「ポートフォリオを作りたいけど、何を作ればいいかわからない…」「TodoアプリやSNSクローンは作りたくない…」「オリジナリティのあるアイデアが浮かばない…」
未経験からエンジニア転職を目指す方の多くが、この悩みにぶつかります。私も31歳で転職活動を始めた時、3週間もアイデアが思いつかず、焦りと不安で押しつぶされそうでした。
しかし、7つの質問に答えるだけで、実用的なアイデアが次々と浮かぶようになりました。その方法で作成した「営業支援ツール」が面接で高評価を得て、3社から内定を獲得できました。
この記事では、ポートフォリオのアイデアが思いつかない時の7つの解決法と、すぐに使える実例30個を紹介します。
ポートフォリオのアイデアが思いつかない理由
理由1:「すごいもの」を作ろうとしている
最も多い勘違い
「革新的なサービス」「誰も作っていないもの」を作らないといけないと思い込んでいませんか?
真実
- 企業が見ているのは「技術力」と「課題解決力」
- 既存サービスに似ていてもOK
- 実用性があれば評価される
私の例
営業支援ツール(顧客・案件管理) → SalesforceやHubSpotと同じジャンル → でも「前職の経験を活かした実用的なアプリ」として高評価
理由2:「完璧」を求めすぎている
完璧主義の罠
「デザインが微妙」「機能が少ない」「コードが汚い」 → だから作れない
真実
- 最初から完璧なものは作れない
- まず60%で公開→フィードバックで改善
- 完璧を求めると永遠に完成しない
私の経験
最初のポートフォリオ:
- デザイン:Bootstrapのデフォルト
- 機能:基本的なCRUDのみ
- コード:今見ると恥ずかしいレベル
→ でも面接では「ちゃんと動くものを作った」ことが評価された
理由3:「自分の経験」を過小評価している
よくある思考
「自分には特別なスキルがない」 「営業/事務/販売の経験しかない」 「人に自慢できるようなことがない」
真実
- 前職の経験は宝の山
- 業務での困りごと→アプリのアイデア
- あなたにとっての「当たり前」が、他人には価値がある
私のケース
営業時代の「当たり前」:
- Excelで顧客管理(面倒だな…)
- 案件の進捗管理(わかりにくいな…)
- 売上予測(計算が大変だな…)
→ これら全てがアプリのアイデアになった
アイデアを生む7つの質問
この7つの質問に答えるだけで、必ずアイデアが見つかります。
質問1:前職で困っていたことは何ですか?
アイデアの宝庫
前職での「面倒だな」「非効率だな」「もっと良い方法があるのに」という不満が、そのままアプリのアイデアになります。
思い出し方
- 毎日の業務で時間がかかっていたこと
- Excelやスプレッドシートで管理していたこと
- 同僚も同じ不満を持っていたこと
- 「自動化できたらいいのに」と思ったこと
実例10個
- 営業職
- 顧客管理ツール
- 案件進捗管理
- 営業日報自動生成
- 見積書作成ツール
- 売上予測ダッシュボード
- 事務職
- 経費精算システム
- 勤怠管理アプリ
- 書類テンプレート管理
- スケジュール調整ツール
- 備品在庫管理
- 販売・接客業
- シフト管理アプリ
- 在庫管理システム
- 売上分析ツール
- 顧客来店履歴管理
- レジ締め計算ツール
- 人事・総務
- 採用管理システム
- 社内FAQ管理
- 備品申請ツール
- 会議室予約システム
私の実践
営業時代の困りごと:
- 顧客情報がExcelで管理が大変
- 案件の進捗が見えない
- 売上予測の計算が面倒
→「営業支援ツール」を作成 → 実際に元同僚5人に使ってもらった → 面接で「実務の課題を理解している」と高評価
質問2:趣味で不便に感じることは?
