「憧れのエンジニアに転職できた!でも、想像していたのと全然違う…」
エンジニア転職に成功したはずなのに、入社後に「こんなはずじゃなかった」と後悔する人は少なくありません。私自身も31歳で営業職からエンジニアに転職しましたが、最初の会社選びで失敗し、1年半で転職を余儀なくされた経験があります。
この記事では、実際にエンジニア転職で失敗した100名以上の体験談をもとに、よくある失敗パターンと、それを避けるための具体的な対策を20個紹介します。
この記事で分かること
- エンジニア転職でよくある20の失敗パターン
- 各失敗の具体的な体験談と原因分析
- 失敗を避けるための事前チェック方法
- 入社前に確認すべき質問リスト
- もし失敗してしまった時の対処法
- 転職エージェントを使う際の注意点
執筆者プロフィール 31歳で営業職からエンジニアに転職。最初の会社選びで失敗し、1年半で再転職を経験。現在はWeb系企業でフルスタックエンジニアとして勤務しながら、100名以上のエンジニア転職者にインタビューを実施。失敗から学んだ経験を活かして転職相談を行っています。
なぜエンジニア転職で失敗するのか?
エンジニア転職の失敗は、大きく3つの原因に分類できます。
原因1:情報収集不足
典型的なパターン
- 求人票の表面的な情報だけで判断した
- 口コミサイトを確認しなかった
- 面接で踏み込んだ質問をしなかった
- 企業の技術スタックを詳しく調べなかった
最も多い失敗原因です。「未経験OK」「研修充実」という言葉に惹かれて入社したら、実態は全く違ったというケースが後を絶ちません。
原因2:自己分析不足
典型的なパターン
- 「何となくエンジニアになりたい」だけで転職した
- 自分の適性を考えなかった
- 働き方の優先順位が曖昧だった
- キャリアビジョンが描けていなかった
「エンジニアになること」がゴールになってしまい、「どんなエンジニアになりたいか」「どんな働き方をしたいか」を考えていなかったケースです。
原因3:焦りや妥協
典型的なパターン
- 早く内定が欲しくて条件を妥協した
- 年齢的に焦って決断を急いだ
- 複数の内定を比較検討しなかった
- 転職エージェントに急かされて決めた
「とにかくエンジニアになれればいい」と焦った結果、ミスマッチな企業を選んでしまったケースです。
私自身も、この3つすべてに該当していました。情報収集が甘く、自己分析もせず、「32歳で内定をもらえるだけで御の字」と焦って決めてしまったのです。
【企業選びの失敗】よくある失敗例と対策
失敗例1:「未経験歓迎」に騙された
体験談 「未経験歓迎と書いてあったので入社したら、研修はたった2週間。その後は放置され、先輩も忙しくて質問できる雰囲気じゃない。3ヶ月経っても何もできるようにならず、毎日が辛い。」(27歳・男性)
失敗の原因 「未経験歓迎」には2種類あります。
- 本当に未経験者を育てる体制がある企業
- 人手不足で誰でもいいから採用したい企業
後者の場合、研修が不十分で放置されることが多いです。
対策 面接で以下を必ず質問しましょう。
- 研修期間はどのくらいですか?(最低3ヶ月は欲しい)
- 研修内容を具体的に教えてください
- メンター制度はありますか?
- 過去の未経験入社者の定着率は?
- 未経験者は何人くらい在籍していますか?
