未経験からエンジニアへ!刺さる志望動機の書き方と例文10選【採用担当者が解説】

こんにちは。エンジニア転職ドットコム編集部です。

「未経験からエンジニアを目指しているけど、志望動機が書けない…」 「ありきたりな内容になってしまい、書類選考で落ちてばかり…」

そんな悩みを抱えていませんか?

実は、志望動機は書類選考で最も重要視される項目の一つです。私自身、未経験からエンジニア転職をした際、志望動機を徹底的にブラッシュアップすることで書類通過率を15%から45%まで引き上げることができました。

この記事では、採用担当者の視点も交えながら、未経験者がエンジニア転職で使える志望動機の書き方と、実際に使える例文10選を紹介します。

  1. なぜ志望動機が重要なのか?採用担当者の本音
    1. 理由1:本気度を測る指標になる
    2. 理由2:カルチャーフィットを見極める
    3. 理由3:継続力の予測材料になる
  2. 志望動機で絶対に避けるべき5つのNGパターン
    1. NGパターン1:抽象的で具体性がない
    2. NGパターン2:待遇面しか語っていない
    3. NGパターン3:他社でも当てはまる内容
    4. NGパターン4:ネガティブな転職理由
    5. NGパターン5:学びたいことばかり強調する
  3. 採用される志望動機の3つの要素
    1. 要素1:なぜエンジニアを目指すのか(原体験)
    2. 要素2:なぜこの会社なのか(企業選定理由)
    3. 要素3:入社後に何を実現したいか(将来ビジョン)
  4. 実際に使える志望動機例文10選
    1. 例文1:営業職からの転職
    2. 例文2:事務職からの転職
    3. 例文3:接客業からの転職
    4. 例文4:製造業からの転職
    5. 例文5:教育関係からの転職
    6. 例文6:医療・福祉からの転職
    7. 例文7:物流業界からの転職
    8. 例文8:公務員からの転職
    9. 例文9:アルバイトから正社員エンジニアへ
    10. 例文10:第二新卒(新卒入社後1〜3年)
  5. 志望動機を書く際の7つの実践テクニック
    1. テクニック1:STAR法で構成する
    2. テクニック2:数字を使って具体化する
    3. テクニック3:企業研究を徹底する
    4. テクニック4:前職の経験を必ず活かす
    5. テクニック5:ポートフォリオに言及する
    6. テクニック6:短期・中期・長期のビジョンを示す
    7. テクニック7:添削を受ける
  6. 志望動機を書く前の準備チェックリスト
    1. 自己分析チェックリスト
    2. 企業研究チェックリスト
    3. 学習実績チェックリスト
  7. 応募書類全体での志望動機の位置づけ
    1. 履歴書の志望動機(200〜300字)
    2. 職務経歴書の志望動機(600〜800字)
  8. よくある質問と回答
    1. Q1: 志望動機は手書きとパソコンどちらが良い?
    2. Q2: 複数社に応募する際、志望動機は使い回して良い?
    3. Q3: 年収アップが転職理由の場合、正直に書いて良い?
    4. Q4: 前職の不満を書いても良い?
    5. Q5: 学習期間が短い場合、どう書けば良い?
    6. Q6: ポートフォリオがない場合はどうすれば?
    7. Q7: 第二新卒で短期離職の場合、どう説明する?
  9. 志望動機を書いた後のチェックポイント
    1. 内容チェック
    2. 表現チェック
    3. 構成チェック
  10. 私の失敗談と成功談
    1. 失敗した志望動機
    2. 改善後の志望動機
  11. まとめ:志望動機は「あなたの物語」を語る場所
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なぜ志望動機が重要なのか?採用担当者の本音

