「エンジニアに転職したけど、こんなはずじゃなかった…」
転職後に後悔する人は決して少なくありません。私自身、1社目の転職で大きな失敗を経験し、1年半で再転職することになりました。その苦い経験から学んだことを、この記事で共有します。
この記事では、私が直接インタビューした転職経験者50人のリアルな体験談をもとに、エンジニア転職でよくある失敗パターンと、その回避策を徹底解説します。
この記事で分かること
- エンジニア転職で後悔した人の5大失敗パターン
- 各失敗パターンの実例とリアルな声
- 失敗を避けるための具体的なチェックポイント
- 転職前に確認すべき20の質問リスト
- もし失敗してしまったときの対処法
- 後悔しない企業選びの5つの基準
【注意】この記事は失敗談が中心です 転職の暗い側面をリアルに伝えますが、適切な対策をすれば回避できる内容ばかりです。むしろ、事前に知っておくことで、あなたの転職成功率が格段に上がります。
調査方法と対象者について
調査の信頼性を担保するために
この記事で紹介する事例は、以下の方法で収集しました。
調査対象
- エンジニア転職経験者50人(20代〜40代)
- インタビュー期間:2023年〜2024年
- 対象:未経験転職者30人、経験者転職20人
調査方法
- 1対1のオンラインインタビュー(各30分〜1時間)
- 転職コミュニティでのアンケート
- 私自身の転職経験(失敗・成功の両方)
属性の内訳
- 年齢:20代35人、30代12人、40代3人
- 前職:営業12人、事務8人、接客7人、IT業界他職種10人、その他13人
- 転職先:自社開発20人、SES18人、受託開発12人
匿名性を保つため、個人が特定される情報は伏せていますが、すべて実際の体験談です。
失敗パターン1:「客先常駐ガチャ」でスキルが身につかない
最も多かった後悔(50人中18人)
失敗の概要 SES企業に入社したものの、配属先が頻繁に変わり、スキルが身につかない。単純作業ばかりで成長できず、転職市場での価値が上がらない。
実例A:Kさん(27歳・営業職→エンジニア)の場合
「未経験OKの求人に応募し、SES企業に入社しました。最初の配属先は大手金融機関のシステム部門で、『これでエンジニアとしてのキャリアがスタートする!』と期待していました。
しかし実際の業務は、Excelでのデータ入力と、既存システムの監視業務ばかり。プログラミングは一切させてもらえず、3ヶ月が過ぎました。
『これは違う』と営業担当に相談すると、『次の案件でプログラミングできますよ』と言われ、4ヶ月後に別の現場へ。今度こそと思いきや、こちらも『テスト工程の単純作業』。画面に表示される数字を確認して、Excelに記録するだけの仕事でした。
結局、1年間で3つの現場を回りましたが、プログラミングスキルは全く向上せず。気づけば『SES企業で1年の経験』という肩書きだけが残り、実際には何もできない状態に。
転職活動を再開しましたが、『具体的に何ができますか?』と聞かれても答えられず、書類選考で落ち続けました。結局、未経験からのやり直しになり、1年を無駄にした感覚です」
実例B:Mさん(25歳・事務職→エンジニア)の場合
「SES企業に入社して、最初の半年は研修があると聞いていました。実際、2ヶ月間はJavaの基礎を学べたのですが、その後すぐに客先へ配属。
配属先では、20年前のレガシーシステムの保守運用。使われている技術は古く、今の転職市場では全く評価されないものばかり。しかも、先輩エンジニアは自社の人間ではなく、他のSES企業から来ている人ばかり。誰も技術的なことを教えてくれず、孤独でした。
契約期間が終わると、また別の現場へ。今度はWindowsサーバーの監視業務。『エンジニアになりたくてこの道を選んだのに、こんなはずじゃなかった』と後悔しました。
2年経った今でも、ポートフォリオに載せられるような開発経験がなく、転職活動に苦戦しています」
なぜこの失敗が起きるのか?
