大手SIerへの転職戦略【NTTデータ・富士通・NEC等の選考対策2025】

「大手SIerに転職したいけど、どう準備すればいい?」「NTTデータや富士通の選考は難しい?」「年収や働き方の実態を知りたい」

安定した高年収、充実した福利厚生、そして日本の社会インフラを支える大規模プロジェクトへの参画——大手SIerへの転職は、多くのエンジニアにとって魅力的なキャリア選択肢です。

本記事では、異業種からエンジニア転職を経験し、大手SIerの内情にも精通する筆者が、2025年最新の大手SIer転職戦略を徹底解説します。NTTデータ、富士通、NECをはじめとする大手5社の特徴、年収の実態、選考対策、そして転職を成功させる具体的な方法まで、あなたの意思決定に必要な全知識をお届けします。

大手SIerとは?業界の基礎知識

SIerの定義と役割

SIer(エスアイヤー、またはエスアイアー)とは、System Integrator(システムインテグレーター)の略称です。企業や官公庁などのクライアントから依頼を受け、ITシステムの企画・設計・開発・運用・保守を一貫して請け負う企業のことを指します。

SIerの主な業務内容

コンサルティング 顧客の業務課題をヒアリングし、ITシステムを活用した解決策を提案します。経営層との対話も多く、ビジネス理解とIT知識の両方が求められます。

要件定義・設計 顧客の要望を整理し、システム要件を定義します。その後、システム全体のアーキテクチャを設計し、開発の青写真を作成します。

開発・実装 設計に基づいてシステムを開発します。大手SIerの場合、開発の多くは協力会社(下請けSIer)に委託し、自社は品質管理やプロジェクトマネジメントを担当することが一般的です。

テスト・導入 開発したシステムが正しく動作するかをテストし、本番環境に導入します。データ移行やユーザートレーニングもこの段階で実施します。

運用・保守 システム稼働後の監視、障害対応、定期的なメンテナンスを行います。長期的な保守契約により、安定した収益を確保できます。

大手SIerの定義

大手SIerとは、業界で トップクラスの売上高と従業員数を誇る企業を指します。明確な定義はありませんが、一般的に以下の特徴を持ちます。

規模

  • 売上高: 数千億円〜数兆円規模
  • 従業員数: 数千人〜数万人規模
  • 上場: 東証プライム市場に上場

顧客基盤 官公庁、金融機関、大手製造業、通信キャリアなど、日本を代表する企業や組織が主要顧客です。社会インフラを支える基幹システムの開発を多く手がけます。

ブランド力 高い技術力と豊富な実績により、業界内外で広く認知されています。「NTTデータ」「富士通」といった社名は、一般的にも知られています。

大手5大SIer

日本のSIer業界を代表する「大手5大SIer」と呼ばれる企業群があります。

1. NTTデータグループ

  • 売上高: 4兆6,387億円(2025年3月期)
  • 平均年収: 906万円
  • 特徴: 情報サービス業界最大手、官公庁・金融に強い

2. 富士通株式会社

  • 売上高: 3兆5,501億円(ITサービス事業)
  • 平均年収: 863万円
  • 特徴: 製造業・自治体に強い、グローバル展開

3. 日本電気株式会社(NEC)