まず、なぜ志望動機がこれほど重要なのか、その理由を理解しましょう。

理由1:本気度を測る指標になる

未経験者の場合、スキルや実績では判断できません。そこで採用担当者が注目するのが「本気度」です。

なぜエンジニアになりたいのか、なぜこの会社なのか。この2つが明確に語れる人は、入社後も成長する可能性が高いと判断されます。

理由2:カルチャーフィットを見極める

技術スキルは入社後に身につけられますが、価値観や働き方のマッチングは後から変えるのが難しいです。

志望動機から、その人の価値観や仕事への向き合い方が見えてきます。自社のカルチャーに合う人材かどうかを判断する重要な材料になるのです。

理由3:継続力の予測材料になる

IT業界は学習し続けることが求められます。「なんとなく」でエンジニアを目指している人は、入社後の学習についていけず、早期離職するリスクがあります。

明確な動機を持っている人は、困難な状況でも踏ん張れる可能性が高いと評価されます。

志望動機で絶対に避けるべき5つのNGパターン

例文を見る前に、まずはNGパターンを理解しましょう。これらは書類選考で即不合格になる可能性が高いです。

NGパターン1:抽象的で具体性がない

NG例: 「ITに興味があり、将来性のある業界で働きたいと思いました。貴社で成長したいと考えています。」

何がダメか: 具体的なエピソードがなく、誰でも言える内容です。「なぜIT?」「なぜ当社?」「どう成長したい?」が全く見えません。

NGパターン2:待遇面しか語っていない

NG例: 「残業が少なく、フルリモートで働ける環境に魅力を感じました。ワークライフバランスを重視したいと考えています。」

何がダメか: 待遇面だけを理由にすると、「条件が良ければどこでもいいのでは?」と思われます。仕事への興味や熱意が感じられません。

NGパターン3:他社でも当てはまる内容

NG例: 「Web開発に携わりたいと思い、貴社を志望しました。最新技術を学びながら、チームで開発する経験を積みたいです。」

何がダメか: Web開発企業ならどこでも当てはまる内容です。その会社でなければいけない理由が全くありません。

NGパターン4:ネガティブな転職理由

NG例: 「前職では営業ノルマに追われる日々で、精神的に辛くなりました。もっと自分のペースで働ける環境を求めています。」

何がダメか: ネガティブな理由だけを前面に出すと、「逃げの転職」と判断されます。前向きな理由も必ず含めるべきです。

NGパターン5:学びたいことばかり強調する

NG例: 「貴社で最新の技術スタックを学び、スキルアップしたいと考えています。経験豊富な先輩方からたくさん教えていただきたいです。」

何がダメか: 「学びたい」だけでは、会社にとってのメリットがありません。「学んだ上で何を貢献できるか」まで語る必要があります。

採用される志望動機の3つの要素

良い志望動機には、必ず以下の3つの要素が含まれています。

要素1:なぜエンジニアを目指すのか(原体験)

具体的なエピソードを交えて、エンジニアを目指すきっかけを語りましょう。

良い例: 「前職の営業で、社内システムの使いづらさが業務効率を下げている現場を見て、『もっと使いやすいツールがあれば』と感じました。自分でプログラミングを学び始めたところ、問題解決の面白さに惹かれ、エンジニアとしてキャリアを築きたいと思うようになりました。」

要素2:なぜこの会社なのか(企業選定理由)

その会社の事業内容、技術、カルチャーなど、具体的な理由を示しましょう。

良い例: 「貴社の『地方の中小企業向けSaaS』という事業に共感しました。前職で地方の取引先を担当した際、IT化の遅れが企業成長の足かせになっている現状を目の当たりにしたからです。」

要素3:入社後に何を実現したいか(将来ビジョン)

会社にどう貢献できるか、どんなエンジニアになりたいかを具体的に語りましょう。

良い例: 「入社後はまず基礎的な開発スキルを身につけ、1年後にはチームの一員として実装を担当できるレベルを目指します。将来的には営業経験を活かし、顧客の課題をヒアリングして技術的な解決策を提案できるエンジニアになりたいです。」

