「転職エージェントは1社だけ使えばいいのか、それとも複数使うべきなのか」――転職活動を始める際、多くの人が抱く疑問です。結論から言えば、複数の転職エージェントを併用することが、転職成功の鍵です。
私自身、3回の転職で合計8社のエージェントを使い分けてきました。1社だけに頼っていた最初の転職では、選択肢が限られて妥協した企業に入社し、1年で退職することになりました。しかし、複数のエージェントを戦略的に使い分けた2回目以降の転職では、希望通りの企業に転職でき、年収も大幅にアップしました。
この記事では、複数のエージェントを併用するメリット、適切な数、具体的な使い分け方、そして併用する際の注意点まで、実体験に基づいて詳しく解説します。
なぜ複数の転職エージェントを併用すべきなのか
まず、複数併用が推奨される理由を理解しましょう。
エージェント1社だけのリスク
1社のエージェントだけに頼ると、以下のリスクがあります。
リスク1: 求人の選択肢が限られる
転職エージェントは、それぞれ得意な業界や企業とのパイプが異なります。1社だけでは、あなたに合った求人を見逃す可能性があります。
私が最初の転職で1社だけ使ったときは、紹介された求人が10件だけでした。しかし、2回目の転職で3社を併用したところ、合計で40件の求人を見ることができ、選択の幅が大きく広がりました。
リスク2: 担当者との相性が悪いと転職活動が停滞する
エージェントの担当者にも、当たり外れがあります。レスポンスが遅い、業界知識が乏しい、強引に勧めてくる、といった担当者に当たると、転職活動がストレスになります。
私も、ある担当者はレスポンスが3日後、別の担当者は当日中という大きな差を経験しました。1社だけだと、相性が悪い担当者でも我慢するしかありませんが、複数使っていれば、相性の良い担当者を選べます。
リスク3: エージェントの得意分野とミスマッチの可能性
エージェントには、それぞれ得意な年齢層、職種、業界があります。あなたの希望と、エージェントの得意分野がミスマッチだと、適切な求人を紹介してもらえません。
私の友人は、未経験者向けのエージェントに登録したのに、経験者向けの求人ばかり紹介され、時間を無駄にしました。
リスク4: エージェントの都合で判断される可能性
エージェントは、求職者を企業に入社させることで報酬を得ます。そのため、時には求職者の利益よりも、自社の利益を優先することがあります。
「早く決めてほしい」「この企業なら確実に内定が出る」といった言葉で、急かされることもあります。複数のエージェントを使っていれば、客観的な意見を比較できます。
複数併用の5つのメリット
複数のエージェントを併用することで、以下のメリットがあります。
メリット1: 求人の選択肢が圧倒的に増える
エージェントA社では見つからなかった求人が、B社では見つかることがあります。各エージェントが独自に持っている非公開求人もあるため、複数使うことで、より多くの選択肢にアクセスできます。
私が2回目の転職で3社を併用したとき、A社から15件、B社から18件、C社から7件、合計40件の求人を紹介されました。そのうち重複は5件だけで、35件は独自の求人でした。
メリット2: 担当者を比較できる
複数のエージェントを使うことで、担当者の質を比較できます。レスポンスの速さ、業界知識の深さ、提案の的確さなどを比べ、最も信頼できる担当者をメインにすることができます。
私の場合、A社の担当者は業界知識が深く、B社の担当者はレスポンスが早く、C社の担当者は年収交渉に強い、という特徴がありました。それぞれの強みを活かして使い分けました。
メリット3: 情報の正確性を検証できる
エージェントから聞いた企業の情報が、本当に正しいかを検証できます。複数のエージェントが同じことを言っていれば、信頼性が高いです。
私がある企業の選考を受けたとき、A社のエージェントは「残業はほとんどない」と言いましたが、B社のエージェントは「繁忙期は月40時間程度ある」と言いました。B社の情報が正確で、事前に心の準備ができました。
メリット4: 年収交渉の材料になる
複数のエージェント経由で内定を得ると、年収交渉が有利になります。「A社からは年収700万円のオファーをもらっているが、御社を第一志望にしたいので、年収を上げてもらえないか」といった交渉ができます。
私も、2社から内定をもらい、年収交渉に成功しました。A社は年収680万円、B社は年収650万円でしたが、B社に交渉したところ、700万円に引き上げてくれました。