口コミサイト(OpenWork、転職会議等)で「研修」「教育体制」についての評判も必ずチェックしましょう。
失敗例2:SES企業だと知らずに入社してしまった
体験談 「自社開発だと思って入社したら、実はSES企業で、入社3ヶ月で客先常駐に出されました。毎日違う場所に行くこともあり、スキルも身につかず、孤独です。」(29歳・女性)
失敗の原因 求人票に「自社開発」と書いてあっても、実際はSES案件が主力という企業は珍しくありません。特に「幅広いプロジェクトに携われる」という表現は要注意です。
対策
- 「SES事業はやっていますか?」と直接聞く
- 「配属先は自社オフィスですか、客先ですか?」を確認
- 「プロジェクト単位での移動はありますか?」を質問
- 企業の事業内容を公式サイトで詳しく調べる
- 口コミで「客先常駐」「SES」のワードを検索
SES企業が悪いわけではありませんが、「知らずに入社してしまった」のが失敗の原因です。事前に理解していれば、自分に合うか判断できます。
失敗例3:給与が低すぎて生活できない
体験談 「未経験だから年収250万円でも仕方ないと思って入社しました。でも手取り16万円では一人暮らしが厳しく、貯金を切り崩す日々。モチベーションが保てません。」(30歳・男性)
失敗の原因 「未経験だから」と給与面を妥協しすぎたケースです。生活できない給与では、学習にも集中できず、早期離職につながります。
対策
- 生活に最低限必要な年収を計算する
- 未経験でも年収300万円以上は目指す
- 昇給制度を確認する(年にいくら上がるか)
- 残業代の有無を確認(みなし残業に注意)
- 賞与の有無と実績を聞く
未経験エンジニアの平均初任給は320〜380万円です。極端に低い企業は避けた方が無難です。
私も最初の会社は年収280万円で、生活が苦しく精神的に追い詰められました。「スキルが身につけば給与は後からついてくる」という考えは危険です。
失敗例4:残業が多すぎてプライベートがない
体験談 「面接では『残業は月20時間程度』と聞いていたのに、実際は月60時間。毎日22時まで働き、勉強する時間もない。これではスキルアップできない。」(26歳・女性)
失敗の原因 面接での説明と実態が違うケースです。特に「繁忙期は忙しい」「プロジェクトによる」といった曖昧な表現は要注意です。
対策
- 「平均的な月の残業時間は?」を具体的に聞く
- 「最も忙しい時期の残業時間は?」も確認
- 「残業の理由は何ですか?」(納期が厳しい、人手不足等)
- みなし残業の有無と時間数を確認
- 口コミサイトで「残業」「労働時間」を検索
- 可能なら、オフィスを夜に見学させてもらう(何時まで電気がついているか)
面接時に「残業時間の実態を知りたい」と率直に伝えることは、決して失礼ではありません。
失敗例5:技術スタックが古すぎてスキルが身につかない
体験談 「入社したら、使っているのはjQuery、PHP5.3、オンプレミスサーバー。モダンな技術は一切なく、転職市場で評価されるスキルが身につかない。」(28歳・男性)
失敗の原因 技術スタックを事前に確認せず、入社してから気づいたケースです。レガシーな技術しか使わない企業では、市場価値が上がりません。
対策
- 使用している技術スタックを具体的に聞く
- フロントエンド:React? Vue? jQuery?
- バックエンド:Python、Java、Ruby等のバージョンは?
- インフラ:クラウド? オンプレミス?
- データベース:MySQL、PostgreSQL等のバージョンは?
- 「新しい技術の導入はありますか?」を確認
- 「技術的負債への取り組みは?」を質問
- エンジニアブログや技術発信をチェック(発信していない企業は要注意)
企業の採用ページやWantedlyで、技術スタックが公開されていることが多いです。必ずチェックしましょう。
失敗例6:リモートワークができると思ったのに出社必須だった
体験談 「求人票に『リモート可』と書いてあったのに、入社したら『新人は出社必須』と言われました。通勤時間往復3時間が辛く、勉強時間も取れません。」(32歳・男性)
失敗の原因 「リモート可」の条件を詳しく確認しなかったケースです。企業によって「週1回可」「シニアのみ可」「新人は不可」など、条件が異なります。
対策
- 「リモートワークの頻度は?」(週何日?)