SESビジネスモデルの構造的問題
- 企業は「人を配置すること」で売上が立つ
- エンジニアのスキルアップより、案件を回すことが優先される
- 配属先は企業が選ぶため、本人の希望が通らないことも
未経験者が狙われやすい
- 「未経験OK」「研修充実」の甘い言葉に惹かれる
- 業界の実態を知らず、SESとそれ以外の違いが分からない
- 技術力がないため、案件を選ぶ立場にない
見分け方と回避策
面接・企業選びで確認すべきこと
- 過去の配属実績を具体的に聞く
- 「未経験者は、最初どのような案件に配属されることが多いですか?」
- 「直近1年で入社した人の配属先を教えてください」
- 「配属先でどんな技術を使っていますか?」
- 自社開発案件の有無
- 「自社サービスの開発案件はありますか?」
- 「客先常駐と自社開発の比率は?」
- キャリアパスを確認
- 「3年後、5年後はどのようなキャリアになるイメージですか?」
- 「未経験入社した先輩で、今活躍している人の事例を教えてください」
- 技術選択の自由度
- 「学びたい技術(例:React、AWS等)を使える案件に配属される可能性は?」
- 「配属先の希望は通りますか?」
- 契約形態を確認
- 「準委任契約」か「派遣契約」か(準委任の方がまだマシ)
- 「契約更新のタイミングで配属先を変える可能性は?」
見極めのチェックポイント
| 項目 | 危険なサイン | 安心なサイン |
|---|---|---|
| 求人票 | 「未経験OK」「研修充実」だけを強調 | 具体的な技術スタックが明記 |
| 面接 | 配属先の質問をはぐらかす | 過去の配属実績を具体的に説明 |
| 案件 | 「案件による」と濁す | 「○○のような案件が多い」と明言 |
| 技術 | モダンな技術の話が出ない | React、AWS、Docker等の言葉が出る |
| キャリア | 「色々経験できる」と抽象的 | 具体的なキャリアパスを提示 |
それでもSES企業を選ぶなら
SES企業すべてが悪いわけではありません。以下の条件を満たすなら、選択肢に入れても良いでしょう。
- 研修期間が3ヶ月以上ある
- 自社内での開発案件がある
- モダンな技術を使う案件が多い
- 配属先の希望が通る仕組みがある
- 1〜2年で実務経験を積み、次の転職を考える前提
失敗してしまった場合の対処法
すぐにできること
- 営業担当に配属変更を交渉する
- 「今の現場ではスキルが身につかない」と率直に伝える
- 「○○の技術を使える現場に異動したい」と具体的に希望を出す
- 業務時間外に自己学習する
- 昼休みや退勤後にプログラミング学習
- ポートフォリオを作成し、転職準備を進める
- 早期の転職を検討する
- 1年以内の短期離職はマイナスだが、スキルが身につかない環境に長くいる方が危険
- 正直に「現在の環境では成長できない」と説明すれば理解される
私の知人は、SES企業に半年いた後、「このままでは時間を無駄にする」と判断し、自社開発企業に転職しました。面接では正直に状況を説明し、ポートフォリオで実力を示すことで内定を得ました。
失敗パターン2:夜勤・休日対応で体調を崩す
2番目に多かった後悔(50人中12人)
失敗の概要 運用保守の部署に配属され、夜勤・休日のシフト勤務が月に10回以上。睡眠不足と不規則な生活で体調を崩し、仕事どころではなくなる。
実例C:Tさん(29歳・接客業→エンジニア)の場合
「インフラエンジニアとして入社し、最初の配属が大手ECサイトの運用保守チームでした。面接では『24時間365日体制の運用です』とは聞いていましたが、具体的な勤務形態までは確認していませんでした。
実際に始まってみると、月に12〜15回の夜勤シフト。勤務時間は19:00〜翌朝9:00。夜中にシステムアラートが鳴れば対応が必要で、まともに眠れません。
最初の1ヶ月は何とか耐えましたが、2ヶ月目には慢性的な睡眠不足で思考力が低下。昼夜逆転の生活で、休日も体調が戻らず、友人との予定も入れられません。
3ヶ月目には、ストレスで胃炎を発症。医者から『このままでは体を壊す』と言われ、上司に相談しましたが、『みんなやってることだから』と取り合ってもらえず。
結局、半年で退職しました。健康を犠牲にしてまで続ける仕事ではないと判断しました」
実例D:Yさん(26歳・営業職→エンジニア)の場合
「自社サービスのバックエンドエンジニアとして入社。開発業務がメインだと思っていましたが、運用も兼務で、月に4〜5回のオンコール対応がありました。
オンコールとは、夜間や休日に障害が発生したときに対応する当番制度。週末に家族と出かけていても、電話が鳴ればすぐにPCを開いて対応しなければなりません。
ある日、土曜日の朝に障害が発生。友人の結婚式の予定がありましたが、障害対応を優先せざるを得ず、式を欠席。その後も、常に『いつ電話が鳴るか』という不安がつきまとい、休日も気が休まりません。
1年続けましたが、プライベートの時間が全く取れず、精神的に限界に。『このままでは人生を楽しめない』と感じ、転職を決意しました」
なぜこの失敗が起きるのか?