メリット5: エージェント同士を競わせることができる
複数のエージェントを使っていることを伝えると、各エージェントは「他社に負けたくない」という意識が働き、より良いサービスを提供してくれることがあります。
私の経験では、「他のエージェントでも選考が進んでいます」と伝えたところ、レスポンスが早くなり、より詳細な企業情報を提供してくれるようになりました。
適切な併用数は何社か
複数併用が良いとはいえ、多すぎても管理が大変です。適切な数を理解しましょう。
推奨は3〜5社
3社が最低ライン
最低でも3社は登録すべきです。1社だけでは選択肢が限られ、2社だと比較が難しいですが、3社あれば、多角的に情報を得られます。
私の経験でも、3社が最もバランスが良いと感じています。それぞれの特徴を理解し、使い分けることで、効率的に転職活動を進められました。
5社が上限
5社を超えると、管理が非常に大変になります。各エージェントとの面談、応募状況の管理、面接日程の調整など、対応に追われて本業に支障をきたすことがあります。
私も、一度6社に登録したことがありますが、連絡が多すぎて混乱し、結局2社は使わなくなりました。
状況別の推奨数
- 初めての転職: 3社(多すぎると混乱する)
- 時間に余裕がある: 4〜5社(選択肢を広げる)
- 忙しい人: 2〜3社(管理しやすい)
- ハイクラス転職: 3〜4社(スカウト型も含める)
- 未経験転職: 4〜5社(選択肢を多く持つ)
時期によって使い分ける
転職活動の時期によって、使うエージェントの数を調整するのも一つの方法です。
初期段階(情報収集): 5社 まずは多くのエージェントに登録し、求人の傾向や自分の市場価値を把握します。
中期段階(応募・面接): 3社 使いやすいエージェントに絞り、集中して転職活動を進めます。
後期段階(内定・交渉): 1〜2社 内定が出たエージェントを中心に、年収交渉や入社準備を進めます。
私も、最初は5社に登録して情報収集し、その後3社に絞って応募・面接を進め、最終的には内定を出してくれた2社のエージェントと密に連絡を取りました。
エージェントの組み合わせ方
複数のエージェントを使う際、どのように組み合わせるかが重要です。
基本の組み合わせパターン
総合型+特化型
総合型エージェント(リクルートエージェント、dodaなど)は、求人数が多く、幅広い選択肢を提供してくれます。一方、特化型エージェント(レバテックキャリア、ワークポートなど)は、業界の深い知識を持っています。
この2つを組み合わせることで、幅と深さの両方をカバーできます。
私の2回目の転職では、リクルートエージェント(総合型)、レバテックキャリア(IT特化)、type転職エージェント(関東特化)の3社を使いました。
大手+中堅
大手エージェントは、企業とのパイプが太く、求人数が多いです。一方、中堅エージェントは、一人ひとりへのサポートが手厚い傾向があります。
大手で選択肢を広げつつ、中堅で丁寧なサポートを受けるという使い方が効果的です。
スカウト型+エージェント型
ビズリーチやリクルートダイレクトスカウトなどのスカウト型サービスと、通常のエージェントを併用することで、能動的な転職活動と受動的な転職活動の両方ができます。
私も、ビズリーチに登録しつつ、レバテックキャリアで積極的に応募していました。ビズリーチ経由のスカウトから、思わぬ良い求人に出会えました。
年齢・経験別の推奨組み合わせ
20代未経験者
- ワークポート(未経験に強い)
- マイナビIT AGENT(第二新卒に強い)
- doda(求人数が多い)
30代経験者
- レバテックキャリア(IT特化)
- リクルートエージェント(大手)
- type転職エージェント(丁寧なサポート)
40代ハイクラス
- ビズリーチ(スカウト型)
- JACリクルートメント(ハイクラス)
- リクルートダイレクトスカウト(無料スカウト型)
目的別の推奨組み合わせ
年収アップ重視
- レバテックキャリア(年収交渉に強い)
- ビズリーチ(ハイクラス求人)
- JACリクルートメント(外資系)
ワークライフバランス重視
- doda(働き方で検索しやすい)
- type転職エージェント(丁寧なヒアリング)
- リクルートエージェント(選択肢が多い)
リモートワーク重視
- レバテックキャリア(Web系に強い)
- Green(リモート求人が多い)
- Wantedly(企業文化が分かる)
複数エージェントの効果的な使い分け方