実際に使える志望動機例文10選

ここからは、様々なバックグラウンドに応じた具体的な例文を紹介します。自分の状況に近いものを参考に、アレンジしてください。

例文1:営業職からの転職

前職: BtoB営業 応募先: SaaS開発企業


「前職では中小企業向けの営業を3年間担当し、多くの企業が業務効率化に課題を抱えている現状を目の当たりにしました。特に印象的だったのが、ある製造業の顧客が手作業での在庫管理に毎日2時間を費やしていたことです。

この経験から、『テクノロジーで業務の無駄を削減し、企業の生産性向上に貢献したい』と考えるようになりました。独学でプログラミングを学び始め、簡単な在庫管理ツールを作成したところ、問題解決の手応えとものづくりの面白さを実感しました。

貴社を志望する理由は、中小企業向けSaaSに特化している点です。前職で培った顧客理解力を活かし、『現場で本当に使われるプロダクト』の開発に携わりたいと考えています。

入社後は、まずバックエンド開発の基礎を固め、1年後にはチームの開発メンバーとして機能実装を担当できるレベルを目指します。将来的には、顧客の声を技術に落とし込むブリッジエンジニアとして貢献したいです。」

この例文のポイント:

  • 具体的なエピソードで説得力を持たせている
  • 前職の経験をどう活かすかが明確
  • 独学の実績で本気度を示している
  • 入社後のビジョンが段階的で現実的

例文2:事務職からの転職

前職: 一般事務 応募先: Web制作会社


「前職では総務部で社内の業務効率化を担当していました。Excelマクロで定型業務を自動化したところ、月20時間の作業時間削減に成功しました。この経験から、『もっと技術を身につけて、より大きな業務改善を実現したい』と考えるようになりました。

独学でHTML/CSS、JavaScriptを学び、簡単なWebサイトを複数制作しました。コードを書いて自分のアイデアが形になる瞬間に大きな喜びを感じ、エンジニアとしてキャリアを築きたいと決意しました。

貴社を志望する理由は、『誰もが使いやすいWebサイト』という理念に共感したためです。貴社の制作実績を拝見し、UI/UXへのこだわりと、クライアントの業種に合わせた最適な提案力に感銘を受けました。

入社後は、まずコーディング品質とスピードを高め、デザイナーの意図を正確に実装できるエンジニアを目指します。将来的には、UI/UXの知識も深め、使いやすさを技術面から提案できる存在になりたいです。」

この例文のポイント:

  • 小さな成功体験から始めている
  • 独学の具体的な成果物を示している
  • 会社の理念への共感を述べている
  • 段階的な成長プランが明確

例文3:接客業からの転職

前職: 飲食店店長 応募先: ECサイト開発企業


「飲食店の店長として5年間、顧客満足度の向上に取り組んできました。特に注力したのが、予約システムの改善です。既存のシステムが使いづらく、予約ミスが頻発していたため、より良いツールがないかリサーチしました。

この経験から、『ユーザー目線でのシステム開発』に興味を持ち、プログラミング学習を始めました。3ヶ月の独学で簡単な予約管理アプリを作成し、実際に店舗で運用したところ、予約ミスがゼロになりました。

貴社を志望する理由は、『ユーザー体験を最優先したECサイト開発』という方針に強く共感したためです。貴社が手がけたECサイトは、どれも直感的で使いやすく、『顧客目線』が徹底されていると感じました。

入社後は、フロントエンド開発のスキルを磨き、使いやすいUIの実装を担当したいです。接客業で培った『顧客の行動を予測する力』を活かし、ユーザーが迷わず買い物できるサイト作りに貢献します。」

この例文のポイント:

  • 現職での課題解決経験を示している
  • 独学で作った成果物を業務に活用している
  • 接客業の経験をどう活かすかが具体的
  • 志望企業の特徴を正確に捉えている

