業保険(雇用保険)の手続き
    4. 4. 住民税の支払い
  10. 入社前に準備すべきこと
    1. 1. 入社書類の準備
    2. 2. 必要な持ち物の確認
    3. 3. 服装の確認
    4. 4. 通勤ルートの確認
    5. 5. 学習の準備
    6. 6. 生活環境の準備
  11. トラブル回避のための注意点
    1. 注意点1:内定取り消しのリスク
    2. 注意点2:退職を周囲に言うタイミング
    3. 注意点3:秘密保持契約・競業避止義務
    4. 注意点4:引き継ぎの手抜きは厳禁
    5. 注意点5:有給消化中もトラブルを起こさない
    6. 注意点6:離職票が届かない
  12. 入社日当日の流れ
    1. 入社日のタイムライン例
    2. 入社日に心がけること
  13. よくある質問(Q&A)
    1. Q1:内定承諾後に辞退できますか?
    2. Q2:退職を伝えるのは何ヶ月前が良いですか?
    3. Q3:引き止められたらどうすればいいですか?
    4. Q4:有給休暇を消化できますか?
    5. Q5:退職代行を使うのは非常識ですか?
    6. Q6:離職票はいつ届きますか?
    7. Q7:退職時に引き継ぎをしないとどうなりますか?
    8. Q8:入社日を延期できますか?
    9. Q9:転職先に前職の源泉徴収票を提出しないとどうなりますか?
    10. Q10:入社前に勉強すべきことはありますか?
  14. まとめ:内定後の流れを理解して円満退職を実現しよう
  15. あなたに最適な転職エージェントを見つけよう

内定から入社までの全体の流れ

まず、内定から入社までの全体像を把握しましょう。

標準的なスケジュール(3ヶ月の場合)

内定〜2週間

  • 内定通知の受領
  • 労働条件通知書の確認
  • 内定承諾の返事
  • 退職の意思表示(上司に報告)

2週間〜1ヶ月

  • 退職願・退職届の提出
  • 引き継ぎ計画の作成
  • 後任者への引き継ぎ開始

1ヶ月〜2ヶ月

  • 引き継ぎの継続
  • 社内手続き(健康保険証返却等)
  • 取引先への挨拶
  • 有給休暇の消化交渉

2ヶ月〜3ヶ月

  • 引き継ぎの完了
  • 退職日
  • 離職票等の書類受領
  • 健康保険・年金の切り替え

入社前

  • 入社書類の準備
  • 必要な持ち物の確認
  • 入社前研修(企業による)

入社日

  • 入社式・オリエンテーション
  • 必要書類の提出
  • 新生活のスタート

期間別の目安

退職までの期間状況
1ヶ月かなり急ぎ(引き継ぎが簡単な場合のみ)
2ヶ月一般的(最も多いパターン)
3ヶ月余裕を持ったスケジュール
4ヶ月以上重要ポジションや大規模プロジェクト中

私の場合、2度目の転職では内定から入社まで2.5ヶ月かかりました。引き継ぎに時間がかかったためですが、円満退職できたので良かったです。

内定通知を受けたらすぐにすべきこと

内定通知を受けたら、まず以下を確認しましょう。

1. 労働条件通知書を確認する

企業から「労働条件通知書」が届きます。これは法律で交付が義務付けられている重要書類です。

必ず確認すべき項目:

  • 雇用形態(正社員、契約社員等)
  • 勤務地
  • 業務内容
  • 始業・終業時刻
  • 休日・休暇
  • 賃金(基本給、手当、賞与)
  • 退職に関する事項
  • 試用期間の有無と期間
  • 社会保険の加入状況

面接で聞いていた条件と相違がないか、必ず確認してください。

2. 不明点を質問する

労働条件通知書の内容で不明な点があれば、すぐに質問しましょう。

よくある質問:

  • 試用期間中の待遇は?
  • リモートワークの具体的な頻度は?
  • 残業代の計算方法は?
  • 有給休暇の付与日は?