趣味は最高のアイデア源
趣味の中での「こんなツールがあったらいいのに」が、そのままアプリになります。
実例10個
- 読書好き
- 読書記録アプリ
- 読書目標管理
- 書籍レビュー共有
- 読書ペース分析
- 積読本リマインダー
- 筋トレ・運動
- トレーニング記録アプリ
- ワークアウトプラン管理
- 体重・体脂肪率グラフ化
- プロテイン摂取記録
- 料理
- レシピ管理アプリ
- 献立自動生成
- 食材在庫管理
- 買い物リスト作成
- ゲーム
- ゲーム積みゲー管理
- プレイ時間記録
- 攻略メモ共有
- ゲーム仲間募集
- 旅行
- 旅行計画アプリ
- 旅行記録・写真管理
- 行きたい場所リスト
- 旅費計算ツール
- 映画・ドラマ
- 視聴記録アプリ
- 観たい作品リスト
- 視聴プラットフォーム管理
- レビュー共有
- 語学学習
- 単語帳アプリ
- 学習時間記録
- 学習計画管理
- 復習リマインダー
- 投資・資産運用
- ポートフォリオ管理
- 配当金記録
- 資産推移グラフ化
- 投資先メモ
- 釣り
- 釣果記録アプリ
- 釣り場マップ
- 天気・潮汐チェック
- 道具管理
- ペット
- ペット健康管理
- 予防接種スケジュール
- 通院記録
- ペットノート
私の知人の例
読書好きのAさん: 「どの本をいつ読んだか忘れる」 →「読書記録アプリ」を作成 → 楽天ブックスAPIで書籍検索機能 → 面接で「外部API連携ができる」と評価
質問3:家族や友人の困りごとは?
他人の課題を解決する
自分以外の人の困りごとを聞いてみましょう。
聞き方
「プログラミングでアプリを作る練習をしているんだけど、何か困っていることや、こんなツールがあったらいいなって思うことある?」
実例5個
- 主婦の母
- 献立管理アプリ
- 家計簿アプリ
- 冷蔵庫の食材管理
- レシピ検索・保存
- 子育て中の友人
- 予防接種スケジュール
- 成長記録アプリ
- 育児日記
- 保育園連絡帳
- 学生の弟
- 試験範囲管理
- 学習計画アプリ
- ノート共有
- テスト結果分析
- 高齢の祖父母
- 服薬管理アプリ
- 通院スケジュール
- 健康記録
- 孫との写真共有
- 飲食店経営の友人
- シフト管理
- 売上記録
- 仕入れ管理
- 予約管理
私の実践
元同僚に聞いた: 「営業で一番面倒なことは?」 →「顧客情報の管理と案件の進捗確認」 → これをそのまま「営業支援ツール」に → 実際に使ってもらってフィードバック → 「実際のユーザーの声を反映」として面接で強みに
質問4:毎日やっている習慣は?
習慣をアプリにする
毎日やっていること、記録していること、管理していることは、アプリのアイデアになります。
実例5個
- 毎日の習慣
- 日記アプリ
- 習慣トラッカー
- モーニングルーティン管理
- 睡眠記録
- 健康管理
- 体重記録アプリ
- 食事記録
- 運動記録
- 水分摂取記録
- お金の管理
- 家計簿アプリ
- サブスク管理
- 月間支出分析
- 貯金目標管理
- 時間管理
- タスク管理アプリ
- ポモドーロタイマー
- 時間記録
- 生産性分析
- 学習記録
- 学習時間記録
- 進捗管理
- 目標達成度チェック
- 復習スケジュール
質問5:Excelで管理していることは?
Excelで管理=アプリ化のチャンス
Excelやスプレッドシートで管理していることは、そのままアプリにできます。
よくあるExcel管理
- 家計簿
- 売上管理
- タスクリスト
- 在庫管理
- 勤怠記録
- プロジェクト進捗
- 顧客リスト
- 蔵書リスト
- 資産管理
- スケジュール
私の例
営業時代のExcel:
- 顧客リスト(300社以上)
- 案件進捗表
- 売上予測シート
→ これを全てアプリ化 →「実際の業務フローを理解している」と評価
質問6:「あったらいいな」と思うサービスは?