運用業務の特性
- システムは24時間動いているため、夜間・休日も監視が必要
- 特にインフラエンジニア、運用保守ポジションで多い
- 開発とは別に運用チームが存在するが、小規模企業では兼務も
面接で具体的に聞かない
- 「残業はどれくらいですか?」は聞いても、「夜勤は?」「オンコールは?」まで聞かない
- 企業も積極的には伝えない(採用に不利なため)
見分け方と回避策
面接で必ず確認すべき質問
- 勤務体制
- 「夜勤やシフト勤務はありますか?頻度は月に何回程度ですか?」
- 「オンコール対応はありますか?頻度と対応時間は?」
- 「実際に夜間対応が発生するのは月に何回くらいですか?」
- 休日対応
- 「休日に対応が必要になることはありますか?」
- 「休日対応した場合、代休は取れますか?」
- チーム体制
- 「運用チームは何人体制ですか?」
- 「夜勤・オンコール担当は持ち回りですか?」
- 手当
- 「夜勤手当、休日出勤手当はいくらですか?」
- 「オンコール待機の手当はありますか?」
- 実態の確認
- 「実際に働いている方の1週間のスケジュールを教えてください」
- 「直近3ヶ月で、夜間・休日対応は何回ありましたか?」
求人票で見るべきポイント
| 危険なサイン | 詳細 |
|---|---|
| 「24時間365日運用」 | 夜勤・休日対応がある可能性大 |
| 「シフト制勤務」 | 夜勤がある |
| 「オンコール対応あり」 | 休日も気が休まらない |
| 「運用保守」が主業務 | 監視・障害対応がメイン |
| 運用チームが少人数 | 一人当たりの負担が大きい |
安心できる企業の特徴
- 運用チームが十分な人数(最低5人以上)
- シフトが完全に分かれている(開発チームは夜勤なし)
- オンコール当番が月に1〜2回程度
- 代休制度や手当が充実
- リモート対応が可能
失敗してしまった場合の対処法
体調を最優先に
- 上司・人事に相談
- 「体調を崩しているため、夜勤の頻度を減らしてほしい」と相談
- 医師の診断書があれば、説得力が増す
- 配置転換を希望
- 「開発チームへの異動を希望」と伝える
- 運用保守から開発へのキャリアチェンジは珍しくない
- 転職を検討
- 健康を害してまで続ける仕事ではない
- 「ワークライフバランスを重視したい」と正直に伝えれば、理解してくれる企業は多い
私の友人は、夜勤のある企業から、「定時勤務・リモートワーク可」の企業に転職し、生活の質が劇的に改善しました。
失敗パターン3:年収が上がらない・下がった
3番目に多かった後悔(50人中10人)
失敗の概要 「エンジニアは高収入」と期待して転職したものの、実際は前職より年収が下がった。または、入社後も年収が全く上がらず、生活が苦しい。
実例E:Hさん(31歳・営業職→エンジニア)の場合
「前職は営業で年収480万円。エンジニアになれば年収が上がると思い、未経験で転職しました。内定時の年収は400万円。『未経験だから最初は下がるのは仕方ない。でもエンジニアなら3年後には600万円以上になるはず』と自分に言い聞かせて入社しました。
しかし、3年経っても年収は430万円。昇給は年に1万円ずつ。ボーナスも雀の涙。同期入社のエンジニアも同じ状況で、『これではエンジニアになった意味がない』と後悔しています。
さらに悪いことに、転職市場で自分の市場価値を調べたところ、使っている技術が古く、今のスキルでは年収アップの転職も難しいことが判明。完全に失敗しました」
実例F:Sさん(28歳・事務職→エンジニア)の場合
「SES企業に入社し、年収は380万円でスタート。『実務経験を積めば年収は上がる』と信じていました。
しかし、2年経っても年収は400万円止まり。理由を聞くと、『配属先の単価が低いから』とのこと。つまり、自分がどれだけ頑張っても、会社が受注する案件の単価が低ければ、給料は上がらない仕組みでした。
同じ会社の先輩(経験5年)でも年収500万円程度。これでは将来が不安すぎます。もっと年収について調べてから転職すべきでした」
なぜこの失敗が起きるのか?