例文4:製造業からの転職

前職: 製造ライン作業員 応募先: IoT開発企業


「製造ラインで3年間働く中で、作業の効率化や品質管理の難しさを実感してきました。特に、設備の故障予測ができず、突然のライン停止が生産計画に大きな影響を与えていました。

『もっと効率的な生産管理ができないか』と考え、IoTやデータ分析について学び始めました。Pythonでセンサーデータを分析するプログラムを作成し、設備の異常を事前に検知できる可能性を実感しました。

貴社を志望する理由は、製造業向けIoTソリューションに特化している点です。貴社の『予知保全システム』は、私が現場で感じていた課題をまさに解決するものです。現場を知る者として、実用的なシステム開発に貢献できると考えています。

入社後は、IoT機器のデータ収集・分析を担当し、製造現場の課題を技術で解決することに注力したいです。将来的には、現場の声を拾い上げ、それを技術に落とし込むエンジニアになりたいです。」

この例文のポイント:

  • 現場の具体的な課題を提示している
  • 独学で関連技術を学んでいる
  • 現場経験という独自の強みを示している
  • 志望企業の製品と自分の経験を結びつけている

例文5:教育関係からの転職

前職: 学習塾講師 応募先: EdTech企業


「学習塾で5年間、中高生の学習指導に携わってきました。生徒一人ひとりに最適な学習方法は異なるのに、集団授業では個別対応に限界があることにもどかしさを感じていました。

『テクノロジーで個別最適化された学習を実現できないか』と考え、プログラミングを学び始めました。簡単な学習進捗管理アプリを作成し、生徒の理解度を可視化したところ、効果的な指導につながりました。

貴社を志望する理由は、『AIによる個別最適化学習』というビジョンに強く共感したためです。貴社のサービスを実際に試用し、学習者の理解度に応じて問題の難易度が自動調整される仕組みに感銘を受けました。

入社後は、教育現場での経験を活かし、ユーザー目線での機能改善提案をしながら開発スキルを磨きたいです。将来的には、学習データを分析し、より効果的な学習体験を設計できるエンジニアを目指します。」

この例文のポイント:

  • 現職での課題意識が明確
  • EdTech業界への強い関心を示している
  • 教育経験という差別化要素がある
  • 実際にサービスを使った上での感想を述べている

例文6:医療・福祉からの転職

前職: 医療事務 応募先: 医療系システム開発企業


「医療事務として病院で3年間勤務し、電子カルテシステムや予約システムの運用を担当してきました。日々の業務の中で、システムの使いづらさが医療現場の負担になっている現状を目の当たりにしました。

特に、予約変更の際に複数のシステムを行き来する必要があり、ミスが発生しやすい設計になっていました。『もっと使いやすいシステムがあれば』という思いから、プログラミング学習を開始しました。

貴社を志望する理由は、『医療現場の声を反映したシステム開発』を重視している点です。貴社の開発した電子カルテシステムは、実際の医療従事者の意見を取り入れながら作られており、使いやすさへのこだわりを感じました。

入社後は、医療現場での経験を活かし、現場の課題をヒアリングして開発に反映する役割を担いたいです。技術を学びながら、医療とITの橋渡しができるエンジニアを目指します。」

この例文のポイント:

  • 医療現場という専門分野の経験がある
  • 業界特有の課題を理解している
  • ドメイン知識を強みとして提示している
  • 橋渡し役という明確なポジショニング

例文7:物流業界からの転職

前職: 物流管理 応募先: 物流DX企業


「物流センターで在庫管理と配送計画を3年間担当し、効率化の難しさを実感してきました。特に繁忙期には在庫の所在把握に時間がかかり、配送遅延が発生することがありました。

『システムで在庫をリアルタイムに管理できれば』と考え、プログラミングを学習しました。Excelマクロで在庫管理ツールを作成し、現場で活用したところ、在庫確認時間を60%削減できました。