  • 売上高: 3兆4,234億円
  • 平均年収: 831万円
  • 特徴: 通信・公共分野に強い、AIや生体認証技術

4. 日立製作所

  • 売上高: 2兆6,530億円(IT事業)
  • 平均年収: 901万円
  • 特徴: 社会インフラに強い、グローバルIT企業

5. 日本IBM

  • 売上高: 約5,000億円(推定)
  • 平均年収: 1,100万円超(推定)
  • 特徴: 外資系、AIやクラウドに強い

これらの企業は、日本のIT業界を牽引する存在であり、転職先として高い人気を誇ります。

SIerの分類

SIerは、その成り立ちや親会社によって、いくつかのタイプに分類されます。

ユーザー系SIer 大企業の情報システム部門が独立して設立されたSIerです。親会社のシステム開発が主な業務ですが、外販も行います。

代表企業: NTTデータ、野村総合研究所、みずほリサーチ&テクノロジーズなど

メリット: 親会社からの安定受注、業界特化の深い知識 デメリット: 親会社案件に縛られる、技術スタックが限定的な場合も

メーカー系SIer ITハードウェアメーカーの子会社や関連会社として設立されたSIerです。自社製品との統合ソリューションを提供します。

代表企業: 富士通、NEC、日立製作所、東芝デジタルソリューションズなど

メリット: ハードウェアとソフトウェアの統合提案、大規模案件 デメリット: 自社製品優先の提案になることも

独立系SIer 特定の親会社を持たず、独自資本で運営されるSIerです。多様な顧客・技術に対応できる柔軟性があります。

代表企業: 大塚商会、SCSK、富士ソフトなど

メリット: 特定の製品に縛られない提案、多様なプロジェクト経験 デメリット: 営業力が重要、案件獲得の変動リスク

コンサル系SIer 経営コンサルティングとITソリューションを組み合わせて提供するSIerです。上流工程に強みがあります。

代表企業: 野村総合研究所、ベイカレント・コンサルティング、電通総研など

メリット: 高年収、経営層との接点、上流工程経験 デメリット: 激務傾向、高いビジネススキルが必要

外資系SIer 海外に本社を持ち、日本法人として事業展開するSIerです。グローバルスタンダードの技術やビジネススタイルが特徴です。

代表企業: 日本IBM、日本オラクル、アクセンチュアなど

メリット: 高年収、最新技術、グローバルキャリア デメリット: 英語力必須、成果主義で厳しい評価

転職を考える際は、自分のキャリアビジョンや働き方の希望に合ったタイプのSIerを選ぶことが重要です。

大手SIerの年収と待遇

平均年収ランキング

大手SIerの平均年収は、日本の平均年収(約403万円)を大きく上回ります。以下は2025年3月期のデータに基づくランキングです。

年収TOP10

  1. 野村総合研究所(NRI): 1,321万円
  2. 電通総研: 1,122万円
  3. 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC): 1,073万円
  4. オービック: 1,103万円
  5. SRAホールディングス: 1,178万円
  6. 日立製作所: 901万円
  7. NTTデータ: 906万円
  8. 富士通: 863万円
  9. NEC: 831万円
  10. SCSK: 786万円

野村総合研究所がトップで1,000万円を超えています。コンサルティングとITソリューションを組み合わせた高付加価値サービスにより、高い収益性を実現しています。

企業別年収詳細

主要大手SIerの年収について、詳しく見ていきましょう。

NTTデータ

平均年収: 906万円 初任給: 月給27万円(学部卒)、28万5千円(修士卒) 年収レンジ: 500万円(若手)〜1,500万円(部長クラス)

グレード制を採用しており、G6(新入社員)からG1(部長クラス)まで段階的に昇格します。G4までは残業代が実働に応じて支給され、G2以降は管理職として残業代がなくなります。

30代前半で年収700万円〜800万円、30代後半で900万円〜1,000万円に達するのが標準的なキャリアパスです。

富士通

平均年収: 863万円 初任給: 月給26万5千円(学部卒)、28万円(修士卒) 年収レンジ: 480万円(若手)〜1,300万円(部長クラス)

職能資格制度を採用しており、実績や能力に応じて昇格します。技術職とマネジメント職の2つのキャリアパスがあり、どちらでも高年収を目指せます。

DX推進やグローバル案件に関わる人材は、高い評価を受けやすい傾向にあります。

NEC

平均年収: 831万円 初任給: 月給26万円(学部卒)、27万5千円(修士卒) 年収レンジ: 470万円(若手)〜1,200万円(部長クラス)

等級制度を採用しており、S1(新入社員)からS8(部長クラス)まで段階的に昇格します。ネットワーク技術やAI関連のプロジェクトに携わる人材が高く評価される傾向です。

日立製作所

平均年収: 901万円 初任給: 月給26万5千円(学部卒)、28万円(修士卒) 年収レンジ: 490万円(若手)〜1,400万円(部長クラス)

社会インフラ系のプロジェクトが多く、長期的なキャリア形成が可能です。海外案件も豊富で、グローバル人材として活躍できる機会があります。

野村総合研究所

平均年収: 1,321万円 初任給: 月給32万5千円(学部卒)、35万円(修士卒) 年収レンジ: 600万円(若手)〜2,000万円超(パートナークラス)

SIer業界でトップの年収水準です。コンサルティングとシステム開発の両方を手がける複合型ビジネスモデルにより、高収益を実現しています。

30代前半で1,000万円、30代後半で1,200万円〜1,500万円に達するのが標準的です。

年収1000万円到達年齢

大手SIerで年収1,000万円に到達する年齢は、企業や個人の実績によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

野村総合研究所: 30歳前後 業界最速ペースで、優秀な人材であれば20代後半で到達することもあります。

NTTデータ: 35〜40歳 管理職(G2以上)に昇格すると1,000万円を超えます。順調にキャリアを積めば、30代後半で到達可能です。

富士通・NEC・日立: 40〜45歳 課長クラスに昇格すると1,000万円を超えます。早い人で30代後半、標準的には40代前半で到達します。

SCSK・大塚商会: 40代後半〜 独立系SIerは年収上昇がやや緩やかです。管理職にならないと1,000万円到達は難しい傾向にあります。

1,000万円に早く到達したい場合は、ユーザー系やコンサル系のSIerを選ぶと良いでしょう。

福利厚生と働き方

大手SIerは、充実した福利厚生も魅力の一つです。

住宅関連

家賃補助・社宅 NTTデータ: 月3万円〜5万円の家賃補助 富士通: 独身寮・社宅あり(自己負担1万円〜3万円程度) NEC: 借り上げ社宅制度(自己負担2万円〜4万円程度)