登録するだけでは不十分です。戦略的に使い分けることが重要です。
メインとサブを決める
全てのエージェントを均等に使うのではなく、メインとサブを決めましょう。
メインエージェント(1〜2社)
- 最も信頼できる担当者がいるエージェント
- レスポンスが早く、業界知識が深い
- 頻繁に連絡を取り、密にコミュニケーションする
サブエージェント(2〜3社)
- 情報収集や比較検討のために使う
- メインで見つからない求人を探す
- 必要に応じて連絡を取る
私の場合、レバテックキャリアをメインにして、週1回は連絡を取っていました。リクルートエージェントとtypeは、求人を見るために使い、気になる求人があれば連絡する、というスタイルでした。
役割分担を明確にする
各エージェントに、異なる役割を持たせることで、効率的に活用できます。
役割の例
- A社: 年収交渉に強いので、年収重視の求人を依頼
- B社: 業界知識が深いので、企業の内部情報を聞く
- C社: レスポンスが早いので、急ぎの対応を依頼
私の場合、レバテックは技術的な相談、リクルートは求人の幅広い紹介、typeは書類添削と面接対策、という役割分担をしていました。
情報を一元管理する
複数のエージェントを使うと、情報が散らばって混乱します。スプレッドシートなどで一元管理しましょう。
管理すべき情報
- エージェント名
- 担当者名と連絡先
- 紹介された企業名
- 応募日
- 選考状況(書類選考中、面接予定、内定など)
- 面接日時
- メモ(企業の特徴、面接の感想など)
私は、Googleスプレッドシートで管理していました。どのエージェント経由で、どの企業に応募したかが一目で分かるようにしていました。
重複応募を避ける
同じ企業に、複数のエージェント経由で応募すると、企業側が混乱し、選考が止まることがあります。
重複応募を避ける方法
- 応募前に、他のエージェントで同じ企業を紹介されていないか確認
- スプレッドシートで応募状況を記録
- エージェントに「他社でも紹介されている企業があれば教えてください」と伝える
私も、一度同じ企業に2つのエージェント経由で応募してしまい、企業から「どちらのエージェント経由ですか?」と聞かれ、気まずい思いをしました。
各エージェントに他社利用を伝えるべきか
「他のエージェントも使っています」と伝えるべきか、迷う人も多いでしょう。
伝えるメリット
- エージェントが「他社に負けたくない」と、より良いサービスを提供してくれる
- 正直に話すことで、信頼関係が築ける
伝えるデメリット
- 「他社で決まるかも」と思われ、優先度が下がる可能性(ただし、優秀なエージェントはそうならない)
私の経験では、正直に伝えた方が良いです。「他のエージェントでも選考が進んでいますが、御社を最も信頼しています」と伝えることで、担当者も本気でサポートしてくれました。
複数エージェント併用の注意点
複数併用には、注意すべき点もあります。
注意点1: 連絡が多すぎて負担になる
複数のエージェントに登録すると、毎日のように電話やメールが来ます。特に、登録直後は面談の調整で連絡が集中します。
対策
- 連絡可能な時間帯を伝える(平日19時以降、土日など)
- メールでの連絡を希望する(電話が苦手な場合)
- 不要な求人の連絡は断る(「この条件の求人は不要です」と明確に伝える)
私も、最初は連絡が多すぎて疲れましたが、「メールでの連絡を希望します」と伝えたところ、負担が減りました。
注意点2: 情報が混乱する
どのエージェントから、どの求人を紹介されたか、面接はいつだったか、といった情報が混乱します。
対策
- スプレッドシートで一元管理
- エージェントごとにフォルダを作り、メールを整理
- カレンダーアプリで面接日程を管理
私は、Googleカレンダーに面接予定を登録し、通知を設定していました。また、各エージェントとのやり取りは、Gmailのラベル機能で分類していました。
注意点3: 同じ企業に重複応募してしまう
前述の通り、重複応募は避けるべきです。企業側が混乱するだけでなく、「管理能力がない」と思われるリスクがあります。
対策
- 応募前に必ずスプレッドシートを確認
- エージェントに「他社で同じ企業を紹介されていないか」を確認してもらう
- 企業名が似ている場合は、特に注意する
注意点4: エージェントへの対応に時間を取られる
複数のエージェントと面談、連絡、報告をしていると、かなりの時間を取られます。
対策
