リモートワーク可のエンジニア求人の探し方【2025年最新版・実体験から語る】

転職ノウハウ

コロナ禍を経て、エンジニアのリモートワークは「特別な働き方」から「標準的な選択肢」へと変化しました。私自身、完全リモートの環境で3年間働いてきた経験から、リモートワーク可の求人を見つけるための実践的な方法をお伝えします。

この記事では、単なる求人サイトの紹介ではなく、実際にリモートワークが成立する求人の見極め方面接での確認ポイント、そしてリモートワークに適したエンジニアのキャリア戦略まで、実体験に基づいて解説していきます。

  1. リモートワーク求人の現状と実態
    1. リモートワークの3つのパターン
    2. 業界・職種別のリモートワーク普及率
    3. 求人票の「リモート可」に隠された真実
  2. 効率的なリモート求人の探し方
    1. 転職エージェントを活用したリモート求人の探し方
    2. 転職サイトでの効率的な検索方法
    3. ダイレクトリクルーティングサービスの活用
    4. SNSとコミュニティでの情報収集
  3. リモートワーク求人の見極め方
    1. 求人票でチェックすべき5つのポイント
    2. 企業の本気度を測る質問リスト
    3. 面接で確認すべきリモート環境の実態
    4. 要注意な「名ばかりリモート」企業の特徴
  4. リモートワークに適したエンジニアの職種とスキル
    1. フルリモートが実現しやすい職種
    2. ハイブリッド型が多い職種
    3. リモートワークに必要なスキルセット
  5. リモートワーク転職を成功させる5つの戦略
    1. 戦略1: リモートワークの実績を作る
    2. 戦略2: リモート特化型の求人に絞る
    3. 戦略3: ポートフォリオでリモート適性をアピール
    4. 戦略4: 給与交渉で通勤手当を考慮
    5. 戦略5: カジュアル面談を積極的に活用
  6. リモートワーク転職後の注意点
    1. オンボーディングでの孤独感
    2. タイムマネジメントの難しさ
    3. キャリア形成の不安
    4. コミュニケーションコストの増加
  7. 【実例】私がリモート転職に成功した理由
    1. 転職前の状況と課題
    2. 転職活動の進め方
    3. 成功のポイント
    4. 転職後の変化
  8. よくある質問と回答
  9. まとめ:リモートワーク転職を成功させるために

リモートワーク求人の現状と実態

2025年現在、エンジニア求人におけるリモートワークの扱いは多様化しています。まずは現状を正しく理解することが、効率的な求人探しの第一歩です。

リモートワークの3つのパターン

エンジニア求人におけるリモートワークは、大きく3つのパターンに分類されます。それぞれの特徴と、見極めるポイントを押さえておきましょう。

完全リモート型は、オフィス出社が原則不要で、居住地の制限もないケースです。スタートアップやWeb系企業に多く、私が現在働いているのもこのタイプです。メリットは通勤時間ゼロと居住地の自由ですが、コミュニケーション能力と自己管理能力が強く求められます。

ハイブリッド型は、週2〜3日出社、残りはリモートというスタイルです。大手企業やSIerで増えているパターンで、チームビルディングとリモートのバランスを取っています。完全リモートほどの自由度はありませんが、対面でのコミュニケーションも取れるため、未経験者にとっては学びやすい環境といえます。

条件付きリモート型は、入社後一定期間経過後や、特定のプロジェクトでのみリモートが許可されるケースです。求人票には「リモート可」と書かれていても、実際にはほとんど出社が必要なこともあります。このタイプを見極めることが、転職後のミスマッチを防ぐカギになります。

業界・職種別のリモートワーク普及率

私が転職活動中に調査した結果、業界や職種によってリモートワークの普及率には大きな差があります。

Web系・SaaS企業では、バックエンドエンジニア、フロントエンドエンジニア、インフラエンジニアのいずれも8割以上がリモート対応しています。特にスタートアップでは完全リモートが標準になっており、逆に「出社必須」の求人の方が少数派です。

SIer・受託開発企業は、ハイブリッド型が主流です。顧客との打ち合わせや納品時には出社が必要ですが、開発フェーズはリモート可という企業が増えています。ただし、古い企業文化が残る会社では、依然として出社が原則のケースもあります。

社内SEは企業によって大きく異なります。情報システム部門が経営層に近い企業ではリモートが進んでいますが、現場のサポート業務が中心の場合は出社が必要なことが多いです。求人票だけでは判断しにくいため、面接での確認が必須です。