日常の小さな不便
「こんなサービスがあったらいいのに」と思ったことを書き出してみましょう。
考え方
- 既存サービスの組み合わせ
- 既存サービスの一部機能に特化
- ニッチな需要に応える
実例5個
- 地域限定の情報共有
- ご近所イベント共有
- 地域のおすすめ店マップ
- 近所の人との物々交換
- 地域の困りごと共有
- 特定のコミュニティ向け
- 同じ趣味の人とつながる
- 勉強会マッチング
- スキルシェア
- プログラミング学習仲間探し
- 時短・効率化
- 複数のToDoリストを一元管理
- スケジュール自動調整
- ルーティンワーク自動化
- よく使うメールテンプレート管理
- 情報整理
- ブックマーク整理
- 記事スクラップ
- メモ一元管理
- アイデアストック
- 比較・分析
- サービス料金比較
- 選択肢を整理して決断サポート
- 過去データからの予測
- 習慣の相関分析
質問7:もし1週間休みがあったら何をしたい?
やりたいこと・興味があることからアイデアを探す
実例
「旅行したい」 → 旅行計画アプリ → 行きたい場所リスト → 旅費計算ツール
「ゆっくり読書」 → 読書記録アプリ → 読書計画管理
「資格の勉強」 → 学習計画アプリ → 過去問管理
「ダイエット」 → 食事記録アプリ → 体重管理
「映画を見まくる」 → 視聴記録アプリ → 観たい映画リスト
アイデアが決まったら:開発の進め方
ステップ1:機能を最小限に絞る(MVP)
やりがちな失敗
機能を詰め込みすぎて、完成しない
正解
最小限の機能で一旦完成させる
私の例:営業支援ツール
最初の計画(失敗)
- 顧客管理
- 案件管理
- 売上予測
- グラフ表示
- レポート自動生成
- メール自動送信
- スケジュール管理
- タスク管理
→ 機能が多すぎて3ヶ月経っても完成しない
MVP(成功)
- 顧客管理(CRUD)
- 案件管理(ステータス管理)
- 簡単な検索機能
→ 2週間で完成 → その後、週1で機能追加
MVPの決め方
「このアプリの核となる機能は何か?」を考える
例:読書記録アプリ
- 核:本を登録して記録する
- MVP:本の登録、読書ステータス、一覧表示
- 後回し:レビュー、評価、統計、SNS共有
ステップ2:実際に使ってもらう
誰かに使ってもらう
- 家族
- 友人
- 元同僚
- Twitterで募集
フィードバックを受ける
「どこが使いにくい?」 「どんな機能がほしい?」 「わかりにくいところは?」
私の例
元同僚5人に使ってもらった → 5回フィードバックを反映 → 面接で「実際のユーザーの声を取り入れている」と高評価
ステップ3:READMEに「なぜ作ったか」を書く
最も重要
技術的な内容よりも、「なぜこれを作ったか」のストーリーが重要
テンプレート
# アプリ名
## なぜ作ったか
前職の営業時代、顧客情報をExcelで管理していましたが、
- 情報の検索に時間がかかる
- 複数人での共有が面倒
- 案件の進捗が見えにくい
という課題がありました。
これらを解決するため、このアプリを開発しました。
実際に元同僚5人に使ってもらい、
「検索時間が1/3に」「進捗が一目でわかる」
と好評をいただいています。
## 使用技術
...
## 工夫した点
...