- 面談は、できるだけオンラインで行う(移動時間を削減)
- 複数のエージェントとの面談を同じ日にまとめる
- 定型文を用意し、返信を効率化する
私は、「〇〇社の選考に進みたいです」「面接の感触は良かったです」など、よく使う文章を定型文として保存していました。
注意点5: 担当者との関係が希薄になる
複数のエージェントを使っていると、一つ一つのエージェントとの関係が薄くなりがちです。
対策
- メインエージェントを決め、密にコミュニケーションを取る
- 選考状況や面接の感想を、こまめに報告する
- 感謝の気持ちを伝える(「いつもありがとうございます」など)
私も、レバテックの担当者とは頻繁に連絡を取り、信頼関係を築いていました。その結果、他のエージェントでは聞けなかった企業の内部情報も教えてもらえました。
注意点6: エージェントから敬遠される可能性
あまりに多くのエージェントを使っていると、「どうせ他で決まるだろう」と思われ、優先度が下がる可能性があります。
対策
- 「御社を最も信頼しています」と伝える
- 選考状況を正直に報告する
- 内定が出たら、すぐに報告する
私の経験では、誠実に対応すれば、エージェントも本気でサポートしてくれます。
実践!複数エージェント活用の成功事例
実際に複数のエージェントを使って転職に成功した事例を紹介します。
事例1: 3社併用で年収120万円アップ
年齢: 28歳 職種: バックエンドエンジニア 使用したエージェント: レバテックキャリア、リクルートエージェント、doda 結果: 年収480万円→600万円
活動内容
レバテックをメインに、リクルートとdodaをサブとして使用。レバテックでは技術的な相談、リクルートでは幅広い求人の紹介、dodaでは自分でも求人を検索。
レバテックから5社、リクルートから8社、dodaから3社、合計16社に応募。そのうち7社で面接、3社から内定。
最終的に、レバテック経由の企業に決定。年収提示は580万円だったが、他社からも内定があることを伝え、600万円に引き上げ。
成功のポイント
- 各エージェントの強みを活かした
- 複数の内定を年収交渉の材料にした
- 情報をスプレッドシートで管理し、混乱を避けた
事例2: 5社併用で未経験からエンジニア転職
年齢: 32歳 前職: 営業 使用したエージェント: ワークポート、マイナビIT AGENT、リクルートエージェント、doda、type転職エージェント 結果: 営業(年収520万円)→エンジニア(年収420万円)
活動内容
未経験からの転職のため、多くの選択肢を持つために5社に登録。ワークポートが最も未経験に理解があり、メインとして使用。
ワークポートから12社、マイナビから5社、リクルートから8社、dodaから6社、typeから4社、合計35社に応募。書類通過が8社、面接が5社、内定が2社。
年収は下がったが、研修制度が充実した企業を選択。ワークポートの担当者が、入社後のキャリアパスまで一緒に考えてくれた。
成功のポイント
- 未経験に理解のあるエージェントを複数使った
- 応募数を増やし、内定確率を上げた
- 年収だけでなく、成長環境を重視した
事例3: スカウト型+エージェント型で理想の企業に
年齢: 35歳 職種: テックリード 使用したサービス: ビズリーチ、レバテックキャリア、JACリクルートメント 結果: 年収750万円→950万円
活動内容
ビズリーチに職務経歴書を登録し、スカウトを待ちつつ、レバテックとJACで積極的に応募。
ビズリーチから10件のスカウト、レバテックから8社の紹介、JACから5社の紹介。ビズリーチのスカウト経由で、理想的なスタートアップと出会う。
カジュアル面談で、CTO候補としての期待を聞き、選考を進める。最初の提示は年収880万円だったが、他社からも950万円のオファーがあると伝え、交渉成功。
成功のポイント
- スカウト型で受動的に、エージェント型で能動的に転職活動
- ハイクラス特化のエージェントを使った
- 複数のオファーを交渉材料にした
よくある質問Q&A
複数エージェント併用に関する、よくある質問に答えます。
Q1: エージェントに「他社も使っている」と伝えるべきですか?
正直に伝えることをおすすめします。「他のエージェントでも選考が進んでいますが、御社を最も信頼しています」と伝えることで、担当者も本気でサポートしてくれます。
隠していても、どこかでバレますし、信頼関係が崩れます。
Q2: 複数のエージェントから同じ企業を紹介されたら?