ゲーム業界は、開発職は比較的リモート対応が進んでいますが、企画職やデザイナーとの密な連携が必要な場合は、ハイブリッド型が一般的です。大手パブリッシャーよりも、インディーゲームスタジオの方がリモート率が高い傾向にあります。

求人票の「リモート可」に隠された真実

転職活動を通じて気づいたのは、求人票に「リモート可」と書かれていても、その実態は千差万別だということです。

ある企業の面接で、「リモート可」の求人に応募したにもかかわらず、「基本は出社で、月1〜2回リモートも可能」という説明を受けたことがあります。また別の企業では、「入社後半年間は出社必須、その後リモート相談可」というケースもありました。

重要なのは、求人票の表記を鵜呑みにせず、具体的な頻度や条件を確認することです。後ほど詳しく解説しますが、面接では必ず「週何日リモートワークができるのか」「リモートワークの承認プロセスはどうなっているのか」を確認する必要があります。

効率的なリモート求人の探し方

リモートワーク可の求人を効率的に見つけるには、適切なツールと戦略が必要です。私が実際に使った方法を、優先度の高い順に紹介します。

転職エージェントを活用したリモート求人の探し方

転職エージェントは、リモート求人を探す上で最も効率的な手段です。ただし、エージェントによって得意分野が異なるため、適切に選ぶ必要があります。

ワークポートは、IT・Web業界に特化しており、リモート求人の取り扱いが豊富です。私が利用した際、担当者が「週何日リモート希望か」「完全リモートか、ハイブリッドか」を細かくヒアリングしてくれ、条件に合った求人を紹介してくれました。特に20代〜30代のエンジニアで、スピード感のある転職を希望する方に向いています。

レバテックキャリアは、経験者向けのハイクラス求人に強く、完全リモートで年収600万円以上の求人を多く扱っています。キャリアアドバイザーがエンジニア出身のため、技術的な話が通じやすく、「この技術スタックならリモート向き」といった専門的なアドバイスももらえます。実務経験2年以上ある方におすすめです。

マイナビIT AGENTは、大手企業のハイブリッド型リモート求人が充実しています。安定志向の方や、福利厚生を重視する方に適しており、「週2〜3日出社、残りリモート」という働き方を希望する場合は、最初に登録すべきエージェントです。

複数のエージェントを併用する際のポイントは、それぞれに「リモートワークが最優先条件」と明確に伝えることです。私は最初、遠慮して「リモートだと嬉しいです」程度の伝え方をしていましたが、それでは優先度が低いと判断されてしまいます。「リモートワーク不可の求人は紹介不要」とはっきり伝えることで、ミスマッチが大幅に減りました。

転職サイトでの効率的な検索方法

転職サイトを使う場合は、検索条件の設定が重要です。単に「リモートワーク」で検索するだけでは、望む求人にたどり着けません。

Greenの活用法では、「リモート勤務OK」の条件でフィルタリングした後、企業の「働き方」セクションを必ずチェックします。ここには実際のリモート頻度や、社員の声が掲載されていることが多く、求人票よりも実態に近い情報が得られます。また、Greenは企業側からのスカウトも活発なので、プロフィールに「フルリモート希望」と明記しておくと、条件に合った企業からアプローチがあります。

Wantedlyの特徴は、企業文化や働き方が詳しく紹介されている点です。特にスタートアップの完全リモート求人を探す場合は有効です。「話を聞いてみたい」で気軽にコンタクトが取れるため、まずはカジュアル面談でリモート環境について詳しく聞くという使い方ができます。私はここで、リモートワークの文化が根付いている企業を複数見つけました。

検索キーワードの工夫も効果的です。「リモート」だけでなく、「フルリモート」「完全リモート」「在宅勤務」「テレワーク」など、複数のキーワードで検索すると、見落としていた求人が見つかることがあります。また、「地方在住可」「居住地不問」といったキーワードも、完全リモートの求人を見つける手がかりになります。

ダイレクトリクルーティングサービスの活用

企業から直接スカウトが届くダイレクトリクルーティングサービスは、リモート求人との出会いを広げる有効な手段です。

ビズリーチは、ハイクラス層向けのプラットフォームで、年収600万円以上の完全リモート求人からのスカウトが多く届きます。職務経歴書に「リモートワーク環境での開発経験」を具体的に記載しておくと、リモート前提の企業からのオファーが増えます。有料プランもありますが、無料プランでも十分に活用できました。

Findyは、エンジニア専門のスカウトサービスで、GitHubやQiitaのアカウントと連携できます。技術力を客観的に評価してもらえるため、実力重視のリモート企業からのスカウトが届きやすいです。私の場合、Qiitaの記事をきっかけに、完全リモートのスタートアップから声がかかりました。