- 「新人もリモート可能ですか?」
- 「完全リモートは可能ですか?」
- 「リモート時のコミュニケーション方法は?」
- 「出社が必要なケースは?」
- 実際にリモートで働いている社員の割合を聞く
コロナ後、リモートワークを縮小している企業も多いです。最新の状況を必ず確認しましょう。
失敗例7:開発業務がほとんどなくテスト・保守ばかり
体験談 「開発エンジニアとして入社したのに、実際はテストと保守がメイン。新規開発はほとんどなく、コードを書く機会が少ない。これではスキルが伸びません。」(25歳・男性)
失敗の原因 業務内容の詳細を確認しなかったケースです。「開発エンジニア」と名乗っていても、実際の業務は様々です。
対策
- 「具体的な業務内容の割合は?」(開発70%、テスト20%、保守10%等)
- 「入社後最初に任されるタスクは?」
- 「新規開発の機会はありますか?」
- 「コードを書く時間はどのくらい?」
- 在籍エンジニアに「普段どんな業務をしていますか?」と質問
面接で実際に働いているエンジニアと話す機会を設けてもらうのも効果的です。
失敗例8:社内の技術レベルが低くて学べない
体験談 「周りのエンジニアの技術レベルが低く、コードレビューも形だけ。質問しても的確な答えが返ってこない。独学するしかなく、孤独です。」(30歳・女性)
失敗の原因 社内のエンジニアの技術レベルを確認しなかったケースです。特に小規模企業や、エンジニアが少ない企業で起こりがちです。
対策
- 「技術力が高いエンジニアは何名いますか?」
- 「コードレビュー文化はありますか?」
- 「勉強会や技術共有の機会は?」
- 「技術ブログやOSS活動をしているエンジニアはいますか?」
- 面接でエンジニアと話し、技術的な質問をしてみる
- 企業の技術発信(ブログ、登壇実績等)をチェック
技術力の高いエンジニアがいる企業は、積極的に技術発信をしています。発信がない企業は要注意です。
失敗例9:人間関係が悪くて精神的に辛い
体験談 「入社してみたら、チーム内の雰囲気が最悪。先輩同士が仲が悪く、新人の私は板挟み。質問もしづらく、毎日憂鬱です。」(27歳・女性)
失敗の原因 社内の雰囲気や人間関係を確認しなかったケースです。技術力があっても、人間関係が悪いと長続きしません。
対策
- 面接時のオフィス見学で社員の表情をチェック
- 「チームの雰囲気を教えてください」と質問
- 「離職率はどのくらいですか?」を確認
- 「社員同士の交流機会は?」を聞く
- 口コミサイトで「人間関係」「社風」を検索
- 可能なら、カジュアル面談で複数の社員と話す
オフィス見学で社員が疲れた表情をしていたり、会話がなかったりする場合は要注意です。
失敗例10:評価制度が不透明で給与が上がらない
体験談 「頑張って成果を出しても、給与が全く上がりません。評価基準も曖昧で、何をすれば昇給するのか分からない。モチベーションが保てません。」(29歳・男性)
失敗の原因 評価制度や昇給の仕組みを確認しなかったケースです。特に中小企業では、評価制度が整っていないことがあります。
対策
- 「評価制度について教えてください」
- 「昇給の頻度とタイミングは?」
- 「過去3年の平均昇給額は?」
- 「どのような基準で評価されますか?」
- 「目標設定の仕組みは?」
- 「未経験入社者の3年後の平均年収は?」
具体的な数字を聞くことが重要です。曖昧な回答しか得られない場合、評価制度が整っていない可能性が高いです。
【転職活動の失敗】よくある失敗例と対策
失敗例11:転職エージェントに流されて決めた
体験談 「転職エージェントから『この企業は人気なので早く決めないと』と急かされ、よく考えずに承諾しました。入社後、自分に合わない企業だと気づき後悔しています。」(28歳・女性)
失敗の原因 転職エージェントのペースに流されてしまったケースです。エージェントは成約を急ぐため、時に強引な提案をすることがあります。