企業タイプによる年収の違い
- SES企業:案件単価に依存、昇給が遅い
- 自社開発企業:成長と共に年収も上がりやすい
- 大手SIer:安定しているが、昇給ペースは緩やか
年収交渉をしない
- 内定時に「会社の規定通りで」と受け入れてしまう
- 年収交渉は当然の権利なのに、遠慮してしまう
市場価値を理解していない
- 自分のスキルが市場でいくらの価値があるか知らない
- 転職エージェントに相談せず、企業の言い値で決めてしまう
見分け方と回避策
面接・内定時に確認すべきこと
- 具体的な年収モデルを聞く
- 「未経験入社の場合、3年後、5年後の年収モデルを教えてください」
- 「同じ年齢・経験年数の方の平均年収は?」
- 昇給制度
- 「昇給は年に何回ありますか?平均でどれくらい上がりますか?」
- 「評価制度はどうなっていますか?」
- 賞与
- 「賞与は年に何回、何ヶ月分ですか?」
- 「業績によって変動しますか?」
- 手当
- 「残業代は全額支給ですか?」
- 「みなし残業はありますか?(何時間分?)」
- 「住宅手当、交通費は?」
- 年収の実例
- 「直近で入社した方の年収推移を教えてください」
年収交渉のポイント
| タイミング | 交渉内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 内定時 | 年収の上乗せ | ポートフォリオ、資格、前職年収を根拠に |
| 入社1年後 | 昇給交渉 | 成果を数値で示す |
| 転職時 | 大幅アップ | 市場価値を理解し、複数内定で交渉 |
年収交渉の実例
私の友人は、内定時に「前職が450万円で、スキルも独学で身につけているため、480万円を希望します」と交渉し、470万円で決まりました。交渉しなければ420万円だったので、50万円の差は大きいです。
詳しくは「エンジニア転職の年収交渉術【100万円アップの実例・2025年最新版】」で解説しています。
失敗してしまった場合の対処法
今の会社でできること
- 昇給交渉
- 成果を数値化して上司に提示
- 「市場価値がこれくらいあるので、年収を見直してほしい」
- スキルアップ
- 市場価値の高い技術を習得(React、AWS、Go等)
- 資格取得(AWS認定、LPIC等)
転職を検討
- 3年経っても年収が上がらない企業は見切りをつける
- 転職で50〜150万円の年収アップは珍しくない
- 転職エージェントに市場価値を査定してもらう
失敗パターン4:技術が古すぎて市場価値が上がらない
4番目に多かった後悔(50人中7人)
失敗の概要 レガシーシステムの保守ばかりで、モダンな技術に触れる機会がない。気づけば転職市場で評価されない技術しか持っておらず、キャリアが詰む。
実例G:Nさん(30歳・金融業界→エンジニア)の場合
「大手SIerに入社し、金融機関の基幹系システム開発に配属されました。使用言語はCOBOL。『大手だから安定している』と思っていましたが、これが大きな失敗でした。
COBOLは1960年代に作られた古い言語で、今ではほとんど使われていません。しかし、銀行のシステムはCOBOLで作られており、保守が必要なのです。
3年間COBOLばかり書いていましたが、ふと転職サイトを見ると、COBOLの求人はほとんどゼロ。あるのは『Java』『Python』『React』といったモダンな技術ばかり。
『このままではヤバい』と気づき、業務後にJavaを独学しましたが、実務経験がないため転職活動で苦戦。結局、年収を下げて未経験同然で転職することになりました。
大手SIerだからと安心していましたが、技術選択を誤ったことを深く後悔しています」
実例H:Rさん(27歳・販売職→エンジニア)の場合
「Web制作会社に入社しましたが、使用技術がjQueryとPHP(古いバージョン)のみ。『とりあえず実務経験を積もう』と思い、2年間働きました。
しかし、転職活動を始めたところ、『jQuery しかできません』では全く相手にされず。今の時代はReact、Vue.jsが主流で、jQueryは『古い技術』と見なされます。