住宅ローン利子補給 多くの大手SIerで、住宅購入時の利子補給制度があります。

育児・介護支援

育児休業 男女ともに取得可能で、取得率も年々上昇しています。NTTデータでは男性の育休取得率が70%を超えています。

時短勤務 育児・介護を理由とした時短勤務が認められ、復職後も柔軟な働き方ができます。

保育施設 一部企業では、社内保育施設や提携保育園があります。

健康・ライフスタイル

社員食堂 大手SIerの多くが社員食堂を完備しており、リーズナブルな価格で昼食を取れます。

フィットネスジム スポーツクラブの法人会員割引や、社内フィットネス施設が利用できます。

人間ドック補助 定期健康診断に加え、30歳以上は人間ドックの費用補助があります。

休暇制度

年次有給休暇 初年度から20日付与される企業が多く、取得率も70%前後と高めです。

リフレッシュ休暇 勤続5年、10年など節目に特別休暇が付与されます。

ゴールデンウィーク・年末年始 大型連休があり、9連休〜10連休となることも一般的です。

その他

退職金制度 確定拠出年金(DC)や確定給付年金(DB)など、手厚い退職金制度があります。

財形貯蓄 給与天引きで貯蓄でき、利子補給もあります。

社員持株会 自社株を積み立てることができ、奨励金が上乗せされます。

大手SIerの福利厚生は、大企業水準で非常に充実しています。

大手SIer各社の特徴

NTTデータグループ

企業概要 NTTグループの情報通信企業として、1988年に設立されました。情報サービス業界では国内最大手で、グローバルにも事業を展開しています。

強みと特色

官公庁・金融に圧倒的な実績 全銀システム、マイナンバーシステムなど、日本の社会インフラを支える重要システムを多数手がけています。官公庁との太いパイプがあり、大型案件を安定的に受注できます。

グローバル展開 世界50カ国以上、約20万人の社員を擁し、グローバル売上比率は50%を超えています。海外案件に関わる機会も豊富です。

最先端技術への投資 AI、クラウド、ブロックチェーンなど、最新技術の研究開発に積極投資しています。NTT研究所との連携もあり、先端技術に触れる機会があります。

向いている人

  • 大規模プロジェクトで社会貢献したい人
  • 安定した環境でキャリアを築きたい人
  • グローバルにも挑戦したい人

転職難易度 書類選考通過率が50%以下と厳しく、面接も複数回あります。IT経験者でも、競争率は高めです。

富士通

企業概要 1935年設立の日本最大のIT企業です。ハード ウェアからソフトウェア、ITサービスまで幅広く事業を展開しています。

強みと特色

製造業・自治体に強い 長年の実績により、製造業や自治体との強固な関係を構築しています。スーパーコンピューター「富岳」の開発など、技術力の高さでも知られています。

DX推進の先導役 「Fujitsu Uvance」というブランドで、持続可能な社会の実現を目指したDXソリューションを展開しています。

働き方改革の推進 「Work Life Shift」という制度で、リモートワークや時差出勤など柔軟な働き方を推進しています。

向いている人

  • 製造業のDXに興味がある人
  • ハードウェアとソフトウェアの統合提案に関わりたい人
  • ワークライフバランスを重視する人

転職難易度 中途採用も積極的に行っており、IT経験者であれば比較的門戸は広いです。ただし、大規模組織のため、面接プロセスは複数段階あります。

NEC(日本電気)

企業概要 1899年設立の老舗IT企業です。通信インフラ、ITソリューション、社会インフラなど多岐にわたる事業を展開しています。

強みと特色

通信・公共分野のリーダー 5Gネットワーク、スマートシティ、デジタルガバメントなど、社会インフラのデジタル化を推進しています。

生体認証・AI技術 顔認証技術は世界トップクラスで、空港や重要施設で採用されています。AI技術の「NEC the WISE」も強みです。

セキュリティ サイバーセキュリティ分野にも注力しており、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)を持っています。

向いている人

  • 通信・ネットワーク技術に興味がある人
  • AIや生体認証など先端技術に触れたい人
  • セキュリティ意識が高い人

転職難易度 技術力を重視する傾向があり、特定領域の専門性があれば評価されやすいです。

日立製作所

企業概要 1910年設立の総合電機メーカーで、IT事業も大きな柱の一つです。社会イノベーション事業をグローバルに展開しています。

強みと特色

社会インフラに強い 鉄道、電力、水道など、社会インフラシステムの構築・運用に豊富な実績があります。ハードウェアとソフトウェアの両方を手がけられるのが強みです。

Lumadaプラットフォーム IoTプラットフォーム「Lumada」を展開し、データ活用による顧客価値創造を推進しています。

グローバル展開 海外売上比率が60%を超え、グローバル企業として成長しています。

向いている人

  • 社会インフラに貢献したい人
  • IoT・データ分析に興味がある人
  • グローバルキャリアを築きたい人

転職難易度 総合電機メーカーのため、IT以外の部門もありますが、IT事業への中途採用は積極的です。

野村総合研究所(NRI)