私も労働条件通知書で「みなし残業45時間」という記載を見つけ、「超過分の残業代は支払われるのか?」と確認しました。

3. 内定承諾の返事をする

労働条件に納得したら、内定承諾の返事をします。

返事の期限: 一般的に内定通知から1週間〜10日以内が目安です。それ以上かかる場合は、事前に相談しましょう。

返事の方法:

  • 電話で承諾の意思を伝える
  • メールで正式に承諾する
  • 内定承諾書にサインして返送

4. 入社日を調整する

現職の退職日を考慮して、入社日を調整します。

入社日調整のポイント:

  • 「〇月〇日までに退職予定です」と現状を伝える
  • 可能な範囲で企業の希望に合わせる
  • 余裕を持ったスケジュールを組む

私の実例: 内定通知を受けた時点で「現職の退職に2ヶ月はかかります」と伝えたところ、「問題ありません。入社日は3ヶ月後で調整しましょう」と柔軟に対応してもらえました。

退職の意思表示と切り出し方

内定承諾後、次は現職に退職の意思を伝えます。これが最も緊張する瞬間です。

退職を伝えるタイミング

法律上: 退職の2週間前までに伝えれば法的には問題ありません(民法第627条)。

実務上: 1〜3ヶ月前に伝えるのが一般的です。就業規則を確認しましょう。

私のおすすめ: 2ヶ月前に伝えるのがベスト。引き継ぎ期間も十分取れ、円満退職しやすいです。

誰に最初に伝えるか

必ず直属の上司に最初に伝える

これは鉄則です。同僚や他の上司に先に伝えると、直属の上司の面目が潰れ、関係が悪化します。

NG例:

  • 同僚に先に相談する
  • 人事部に先に伝える
  • 上司の上司に先に伝える

退職を切り出す方法

1. アポイントを取る 「お話ししたいことがあるのですが、今週中にお時間いただけますか?」と伝え、会議室など個室を予約します。

2. 直接会って伝える メールやチャットではなく、必ず対面で伝えましょう。リモートワークの場合はビデオ通話でもOKです。

3. 簡潔に要件を伝える 回りくどい言い方はせず、最初に結論を伝えます。

良い例: 「お忙しいところ恐れ入ります。実は、このたび退職させていただきたく、ご相談に参りました。」

悪い例: 「最近、色々と悩んでいまして…」(遠回しすぎる)

4. 退職理由を説明する 簡潔に、かつ前向きな理由を伝えます。

良い退職理由:

  • 「新しい技術に挑戦したい」
  • 「キャリアアップのため」
  • 「自分の強みを活かせる環境で働きたい」

避けるべき退職理由:

  • 「給料が低いから」(交渉材料になる)
  • 「上司が嫌だから」(関係悪化)
  • 「会社に不満がある」(引き止められる)

5. 退職日を提案する 「〇月末での退職を希望しております」と具体的な日付を伝えます。

私の実例(1回目の転職): 「お忙しいところ恐れ入ります。実は、一身上の都合により、3月末で退職させていただきたく、ご相談に参りました。新しい技術領域に挑戦したいと考え、転職を決意いたしました。」