LAPRASも同様に、エンジニアの技術活動を可視化してくれるサービスです。GitHubのコントリビューションやOSS活動が評価されるため、リモート環境で自走できるエンジニアを求める企業からのオファーが多い印象です。

これらのサービスを使う際のポイントは、プロフィールに「リモートワーク環境での業務経験」や「自己管理能力」をアピールすることです。単に「リモート希望」と書くだけでなく、リモートで成果を出せる根拠を示すことが重要です。

SNSとコミュニティでの情報収集

意外と見落とされがちですが、TwitterやLinkedInなどのSNS、そしてエンジニアコミュニティは、リモート求人の宝庫です。

Twitterでの探し方では、「#エンジニア採用」「#リモートワーク」「#フルリモート採用」などのハッシュタグをフォローします。企業の採用担当者や現役エンジニアが、求人情報や社内の雰囲気を発信していることが多く、求人サイトには載っていない情報が得られます。私は実際に、Twitterで見つけた企業に応募し、内定を得た経験があります。

LinkedInの活用では、英語が得意なら海外企業のフルリモート求人も視野に入ります。日本在住のまま、海外企業で働くという選択肢もあり、時差の関係で深夜勤務になることもありますが、年収が大幅にアップするケースもあります。

エンジニアコミュニティでは、勉強会やオンラインイベントで知り合った人から、「うちの会社でリモートエンジニア募集してる」という情報を得ることがあります。リファラル採用の場合、通常の選考よりも話が早く進むことが多く、リモート環境についても率直に聞きやすいメリットがあります。

リモートワーク求人の見極め方

求人を見つけただけでは不十分です。その企業が本当にリモートワークが成立する環境なのかを見極める必要があります。

求人票でチェックすべき5つのポイント

求人票を見る際、私が必ずチェックしている項目を紹介します。

1. リモートワークの具体的な頻度と条件

「リモートワーク可」という記載だけでなく、「週何日」「完全リモート可」「入社後すぐに可能か」といった具体的な情報があるかを確認します。これらの情報が明記されている企業は、リモートワークを制度としてしっかり運用している証拠です。

2. 使用ツールとコミュニケーション環境

SlackやZoom、Notionなどのツールが明記されているかも重要です。これらのツールを積極的に使っている企業は、リモートワークのための環境が整っています。逆に、ツールについて何も触れられていない場合は、リモート環境が未整備の可能性があります。

3. 在宅勤務手当やリモート支援制度

在宅勤務手当、通信費補助、PC・モニターの貸与など、リモートワークを支援する福利厚生が充実しているかを確認します。これらの制度がある企業は、リモートワークを一時的な対応ではなく、長期的な働き方として捉えている傾向があります。

4. チームの構成と働き方

「分散型チーム」「フルリモートチーム」といった記載があれば、チーム全体がリモート前提で動いている可能性が高いです。一方、「本社勤務のメンバーが多数」という記載がある場合は、リモートワーカーが少数派で、情報伝達に苦労する可能性があります。

5. 採用プロセス

最終面接までオンライン完結できるかも、一つの指標です。完全リモート企業の場合、採用プロセス自体もオンライン完結が当たり前です。逆に、「最終面接は必ず来社」という企業は、リモートよりも対面を重視する文化がある可能性があります。

企業の本気度を測る質問リスト

面接では、以下の質問をすることで、企業のリモートワークに対する本気度が見えてきます。

リモートワークの実施率について 「現在、チームの何割がリモートワークをしていますか?」という質問は必須です。「制度上は可能だが、実際にはほとんどの人が出社している」というケースは意外と多いです。私が内定を辞退した企業の一つは、「リモート可」と書かれていたものの、実際には5%程度しかリモートワーカーがいませんでした。

コミュニケーションツールと運用ルール 「リモートワーク時のコミュニケーションツールは何を使っていますか?」「レスポンスの期待値はどれくらいですか?」と聞きます。SlackやTeamsでの非同期コミュニケーションが基本なのか、Zoomでの常時接続が求められるのかで、働きやすさが大きく変わります。

評価制度とキャリアパス 「リモートワーカーと出社者で、評価や昇進に差はありますか?」という質問も重要です。残念ながら、リモートワーカーが評価されにくい企業も存在します。成果主義を謳っていても、「顔を合わせる機会が多い方が有利」という暗黙のルールがある企業もあります。