企業概要 1965年設立の独立系シンクタンク・コンサルティングファームです。コンサルティングとITソリューションを両輪で展開しています。

強みと特色

コンサル×IT 経営コンサルティングとシステム開発を一体で提供できるのが最大の強みです。上流工程から関われるため、ビジネスインパクトの大きい仕事ができます。

金融・流通に圧倒的実績 野村證券やセブン&アイ・ホールディングスなど、大手企業のシステムを長年支えています。

高年収 SIer業界トップの年収水準で、30代で1,000万円超も珍しくありません。

向いている人

  • コンサルティングに興味がある人
  • 高年収を重視する人
  • ビジネスとITの両方を学びたい人

転職難易度 業界最難関の一つです。論理的思考力、ビジネスセンス、コミュニケーション能力が高いレベルで求められます。

選考プロセスと対策

一般的な選考フロー

大手SIerの中途採用選考は、以下のようなフローで進むことが一般的です。

ステップ1: 書類選考(1〜2週間) 履歴書・職務経歴書を提出し、書類選考が行われます。大手SIerは人気が高く、書類選考の通過率は30%〜50%程度です。

ステップ2: 一次面接(技術面接) 現場のエンジニアやマネージャーとの面接です。技術的なスキルや経験、問題解決能力が評価されます。

所要時間: 60分〜90分 面接官: 2〜3名(現場マネージャー、リードエンジニアなど) 評価ポイント: 技術力、問題解決力、コミュニケーション能力

ステップ3: 二次面接(部門責任者面接) 部門長やディレクターとの面接です。キャリアビジョンや組織への適合性が評価されます。

所要時間: 60分 面接官: 1〜2名(部門長、事業部長など) 評価ポイント: キャリアプラン、マネジメント適性、カルチャーフィット

ステップ4: 最終面接(役員面接) 役員や人事部長との面接です。企業理念への共感や、長期的なコミットメントが評価されます。

所要時間: 30分〜60分 面接官: 1〜2名(役員、人事部長など) 評価ポイント: 企業理念への共感、入社意欲、人物像

ステップ5: 内定・オファー面談 内定が出た後、条件面談が行われます。年収、配属先、入社時期などを調整します。

全体の選考期間は、1ヶ月〜2ヶ月程度が一般的です。

書類選考対策

書類選考は最初の関門であり、ここを突破しないと面接に進めません。

職務経歴書の書き方

プロジェクト経験を具体的に 単に「システム開発に従事」ではなく、以下を明確に記載します:

  • プロジェクトの規模(予算、人数、期間)
  • 自分の役割(PM、PL、SE、PGなど)
  • 使用技術(言語、フレームワーク、インフラなど)
  • 成果(売上貢献、効率化、品質向上など)

例:

■プロジェクト名: EC サイトリニューアル
■期間: 2023年4月〜2024年3月(12ヶ月)
■規模: 予算5,000万円、チーム15名
■役割: バックエンドリードエンジニア
■技術: Java、Spring Boot、PostgreSQL、AWS(EC2、RDS、S3)
■成果: サイトパフォーマンスを2倍改善、コンバージョン率15%向上

上流工程の経験をアピール 大手SIerは上流工程を担当することが多いため、要件定義、設計、プロジェクト管理の経験があれば強調しましょう。

定量的な成果を記載 「売上XX%向上」「処理速度XX倍改善」「工数XX%削減」など、数字で示せる成果を記載すると説得力が増します。

大規模システムの経験 ユーザー数、トランザクション量、データ量など、扱ったシステムの規模を明記します。大手SIerは大規模システムを扱うため、そうした経験が評価されます。

志望動機の書き方

企業研究を深める 各社の強み、注力分野、企業理念をしっかり調べ、志望動機に反映させます。「大手SIerだから」という漠然とした理由ではなく、「なぜこの会社なのか」を明確にします。

自分の経験とのつながり 過去の経験から、なぜその企業で働きたいと思ったのかをストーリーとして語ります。

例: 「前職では中小企業向けシステム開発に従事してきましたが、より大規模で社会インフラを支えるシステムに関わりたいと考えるようになりました。貴社が手がける全銀システムのような、日本経済の根幹を支えるプロジェクトに貢献したいと考え、志望しました」

入社後のビジョン 入社後どのように貢献したいか、将来どうなりたいかを具体的に記載します。

技術面接対策

一次面接では、技術的なスキルと経験が詳しく問われます。

よく聞かれる質問

「これまでで最も困難だったプロジェクトは?」

回答のポイント:

  • 具体的な困難(技術的課題、スケジュール逼迫、要件変更など)
  • 自分が取った行動
  • 結果と学び

例: 「ECサイトのリニューアルで、本番リリース1週間前に致命的なパフォーマンス問題が発覚しました。私はプロファイリングツールでボトルネックを特定し、データベースクエリの最適化とキャッシュ戦略の見直しを提案しました。チーム総動員で48時間の集中作業を行い、レスポンス時間を3秒から0.5秒まで改善できました。この経験から、早期のパフォーマンステストの重要性を学びました」

「使用できる技術スタックは?」

準備すべきこと:

  • 使用言語とフレームワーク(経験年数も明記)
  • データベース(SQL、NoSQL)
  • インフラ(オンプレミス、クラウド)
  • 開発ツール(Git、CI/CD、テストフレームワークなど)
  • アーキテクチャパターン(MVC、マイクロサービスなど)

単に「使えます」ではなく、どのレベルで使えるか(初級、中級、上級)も明確にします。

「大規模システムの開発経験は?」

回答のポイント:

  • システムの規模(ユーザー数、データ量、トランザクション数)
  • 自分の担当範囲
  • 大規模ならではの課題と対応

例: 「月間300万PVのWebサービスのバックエンド開発を担当しました。同時接続数のピーク時にも安定稼働するよう、ロードバランサーの導入、データベースのレプリケーション、CDNの活用などを実装しました」

「品質をどう担保していますか?」

回答のポイント:

  • テスト戦略(単体テスト、結合テスト、E2Eテスト)
  • コードレビューの実施
  • 自動化の取り組み
  • 品質指標の測定

大手SIerは品質を非常に重視するため、この質問は重要です。

「プロジェクトマネジメントの経験は?」

回答のポイント:

  • チーム規模とプロジェクト期間
  • 自分の役割(PL、サブリーダーなど)
  • マネジメントで工夫したこと
  • 成果

SIerでは技術だけでなく、プロジェクトをまとめる力も求められます。

技術課題が出される場合

企業によっては、技術的な課題やケーススタディが出題されることがあります。

アルゴリズム問題 基本的なデータ構造とアルゴリズムの理解を問われます。LeetCodeやAtCoderで練習しておくと良いでしょう。

システム設計問題 「ECサイトを設計してください」のような課題が出されることもあります。要件整理、データベース設計、API設計、スケーラビリティの考慮など、総合的な設計力が問われます。

コードレビュー 既存のコードを見て、問題点を指摘する課題です。バグ、パフォーマンス、保守性などの観点から評価します。

二次面接・最終面接対策

上位の面接では、技術力だけでなく、人物像やカルチャーフィットが評価されます。

よく聞かれる質問

「なぜSIerを志望するのですか?」

悪い例: 「安定しているから」「大企業で働きたいから」 良い例: 「幅広い業界のビジネス課題に触れ、ITで解決する経験を積みたいからです。前職では特定業界のシステムのみでしたが、SIerでは金融、製造、公共など多様な領域に関われると考えています」

「なぜ当社を志望するのですか?」

企業ごとの違いを理解し、その企業ならではの魅力を語ります。

NTTデータの場合: 「社会インフラを支える大規模システムに関わりたいと考えています。特に貴社が手がける全銀システムや自治体システムは、国民生活に直結する重要なシステムであり、そうしたプロジェクトに貢献したいと強く思っています」

富士通の場合: 「製造業のDX推進に貢献したいと考えています。貴社はスーパーコンピューター『富岳』の開発など、高い技術力を持ちながら、製造業との深い関係を築いています。私の製造業での経験を活かし、貴社のDXソリューションに貢献できると考えています」

「5年後、10年後のキャリアビジョンは?」

SIerでのキャリアパスを理解した上で、現実的なビジョンを語ります。

例: 「まずは現場でシステム開発の経験を積み、3〜5年でプロジェクトリーダーとして複数名のチームをまとめられるようになりたいです。その後はプロジェクトマネージャーとして、より大規模なプロジェクトを統括する立場を目指しています。技術とマネジメントの両面で成長したいと考えています」

「Web系企業ではなくSIerを選ぶ理由は?」

SIerとWeb系企業の違いを理解し、自分の価値観に照らして説明します。

例: 「Web系企業の自社サービス開発も魅力的ですが、私は多様な業界の課題に触れ、幅広い経験を積みたいと考えています。SIerでは金融、製造、公共など様々な業界のシステムに関われるため、エンジニアとして視野を広げられると考えました」

「残業や出張は可能ですか?」

SIerではプロジェクトの山場で残業が発生したり、客先常駐や出張が必要になることもあります。柔軟に対応できる姿勢を示しましょう。

例: 「プロジェクトの状況に応じて、柔軟に対応いたします。前職でも繁忙期には月40時間程度の残業を経験しており、必要に応じて対応できます。ただし、日常的に長時間労働が続くのではなく、メリハリをつけて働ける環境を希望しています」

逆質問の重要性

面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれます。この逆質問は、企業への関心度を測る重要な機会です。

効果的な逆質問例:

現場の実態を知る質問

  • 「配属予定の部署では、どのようなプロジェクトを担当していますか?」
  • 「チームの構成と、メンバーの経験年数を教えてください」
  • 「1日の仕事の流れを教えていただけますか?」

成長機会を確認する質問

  • 「新しい技術へのチャレンジを支援する制度はありますか?」
  • 「社内勉強会やスキルアップの機会はありますか?」
  • 「資格取得の支援制度について教えてください」

キャリアパスを確認する質問

  • 「技術者としてのキャリアパスはどのようになっていますか?」
  • 「マネジメントと技術スペシャリスト、どちらのキャリアも選択できますか?」
  • 「部署間異動やジョブローテーションの機会はありますか?」

企業理解を深める質問

  • 「今後注力される事業領域はどこですか?」
  • 「DX推進の取り組みについて、具体的に教えてください」
  • 「競合他社と比較した際の、貴社の強みは何だとお考えですか?」

逆に避けるべき質問:

  • ホームページを見れば分かる基本情報
  • 給与や休暇など待遇ばかりの質問(初回面接では控えめに)
  • ネガティブな質問(「残業は多いですか?」「離職率は?」)

Webテスト・適性検査

大手SIerの多くは、面接前にWebテストや適性検査を実施します。

主なテストの種類

SPI(Synthetic Personality Inventory) 最も一般的な適性検査です。言語(国語)、非言語(数学)、性格検査の3分野があります。

対策: 市販の問題集で練習しましょう。特に非言語(推論、確率、速度算など)は慣れが必要です。

玉手箱 日本エス・エイチ・エル社が提供する試験です。計数、言語、英語、性格の4分野があり、問題数が多く時間との勝負です。

対策: 時間配分を意識した練習が重要です。

GAB(Graduate Aptitude Battery) 総合適性診断テストで、言語、計数、性格の3分野があります。新卒採用で使われることが多いですが、中途採用でも使用する企業があります。