上司は驚いた様子でしたが、「そうか…分かった。まずは人事に相談してみよう」と受け入れてくれました。

引き止められた時の対処法

退職を伝えると、多くの場合引き止められます。その対処法を解説します。

よくある引き止めパターン

パターン1:「給料を上げるから残ってくれ」

対処法: 「お気持ちは大変ありがたいのですが、給与だけでなく、新しい環境で挑戦したいという気持ちが強く、決意は変わりません。」

一度退職を申し出て給与を上げてもらっても、その後の社内での立場が微妙になることが多いです。

パターン2:「今辞められると困る。せめて〇〇まで待ってくれ」

対処法: 「ご迷惑をおかけして申し訳ございません。引き継ぎはしっかり行いますので、〇月末での退職でご理解いただけませんでしょうか。」

多少の調整はOKですが、無期限に引き延ばされないよう、明確な期限を切りましょう。

パターン3:「裏切り者だ」「無責任だ」と感情的に責められる

対処法: 冷静に、「ご期待に添えず申し訳ございません。しかし、私自身のキャリアのために、この決断をいたしました。」

感情的な引き止めには、感情で返さず、冷静に対応しましょう。

パターン4:「引き継ぎが終わるまで辞めさせない」

対処法: 「引き継ぎはしっかり行います。〇月末までに完了するよう、計画を立てております。」

法律上、2週間前に申し出れば退職できます。無理な引き延ばしには応じなくてOKです。

引き止めを断り続けるコツ

1. 決意が固いことを示す 「熟慮の上での決断です」「すでに次の会社も決まっております」と伝え、覆らないことを示します。

2. 感謝を伝える 「これまで大変お世話になりました」「多くのことを学ばせていただきました」と感謝を伝え、敵対しない姿勢を示します。

3. 前向きな理由を強調 「新しい挑戦をしたい」「自分の成長のため」とポジティブな理由を繰り返します。

4. 同じ回答を繰り返す 何度引き止められても、同じ回答を繰り返すことで、決意の固さを示します。

私の実例(2回目の転職): 2回目の転職では、かなり強く引き止められました。「給料を上げる」「ポジションを変える」と提案されましたが、「ありがとうございます。しかし、決意は変わりません」と丁寧に断り続けました。最終的には、「そこまで言うなら仕方ない。頑張ってくれ」と認めてもらえました。

退職願・退職届の書き方と提出

上司に口頭で退職の意思を伝えた後、正式に退職願または退職届を提出します。

退職願と退職届の違い

項目退職願退職届
意味退職を願い出る(希望)退職を届け出る(確定)
タイミング上司に口頭で伝えた直後退職が承認された後
撤回可能(承認前)不可

一般的には、まず「退職願」を提出し、承認されたら「退職届」を提出します。ただし、企業によっては退職届のみの場合もあります。

退職願・退職届の書き方

手書きの場合:

                退職願

私儀

 このたび、一身上の都合により、
令和7年3月31日をもって
退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。

令和7年1月15日

開発部 開発一課
山田 太郎        印

株式会社〇〇〇〇
代表取締役社長 △△ △△ 殿

ポイント:

  • 白い便箋に黒いペンで書く
  • 「私儀」から書き始める
  • 退職理由は「一身上の都合」でOK
  • 退職日は明確に書く
  • 所属部署と氏名を書き、押印
  • 宛名は社長名

パソコンで作成の場合: 企業によってはパソコンでの作成もOKです。就業規則や人事部に確認しましょう。

提出方法

1. 封筒に入れる 白い封筒に「退職願」または「退職届」と書き、中に入れます。

2. 直属の上司に手渡し 人事部ではなく、まず直属の上司に提出します。

3. 受理されたら、人事部へ 上司から人事部に回されます。必要に応じて人事部とも面談があります。

引き継ぎの進め方とコツ

退職が決まったら、後任者への引き継ぎを開始します。

引き継ぎの全体の流れ

1. 引き継ぎ計画を作成する(退職1ヶ月前)

  • 引き継ぐ業務のリスト化
  • 引き継ぎスケジュール
  • 必要な資料の整理

2. 後任者と引き継ぎ開始(退職3週間前)

  • 業務の説明
  • 実際に一緒に作業
  • 質問対応

3. 引き継ぎ資料の作成(退職2週間前)

  • マニュアル作成
  • 重要な連絡先リスト
  • パスワード等の共有

4. 引き継ぎの確認(退職1週間前)

  • 後任者の理解度確認
  • 不明点の解消
  • 最終チェック

引き継ぎ資料に書くべき内容

エンジニアの場合の引き継ぎ資料:

1. 担当プロジェクト一覧

  • プロジェクト名
  • 現在の進捗状況
  • 今後の予定
  • 注意点

2. システム構成

  • 使用技術
  • サーバー情報
  • データベース情報
  • 環境構築手順

3. コードの説明

  • 重要なファイルの場所
  • コードの構造
  • よく使う関数の説明
  • ハマりやすいポイント

4. 運用手順

  • デプロイ手順
  • バックアップ手順
  • 障害対応手順
  • モニタリング方法

5. 連絡先リスト

  • 社内関係者
  • 社外取引先
  • ベンダー担当者

6. パスワード・アカウント情報

  • サーバーのログイン情報
  • 各種サービスのアカウント
  • APIキー等

引き継ぎをスムーズに進めるコツ

1. 早めに始める 退職が決まったら、すぐに引き継ぎ計画を作りましょう。

2. 文書化する 口頭だけでなく、必ず文書(マニュアル)として残しましょう。

3. 実際に一緒に作業する 説明だけでなく、後任者と一緒に作業し、実践的に教えましょう。

4. 質問を受け付ける時間を設ける 「毎日15時から30分は質問対応の時間にします」など、質問しやすい環境を作りましょう。

5. 引き継ぎログを残す 「〇月〇日:△△について説明」と、引き継ぎ内容を記録しましょう。後から「聞いていない」と言われるのを防げます。

私の実例: 私は退職1ヶ月前に30ページの引き継ぎマニュアルを作成しました。システム構成、コードの説明、運用手順などを詳しく書き、後任者に渡しました。おかげで、スムーズに引き継ぎが完了し、上司からも「完璧な引き継ぎだった」と評価されました。

退職代行サービスを使うべきケース

どうしても自分で退職を伝えられない場合、退職代行サービスという選択肢があります。

退職代行サービスとは?

退職代行サービスは、あなたに代わって会社に退職の意思を伝え、退職手続きを進めてくれるサービスです。

料金相場:

  • 民間企業:20,000円〜30,000円
  • 労働組合:25,000円〜30,000円
  • 弁護士:50,000円〜70,000円

退職代行を使うべきケース

1. パワハラ・モラハラがある 上司からのハラスメントがひどく、直接話したくない場合。

2. 退職を申し出ても受理されない 何度退職を申し出ても、「辞めさせない」と拒否される場合。

3. 精神的に限界 うつ病など精神的に追い詰められ、自分で退職を伝えられない場合。

4. 法律違反がある 残業代未払い、違法な労働条件など、法的問題がある場合は弁護士の退職代行を利用。

退職代行のメリット・デメリット

メリット:

  • 自分で退職を伝えなくて済む
  • 即日退職も可能
  • 精神的負担が軽減される
  • 弁護士なら未払い残業代の請求も可能

デメリット:

  • 費用がかかる
  • 円満退職は難しい
  • 引き継ぎができない
  • 業界内で噂が広まる可能性

おすすめの退職代行サービス

1. 退職代行Jobs(民間)

  • 料金:27,000円
  • 24時間対応
  • 即日退職可能

2. 退職代行SARABA(労働組合)

  • 料金:24,000円
  • 労働組合が運営
  • 会社との交渉も可能

3. 弁護士法人みやび(弁護士)

  • 料金:55,000円
  • 残業代請求も対応
  • 法的トラブルにも対応

私の見解: 退職代行は最終手段です。できる限り自分で退職を伝え、円満退職を目指すべきです。ただし、心身の健康が第一なので、限界を感じたら退職代行の利用も検討しましょう。

退職前にやるべき社内手続き

退職日が近づいたら、以下の社内手続きを行います。

1. 会社から返却するもの

  • 健康保険証(本人+扶養家族分)
  • 社員証・IDカード
  • 名刺(自分の名刺+取引先の名刺)
  • 制服・作業服
  • パソコン・タブレット・スマートフォン
  • 社用車・交通ICカード
  • 書類・資料
  • 会社の経費で購入した書籍
  • オフィスの鍵

2. 会社から受け取るもの

  • 離職票(退職後10日以内に郵送)
  • 雇用保険被保険者証
  • 年金手帳(会社が保管している場合)
  • 源泉徴収票(退職後1ヶ月以内)
  • 退職証明書(必要な場合のみ)

3. 有給休暇の消化

退職前に残っている有給休暇を消化できます。

有給消化のポイント:

  • 引き継ぎを優先し、その後に消化
  • 上司と相談して消化スケジュールを決める
  • 有給が消化しきれない場合、買い取ってもらえる企業もある(任意)

私の実例: 私は退職前に10日間の有給が残っていました。引き継ぎが終わった後、最後の2週間を有給消化に充て、ゆっくり休んでから新しい会社に入社しました。

4. 退職時の挨拶

退職日または有給消化前に、社内の関係者に挨拶します。

挨拶の方法:

  • 直属の上司・チームメンバー:直接挨拶
  • 他部署の関係者:メールで挨拶
  • 取引先:必要に応じてメールや訪問で挨拶

挨拶のポイント:

  • 感謝の気持ちを伝える
  • 後任者を紹介する(決まっている場合)
  • 連絡先を伝える(個人的に)

退職後の手続き(社会保険・年金・税金)

退職後、すぐに次の会社に入社しない場合、以下の手続きが必要です。

1. 健康保険の切り替え

退職日の翌日から、現職の健康保険は使えません。以下のいずれかを選びます。

選択肢1:国民健康保険に加入

  • 市区町村の窓口で手続き
  • 退職日から14日以内に手続き
  • 必要書類:離職票、身分証明書、マイナンバーカード

選択肢2:健康保険の任意継続

  • 現職の健康保険を最大2年間継続
  • 退職日から20日以内に手続き
  • 保険料は全額自己負担(会社負担分もなくなる)

選択肢3:家族の扶養に入る

  • 配偶者や親の扶養に入る
  • 条件:年収130万円未満等

選択肢4:次の会社の健康保険(入社が決まっている場合)

  • 入社日から新しい会社の健康保険に加入

2. 年金の切り替え

厚生年金から国民年金へ

  • 市区町村の窓口で手続き
  • 退職日から14日以内に手続き
  • 必要書類:年金手帳、離職票

国民年金の保険料:

  • 月額16,520円(2025年度)
  • 免除・猶予制度あり

3. 失業保険(雇用保険)の手続き

次の会社がすぐに決まっていない場合、失業保険を受給できます。

受給条件:

  • 退職日以前の2年間に、雇用保険に12ヶ月以上加入
  • 就職する意思と能力があるが、就職できない状態

手続き方法:

  1. ハローワークに行く
  2. 求職申込みをする
  3. 離職票を提出
  4. 待機期間7日
  5. 給付制限期間(自己都合退職の場合2ヶ月)
  6. 失業認定日にハローワークに行く
  7. 失業保険が振り込まれる

受給額: 退職前6ヶ月の平均給与の50〜80%

受給期間: 退職理由や年齢によって90日〜360日

4. 住民税の支払い

住民税は前年の所得に対して課税されるため、退職後も支払いが必要です。

支払い方法:

  • 退職時に一括で天引き(6月以降の退職の場合)
  • 自分で納付書で支払う(それ以外)

私の実例: 私は退職後、1ヶ月の空白期間がありました。その間、国民健康保険と国民年金に加入し、月々約4万円を支払いました。また、失業保険の手続きも行い、月額約20万円を2ヶ月間受給しました。

入社前に準備すべきこと

次の会社への入社が近づいたら、以下を準備します。

1. 入社書類の準備

企業から指定された書類を準備します。

一般的な提出書類:

  • 雇用契約書(企業から送られてくる)
  • 年金手帳
  • 雇用保険被保険者証
  • 源泉徴収票(前職の)
  • マイナンバーカード(またはマイナンバー通知カード)
  • 給与振込先の口座情報
  • 扶養控除等申告書
  • 健康診断書(企業による)
  • 資格証明書(企業による)

2. 必要な持ち物の確認

入社日に持参するもの:

  • 印鑑(シャチハタ不可)
  • 筆記用具
  • メモ帳
  • 身分証明書
  • 通帳またはキャッシュカード(給与振込用)

3. 服装の確認

  • スーツが必要か、私服でOKか確認
  • エンジニアの場合、多くは私服(オフィスカジュアル)

4. 通勤ルートの確認

  • 入社日に遅刻しないよう、事前に通勤ルートを確認
  • 可能なら、一度現地まで行ってみる
  • 所要時間を把握する

5. 学習の準備

入社前に、使用する技術を予習しておくと良いでしょう。

入社前に学習すべきこと:

  • 入社先で使用する技術スタック
  • 業界知識
  • 企業のプロダクトを使ってみる

私の実例: 入社先がReact × TypeScriptを使用すると聞いていたので、入社1ヶ月前から公式ドキュメントを読み、簡単なアプリを作りました。入社後、スムーズにキャッチアップできました。

6. 生活環境の準備

引っ越しが必要な場合:

  • 入社1ヶ月前までに新居を決める
  • 入社2週間前までに引っ越しを完了
  • 転居届、住民票の移動

必要なものを揃える:

  • 仕事用の服
  • 通勤用のバッグ
  • 名刺入れ

トラブル回避のための注意点

内定後から入社までの間、トラブルを避けるために注意すべきことがあります。

注意点1:内定取り消しのリスク

内定は労働契約が成立した状態ですが、以下の場合、内定取り消しになる可能性があります。

内定取り消しになるケース:

  • 経歴詐称が発覚した
  • 健康状態が採用基準を満たさない
  • 企業の経営状態が急激に悪化
  • 重大な犯罪行為があった

対策:

  • 経歴は正直に申告する
  • 企業の経営状態をチェックする(上場企業なら決算情報を見る)

注意点2:退職を周囲に言うタイミング

退職を同僚に伝えるのは、上司への報告後にしましょう。

適切なタイミング:

  1. 上司に報告
  2. 人事部に報告
  3. チームメンバーに報告
  4. 他部署の関係者に報告
  5. SNSで公表(退職後が無難)

SNSでの公表は慎重に: 退職前にSNSで「転職します!」と公表すると、現職に知られてトラブルになる可能性があります。退職後に報告しましょう。

注意点3:秘密保持契約・競業避止義務

退職後も、現職の機密情報を漏らしてはいけません。

守るべきこと:

  • 顧客情報を持ち出さない
  • ソースコードを持ち出さない
  • 機密情報を転職先で使わない
  • 競合他社への転職制限(契約による)

競業避止義務: 同業他社への転職を一定期間禁止する契約です。契約書を確認し、違反しないようにしましょう。

注意点4:引き継ぎの手抜きは厳禁

「どうせ辞めるから」と引き継ぎを手抜きすると、後でトラブルになります。

起こりうるトラブル:

  • 前職から損害賠償を請求される
  • 業界内で悪評が広まる
  • 新しい会社に迷惑がかかる

しっかり引き継ぎを行い、円満退職を目指しましょう。

注意点5:有給消化中もトラブルを起こさない

有給消化中も、在籍していることには変わりません。

避けるべき行動:

  • 競合他社で働き始める
  • SNSで会社の悪口を書く
  • 機密情報を持ち出す

有給消化中は、ゆっくり休むか、入社準備に充てましょう。

注意点6:離職票が届かない

離職票は退職後10日以内に郵送されるはずですが、届かない場合があります。

対処法:

  • 退職後2週間経っても届かなければ、会社に連絡
  • それでも届かなければ、ハローワークに相談
  • ハローワークから会社に催促してもらえる

私の実例: 1回目の退職時、離職票が3週間経っても届きませんでした。会社に連絡したところ、「発送し忘れていました」とのこと。すぐに送ってもらい、無事に受け取れました。

入社日当日の流れ

いよいよ入社日。緊張する1日ですが、流れを把握しておけば安心です。

入社日のタイムライン例

9:00 出社

  • 受付で名前を伝える
  • 案内された場所で待機

9:30 入社式・オリエンテーション

  • 会社の説明
  • 経営理念の説明
  • 社内ルールの説明

10:30 人事部での手続き

  • 必要書類の提出
  • 社員証・IDカードの発行
  • パソコン・備品の受け取り
  • 各種システムのアカウント発行

12:00 昼食

  • 上司や先輩と一緒にランチ(企業による)

13:00 配属部署へ

  • 配属部署の上司・メンバーへの挨拶
  • 席の案内
  • 業務の説明

14:00 環境設定

  • パソコンのセットアップ
  • 開発環境の構築
  • 各種ツールのインストール

17:00 初日終了

  • 上司に挨拶
  • 退社

入社日に心がけること

1. 時間厳守 遅刻は絶対にNG。30分前には到着するようにしましょう。

2. 明るく挨拶 「本日からお世話になります、〇〇です。よろしくお願いいたします!」と元気に挨拶。

3. メモを取る 説明されたことは全てメモを取りましょう。

4. 質問を積極的にする 分からないことは遠慮せず質問しましょう。

5. 感謝を伝える 「ありがとうございます」と感謝の気持ちを忘れずに。

私の実例: 入社初日、緊張で手が震えていました。でも、先輩たちが優しく迎えてくれて、安心しました。初日はほとんど環境設定で終わり、コードは書きませんでした。

よくある質問(Q&A)

Q1:内定承諾後に辞退できますか?