オンボーディングプロセス 「入社後のオンボーディングはどのように行われますか?」と確認します。リモート環境でのオンボーディングがしっかり確立されていれば、リモートワークを制度として運用していることの証明になります。

セキュリティとインフラ 「PCやモニターは支給されますか?」「VPN環境は整っていますか?」といった技術的な質問も欠かせません。これらが整備されていない場合、セキュリティリスクだけでなく、作業効率の低下にもつながります。

面接で確認すべきリモート環境の実態

面接では、遠慮せずに踏み込んだ質問をすることが重要です。私が実際に確認した内容を紹介します。

1次面接での確認事項 人事や採用担当者との面接では、制度面の確認を中心に行います。「リモートワークの頻度」「在宅勤務手当」「出社が必要になるケース」などを具体的に聞きます。また、「リモートワークの実施にあたって、承認プロセスはありますか?」という質問で、実際の運用の柔軟性を測ることができます。

2次面接以降での確認事項 現場のマネージャーや一緒に働くメンバーとの面接では、より実務的な内容を聞きます。「普段のコミュニケーションはどのように取っていますか?」「リモートワークで困ったことはありますか?」といった、現場の生の声を引き出すことが重要です。

私が内定を承諾した企業では、2次面接で「リモートワークの課題とその解決策」について、率直に話してくれました。課題を隠さずに話してくれる姿勢に、リモートワークを真剣に取り組んでいる姿勢を感じました。

面接官への逆質問 「あなた自身はどれくらいの頻度でリモートワークをしていますか?」と面接官に直接聞くのも効果的です。面接官がリモートワークをしていない場合、その企業ではリモートワークがマイノリティである可能性があります。

要注意な「名ばかりリモート」企業の特徴

転職活動中、いくつかの「名ばかりリモート」企業に遭遇しました。そうした企業に共通する特徴を紹介します。

求人票と面接での説明が異なる 求人票には「リモート可」と書かれているのに、面接で「基本は出社」と説明される企業は要注意です。こうした企業は、求人票でリモートという言葉を集客のために使っているだけで、実際にはリモート文化が根付いていません。

「様子を見て」「慣れたら」という曖昧な表現 「まずは出社して、慣れたらリモートも相談できます」という説明は、実質的に出社が前提である可能性が高いです。「慣れたら」の基準が曖昧で、結局ずっと出社を求められるケースもあります。

リモートワークの承認プロセスが煩雑 毎回上司に申請が必要、前日までに届出が必要、理由の説明が必要、といった煩雑なプロセスがある企業は、リモートワークを推奨していません。リモートが標準化されている企業では、承認プロセス自体が不要か、非常に簡易化されています。

現場社員がほとんど出社している 面接がオンラインで行われたとしても、「現在、オフィスには何人いますか?」と聞いてみると実態が見えます。ほとんどの社員が出社している場合、リモートワークは制度上可能でも、実質的には出社が当たり前の文化です。

リモートワークに適したエンジニアの職種とスキル

すべてのエンジニア職がリモートワークに適しているわけではありません。職種によって、リモートの実現可能性が異なります。

フルリモートが実現しやすい職種

バックエンドエンジニアは、最もリモートワークが成立しやすい職種です。コードを書くことが中心で、非同期のコミュニケーションでも業務が進めやすいからです。私自身、バックエンドエンジニアとして完全リモートで働いていますが、出社の必要性を感じたことはほとんどありません。

フロントエンドエンジニアも、リモートワークに適しています。デザイナーとの連携が必要な場面もありますが、Figmaなどのツールを使えば、オンラインで十分にコラボレーションできます。私の周りでも、フロントエンドエンジニアでフルリモートの人は多いです。

インフラエンジニア・SREは、クラウドベースのインフラが主流になったことで、リモート化が進みました。オンコール対応も自宅から可能で、むしろ通勤時間を気にせず柔軟に対応できるメリットがあります。

データエンジニア・データサイエンティストも、リモートワークが実現しやすい職種です。分析作業は個人作業が中心で、結果をレポートにまとめて共有するスタイルなので、オフィスにいる必要性が低いです。

ハイブリッド型が多い職種

プロジェクトマネージャー・テックリードは、チームマネジメントが主な業務のため、ハイブリッド型が多いです。特に、チームメンバーが出社している場合は、自分も出社した方がコミュニケーションが円滑になります。ただし、チーム全体がリモート前提で動いている場合は、完全リモートも可能です。

プロダクトマネージャーは、ビジネスサイドや経営層とのコミュニケーションが多いため、完全リモートは難しいケースがあります。特に、ステークホルダーが出社している場合は、週に数日の出社が求められることが一般的です。