ポートフォリオを作り直し、Reactを独学しましたが、『実務経験がないと厳しい』と言われ続けました。結局、2年間を無駄にした形になり、大きな後悔です」
なぜこの失敗が起きるのか?
レガシーシステムの維持需要
- 古いシステムは今も動いており、保守が必要
- しかし、その技術は転職市場では評価されない
大手企業の罠
- 大手SIerは安定しているが、扱う技術が古いことも
- 「大手だから安心」と思考停止してしまう
技術トレンドへの無関心
- 今自分が使っている技術が、市場でどう評価されるか調べない
- 気づいたときには手遅れ
見分け方と回避策
面接で確認すべき技術的な質問
- 使用技術
- 「主に使用する言語、フレームワークは何ですか?」
- 「バージョンは?」(例:PHP 5系か8系か)
- 技術スタックの更新
- 「技術スタックの刷新予定はありますか?」
- 「新しい技術の導入事例は?」
- 学習機会
- 「新しい技術を学ぶ機会はありますか?」
- 「技術書購入やカンファレンス参加の補助は?」
- 技術ブログ
- 「会社の技術ブログはありますか?」
- 技術ブログがある企業は、技術への投資意識が高い傾向
避けるべき技術(2025年時点)
| 技術 | 状況 | 代替技術 |
|---|---|---|
| COBOL | 新規開発はほぼゼロ | Java、Python、Go |
| VB6、VBA | レガシーシステムのみ | C#、Python |
| jQuery | モダン開発では不使用 | React、Vue.js |
| PHP 5系 | サポート終了 | PHP 8系、他言語 |
| IE対応が必須 | IEはサポート終了 | モダンブラウザ対応 |
推奨技術(2025年時点)
| 分野 | 推奨技術 |
|---|---|
| フロントエンド | React、Vue.js、TypeScript、Next.js |
| バックエンド | Java(Spring Boot)、Python(Django/FastAPI)、Go |
| インフラ | AWS、GCP、Docker、Kubernetes |
| データベース | PostgreSQL、MySQL、MongoDB |
失敗してしまった場合の対処法
今すぐできること
- 業務後にモダンな技術を学習
- Udemy、Progateでモダンな技術を習得
- ポートフォリオを作成し、実務経験の不足を補う
- 社内で新技術導入を提案
- 「この機能はReactで実装しませんか?」と提案
- 小さなプロジェクトから新技術を導入
- 早期の転職を検討
- レガシー技術の環境に長くいると、キャリアの選択肢が狭まる
- 1〜2年で見切りをつけるのも一つの選択
私の知人は、COBOLエンジニアとして3年働いた後、独学でJavaを習得し、ポートフォリオで実力を示すことで転職に成功しました。「実務経験がない」というハンデはありましたが、学習意欲と基礎力を評価されました。
失敗パターン5:人間関係・社風が合わない
5番目に多かった後悔(50人中6人)
失敗の概要 技術や業務内容は良いのに、人間関係や社風が合わず、精神的に消耗する。パワハラ、放置、コミュニケーション不足など。
実例I:Aさん(26歳・販売職→エンジニア)の場合
「スタートアップのWeb系企業に入社。技術スタックもモダンで、『ここなら成長できる!』と期待していました。
しかし、入社初日から違和感が。先輩エンジニアは誰も話しかけてこず、質問しても『ドキュメント読んで』の一点張り。ドキュメントは古く、実際のコードと合っていないのに、誰も教えてくれません。
『自走できないと無理』という社風で、未経験者へのサポートはゼロ。毎日一人で悩み、エラーと格闘する日々。精神的に追い詰められ、3ヶ月で退職しました。
技術は良くても、人間関係が最悪では続けられません。もっと社風を調べるべきでした」
実例J:Oさん(32歳・営業職→エンジニア)の場合
「大手SIerに入社しましたが、典型的な体育会系の社風。上司の指示は絶対で、意見を言うことは許されない雰囲気。