TG-WEB 他のテストと比べて難易度が高く、論理的思考力が問われます。

対策: 独特の問題形式に慣れる必要があります。

性格検査のポイント

性格検査では、企業が求める人物像に合っているかが評価されます。

SIerで評価される傾向:

  • 協調性(チームで働ける)
  • 責任感(期限を守る、品質にこだわる)
  • 柔軟性(変化に対応できる)
  • 誠実性(ルールを守る、正直である)

極端な回答や一貫性のない回答は避けましょう。素直に答えることが基本ですが、明らかに不適切な傾向(攻撃性が高い、ルールを軽視するなど)は避けるべきです。

転職を成功させるポイント

転職エージェントの活用

大手SIerへの転職では、転職エージェントの活用が効果的です。

SIer転職に強いエージェント

レバテックキャリア IT・Web業界特化のエージェントで、SIer求人も豊富です。技術的な話ができるアドバイザーが多く、ミスマッチが少ないです。

マイナビIT AGENT IT業界全般に強く、大手SIerからWeb系まで幅広い求人があります。履歴書・職務経歴書の添削が丁寧です。

doda 総合型エージェントですが、IT求人数が多く、大手SIerの非公開求人も豊富です。

リクルートエージェント 求人数最大手で、大手SIerの求人も多数あります。複数の企業を比較検討したい場合に最適です。

type転職エージェント 関東圏に強く、老舗IT企業とのパイプがあります。大手SIer求人も扱っています。

ギークリー(Geekly) IT・Web・ゲーム業界専門のエージェントです。SIerからWeb系への転職、逆のパターンにも対応できます。

エージェントの活用法

複数登録して比較する 1社だけでなく、2〜3社に登録して求人を比較しましょう。企業ごとに持っている求人が異なります。

希望条件を明確に伝える

  • 年収の希望(最低ライン)
  • 働き方(残業時間、リモート可否)
  • 希望する業界・技術
  • キャリアプラン

曖昧だと、ミスマッチな求人を紹介されてしまいます。

エージェントの得意分野を見極める SIer業界に詳しいエージェント、Web系に詳しいエージェントなど、得意分野があります。担当者の知識レベルを見極め、頼れるエージェントを見つけましょう。

面接対策を依頼する 模擬面接や想定質問の準備など、面接対策をお願いしましょう。企業ごとの面接傾向も教えてもらえます。

年収交渉を任せる 自分で年収交渉するのは難しいですが、エージェントが代行してくれます。市場価値を根拠に、適切な年収を引き出してくれます。

直接応募とエージェント経由の使い分け

転職活動には、直接応募とエージェント経由の2つの方法があります。

直接応募のメリット

  • 企業の採用担当者と直接コミュニケーションできる
  • エージェント手数料がかからないため、企業側の負担が少ない
  • 意欲の高さをアピールできる

直接応募のデメリット

  • 非公開求人にアクセスできない
  • 年収交渉や条件交渉を自分で行う必要がある
  • 企業の内部情報が得にくい

エージェント経由のメリット

  • 非公開求人に応募できる
  • 履歴書・職務経歴書の添削を受けられる
  • 面接対策や企業情報を得られる
  • 年収交渉を代行してもらえる
  • 複数社の選考を並行して進めやすい