貴社を志望する理由は、物流業界のDXに特化し、『現場の課題を解決するシステム』を開発している点です。貴社の在庫管理システムを調べたところ、RFIDとの連携や配送ルート最適化など、私が現場で感じていた課題を解決する機能が実装されていました。

入社後は、物流業務の知識を活かしながら開発スキルを磨き、現場が本当に使いやすいシステム開発に貢献したいです。将来的には、物流業界の課題を深く理解したエンジニアとして、業界全体の効率化に貢献します。」

この例文のポイント:

  • 業界経験という強みを前面に出している
  • 独学で作ったツールの効果を数値化している
  • 志望企業の製品を詳しく調査している
  • 専門性を活かしたキャリアプランが明確

例文8:公務員からの転職

前職: 市役所職員 応募先: 行政向けシステム開発企業


「市役所で3年間、住民サービスの窓口業務と業務改善を担当してきました。多くの住民が役所の手続きを『分かりにくい』『時間がかかる』と感じており、デジタル化が急務だと実感していました。

窓口業務の傍ら、プログラミングを学び、住民向けの手続きガイドアプリを作成しました。これを職場で提案したところ、実際に採用され、窓口での問い合わせ件数が20%減少しました。

貴社を志望する理由は、行政DXに特化し、『住民にとって使いやすい行政サービス』の実現を目指している点です。貴社が開発した電子申請システムは、直感的なUIと分かりやすいガイダンスが特徴で、デジタルに不慣れな方でも使えるよう配慮されています。

入社後は、行政業務の知識を活かし、本当に住民の役に立つシステム開発に携わりたいです。行政の課題を理解したエンジニアとして、誰もが使いやすい行政サービスの実現に貢献します。」

この例文のポイント:

  • 公務員経験というユニークな背景
  • 実際に業務改善を実現した実績
  • 行政DXという専門分野への明確な方向性
  • 社会貢献への意欲を示している

例文9:アルバイトから正社員エンジニアへ

前職: アルバイト(複数職種経験) 応募先: スタートアップWeb企業


「大学卒業後、様々なアルバイトを経験する中で、『手に職をつけて専門性を高めたい』と考えるようになりました。複数の職を経験したからこそ、長く続けられる仕事を見つけたいという思いが強くなりました。

プログラミングに出会ったのは1年前です。独学でWebサイト制作を学び、知人の飲食店や美容室のホームページを無償で5件制作しました。クライアントから『集客が増えた』と感謝されたことが、大きな自信になりました。

貴社を志望する理由は、未経験者の育成に力を入れている点と、若手にも大きな裁量を与える社風です。貴社の採用ページで、未経験入社のエンジニアが1年後にプロジェクトリーダーを務めている事例を拝見し、『ここでなら成長できる』と確信しました。

遅いスタートですが、その分、強い覚悟を持っています。入社後は誰よりも学習時間を確保し、1年でチームに貢献できるエンジニアになります。将来的には、Web制作の知識を活かし、中小企業のWeb戦略を支援するエンジニアになりたいです。」

この例文のポイント:

  • 遅いスタートをポジティブに変換している
  • 独学での具体的な成果物と実績
  • 未経験OKの企業文化にフィットする理由
  • 強い覚悟と学習意欲を示している

例文10:第二新卒(新卒入社後1〜3年)

前職: 大手メーカー営業 応募先: 自社開発Web企業


「新卒で大手メーカーに入社し、2年間法人営業を担当しました。安定した環境ではありましたが、『自分のスキルで勝負したい』『より成長できる環境に身を置きたい』という思いが強くなりました。

営業活動の中で、顧客の課題をヒアリングし、最適な解決策を提案することに面白さを感じていました。そこで、『テクノロジーでより多くの人の課題を解決したい』と考え、エンジニアを目指すことを決意しました。

退職前から独学でプログラミングを学び、ポートフォリオとしてタスク管理アプリを開発しました。React、Node.js、MongoDBを使用し、ユーザー認証機能まで実装しています。