すぐ使えるアイデア実例30個
カテゴリー別に、すぐに使えるアイデアを紹介します。
カテゴリー1:業務効率化(10個)
- タスク管理アプリ(基礎)
- 難易度:★☆☆☆☆
- 期間:1週間
- 経費精算システム
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
- 勤怠管理アプリ
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
- 会議室予約システム
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
- シフト管理アプリ
- 難易度:★★★☆☆
- 期間:3週間
- 備品在庫管理
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
- 顧客管理システム(CRM)
- 難易度:★★★☆☆
- 期間:3〜4週間
- 案件進捗管理
- 難易度:★★★☆☆
- 期間:3週間
- 見積書作成ツール
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
- 日報・週報管理
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
カテゴリー2:趣味・ライフスタイル(10個)
- 読書記録アプリ
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
- 人気度:高
- 筋トレ記録アプリ
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
- レシピ管理アプリ
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
- 旅行計画アプリ
- 難易度:★★★☆☆
- 期間:3週間
- Google Maps API使用
- 映画・ドラマ視聴記録
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
- TMDb API使用可能
- ペット健康管理
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
- 植物育成記録
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
- 写真機能付き
- 釣果記録アプリ
- 難易度:★★★☆☆
- 期間:3週間
- 地図機能付き
- ワインセラー管理
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
- コレクション管理(カード・フィギュア等)
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
カテゴリー3:自己管理(10個)
- 家計簿アプリ
- 難易度:★★★☆☆
- 期間:3週間
- 人気度:高
- 習慣トラッカー
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
- 学習時間記録
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
- 日記アプリ
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
- 目標管理アプリ
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
- 体重・体調記録
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
- グラフ表示
- 睡眠記録アプリ
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
- サブスク管理
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
- 月額費用計算
- ポモドーロタイマー
- 難易度:★☆☆☆☆
- 期間:1週間
- 単語帳アプリ
- 難易度:★★☆☆☆
- 期間:2週間
よくある質問と回答
Q1:既存サービスと似ていても大丈夫ですか?
A:全く問題ありません
企業が見ているのは:
- 技術力
- 実装力
- 課題解決の視点
「TodoistのクローンでもOK」です。
Q2:複数のポートフォリオは必要ですか?
A:最低2個、できれば3個
理由
- 1個:基礎力のみ
- 2個:継続力を示せる
- 3個:技術の幅を示せる
Q3:デザインが苦手です。どうすればいいですか?
A:CSSフレームワークを使いましょう
- Bootstrap(最も簡単)
- Tailwind CSS(モダン)
- Material-UI(React)
デザインよりも「動くこと」「実用性」が重要です。
Q4:どのくらいの期間で作るべきですか?
A:2〜3週間が目安
- 短すぎる(1週間):機能が少なすぎる
- 長すぎる(2ヶ月以上):完璧を求めすぎ
MVP:2週間で完成→その後改善が理想です。
Q5:API連携は必要ですか?
A:あれば尚良いですが、必須ではありません
あると評価される理由
- 実務でもAPI連携は多い
- 技術の幅を示せる
人気のAPI
- 楽天ブックスAPI(書籍検索)
- Google Maps API(地図)
- OpenWeather API(天気)
- TMDb API(映画情報)
まとめ:アイデアが思いつく7つの質問
質問1:前職で困っていたことは? → 業務の非効率、面倒なこと
質問2:趣味で不便に感じることは? → 趣味の管理、記録
質問3:家族や友人の困りごとは? → 他人の課題を解決
質問4:毎日やっている習慣は? → 習慣をアプリ化
質問5:Excelで管理していることは? → Excel→アプリ化
質問6:「あったらいいな」と思うサービスは? → 小さな不便を解決
質問7:もし1週間休みがあったら何をしたい? → 興味・関心からアイデア
重要なポイント
- 「すごいもの」を作る必要はない
- 実用的な課題を解決すればOK
- 既存サービスと似ていてもOK
- 前職の経験が最大の武器
- あなたの「当たり前」が他人には価値
- 業務の困りごと→アプリ
- MVPで一旦完成させる
- 機能を最小限に
- 2〜3週間で完成
- その後改善
- 実際に使ってもらう
- フィードバックを反映
- 「実際のユーザーの声」として面接でアピール
- 「なぜ作ったか」が最重要
- READMEに詳しく書く
- ストーリーがあると評価される
最後に
ポートフォリオのアイデアが思いつかないのは、決して創造力がないわけではありません。単に「見つけ方」を知らないだけです。
私も3週間悩み続けましたが、「前職で困っていたことは?」という質問に答えた瞬間、営業支援ツールのアイデアが浮かびました。
この記事の7つの質問に答えれば、必ずあなただけのオリジナルなアイデアが見つかります。
まずは紙に書き出してみてください。きっと「これなら作れそう」というアイデアが見つかるはずです。
あなたのポートフォリオ作成を、心から応援しています!
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ポートフォリオを作る
書類選考を突破する
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