対策
- 複数の転職エージェントを併用する
- 即決を求められても「3日考えます」と伝える
- エージェントの言葉を鵜呑みにしない
- 最終判断は自分で行う
- 違和感があれば、別のエージェントに相談
私も最初の転職で、エージェントに「すぐ決めないと枠が埋まる」と言われて焦りました。でも冷静に考えると、本当に良い企業なら少し待ってくれるはずです。
失敗例12:口コミサイトを確認しなかった
体験談 「内定をもらって浮かれていて、口コミサイトを見ませんでした。入社後にOpenWorkを見たら、悪い評判ばかり。事前に確認していれば…」(31歳・男性)
失敗の原因 口コミサイトのチェックを怠ったケースです。面接では良いことしか言われないため、口コミは貴重な情報源です。
対策
- 内定承諾前に必ず口コミサイトをチェック
- OpenWork(旧Vorkers)
- 転職会議
- エンライトハウス
- 複数サイトを見て総合的に判断
- 極端に悪い評価だけでなく、複数の意見を参考にする
- 投稿日が新しい口コミを重視する
口コミは匿名なので、感情的な悪評もあります。冷静に複数の意見を比較検討しましょう。
失敗例13:複数内定を比較検討しなかった
体験談 「初めての内定が嬉しくて、即決してしまいました。その後、もっと条件の良い企業から内定が出て、後悔しました。」(26歳・女性)
失敗の原因 1社目の内定で満足してしまい、他社と比較しなかったケースです。
対策
- 最低2〜3社の内定を比較検討する
- 1社目の内定が出ても、他社の選考を続ける
- 「検討期間を1週間ください」と交渉する
- 条件を表にして客観的に比較する
- 優先順位(年収、技術、働き方等)を明確にする
内定承諾の期限は交渉可能です。「他社の選考結果も見てから判断したい」と正直に伝えましょう。
失敗例14:面接で遠慮して質問しなかった
体験談 「面接で聞きたいことがあったのですが、『落ちたら困る』と思って遠慮しました。入社後、聞いておけば良かったと後悔することばかりです。」(29歳・男性)
失敗の原因 面接は企業が候補者を選ぶ場でもあり、候補者が企業を選ぶ場でもあります。質問を遠慮したことで、重要な情報を得られませんでした。
対策
- 面接は「相互理解の場」と捉える
- 質問リストを事前に準備する
- 給与、残業、技術スタック等、遠慮せず聞く
- 「御社を理解したいので」と前置きして質問
- 最終面接では特に踏み込んだ質問をする
適切な質問は、むしろ志望度の高さを示します。遠慮する必要はありません。
失敗例15:ポートフォリオの質が低くて後悔
体験談 「急いで作ったポートフォリオで応募し、何とか内定をもらいました。でも入社後、もっと良いポートフォリオを作っていれば、より良い企業に入れたのではと後悔しています。」(27歳・女性)
失敗の原因 焦ってポートフォリオの質を妥協したケースです。ポートフォリオは未経験者にとって最も重要なアピール材料です。
対策
- 最低2〜3週間かけてしっかり作り込む
- 実務に近い機能を実装する(CRUD、認証、API連携等)
- コードの品質にこだわる(リーダブルコード)
- README.mdを丁寧に書く
- 複数のエンジニアにレビューしてもらう
- 見た目のデザインにも気を配る
私も最初のポートフォリオは質が低く、書類選考で落ちまくりました。1ヶ月かけて作り直したところ、面接通過率が劇的に上がりました。
失敗例16:年齢を理由に妥協しすぎた
体験談 「35歳での転職なので、内定をもらえるだけで御の字だと思い、条件を妥協しました。でも入社後、同年代でもっと良い条件で働いている人がいると知り、後悔しました。」(35歳・男性)
失敗の原因 年齢を理由に自分を過小評価し、条件を妥協しすぎたケースです。
対策
- 年齢は不利だが、絶対的な障壁ではない
- 30代でも未経験エンジニアの採用は増えている
- 前職の経験やビジネススキルは強みになる