ある日、設計に問題があることに気づき、『こうした方が良いのでは?』と提案したところ、『君は経験が浅いんだから黙ってやれ』と一喝されました。
その後も、上司からの理不尽な指示が続き、パワハラまがいの言動も。精神的に限界を迎え、1年で退職しました。
面接では良い印象だったのに、実際に働いてみないと社風は分からないものだと痛感しました」
なぜこの失敗が起きるのか?
社風は面接では分からない
- 面接官は採用担当や役員で、現場の雰囲気とは違う
- 企業は良い面しか見せない
未経験者へのサポート体制の差
- 企業によって、未経験者の育成方針が全く違う
- 「自走力」を重視する企業と、「丁寧に教える」企業がある
価値観の不一致
- 働き方、コミュニケーションスタイル、評価基準が合わない
見分け方と回避策
面接・企業選びで確認すべきこと
- 現場社員と話す機会を作る
- 「現場のエンジニアと話せる機会はありますか?」と依頼
- カジュアル面談を活用する
- オフィス見学
- オフィスの雰囲気、社員の表情を観察
- 活気があるか、ピリピリしているか
- 質問への対応
- 面接官が質問に丁寧に答えてくれるか
- はぐらかされる質問がないか
- 口コミサイトを確認
- OpenWork、転職会議で社風をチェック
- 複数の口コミを読み、共通点を探す
- 未経験者の育成体制
- 「未経験者にはどのようなサポートがありますか?」
- 「メンター制度はありますか?」
- 「質問しやすい環境ですか?」
見極めのチェックリスト
| チェック項目 | 危険なサイン | 安心なサイン |
|---|---|---|
| 面接官の態度 | 高圧的、質問をはぐらかす | 丁寧、質問に真摯に答える |
| オフィス | 社員の表情が暗い | 活気がある、笑顔が多い |
| 口コミ | ネガティブな口コミが多数 | ポジティブな口コミが多い |
| 質問対応 | 「みんなやってる」と抽象的 | 具体的な事例を説明 |
| 離職率 | 答えない、高い | 低い(5%以下) |
カジュアル面談を活用する
Wantedly、Green等では、「話を聞きに行きたい」で気軽に面談できます。現場のエンジニアと話すことで、リアルな雰囲気が分かります。
私も転職活動では、5社以上のカジュアル面談に参加し、社風を確認しました。面談だけでも「ここは合わないな」と感じる企業があり、応募前に見極められたのは大きかったです。
失敗してしまった場合の対処法
改善を試みる
- 上司・人事に相談
- 「現在の環境では成長できない」と率直に伝える
- メンターをつけてもらう、別チームへの異動を希望
- 社内で味方を見つける
- 他のエンジニアと関係を築く
- ランチや雑談で信頼関係を構築
限界なら早期退職を
- パワハラ、放置、精神的な消耗が続くなら、健康を最優先に
- 短期離職はマイナスだが、「社風が合わなかった」と正直に説明すれば理解される
- 次の転職では、社風のリサーチを徹底する
その他の後悔パターン(少数事例)
リモートワークができない
事例 「リモートワーク可」と求人票にあったが、実際は「週1回のみ」「試用期間中は不可」など制限が多く、ほぼ出社。通勤時間が長く、ワークライフバランスが崩れた。
回避策
- 「リモートワークの頻度は?」を具体的に確認
- 「試用期間中もリモート可能か?」を聞く
評価制度が不透明
事例 評価基準が曖昧で、何をすれば昇給するのか分からない。頑張っても評価されず、モチベーションが下がる。
回避策
- 「評価制度を教えてください」と面接で確認
- 「昇給・昇格の基準は?」を具体的に聞く
教育制度が機能していない
事例 「充実した研修制度」と聞いていたが、実際は形だけ。現場配属後は放置され、スキルが身につかない。
回避策
- 「研修の具体的な内容と期間は?」
- 「研修後のフォロー体制は?」
転職前に確認すべき20の質問リスト
後悔しない転職をするために、面接で必ず確認すべき質問をまとめました。
業務内容・技術スタック
- 主に使用する言語、フレームワーク、バージョンは?