最初に紹介してくれたエージェント経由で応募しましょう。後から紹介されたエージェントには、「既に他社経由で応募済みです」と伝えます。
同じ企業に複数のエージェント経由で応募すると、企業側が混乱します。
Q3: 面談はすべてのエージェントと行うべきですか?
初回面談は、できるだけ全てのエージェントと行いましょう。担当者の質や、求人の傾向を知るために重要です。
ただし、明らかに相性が悪い、希望と合わない場合は、早めに断って構いません。
Q4: 複数のエージェントから同時に内定が出たら?
両方のエージェントに、正直に状況を伝えましょう。「A社からも内定をいただいており、比較検討したい」と伝えれば、理解してくれます。
どちらの企業に入社するかは、自分で判断してください。エージェントの意見も参考にしつつ、最終的には自分の価値観で決めましょう。
Q5: エージェントとの連絡頻度はどれくらいが適切ですか?
メインエージェントとは週1回、サブエージェントとは週1回程度が目安です。ただし、選考が進んでいる場合は、もっと頻繁に連絡を取ります。
レスポンスは、できるだけ早く返しましょう。遅くとも24時間以内には返信することをおすすめします。
Q6: 内定辞退をどう伝えればいいですか?
できるだけ早く、正直に理由を伝えましょう。「他社に入社を決めました」と伝えれば、ほとんどのエージェントは理解してくれます。
「検討した結果、別の企業に決めました。サポートいただき、ありがとうございました」と感謝を伝えることも忘れずに。
Q7: エージェントとの関係は、転職後も続けるべきですか?
続けることをおすすめします。次の転職のときに、また相談できますし、業界の情報交換もできます。
私も、過去に使ったエージェントとは、今でも時々連絡を取っています。「その後どうですか?」と聞かれることもあります。
複数エージェント併用のベストプラクティス
最後に、複数のエージェントを効果的に使うためのベストプラクティスをまとめます。
登録から内定までのステップ
ステップ1: エージェント選定(転職活動開始前)
- 自分の年齢、経験、希望に合ったエージェントを3〜5社選ぶ
- 総合型+特化型、大手+中堅などのバランスを考える
- 口コミや評判を確認する
ステップ2: 一斉登録と面談調整(1〜2週間)
- 選んだエージェント全てに登録
- 初回面談の日程を調整(できるだけ近い日程にまとめる)
- 職務経歴書を準備し、各エージェントに提出
ステップ3: 初回面談と情報収集(2〜3週間)
- 各エージェントと面談し、希望を伝える
- 求人の傾向、担当者の質を見極める
- 紹介された求人を比較し、応募する企業を選ぶ
ステップ4: メインエージェントの決定(3〜4週間)
- 最も信頼できるエージェントをメインに決める
- サブエージェントは、求人を見る程度の関係に
- 応募状況をスプレッドシートで管理開始
ステップ5: 応募と面接(1〜3ヶ月)
- メインエージェントを中心に、積極的に応募
- 面接後は、必ずフィードバックをもらう
- 選考状況を各エージェントに報告
ステップ6: 内定と年収交渉(面接開始から1〜2ヶ月後)
- 複数の内定を得られるよう、同時進行させる
- 内定が出たら、すぐにエージェントに報告
- 複数のオファーを材料に、年収交渉
ステップ7: 入社準備と退職手続き(内定から1〜2ヶ月)
- 入社する企業を決定し、他の内定は丁寧に辞退
- エージェントに感謝を伝える
- 前職の退職手続きを円満に進める
成功のための10のルール
複数エージェント併用を成功させるための、10のルールをまとめます。
ルール1: 誠実に対応する エージェントに対しても、企業に対しても、誠実に対応しましょう。嘘をついたり、約束を破ったりすると、信頼を失います。
ルール2: 情報を一元管理する スプレッドシートやアプリを使って、応募状況を必ず記録しましょう。記憶だけに頼ると、必ずミスします。
ルール3: レスポンスは早く エージェントからの連絡には、できるだけ早く返信しましょう。レスポンスが遅いと、優先度が下がります。
ルール4: 選考状況を共有する どのエージェントでも、選考状況を正直に共有しましょう。隠していても、後でバレます。
ルール5: 重複応募は絶対に避ける 同じ企業に複数のエージェント経由で応募することは、絶対に避けてください。