- 最低限の条件は妥協しない(給与、働き方等)
- 複数社を受けて、選択肢を増やす
私も31歳での転職で不安でしたが、10社以上受けたところ、3社から内定をもらえました。諦めずに挑戦することが大切です。
失敗例17:企業の将来性を考えなかった
体験談 「入社2年目で会社が倒産しました。事前に財務状況を調べていれば、危ないと分かったはずです。」(28歳・男性)
失敗の原因 企業の経営状況や将来性を確認しなかったケースです。特にスタートアップや中小企業は、経営リスクを考慮すべきです。
対策
- 企業の財務状況を確認(上場企業なら決算情報を見る)
- 事業の将来性を調べる(市場の成長性、競合状況等)
- 資金調達の実績を確認(スタートアップの場合)
- 「今後の事業展開は?」と面接で質問
- 「経営は安定していますか?」と率直に聞く
倒産リスクはゼロにできませんが、事前調査で危ない企業は避けられます。
失敗例18:勉強不足のまま転職してしまった
体験談 「プログラミングをほとんど勉強せずに転職しました。研修についていけず、周りに迷惑をかけ、3ヶ月で辞めました。もっと準備してから転職すべきでした。」(25歳・女性)
失敗の原因 最低限の準備をせずに転職したケースです。未経験歓迎とはいえ、基礎知識は必要です。
対策
- 転職前に最低200〜300時間は学習する
- 基本的な文法は理解しておく
- 簡単なアプリを1つ作っておく
- Git/GitHubの基本操作を覚える
- 技術用語の基礎を理解する
「入社してから学べばいい」は甘い考えです。最低限の準備をしてから転職しましょう。
失敗例19:退職のタイミングを誤った
体験談 「先に退職してから転職活動を始めました。なかなか決まらず、焦って妥協した企業に入社し、後悔しています。」(30歳・男性)
失敗の原因 退職してから転職活動を始めたため、経済的・精神的に追い詰められて判断を誤ったケースです。
対策
- 在職中に転職活動をする(これが鉄則)
- どうしても辞めたい場合、3〜6ヶ月分の生活費を貯める
- 転職活動は想定より長引くと考える(3〜6ヶ月)
- 焦って妥協しない
- 複数の選択肢を持つ
在職中の転職活動は大変ですが、精神的余裕を持って企業を選べるメリットは大きいです。
失敗例20:家族に相談せず決めて揉めた
体験談 「妻に相談せず転職を決めました。年収が下がったことで家族関係が悪化し、精神的に辛いです。」(33歳・男性)
失敗の原因 家族の理解を得ずに転職したケースです。特に年収が下がる場合、家族の理解は必須です。
対策
- 転職活動を始める前に家族に相談
- 年収が下がる場合、その理由と将来性を説明
- 家族の不安や意見を聞く
- 最終決定前に必ず報告
- 内定条件を家族と共有する
家族の理解と協力があれば、転職後の学習にも集中できます。一人で抱え込まないことが大切です。
もし失敗してしまったら?対処法
対処法1:まずは半年〜1年は頑張ってみる
入社直後は誰でも不安や不満を感じます。半年〜1年続けることで、見えてくるものもあります。
頑張るべきケース
- 技術的な不満(学習すれば解決できる)
- 人間関係の小さな不満(時間が解決することもある)
- 業務内容の一部への不満(異動の可能性もある)
すぐに辞めるべきケース
- パワハラやセクハラがある
- 長時間労働で健康を害している
- 給与が支払われない
- 違法な業務を強要される
心身の健康が最優先です。危険を感じたら、すぐに辞める決断も必要です。
対処法2:社内での改善を試みる
いきなり辞めるのではなく、まず改善を試みましょう。
改善のステップ
- 上司に相談する(配置転換、業務変更等)
- 人事部に相談する
- 社内の制度を活用する(メンター制度、相談窓口等)
- 改善の可能性を探る(3ヶ月程度)
改善の見込みがない場合、転職を検討しましょう。
対処法3:早期転職を決断する