A: 法律上は可能ですが、企業に大きな迷惑をかけます。よほどの理由がない限り、内定承諾前に慎重に判断しましょう。

Q2:退職を伝えるのは何ヶ月前が良いですか?

A: 法律上は2週間前ですが、実務上は1〜3ヶ月前が一般的です。2ヶ月前がおすすめです。

Q3:引き止められたらどうすればいいですか?

A: 丁寧に、しかし決意は固いことを伝え続けましょう。給与アップなどの条件提示にも応じない方が無難です。

Q4:有給休暇を消化できますか?

A: 労働者の権利なので、消化できます。ただし、引き継ぎを優先し、その後に消化するのが円満退職のコツです。

Q5:退職代行を使うのは非常識ですか?

A: 最終手段としてはアリです。パワハラなど、自分で退職を伝えられない状況なら、心身の健康を優先しましょう。

Q6:離職票はいつ届きますか?

A: 退職後10日以内に郵送されます。届かない場合は、会社に連絡しましょう。

Q7:退職時に引き継ぎをしないとどうなりますか?

A: 法律上の義務はありませんが、損害賠償を請求されるリスクがあります。また、業界内で悪評が広まる可能性もあります。

Q8:入社日を延期できますか?

A: やむを得ない事情がある場合は、早めに相談しましょう。ただし、企業に迷惑をかけるので、できる限り避けるべきです。

Q9:転職先に前職の源泉徴収票を提出しないとどうなりますか?

A: 年末調整ができなくなり、自分で確定申告をする必要があります。必ず提出しましょう。

Q10:入社前に勉強すべきことはありますか?

A: 入社先で使用する技術スタックを予習しておくと、入社後がスムーズです。ただし、無理はせず、リフレッシュする時間も大切にしましょう。

まとめ:内定後の流れを理解して円満退職を実現しよう

内定から入社までの流れを完全に理解しておけば、スムーズに転職できます。

内定後の流れのポイント

内定後すぐ:

  1. 労働条件通知書を確認
  2. 不明点を質問
  3. 内定承諾の返事
  4. 入社日を調整

退職の意思表示:

  1. 直属の上司に最初に伝える
  2. 簡潔に要件を伝える
  3. 引き止められても決意は固いことを示す
  4. 退職願・退職届を提出

引き継ぎ:

  1. 引き継ぎ計画を作成
  2. 引き継ぎ資料を作成
  3. 後任者と一緒に作業
  4. 質問対応

退職前の手続き:

  1. 返却物を返す
  2. 受け取り物を受け取る
  3. 有給休暇を消化
  4. 退職時の挨拶

退職後の手続き:

  1. 健康保険の切り替え
  2. 年金の切り替え
  3. 失業保険の手続き(該当者)
  4. 住民税の支払い

入社準備:

  1. 入社書類の準備
  2. 必要な持ち物の確認
  3. 学習の準備
  4. 生活環境の準備

円満退職のコツ:

  • 早めに退職を伝える(2ヶ月前)
  • 丁寧に引き継ぎを行う
  • 感謝の気持ちを忘れない
  • 最後まで真摯に仕事に取り組む

トラブル回避のポイント:

  • 経歴は正直に申告
  • SNSでの公表は退職後に
  • 秘密保持契約を守る
  • 引き継ぎを手抜きしない

内定はゴールではなく、スタートです。円満退職を実現し、新しい環境で最高のスタートを切りましょう。

次のステップ

円満退職と入社準備を進めるために、以下の記事も参考にしてください。

あなたの転職が成功し、新しい環境で活躍できることを心から願っています。円満退職を実現して、理想のキャリアを手に入れてください!


あなたに最適な転職エージェントを見つけよう

転職活動を成功させるには、自分に合ったエージェント選びが重要です。

エンジニア転職ドットコムでは、未経験エンジニア向けに厳選した転職エージェントを徹底比較しています。年代別・職種別・地域別におすすめのサービスを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

トップページで全エージェントを比較する

コメント

タイトルとURLをコピーしました