エージェント経由のデメリット

  • 企業側は手数料(年収の30%程度)を支払う必要がある
  • エージェントの質にばらつきがある
  • 担当者との相性が合わないこともある

使い分けの戦略

志望度が高く、公開求人がある企業: 直接応募 非公開求人や、企業情報が不足している場合: エージェント経由 複数社を比較検討したい場合: エージェント経由

両方を併用し、選択肢を広げることをおすすめします。

入社時期の調整

内定が出た後、入社時期の調整が必要です。

一般的な入社時期 中途採用の場合、内定から1〜3ヶ月後の入社が一般的です。現職の引き継ぎ期間を考慮して調整します。

退職交渉のポイント

早めに伝える 退職の意思は、最低でも1ヶ月前(法律上は2週間前でも可能ですが、円満退職のため)に伝えましょう。プロジェクトの区切りも考慮します。

引き継ぎをしっかり行う 後任者への引き継ぎ資料を作成し、丁寧に説明します。立つ鳥跡を濁さず、円満に退職することが重要です。

退職理由はポジティブに 「新しいチャレンジがしたい」「キャリアアップのため」など、前向きな理由を伝えます。現職の不満を並べるのは避けましょう。

入社日の調整

現職の退職日と転職先の入社日の間に、1週間〜2週間の休暇を取ることをおすすめします。リフレッシュし、心機一転新しい環境に臨めます。

ただし、大手SIerの場合、期初(4月、10月)入社を希望するケースもあります。研修スケジュールや組織体制の関係で、特定の時期の入社が望ましい場合があります。

大手SIerで働くメリット・デメリット

メリット

高年収と安定性 平均年収800万円超と、日本の平均を大きく上回ります。ボーナスも年2回しっかり支給され、収入が安定しています。

また、大手企業のため、急に倒産するリスクはほぼありません。長期的なキャリアを安心して築けます。

充実した福利厚生 住宅手当、社員食堂、育児支援、退職金制度など、福利厚生が非常に充実しています。ライフステージに応じて活用できる制度が揃っています。

大規模プロジェクトの経験 数十億円〜数百億円規模のプロジェクトに関われます。社会インフラを支える重要システムの開発経験は、エンジニアとして大きな財産になります。

幅広い業界知識 金融、製造、公共、流通など、様々な業界の顧客と仕事をします。業界ごとのビジネスモデルや課題を理解でき、視野が広がります。

キャリアパスの多様性 技術スペシャリスト、プロジェクトマネージャー、コンサルタント、営業など、多様なキャリアパスがあります。自分の適性に応じて選択できます。

教育・研修制度 新入社員研修、階層別研修、技術研修など、体系的な教育制度があります。資格取得支援制度も充実しており、スキルアップを会社がサポートしてくれます。

社会的信用 大手SIerで働いているというだけで、社会的信用が高まります。住宅ローンの審査、クレジットカードの発行などでも有利です。

ワークライフバランス 働き方改革が進み、残業時間の削減やリモートワークの導入が進んでいます。有給休暇も取得しやすく、プライベートとの両立がしやすい環境です。

デメリット

最新技術に触れにくい 顧客の既存システムに合わせる必要があり、レガシーな技術(Java、COBOLなど)を使うことも多いです。最新のWeb技術やクラウドネイティブな開発は少なめです。

開発より調整業務が多い 実際のコーディングは協力会社に任せ、自社は進捗管理や品質管理を行うことが多いです。手を動かすより、会議や資料作成が中心になることもあります。

意思決定が遅い 大企業特有の承認プロセスがあり、新しい提案が通るまでに時間がかかります。スピード感を求める人にはストレスかもしれません。

顧客都合に振り回される 顧客からの急な仕様変更や、無理なスケジュール要求に対応しなければならないこともあります。

客先常駐の可能性 プロジェクトによっては、顧客のオフィスに常駐して働くことがあります。自社オフィスに戻れない期間が長くなることも。

年功序列の文化 実力主義も入ってきていますが、まだ年功序列的な要素が残っています。若手が大きな裁量を持つのは難しい面もあります。

残業や休日出勤 プロジェクトの山場では、残業や休日出勤が発生することがあります。働き方改革が進んでいるとはいえ、繁忙期は忙しいです。

異動の頻度 2〜3年ごとにプロジェクトや部署が変わることがあります。特定の技術を深めたい人には、デメリットに感じられるかもしれません。

よくある質問(FAQ)

Q1: 未経験から大手SIerに転職できますか?

A: IT未経験の場合、大手SIerへの転職は非常に困難です。

大手SIerは即戦力を求めており、未経験者を一から育成する余裕はありません。最低でも2〜3年のIT実務経験が必要です。

未経験の場合は、まず以下のルートを検討しましょう:

  1. プログラミングスクールで学習し、中小SIerやWeb系企業に就職
  2. 2〜3年経験を積んでから、大手SIerに転職

または、第二新卒枠(卒業後3年以内)であれば、新卒に準じた採用枠で挑戦できる可能性があります。

Q2: Web系企業から大手SIerへの転職は可能ですか?

A: 可能ですが、文化の違いに注意が必要です。

Web系企業で自社サービスの開発をしていた方が、SIerに転職するケースは増えています。特に以下のスキルがあれば評価されます:

  • モダンな技術スタック(React、AWS、Dockerなど)
  • アジャイル開発の経験
  • プロダクト志向の開発経験

ただし、以下の点でギャップを感じる可能性があります:

  • 開発スピードが遅い
  • ウォーターフォール型の開発が多い
  • 顧客折衝や調整業務が増える
  • レガシーな技術も扱う

事前に業務内容をよく確認し、文化の違いを理解した上で転職しましょう。

Q3: 年齢制限はありますか?

A: 明確な年齢制限はありませんが、年齢に応じた経験・スキルが求められます。

20代: ポテンシャル採用も可能。基礎的なITスキルがあれば、入社後の成長を期待してもらえます。

30代: 即戦力として、プロジェクトリーダーやマネジメント経験が求められます。単なる実装者ではなく、チームをまとめられる人材が評価されます。

40代以上: 高度な専門性やマネジメント経験が必須です。プロジェクトマネージャーや技術スペシャリストとしての実績がないと厳しいです。

一般的に、35歳を超えると転職難易度が上がります。早めの行動をおすすめします。

Q4: 客先常駐は避けられませんか?

A: プロジェクトによりますが、完全に避けるのは難しいです。

大手SIerでは、顧客のオフィスに常駐して開発するケースが一般的です。特に金融業界や官公庁向けのプロジェクトでは、セキュリティの関係で常駐が必須です。

ただし、以下のような案件では自社勤務の可能性が高いです:

  • 自社プロダクト開発
  • 社内システム開発
  • リモート可能な案件

面接時に「客先常駐の頻度」「リモートワークの可否」を確認しましょう。部署によって状況が異なります。

Q5: SIerからWeb系企業への転職は不利になりますか?