どうしても改善できない場合、早期転職も選択肢です。
早期転職のポイント
- 1年未満でも転職は可能(ただし理由の説明が必要)
- 次は失敗しないよう、徹底的に企業研究
- 「前職での学び」を整理してアピール
- 「なぜ短期間で辞めたのか」を明確に説明できるようにする
- 転職理由はポジティブに伝える
私も1年半で転職しましたが、「前職では〇〇を学び、次は△△にチャレンジしたい」と前向きに伝えることで、内定をもらえました。
早期転職の説明例(良い例) 「前職では基礎的な開発スキルを身につけることができました。しかし、より現代的な技術スタックで開発したいと考え、転職を決意しました。前職の経験を活かし、御社でさらに成長したいと考えています。」
早期転職の説明例(悪い例) 「前の会社がブラックだったので辞めました。」
対処法4:失敗を次に活かす
失敗は貴重な経験です。次の転職で活かしましょう。
失敗から学ぶこと
- 自分が重視すべき条件が明確になった
- 企業選びで確認すべきポイントが分かった
- 自分の適性や価値観が見えてきた
- 面接での質問力が上がった
私の1社目の失敗は辛い経験でしたが、2社目ではその教訓を活かして、自分に合った企業を選べました。失敗は成長の糧です。
失敗しないための企業選びチェックリスト
転職前に必ず確認すべき項目をまとめました。
【必須】絶対に確認すべき項目
事業内容・業務内容
- ☐ 事業内容を具体的に理解している
- ☐ 自社開発/受託開発/SESのどれか明確
- ☐ 開発業務の割合を確認した
- ☐ 配属部署・チームを確認した
- ☐ 入社後の具体的な業務を聞いた
技術環境
- ☐ 使用する技術スタックを確認した
- ☐ 技術スタックが現代的か確認した
- ☐ 新技術導入の実績を聞いた
- ☐ 開発環境(Mac/Windows等)を確認した
- ☐ 技術的負債への取り組みを聞いた
教育・成長環境
- ☐ 研修期間と内容を確認した
- ☐ メンター制度の有無を確認した
- ☐ コードレビュー文化があるか聞いた
- ☐ 勉強会や技術共有の機会を確認した
- ☐ 技術書購入や外部セミナー参加の支援を聞いた
労働条件
- ☐ 年収・給与を確認した
- ☐ 昇給制度を理解した
- ☐ 平均残業時間を確認した
- ☐ みなし残業の有無を確認した
- ☐ リモートワークの条件を確認した
- ☐ 休日・休暇制度を確認した
企業の安定性・将来性
- ☐ 企業の財務状況を確認した
- ☐ 事業の将来性を調査した
- ☐ 離職率を確認した
- ☐ 口コミサイトをチェックした
- ☐ 企業の評判を複数ソースで確認した
【推奨】できれば確認したい項目
チーム・人間関係
- ☐ チームの人数と構成を確認した
- ☐ 上司・先輩の人柄を確認した
- ☐ オフィスの雰囲気を見学した
- ☐ 社員と話す機会を持った
- ☐ 社内イベントの有無を聞いた
キャリアパス
- ☐ キャリアパスを確認した
- ☐ 昇進の実例を聞いた
- ☐ 評価制度を理解した
- ☐ 配置転換の可能性を確認した
その他
- ☐ 福利厚生を確認した
- ☐ 通勤時間・アクセスを確認した
- ☐ オフィス環境を見た
- ☐ 服装規定を確認した
このチェックリストの8割以上を確認してから、内定を承諾しましょう。
【重要】面接で必ず聞くべき質問リスト
面接で遠慮せず質問すべき内容をまとめました。
業務内容について
- 「入社後、最初に任されるタスクはどのようなものですか?」 → 具体的な業務イメージを掴む
- 「1日の業務の流れを教えてください」 → リアルな働き方を知る
- 「開発・テスト・保守の業務割合はどのくらいですか?」 → コードを書く時間を確認
- 「コードレビューはどのように行われていますか?」 → 成長環境を確認
技術について
- 「現在使用している技術スタックを教えてください」 → 技術的な魅力を確認
- 「新しい技術の導入実績はありますか?」 → 技術的なチャレンジ精神を確認