ルール6: メインエージェントを決める 全てのエージェントを同じように使うのではなく、メインとサブを明確に分けましょう。
ルール7: 担当者の質を見極める レスポンスの速さ、業界知識、提案の的確さなどを評価し、信頼できる担当者を見つけましょう。
ルール8: 感謝の気持ちを伝える エージェントは、あなたの転職をサポートしてくれる味方です。感謝の気持ちを忘れずに伝えましょう。
ルール9: 自分の軸を持つ エージェントの意見に流されず、自分の軸(年収、働き方、キャリアなど)を持って判断しましょう。
ルール10: 転職後も関係を続ける 転職が決まったら、エージェントに結果を報告し、感謝を伝えましょう。次の転職のときにも、また相談できます。
避けるべき5つのNG行動
複数エージェント併用で、やってはいけないことをまとめます。
NG行動1: 登録だけして放置する 登録したら、必ず面談を受け、求人を見ましょう。放置すると、エージェントからの連絡も来なくなります。
NG行動2: エージェントを対立させる 「A社はこう言っていますが、御社はどうですか?」といった、エージェント同士を対立させる質問は避けましょう。
NG行動3: 嘘をつく 「他社から年収800万円のオファーがある」といった嘘は、必ずバレます。誠実に対応しましょう。
NG行動4: ドタキャンを繰り返す 面談や面接のドタキャンを繰り返すと、信頼を失います。どうしても行けない場合は、早めに連絡しましょう。
NG行動5: 内定辞退を報告しない 内定を辞退する場合は、必ずエージェントに報告しましょう。報告せずに音信不通になるのは、非常に失礼です。
まとめ:複数エージェント併用で、転職成功率を最大化
複数の転職エージェントを併用することは、転職成功率を大きく高めます。ただし、戦略的に使い分けることが重要です。
複数併用の成功法則
1. 適切な数は3〜5社 多すぎても管理が大変、少なすぎても選択肢が限られます。3〜5社が最適です。
2. 総合型+特化型で組み合わせる 幅広い求人と、深い業界知識の両方を得るために、総合型と特化型を組み合わせましょう。
3. メインとサブを明確に分ける 全てのエージェントを同じように使うのではなく、メインとサブに分けて使い分けましょう。
4. 情報を一元管理する スプレッドシートやアプリで、応募状況を必ず記録しましょう。
5. 誠実に対応する エージェントに対しても、企業に対しても、誠実に対応することが、信頼関係を築く基本です。
推奨のエージェント組み合わせ
未経験者向け
- ワークポート(メイン)
- マイナビIT AGENT
- doda
経験者向け
- レバテックキャリア(メイン)
- リクルートエージェント
- type転職エージェント
ハイクラス向け
- ビズリーチ(スカウト型)
- レバテックキャリア(メイン)
- JACリクルートメント
複数併用は転職活動の基本
私自身、3回の転職で8社のエージェントを使い分けてきました。1社だけに頼っていた最初の転職では失敗しましたが、複数のエージェントを戦略的に使い分けた2回目以降は、希望通りの転職ができました。
複数のエージェントを使うことで、求人の選択肢が広がり、情報の正確性を検証でき、年収交渉も有利になります。管理は少し大変ですが、それを上回るメリットがあります。
あなたも、複数のエージェントを戦略的に使い分けて、理想の転職を実現してください。この記事が、その助けになれば幸いです。
【参考】エージェント管理用スプレッドシートのテンプレート
複数のエージェントを管理するためのスプレッドシートのテンプレートを紹介します。
基本項目
- エージェント名: どのエージェント経由か
- 企業名: 応募した企業名
- 応募日: いつ応募したか
- 選考状況: 書類選考中/面接日程調整中/1次面接/2次面接/最終面接/内定/不採用
- 面接日時: 面接の日程
- 年収: 提示された年収
- 備考: 企業の特徴、面接の感想など
管理のコツ
- 毎日更新する習慣をつける
- 色分けで選考状況を視覚化する(書類選考中は黄色、面接中は青、内定は緑、不採用は赤など)
- 重複応募を避けるため、企業名でソートして確認
- 週に1回、全体の進捗を見直す
このテンプレートを使えば、複数のエージェントを使っても、混乱せずに転職活動を進められます。


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