- 開発環境、ツール(Git、Docker等)は?
- レガシーシステムの保守と新規開発の比率は?
- 技術スタックの刷新予定は?
働き方・勤務体制
- 夜勤、シフト勤務、オンコール対応はあるか?頻度は?
- リモートワークの頻度は?(試用期間中も可能か?)
- 平均的な残業時間は?
- 有給取得率は?
年収・待遇
- 未経験入社の場合、3年後、5年後の年収モデルは?
- 昇給は年に何回?平均でどれくらい上がるか?
- 賞与は年に何回、何ヶ月分?
- みなし残業は何時間分?
キャリア・成長
- 未経験者へのサポート体制は?(メンター制度等)
- 技術書購入、カンファレンス参加の補助は?
- 社内勉強会はあるか?
- キャリアパスはどうなっているか?
社風・人間関係
- チーム体制は?何人のチームか?
- 現場のエンジニアと話す機会はあるか?
- 離職率は?
- オフィス見学は可能か?
これらの質問をすべてする必要はありませんが、自分が重視する項目は必ず確認しましょう。
後悔しない企業選びの5つの基準
1. 技術スタックがモダンか
- React、Vue.js、Spring Boot、AWS、Docker等のモダンな技術を使っているか
- レガシー技術のみの企業は避ける
2. 未経験者へのサポート体制が整っているか
- 研修期間、メンター制度、質問しやすい環境
- 「自走力」だけを求める企業は、未経験者には厳しい
3. 働き方が自分に合っているか
- 夜勤・オンコールの有無
- リモートワークの頻度
- 残業時間、有給取得率
4. 年収が適正か
- 未経験での相場は400万〜500万円
- 昇給ペースが明確か
- 3年後、5年後の年収イメージが持てるか
5. 社風・人間関係が合いそうか
- カジュアル面談、オフィス見学で雰囲気を確認
- 口コミサイトでネガティブな情報がないか
- 面接官の対応が丁寧か
もし失敗してしまったら?早期転職のススメ
短期離職はマイナス?