- 「技術的負債にどう取り組んでいますか?」 → 技術への姿勢を確認
- 「エンジニアの技術力向上のためにどんな取り組みをしていますか?」 → 学習環境を確認
教育体制について
- 「研修期間と内容を具体的に教えてください」 → 未経験者サポートを確認
- 「メンター制度はありますか?どのようなものですか?」 → フォロー体制を確認
- 「過去の未経験入社者の方は、どのように成長されましたか?」 → 成長のイメージを掴む
- 「分からないことを質問しやすい環境ですか?」 → 心理的安全性を確認
労働条件について
- 「平均的な月の残業時間はどのくらいですか?」 → 労働時間を確認
- 「繁忙期の残業時間はどのくらいですか?」 → 最悪のケースを確認
- 「リモートワークの頻度と条件を教えてください」 → 働き方の自由度を確認
- 「昇給の頻度と平均的な昇給額を教えてください」 → 年収の伸びを確認
組織・文化について
- 「チームの雰囲気を教えてください」 → 人間関係を確認
- 「離職率と、離職の主な理由を教えてください」 → 企業の問題点を探る
- 「社員の方が働く上で、何にやりがいを感じていますか?」 → 企業の魅力を確認
- 「御社の課題や改善したい点は何ですか?」 → 企業の正直な姿勢を確認
これらの質問を遠慮なくすることで、入社後のミスマッチを大きく減らせます。
転職エージェントを使う際の注意点
転職エージェントは便利ですが、使い方を間違えると失敗につながります。
エージェント選びの注意点
良いエージェントの特徴
- じっくり話を聞いてくれる
- 強引に勧めない
- デメリットも正直に教えてくれる
- 企業の内部情報を持っている
- レスポンスが早い
悪いエージェントの特徴
- 話を聞かずに求人を勧める
- 「すぐ決めないと」と急かす
- 良い面しか言わない
- 企業の実情を知らない
- 連絡が遅い、雑
エージェントとの付き合い方
やるべきこと
- 複数のエージェントを併用する(2〜3社)
- 自分の希望条件を明確に伝える
- 気になる点は遠慮なく質問する
- 企業の懸念点を聞く
- 最終判断は自分で行う
やってはいけないこと
- エージェントの言いなりになる
- 即決を約束する
- 1社だけに頼る
- 嘘をつく
- 連絡を無視する
私は最初の転職でエージェントに流されて失敗しました。2回目の転職では、3社のエージェントを併用し、情報を比較しながら冷静に判断できました。
こんなエージェントは要注意
- 「この企業は人気なので今日中に決めてください」と急かす
- 年収や条件を盛って話す
- 企業の悪い面を一切言わない
- あなたの話を聞かない
- レスポンスが異常に遅い
このようなエージェントは、担当を変えてもらうか、別のエージェントを使いましょう。
私の失敗体験と学び
最後に、私自身の失敗体験を詳しくお話しします。
私の1社目の失敗
31歳で営業職からエンジニアに転職した私は、以下の失敗をしました。
失敗1:情報収集不足
- 口コミサイトを見なかった
- 技術スタックを詳しく確認しなかった
- 面接で踏み込んだ質問をしなかった
失敗2:焦りと妥協
- 「32歳で内定をもらえるだけで御の字」と思った
- 年収280万円を受け入れた
- 1社目の内定で即決した
失敗3:自己分析不足
- 「エンジニアになれればいい」だけで転職した
- どんな働き方をしたいか考えていなかった
- 自分の適性を理解していなかった
入社後の現実
想像と違った点
- 研修は2週間だけで、その後は放置
- 使用技術はjQueryとPHP5.3(古すぎる)
- 残業は月60時間(聞いていた20時間と全然違う)
- 年収が低すぎて生活が苦しい
- 先輩に質問できる雰囲気ではない
入社3ヶ月で「失敗した」と気づきましたが、すぐに辞める勇気もなく、1年半我慢しました。
転機と2社目の転職