QAエンジニア・テストエンジニアは、テストの自動化が進んでいる企業ではリモート可能ですが、手動テストが中心の場合は、実機を使うために出社が必要なこともあります。

リモートワークに必要なスキルセット

リモートワークを成功させるには、技術力以外のスキルも重要です。

コミュニケーション能力 対面と違い、リモートでは意識的にコミュニケーションを取る必要があります。Slackでの報連相、ドキュメント化、定期的な進捗共有など、能動的に情報発信できることが求められます。私自身、リモートワークを始めた当初は、コミュニケーション不足で誤解を招いたこともありました。

自己管理能力 リモートワークでは、誰も見ていないからこそ、自分でスケジュール管理や健康管理をする必要があります。私は、ポモドーロテクニックを使ったり、毎朝のルーティンを決めたりすることで、生産性を維持しています。

文書化スキル 口頭で済ませられないリモート環境では、ドキュメント化が非常に重要です。技術仕様書、議事録、ナレッジベースなど、後から見返せる形で情報を残すスキルが求められます。私は、Notionを使って、日々の作業ログや学びを記録しています。

非同期コミュニケーション リモートでは、同期的なコミュニケーション(会議や通話)を減らし、非同期的なコミュニケーション(テキストチャット、ドキュメント共有)を増やすことが効率化につながります。「今すぐ確認したい」という衝動を抑え、相手の時間を尊重するマインドセットが必要です。

トラブルシューティング能力 リモート環境では、ネットワーク障害や開発環境のトラブルを自分で解決する必要があります。社内SEに頼れないため、基本的なITトラブルシューティングのスキルがあると、業務が止まるリスクを減らせます。

リモートワーク転職を成功させる5つの戦略

リモートワーク可の求人に転職するには、通常の転職とは異なる戦略が必要です。私が実践して効果があった方法を紹介します。

戦略1: リモートワークの実績を作る

現在の職場でリモートワークの経験がない場合でも、実績を作る方法はあります。

副業やOSS活動 GitHubでのOSS活動や、クラウドソーシングでの副業は、リモート環境での業務実績になります。私は、転職活動前に半年間、週末に副業でリモート案件をこなし、その経験を職務経歴書に書きました。面接では、「リモートで成果を出した具体例」として評価されました。

社内でのリモートワーク実績 現在の職場で、週1回でもリモートワークができる制度があれば、積極的に活用します。「リモート環境下でもプロジェクトを完遂した」という実績は、転職の際に大きな武器になります。

個人開発プロジェクト 自分でWebサービスやアプリを開発し、公開するのも一つの方法です。これは、リモート環境での自己管理能力や技術力を示す証拠になります。私は、個人で開発したWebアプリをポートフォリオに加え、面接で「このアプリは完全にリモート環境で開発しました」とアピールしました。

戦略2: リモート特化型の求人に絞る

「リモート可」ではなく、「完全リモート」「フルリモート」と明記されている求人に絞ることで、ミスマッチを減らせます。

私は最初、「リモート可」の求人にも幅広く応募していましたが、面接で条件を聞いて落胆することが多かったです。そこで、「完全リモート」「フルリモート」と明記されている求人のみに絞ったところ、選考プロセスも効率化され、入社後のミスマッチもなくなりました。

スタートアップを狙う スタートアップ、特にシード〜シリーズA段階の企業は、オフィスコストを抑えるために完全リモート体制を採用していることが多いです。大手企業よりも柔軟な働き方ができる反面、安定性は低いため、自分のキャリアステージに合わせて判断する必要があります。

地方企業の東京採用 地方に本社がある企業が、東京のエンジニアをリモート採用するケースも増えています。こうした企業は、優秀な人材を確保するために完全リモートを前提としているため、リモート環境が整っている可能性が高いです。

戦略3: ポートフォリオでリモート適性をアピール

職務経歴書やポートフォリオでは、技術力だけでなく、リモートワークへの適性もアピールします。

リモート環境での成果を数値化 「リモートワーク環境下で、3ヶ月でWebアプリケーションの機能を10個実装」「完全リモートでチーム5人のプロジェクトをリード」など、具体的な数値とともに実績を記載します。

使用ツールを明記 Slack、Zoom、GitHub、Notion、Jiraなど、リモート環境で使用したツールを職務経歴書に記載します。これにより、リモートワークに必要なツールを使いこなせることをアピールできます。