「短期離職は経歴に傷がつく」と思い、我慢し続ける人がいますが、それは間違いです。
我慢し続けるリスク
- スキルが身につかない環境に長くいると、市場価値が下がる
- 健康を害する
- モチベーションが完全に失われる
早期転職のメリット
- 若いうちならやり直しがきく
- 正直に理由を説明すれば、理解してくれる企業は多い
- ダメな環境に長くいるより、良い環境で成長する方が将来のため
短期離職の説明の仕方
面接で「なぜ短期間で退職したのですか?」と聞かれたら、正直に答えましょう。
悪い例 「会社が悪かった」「上司と合わなかった」→他責思考に見える
良い例 「入社前に確認が不足しており、業務内容が想定と異なっていました。今回は同じ失敗をしないよう、御社の業務内容や技術スタックを詳しく確認させていただき、長期的に貢献できると確信しています」
反省と学びを示し、前向きな姿勢を伝えることが重要です。
私の失敗と再転職の経験
私自身、1社目の転職で失敗しました。SES企業に入社し、客先常駐で単純作業ばかり。1年半後に「このままではスキルが身につかない」と判断し、再転職を決意。
面接では、「配属先の業務が単純作業で、プログラミングスキルが向上しませんでした。今回は自社開発企業で、Reactを使った開発に携わりたいと考えています」と正直に説明。
ポートフォリオで実力を示し、「失敗から学んだ」姿勢を評価され、3社から内定をいただきました。年収も100万円アップし、今は充実した日々を送っています。
失敗は恥ではありません。そこから学び、行動することが大切です。
転職エージェントを味方につける
エージェントの活用で失敗を防ぐ
転職エージェントは、企業の内部情報を持っています。
- 実際の残業時間
- 離職率
- 社風
- 年収の交渉余地
これらの情報を事前に教えてもらえるため、失敗のリスクを大幅に減らせます。
おすすめの転職エージェント
レバテックキャリア
- IT業界特化で、企業の内部情報に詳しい
- 「この企業は夜勤が多い」「この企業は年収交渉の余地がある」など、リアルな情報を教えてくれる
詳しくは「レバテックキャリアの評判と使い方」の記事で解説しています。
ワークポート
- 未経験者向けの求人が豊富
- キャリアアドバイザーが親身に相談に乗ってくれる
詳しくは「ワークポートの評判と使い方」の記事で解説しています。
マイナビIT AGENT
- 20代・第二新卒に強い
- サポートが丁寧で、企業の社風まで教えてくれる
詳しくは「マイナビIT AGENTを実際に使った本音レビュー」の記事をご覧ください。
複数のエージェントを併用することで、情報の精度が上がります。詳しくは「複数の転職エージェントを併用するメリットと使い分け方【2025年最新・実践的戦略】」で解説しています。
失敗を恐れず、でも慎重に
完璧な転職は存在しない
どんなに調べても、実際に働いてみないと分からないことはあります。100%失敗しない転職は存在しません。
しかし、この記事で紹介した失敗パターンと回避策を知っておけば、大きな失敗は避けられます。
失敗しても人生は終わらない
仮に転職に失敗しても、やり直しはできます。特に20代〜30代前半なら、何度でもチャレンジできます。
大切なのは、失敗から学び、次に活かすこと。私も1社目は失敗しましたが、その経験があったからこそ、2社目では成功できました。
行動しなければ何も変わらない
「失敗が怖いから転職しない」という選択もありますが、それで本当に良いのでしょうか?
今の環境で成長できず、年収も上がらず、5年後に後悔するよりも、リスクを取って挑戦する方が、長期的には正しい選択です。
今日からできること
- 転職エージェントに登録して、市場を知る
- 口コミサイト(OpenWork、転職会議)で企業をリサーチ
- カジュアル面談で現場の雰囲気を確認
- この記事の質問リストを印刷して、面接で活用
失敗を恐れず、でも慎重に。あなたの転職が成功することを心から願っています。
まとめ:後悔しない転職のための5つの鉄則
- 客先常駐ガチャに注意
- SES企業は慎重に選ぶ
- 配属実績を必ず確認
- 勤務体制を具体的に確認
- 夜勤、オンコールの頻度
- 実際の働き方を聞く
- 年収交渉を必ずする
- 市場価値を理解する
- 内定時に交渉する
- 技術スタックがモダンか確認
- レガシー技術だけの企業は避ける
- 将来の市場価値を考える
- 社風・人間関係を確認
- カジュアル面談、オフィス見学
- 口コミサイトをチェック
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あなたのエンジニア転職が、後悔のない素晴らしいものになることを心から応援しています。
筆者プロフィール 異業種からエンジニアに転職。1社目の転職で失敗し、客先常駐で単純作業ばかりの1年半を過ごす。その経験から学び、2社目では自社開発企業に転職し、年収100万円アップと充実した開発環境を手に入れる。このブログでは、自身の失敗経験を包み隠さず共有し、未経験者のエンジニア転職を支援する情報を発信しています。

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