貴社を志望する理由は、『事業成長に直結するプロダクト開発』ができる環境です。貴社の開発ブログを拝読し、技術選定から実装まで、エンジニアが主体的に関われる文化に魅力を感じました。

20代のうちに技術力を徹底的に磨き、30代でプロダクトの価値を最大化できるエンジニアになりたいです。前職の営業経験を活かし、ユーザーの課題を技術で解決することに貢献します。」

この例文のポイント:

  • 第二新卒ならではの前向きな転職理由
  • 具体的なポートフォリオを示している
  • 技術スタックまで明記して本気度を示す
  • 長期的なキャリアビジョンが明確

志望動機を書く際の7つの実践テクニック

例文を参考にしつつ、さらに質を高めるためのテクニックを紹介します。

テクニック1:STAR法で構成する

志望動機は、以下の順番で構成すると説得力が増します。

  • Situation(状況):前職での状況や背景
  • Task(課題):感じていた課題や疑問
  • Action(行動):それに対して取った行動
  • Result(結果):得られた結果や気づき

この流れで書くと、論理的で分かりやすい志望動機になります。

テクニック2:数字を使って具体化する

抽象的な表現ではなく、数字を使って具体的に示しましょう。

Before: 「業務効率化に取り組みました」

After: 「Excelマクロで定型業務を自動化し、月20時間の作業時間削減を実現しました」

数字があると、実績の大きさが伝わりやすくなります。

テクニック3:企業研究を徹底する

志望企業について、最低限以下の項目は調べておきましょう。

  • 主要サービス・製品
  • 技術スタック
  • 企業理念・ミッション
  • 最近のニュースやプレスリリース
  • 開発ブログの内容
  • 社員インタビュー

これらの情報を志望動機に盛り込むことで、「本気でこの会社を志望している」ことが伝わります。

テクニック4:前職の経験を必ず活かす

未経験でも、前職の経験は必ず活かせます。

  • 営業経験 → 顧客課題の理解力、コミュニケーション力
  • 事務経験 → 業務効率化の視点、正確性
  • 接客経験 → ユーザー目線、ホスピタリティ
  • 製造経験 → 現場の課題理解、品質意識

「前職の経験 × エンジニアスキル = 独自の価値」を示しましょう。

テクニック5:ポートフォリオに言及する

可能であれば、志望動機の中でポートフォリオに触れましょう。

例: 「独学で学んだ技術を活かし、〇〇アプリを開発しました(GitHubリンク)。この開発を通じて、Reactの状態管理やAPIの設計を実践的に学ぶことができました。」

実際に手を動かしている証拠があると、本気度が段違いに伝わります。

テクニック6:短期・中期・長期のビジョンを示す

入社後のビジョンは、3つの時間軸で語ると説得力が増します。

  • 短期(半年〜1年): 基礎スキルの習得、簡単なタスクの担当
  • 中期(1〜3年): 機能実装の担当、チームへの貢献
  • 長期(3年〜): 専門性の確立、プロジェクトリード

段階的な成長プランを示すことで、現実的で信頼できる印象を与えます。

テクニック7:添削を受ける

自分で書いた志望動機は、客観的に評価してもらいましょう。

  • 転職エージェントに添削を依頼
  • エンジニアの知人に見てもらう
  • オンラインの添削サービスを利用

第三者の視点を入れることで、独りよがりな内容を避けられます。

志望動機を書く前の準備チェックリスト

志望動機を書き始める前に、以下の準備をしておきましょう。

自己分析チェックリスト

  • [ ] なぜエンジニアになりたいのか明確にする
  • [ ] 前職での具体的なエピソードを3つ以上書き出す
  • [ ] 前職で得たスキル・経験をリストアップする
  • [ ] 自分の強みを3つ挙げる
  • [ ] 将来どんなエンジニアになりたいかイメージする
  • [ ] なぜ今転職するのか理由を整理する