コミュニケーションスタイルを説明 「非同期コミュニケーションを重視し、ドキュメント化を徹底」「週次で進捗レポートを作成し、チームと共有」といった、リモート環境でのコミュニケーション方法を具体的に書きます。

私の職務経歴書には、「リモートワークスキル」という独立したセクションを設け、自己管理能力、コミュニケーション能力、使用ツールをまとめました。これが面接で話題になり、「リモートで働く準備ができている」と評価されました。

戦略4: 給与交渉で通勤手当を考慮

リモートワーク前提の場合、通勤手当が支給されないことが一般的です。年収交渉の際には、この点を考慮します。

月2万円の通勤手当がなくなる場合、年間で24万円の減収になります。これを年収交渉に組み込み、「通勤手当がない分を考慮して、提示額から20万円アップをお願いできますか」と交渉することも可能です。

私の場合、前職では通勤手当が月1.5万円ありましたが、完全リモートの現職ではゼロです。ただし、在宅勤務手当として月1万円が支給されるため、実質的な差は小さくなりました。

在宅勤務手当の確認 在宅勤務手当、通信費補助、光熱費補助などの福利厚生があるかを確認します。企業によっては、月1〜3万円程度の在宅勤務手当が支給されます。

交通費の実費精算制度 完全リモートでも、年に数回の出社や、社外イベントへの参加が必要な場合があります。そうした際の交通費が実費精算されるかを確認しておきましょう。

戦略5: カジュアル面談を積極的に活用

リモート求人の場合、いきなり本選考に進むよりも、カジュアル面談を活用することをおすすめします。

カジュアル面談のメリット カジュアル面談では、選考とは関係なく、企業の文化や働き方について率直に聞けます。「実際のところ、リモートワークはどれくらいの頻度で利用されていますか?」「リモートワークで困ったことはありますか?」といった、選考では聞きづらい質問もできます。

現役社員との対話 Wantedlyやビズリーチのプラットフォーム機能を使えば、現役社員とカジュアルに話す機会を作れます。人事を通さずに現場の声を聞けるため、よりリアルな情報が得られます。

私は、内定を承諾する前に、その企業のエンジニア3人とカジュアル面談を行いました。全員が「リモートワークで問題なく働けている」と話してくれたことが、入社の決め手になりました。

リモートワーク転職後の注意点

リモートワークの職場に転職した後も、注意すべき点があります。私が実際に経験した課題と対策を共有します。

オンボーディングでの孤独感

リモート環境での入社は、オフィスでの入社に比べて孤独を感じやすいです。私も最初の1ヶ月は、「自分はチームの一員として認識されているだろうか」と不安になりました。

積極的なコミュニケーション 入社直後は、遠慮せずに質問することが重要です。Slackで「こんなこと聞いていいのかな」と躊躇するよりも、どんどん質問した方が、早く馴染めます。私は、毎日の終業時に「今日やったこと」を簡単にSlackで共有することで、チームとのつながりを感じられるようになりました。

1on1の活用 上司との1on1ミーティングを定期的に設定してもらい、業務の進捗だけでなく、不安や疑問点も相談します。リモートでは偶発的な会話が生まれにくいため、意図的にコミュニケーションの機会を作ることが大切です。

タイムマネジメントの難しさ

リモートワークでは、仕事とプライベートの境界が曖昧になりがちです。私も最初は、夜遅くまで仕事をしてしまい、燃え尽き症候群になりかけました。

勤務時間の明確化 始業時と終業時をSlackのステータスで明示し、時間外は通知をオフにします。私は、終業時には必ずPCをシャットダウンし、物理的に仕事から離れるようにしています。

ルーティンの確立 毎朝のコーヒータイム、ランチ後の散歩、終業後の筋トレなど、リズムを作ることで、オンオフの切り替えがしやすくなります。

キャリア形成の不安

リモートワークでは、上司や同僚との接点が少ないため、「評価されているだろうか」「キャリアは大丈夫だろうか」という不安を感じることがあります。

成果の可視化 リモートでは、プロセスが見えにくいため、成果を明確に示すことが重要です。私は、月次で「達成したこと」「学んだこと」「次月の目標」をドキュメントにまとめ、上司と共有しています。

スキルアップの継続 リモートだと、先輩エンジニアの仕事ぶりを見て学ぶ機会が減ります。そのため、オンライン勉強会への参加、技術書の読書、個人開発など、意識的にスキルアップの機会を作ることが必要です。