A: 一概に不利とは言えませんが、アピールの仕方が重要です。

SIer出身者がWeb系企業に転職する際、以下が懸念されることがあります:

  • モダンな技術スタックの経験不足
  • 自社サービス開発の経験不足
  • スピード感の違い

しかし、以下の強みをアピールできれば十分に評価されます:

  • 大規模システムの設計経験
  • プロジェクトマネジメント経験
  • 顧客折衝・要件定義のスキル
  • 高い品質管理意識

個人でモダンな技術を学習し、ポートフォリオを作っておくと、技術力の証明になります。

Q6: 大手SIerと中小SIer、どちらが良いですか?

A: キャリアステージと目標によります。

大手SIerが向いている人:

  • 安定と高年収を重視する
  • 大規模プロジェクトに関わりたい
  • 充実した福利厚生を求める
  • 幅広い業界知識を得たい

中小SIerが向いている人:

  • 手を動かして開発したい
  • 裁量を持って働きたい
  • 特定の業界・技術に特化したい
  • アットホームな環境を好む

どちらが良いということはなく、自分の価値観とキャリアプランに合った選択をしましょう。

Q7: 英語力は必要ですか?

A: 部署やプロジェクトによりますが、あると有利です。

国内案件が中心の部署では、日常的に英語を使う機会は少ないです。ただし、以下のケースでは英語力が求められます:

  • グローバルプロジェクト
  • 海外ベンダーとの協業
  • 技術ドキュメントの読解
  • 海外拠点との連携

TOEIC700点以上あれば、多くの案件で問題ありません。800点以上あれば、グローバル案件にも対応できます。

今後、グローバル展開を強化する企業が増えているため、英語力があるとキャリアの選択肢が広がります。

Q8: 転職後のギャップはありますか?

A: 前職の環境によって、様々なギャップを感じる可能性があります。

Web系企業からの転職で感じるギャップ:

  • 開発スピードが遅い(承認プロセスが多い)
  • レガシーな技術を使う
  • 会議や資料作成が多い
  • 実装よりマネジメント中心

中小SIerからの転職で感じるギャップ:

  • 組織が大きく、意思決定に時間がかかる
  • 自分の担当範囲が限定的
  • 社内手続きや規則が多い
  • 部署間の壁を感じることも

異業種からの転職で感じるギャップ:

  • IT業界特有の商習慣
  • 技術トレンドへのキャッチアップ
  • 専門用語の多さ

ギャップを感じても、数ヶ月〜半年で慣れていきます。前向きに捉え、新しい環境に適応する姿勢が大切です。

まとめ:大手SIer転職を成功させるために

重要ポイントの振り返り

大手SIerの魅力

  • 高年収(平均800万円〜1,300万円)
  • 充実した福利厚生
  • 大規模プロジェクトの経験
  • 安定したキャリア形成

選考対策の要点

  • 職務経歴書で具体的な実績をアピール
  • 技術面接では大規模システムの経験を強調
  • 企業ごとの特色を理解し、志望動機を明確に
  • 逆質問で関心の高さを示す

転職成功のポイント

  • 転職エージェントを活用する
  • 複数社に応募し、比較検討する
  • IT実務経験2〜3年以上が望ましい
  • 年齢に応じた経験・スキルをアピール

あなたが今日から始めるべきこと

ステップ1: 自己分析(1週間)

  • 自分のスキルと経験を棚卸しする
  • キャリアビジョンを明確にする
  • 年収や働き方の希望条件を整理する

ステップ2: 企業研究(2週間)

  • 大手5社の特徴と違いを理解する
  • 自分に合った企業を3〜5社選ぶ
  • 各社のニュースや決算情報をチェックする

ステップ3: 応募準備(2〜3週間)

  • 職務経歴書を作成する
  • 志望動機を企業ごとに考える
  • 想定質問への回答を準備する

ステップ4: 転職エージェントに登録(即日)

  • 2〜3社のエージェントに登録する
  • キャリアカウンセリングを受ける
  • 非公開求人情報を入手する

ステップ5: 応募開始(1週間)

  • 興味のある企業に応募する
  • エージェント経由と直接応募を併用する
  • 複数社に同時並行で応募する

ステップ6: 面接対策(選考中)

  • 想定質問への回答を練習する
  • 企業の最新情報をアップデートする
  • 面接後は振り返りと改善を繰り返す

ステップ7: 内定・退職準備(内定後)

  • 条件交渉を行う
  • 退職交渉を始める
  • 引き継ぎ資料を作成する

最後に:理想のキャリアを築くために

大手SIerへの転職は、安定したキャリアと高年収を実現できる魅力的な選択肢です。日本の社会インフラを支える重要システムに関われることは、エンジニアとして大きなやりがいになります。

一方で、最新技術に触れにくい、意思決定が遅いなど、デメリットもあります。自分のキャリアビジョンや価値観に照らして、本当に自分に合った選択かどうかを冷静に判断することが重要です。

NTTデータ、富士通、NEC、日立、野村総合研究所——それぞれに特色があり、向いている人も異なります。企業研究を深め、自分に最適な企業を見つけましょう。

転職は人生の大きな決断です。焦らず、しっかり準備して臨むことで、後悔のない選択ができます。本記事が、あなたの大手SIer転職の成功に少しでも役立てば幸いです。

あなたの新しいキャリアを、心から応援しています。


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この記事を書いた人

異業種からエンジニアへの転職を経験し、大手SIerとWeb系企業の両方で働いてきました。それぞれの働き方の違いを肌で感じた経験から、エンジニア転職の情報発信を行っています。

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