企業研究チェックリスト

  • [ ] 企業の事業内容・サービスを理解する
  • [ ] 使用している技術スタックを調べる
  • [ ] 企業理念・ミッション・バリューを確認する
  • [ ] 最近のニュース・プレスリリースをチェックする
  • [ ] 開発ブログがあれば目を通す
  • [ ] 社員インタビューや口コミを読む
  • [ ] 競合他社との違いを理解する
  • [ ] なぜこの会社でなければならないのか言語化する

学習実績チェックリスト

  • [ ] 学習した言語・技術を整理する
  • [ ] 学習期間と学習時間を記録する
  • [ ] 作成した成果物をリストアップする
  • [ ] ポートフォリオのURLを用意する
  • [ ] Githubのアカウントを整備する
  • [ ] 技術ブログがあればまとめる

応募書類全体での志望動機の位置づけ

志望動機は、履歴書と職務経歴書の両方に記載します。それぞれで書き方を変えましょう。

履歴書の志望動機(200〜300字)

履歴書では簡潔にまとめます。

構成:

  1. エンジニアを目指す理由(1〜2文)
  2. この会社を選んだ理由(2〜3文)
  3. 入社後の抱負(1〜2文)

例: 「前職の営業で顧客の業務課題を目の当たりにし、テクノロジーで問題解決したいと考えエンジニアを志しました。貴社の中小企業向けSaaSは、私が接してきた顧客の課題を解決するものです。独学で学んだプログラミングスキルを活かし、現場の声を反映したプロダクト開発に貢献したいです。」

職務経歴書の志望動機(600〜800字)

職務経歴書では、より詳しく具体的に書きます。

構成:

  1. 現職での経験と課題意識(200字)
  2. エンジニアを目指すきっかけ(150字)
  3. 独学での取り組み(150字)
  4. 志望企業を選んだ理由(200字)
  5. 入社後のビジョン(150字)

この構成で、ストーリー性のある志望動機が完成します。

よくある質問と回答

志望動機を書く際に多く寄せられる質問にお答えします。

Q1: 志望動機は手書きとパソコンどちらが良い?

A: パソコンでの作成をおすすめします。

IT業界では手書きにこだわる企業は少なく、読みやすさを重視します。ただし、企業から指定がある場合はそれに従いましょう。

Q2: 複数社に応募する際、志望動機は使い回して良い?

A: ベースは共通でも、企業ごとに必ずカスタマイズしてください。

特に「なぜこの会社なのか」の部分は、各社に合わせて書き換える必要があります。使い回しはすぐに見抜かれます。

Q3: 年収アップが転職理由の場合、正直に書いて良い?

A: メインの理由としては避けるべきです。

年収は重要な要素ですが、それだけを前面に出すと印象が悪くなります。「スキルを高めて市場価値を上げたい」など、成長意欲と結びつけて表現しましょう。

Q4: 前職の不満を書いても良い?

A: ネガティブな表現は避け、ポジティブに言い換えましょう。

NG: 「残業が多くて辛かった」 OK: 「業務効率化を通じて、より価値の高い仕事に集中できる環境を求めています」

Q5: 学習期間が短い場合、どう書けば良い?

A: 期間よりも学習の質と成果を強調しましょう。

「2ヶ月間、毎日3時間の学習を継続し、〇〇アプリを完成させました」のように、具体的な取り組みと成果を示すことが重要です。

Q6: ポートフォリオがない場合はどうすれば?

A: 小さくても良いので何か作りましょう。

完璧なものでなくても、「実際に手を動かしている」証拠があることが大切です。簡単なTodoアプリや、Excelマクロでも構いません。

Q7: 第二新卒で短期離職の場合、どう説明する?