コミュニケーションコストの増加

リモートでは、ちょっとした確認事項でも、Slackで文章を書いたり、Zoomを立ち上げたりする必要があり、コミュニケーションコストが高くなります。

非同期コミュニケーションの活用 すぐに返信が必要ない内容は、Slackのスレッドやドキュメントで共有し、相手のタイミングで確認してもらいます。私のチームでは、「緊急度が低い場合は、返信は24時間以内でOK」というルールを設けています。

定例会議の工夫 毎日の朝会を15分以内に収める、週次の振り返りでチームの状況を共有するなど、定例会議を効率化します。会議のアジェンダは事前に共有し、議事録も必ず残すようにしています。

【実例】私がリモート転職に成功した理由

最後に、私自身がどのようにリモートワーク可の企業に転職したのか、具体的なプロセスを紹介します。

転職前の状況と課題

前職は、東京都内の中規模SIer企業で、週5日出社が基本でした。コロナ禍で一時的にリモートが認められましたが、2023年には完全に出社体制に戻っていました。

私には地方に住む高齢の両親がおり、定期的に帰省する必要がありました。しかし、週5日出社では、長期休暇以外の帰省が難しく、「リモートワークができれば、実家で働きながら親の様子も見られるのに」と考えるようになりました。

また、往復2時間の通勤時間がもったいなく感じ、その時間をスキルアップに使いたいという思いもありました。

転職活動の進め方

ステップ1: 情報収集と準備(1ヶ月目) まず、完全リモート可の企業がどれくらいあるのか、リモートワークを実現するにはどんなスキルが必要なのかを調べました。GitHubでのOSS活動を開始し、個人開発プロジェクトも始めました。

ステップ2: エージェント登録とカジュアル面談(2ヶ月目) ワークポート、レバテックキャリア、マイナビIT AGENTの3社に登録し、「完全リモート希望」と明確に伝えました。同時に、Wantedlyで気になる企業とカジュアル面談を行い、リモートワークの実態を探りました。

ステップ3: 本選考とオファー獲得(3〜4ヶ月目) 5社に応募し、3社から内定を得ました。そのうち1社は「リモート可」と書かれていましたが、面接で「月2回は出社」と言われたため辞退しました。

ステップ4: 最終決定(5ヶ月目) 残る2社のうち、年収が高い方ではなく、リモート文化が根付いている方を選びました。決め手は、カジュアル面談で話した現役社員全員が「リモートで働きやすい」と話していたことです。

成功のポイント

振り返ってみると、以下の3点が成功につながったと思います。

1. 条件を妥協しなかった 「リモート可」ではなく「完全リモート」に絞り、多少年収が下がっても、働き方を優先しました。結果的に、通勤時間がゼロになり、スキルアップの時間も確保でき、長期的には正しい選択だったと感じています。

2. リモート適性を実績で示した 職務経歴書に、GitHubのコントリビューション、個人開発、副業での成果を記載し、「リモート環境でも成果を出せる」ことを証明しました。面接では、自己管理能力やコミュニケーションスタイルについても具体的に説明しました。

3. 企業文化を重視した 給与や福利厚生だけでなく、「本当にリモートワークが機能しているか」を最優先で確認しました。カジュアル面談を通じて、企業の本音を引き出す努力をしました。

転職後の変化

完全リモートになってから、以下のような変化がありました。

時間の使い方が変わった 通勤時間がゼロになり、その分を読書、オンライン学習、個人開発に充てています。技術力が向上し、半年後には社内で新しいプロジェクトのリーダーを任されました。

家族との時間が増えた 実家への帰省も、長期休暇を取らずにできるようになりました。週末を含めて1週間実家で働くこともでき、両親も安心しています。

ストレスが減った 満員電車のストレスから解放され、自分のペースで働けるようになりました。睡眠時間も増え、健康状態も改善しました。

キャリアの可能性が広がった 地方移住も視野に入れられるようになり、将来的には海外でのリモートワークも選択肢になりました。居住地に縛られないキャリアを築けることが、大きな自信になっています。

よくある質問と回答

リモートワーク転職に関して、よく聞かれる質問に答えます。

Q1: 未経験でもリモートワーク可の企業に転職できますか? 未経験からのリモート転職は、正直なところ難易度が高いです。多くの企業は、リモート環境でも自走できる経験者を求めています。ただし、完全に不可能というわけではありません。

未経験からリモート転職を目指す場合は、まずハイブリッド型の企業で経験を積み、その後に完全リモートの企業に転職するというステップを踏むことをおすすめします。また、プログラミングスクールの中には、リモート企業とのパイプがある場合もあるため、そうしたスクールを選ぶのも一つの方法です。