1年半が経ち、「このままでは成長できない」と決断。今度は失敗しないよう、徹底的に準備しました。
2社目の転職で変えたこと
- 情報収集を徹底
- 口コミサイトを3つチェック
- 企業の技術ブログを全部読んだ
- 現役社員にカジュアル面談を依頼
- 技術スタックを詳しく調査
- 面接で遠慮なく質問
- 20個以上の質問リストを準備
- 残業時間、給与、技術など全て確認
- デメリットも正直に聞いた
- 複数内定を比較
- 3社の内定を獲得
- 条件を表にして比較
- 優先順位を明確にして選択
- 家族にも相談
- 妻に全て説明
- 年収が上がることを確認
- 理解と協力を得た
結果
2社目は自分に合った企業で、入社4年目の現在も満足して働いています。
- 年収は280万円→550万円にアップ
- モダンな技術スタック(React、TypeScript、AWS)
- 完全リモートで通勤ストレスなし
- 先輩の技術力が高く、日々学べる
- ワークライフバランスが良い
1社目の失敗があったからこそ、2社目では冷静に判断できました。失敗は決して無駄ではありません。
まとめ:失敗しないエンジニア転職のために
エンジニア転職の失敗パターン20個と対策を紹介してきました。最後に、最も重要なポイントをまとめます。
失敗しないための5つの鉄則
1. 徹底的に情報収集する
- 口コミサイトを複数チェック
- 企業の技術発信を確認
- 面接で遠慮なく質問
- カジュアル面談を活用
2. 焦らず、妥協しない
- 複数社の内定を比較
- 即決を避ける
- 最低限の条件は譲らない
- 年齢を言い訳にしない
3. 自己分析をしっかり行う
- 何を優先するか明確にする
- 自分の適性を理解する
- キャリアビジョンを描く
- 譲れない条件を決める
4. 面接は「相互理解の場」と捉える
- 企業を選ぶのは自分
- 質問は失礼ではない
- デメリットも聞く
- 違和感を無視しない
5. 転職エージェントに流されない
- 複数社を併用
- 最終判断は自分で
- 急かされても冷静に
- 違和感があれば断る
こんな時は要注意!危険信号
以下のような状況では、立ち止まって考えましょう。
- ☑ 焦って即決しようとしている
- ☑ 口コミサイトを見ていない
- ☑ 面接で質問をほとんどしていない
- ☑ 技術スタックを知らない
- ☑ エージェントに急かされている
- ☑ 条件を妥協しすぎている
- ☑ 違和感があるのに無視している
- ☑ 1社しか受けていない
1つでも当てはまるなら、一度立ち止まって考えてください。
失敗しても大丈夫
もし失敗してしまっても、人生が終わるわけではありません。
- 失敗は貴重な経験になる
- 次の転職で活かせる
- 自分を知るきっかけになる
- キャリアは長い目で見る
私も1社目は失敗しましたが、その経験があったからこそ、2社目では成功できました。
最後に
エンジニア転職は人生の大きな決断です。焦らず、妥協せず、徹底的に調べて、納得のいく選択をしてください。
「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、この記事で紹介した20の失敗例と対策を参考にしていただければ幸いです。
次のステップ
転職活動を成功させるために、以下の記事も参考にしてください。
- 未経験エンジニア向け転職エージェント徹底比較【2025年最新】
- ブラック企業の見分け方10選【求人票・面接・口コミサイトのチェックポイント】
- 転職エージェントに断られた時の対処法【未経験者向け】
- エンジニア転職の面接対策完全版【よく聞かれる質問100選・回答テンプレート2025】
- SIerとWeb系企業、どちらを選ぶべき?【年収・働き方・キャリア徹底比較2025】
- エンジニアの職種別キャリアパス完全マップ【5年後・10年後の年収とスキル】
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