A: 正直に、かつ前向きに説明しましょう。

「早期にミスマッチに気づき、自分が本当にやりたいことを実現するために転職を決意しました」など、自己理解が深まったことを示します。

志望動機を書いた後のチェックポイント

完成した志望動機を、以下の視点でチェックしましょう。

内容チェック

  • [ ] 具体的なエピソードが含まれているか
  • [ ] その会社でなければならない理由が明確か
  • [ ] 前職の経験をどう活かすか書いているか
  • [ ] 入社後のビジョンが具体的か
  • [ ] ネガティブな表現がないか
  • [ ] 「学びたい」だけでなく「貢献したい」も書いているか

表現チェック

  • [ ] です・ます調で統一されているか
  • [ ] 誤字脱字はないか
  • [ ] 冗長な表現がないか
  • [ ] 主語と述語が対応しているか
  • [ ] 一文が長すぎないか(60字以内が目安)
  • [ ] 専門用語を使いすぎていないか

構成チェック

  • [ ] 論理的な流れになっているか
  • [ ] 段落分けが適切か
  • [ ] 文字数は規定内か(履歴書200〜300字、職務経歴書600〜800字)
  • [ ] 重要なポイントが冒頭と末尾に配置されているか

私の失敗談と成功談

最後に、私自身の経験をお話しします。

失敗した志望動機

転職活動を始めた当初、私の志望動機は以下のようなものでした。

「前職の営業では、長時間労働と厳しいノルマに疲弊していました。もっと働きやすい環境で、自分のスキルを高めたいと考え、エンジニアを目指しました。貴社は働きやすい環境だと評判で、未経験者の育成にも力を入れていると聞き、志望しました。」

何がダメだったか:

  • ネガティブな転職理由だけ
  • 会社への興味が「働きやすさ」だけ
  • 自分が何を貢献できるか不明
  • 抽象的で具体性がない

この志望動機で10社に応募し、書類選考は全滅でした。

改善後の志望動機

転職エージェントに相談し、徹底的に書き直しました。

「前職の営業で、顧客企業の業務効率化課題に直面し、ITで解決できないかと考えプログラミングを学び始めました。3ヶ月の独学でタスク管理アプリを開発し、実際に顧客に提案したところ好評をいただき、テクノロジーで課題解決する面白さを実感しました。

貴社を志望する理由は、中小企業向けSaaSに特化している点です。前職で接してきた中小企業の多くがIT化の遅れに悩んでおり、貴社のプロダクトがまさにその解決策だと感じました。営業経験を活かし、顧客の声を開発に反映できるエンジニアとして貢献したいです。」

改善ポイント:

  • 具体的なエピソードを追加
  • ポジティブな動機に変換
  • 独学の成果を明記
  • 前職の経験の活かし方を明確化
  • 会社の事業への共感を示す

この志望動機に変えてから、書類通過率が45%まで上がりました。

まとめ:志望動機は「あなたの物語」を語る場所

志望動機は、単なる形式的な文章ではありません。あなたがなぜエンジニアを目指し、なぜその会社で働きたいのか、あなただけの物語を語る場所です。

この記事のポイント:

  • 志望動機は書類選考で最も重要な項目の一つ
  • 具体的なエピソードと数字で説得力を持たせる
  • 「なぜエンジニア?」「なぜこの会社?」「何を実現したい?」の3要素を必ず含める
  • 前職の経験を必ず活かす方向で書く
  • ネガティブな表現は避け、ポジティブに変換する
  • 企業研究を徹底し、その会社ならではの志望理由を示す
  • 完成後は必ず第三者に添削してもらう

私の経験から言えることは、志望動機は「何度も書き直すもの」だということです。最初から完璧な志望動機を書ける人はいません。

書いて、添削してもらって、また書き直す。このプロセスを繰り返すことで、採用担当者に刺さる志望動機が完成します。

この記事の例文を参考に、あなただけのオリジナルな志望動機を作り上げてください。

あなたの転職活動が成功することを、心から応援しています。


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