Q2: リモートワークだと年収は下がりますか? 必ずしも下がるわけではありません。むしろ、フルリモート前提の企業は、全国(または全世界)から優秀な人材を集めるため、年収が高い傾向もあります。

私の場合、前職よりも年収が50万円アップしました。ただし、通勤手当がなくなったこと、オフィスランチの補助がなくなったことを考慮すると、実質的には30万円程度のアップでした。

リモートワークで年収が下がるケースは、「地方企業が地方の給与水準でリモート採用する場合」です。東京の企業が地方在住者をリモート採用する場合は、東京水準の給与が支払われることが多いです。

Q3: リモートワークのデメリットはありますか? リモートワークには多くのメリットがありますが、デメリットもあります。

最大のデメリットは、孤独感です。同僚との雑談や、ランチを一緒に食べるといった日常的なコミュニケーションがなくなります。私は、オンラインコミュニティに参加したり、コワーキングスペースを利用したりすることで、この問題に対処しています。

また、自己管理の難しさもあります。誰も見ていないため、サボろうと思えばサボれてしまいます。逆に、仕事とプライベートの区別がつかず、働きすぎてしまうこともあります。

さらに、キャリア形成の不透明さも課題です。上司との接点が減るため、評価やキャリアパスについて不安を感じることがあります。定期的な1on1や、成果の可視化で対応する必要があります。

Q4: 完全リモートとハイブリッド型、どちらがおすすめですか? これは個人の価値観やライフスタイルによります。

完全リモートがおすすめな人は、通勤時間をゼロにしたい、地方や海外に住みたい、自己管理が得意、孤独に強い、という方です。

ハイブリッド型がおすすめな人は、対面でのコミュニケーションも大切にしたい、オフィスの設備を使いたい、リモートに慣れていない、という方です。

私は完全リモートを選びましたが、週1〜2回くらいは誰かと対面で話したいと思うこともあります。その場合は、コワーキングスペースに行ったり、オンラインイベントに参加したりしています。

Q5: 地方在住でも東京の企業にリモート転職できますか? 可能です。むしろ、完全リモート前提の企業であれば、居住地は問われません。

私の同僚には、北海道、沖縄、さらには海外に住んでいる人もいます。ただし、時差がある場合は、コアタイムの調整が必要になることもあります。

また、年に数回の出社が求められる企業の場合、交通費が実費精算されるかを確認しておく必要があります。

Q6: リモートワークに必要な設備はどれくらいかかりますか? 企業から支給される場合もありますが、自分で揃える場合の目安を紹介します。

  • ノートPC: 企業支給が一般的
  • 外部モニター: 2〜5万円(24〜27インチ推奨)
  • デスクとチェア: 5〜10万円(長時間作業するなら投資すべき)
  • Webカメラとマイク: 1〜3万円(PC内蔵でも可)
  • インターネット回線: 月5,000円程度(光回線推奨)

私の場合、モニター2枚、昇降デスク、ゲーミングチェアを購入し、合計で15万円程度かかりました。ただし、企業によっては在宅勤務手当や設備購入補助があるため、確認してみてください。

まとめ:リモートワーク転職を成功させるために

リモートワーク可のエンジニア求人は増えていますが、求人票の「リモート可」の実態は様々です。転職を成功させるには、以下のポイントを押さえることが重要です。

求人探しの段階では

  • 「リモート可」ではなく「完全リモート」と明記された求人を優先する
  • 複数の転職エージェントやサービスを併用し、リモート希望を明確に伝える
  • カジュアル面談を活用し、企業の本音を引き出す

選考プロセスでは

  • リモートワークの頻度、承認プロセス、実施率を具体的に確認する
  • 面接官や現役社員に、リモート環境の実態を率直に質問する
  • 「名ばかりリモート」企業の特徴を理解し、見極める

自己PRでは

  • リモート環境での業務実績を作り、職務経歴書に記載する
  • 自己管理能力、コミュニケーション能力をアピールする
  • 使用ツールやコミュニケーションスタイルを具体的に説明する

入社後は

  • 積極的にコミュニケーションを取り、孤独感を解消する
  • 仕事とプライベートの境界を明確にし、タイムマネジメントを徹底する
  • 成果を可視化し、キャリア形成の不安を軽減する

リモートワークは、通勤時間の削減、柔軟な働き方、ワークライフバランスの向上など、多くのメリットをもたらします。しかし、成功させるには、適切な企業選びと、リモート環境で成果を出すスキルが必要です。

この記事が、あなたのリモートワーク転職の一助となれば幸いです。理想の働き方を実現し、充実したエンジニアライフを送ってください。

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