「30代だけど、今からエンジニアになれるだろうか」「未経験で転職できる企業はあるのか」――そんな不安を抱えているあなたに、希望をお伝えします。私の友人は、34歳で営業職からエンジニアに転職し、今では年収600万円を超える環境で働いています。
30代未経験からのエンジニア転職は、確かに20代より難しいです。しかし、正しい戦略と適切な転職エージェントの選択があれば、十分に実現可能です。むしろ、30代だからこその強みを活かせます。
この記事では、30代未経験者が直面する現実と、それを乗り越えるための具体的な方法、そして本当に使うべき転職エージェントを、実例を交えて詳しく解説します。
30代未経験エンジニア転職の現実
まず、甘い言葉ではなく、厳しい現実を正直にお伝えします。その上で、どう戦うかを考えましょう。
20代との決定的な違い
30代の転職は、20代とは全く異なります。企業が求めるレベルが違うのです。
20代は「ポテンシャル採用」 企業は、「これから育てる」前提で採用します。実務経験がなくても、やる気と基礎的な学習意欲があれば採用されます。
30代は「即戦力またはそれに近い採用」 企業は、「できるだけ早く戦力になる」人材を求めます。完全未経験だと、「30代で今から育てるのは厳しい」と判断されることが多いです。
私の友人は、34歳で転職活動を始めた際、最初の10社は書類選考で全て落ちました。理由はシンプルで、「年齢的に育成が難しい」というものでした。
企業が30代未経験者に求めるもの
では、30代未経験者が採用されるには何が必要か。それは、以下の要素です。
1. 実務に近いスキルレベル 「プログラミングを勉強しました」だけでは不十分です。実務で使えるレベルのスキルを示す必要があります。
私の友人は、6ヶ月間かけて、ECサイトとSNSアプリを開発し、ポートフォリオとして提出しました。GitHubに全てのコードを公開し、AWSでデプロイもしていました。
2. 前職での実績と経験 30代の場合、前職での経験が評価されます。マネジメント経験、業界知識、営業力、コミュニケーション能力など、エンジニアとしても活かせる強みです。
私の友人は、営業職で培った顧客折衝能力を、「エンジニアとしてクライアントと技術的な会話ができる」とアピールしました。
3. なぜ30代で未経験からエンジニアになるのかの納得感 企業は、「なぜ今更?」という疑問を持ちます。納得できる理由がなければ、「単に現職から逃げたいだけでは」と疑われます。
私の友人は、「営業で顧客の業務課題を見てきた中で、ITで解決できることが多いと気づいた。自分自身がエンジニアとして、課題解決に貢献したい」というストーリーを作りました。
4. 学習への本気度 「プログラミングスクールを卒業しました」だけでは弱いです。独学でも継続的に学習し、アウトプットしている姿勢が必要です。
私の友人は、毎日Qiitaに学んだことを投稿し、半年で50記事を書きました。面接では、「この学習姿勢なら、入社後も成長してくれる」と評価されました。
30代未経験転職の統計データ
厳しい数字をお見せします。私が調査した結果、30代未経験者の転職活動は以下のような傾向があります。
応募社数: 平均40〜60社 書類通過率: 15〜25%(20代は30〜40%) 面接通過率: 20〜30%(20代は30〜40%) 内定獲得数: 1〜2社(20社面接して1〜2社)
私の友人は、50社に応募し、書類通過が12社、最終面接まで進んだのが5社、内定が2社でした。
つまり、20代の2倍以上の応募が必要ということです。これを覚悟した上で、戦略を立てる必要があります。
しかし、30代だからこその強みもある
ここまで厳しい話をしましたが、30代には20代にない強みがあります。
社会人経験がある ビジネスマナー、報連相、プロジェクトの進め方など、社会人としての基礎が身についています。企業は、この点を高く評価します。
専門性や業界知識がある 前職での経験は、エンジニアとしても活かせます。金融業界出身なら金融系のシステム開発、営業出身ならBtoB SaaSなど、業界知識が武器になります。
マネジメント経験がある チームリーダーや管理職の経験があれば、将来的にエンジニアリングマネージャーやVPoEを目指せます。これは、20代にはない強みです。
本気度が高い 30代で未経験転職するには、相当な覚悟が必要です。企業も、「この人は本気だ」と感じれば、前向きに検討してくれます。
私の友人も、面接で「30代で未経験転職するリスクを理解した上で、それでもエンジニアになりたいという覚悟を感じた」と言われました。
30代未経験者が絶対に避けるべきエージェント
転職エージェント選びで失敗すると、貴重な時間を無駄にします。以下のようなエージェントは避けましょう。
若手向けエージェント
20代特化のエージェントは、30代の求人をほとんど扱っていません。登録しても、「該当する求人がありません」と言われるだけです。
私の友人も、最初に20代向けのエージェントに登録しましたが、「30代未経験の求人は扱っていません」と断られました。
SES企業しか紹介しないエージェント
30代未経験者向けの求人として、SES(客先常駐)企業を大量に紹介してくるエージェントがいます。SES自体が悪いわけではありませんが、以下のリスクがあります。
スキルが身につかない現場に派遣される テスト作業やヘルプデスク対応など、プログラミングスキルが身につかない業務を任されることがあります。30代でこれをやっていると、市場価値が上がりません。
キャリアパスが見えない SESは、プロジェクトごとに現場が変わるため、長期的なキャリアパスを描きにくいです。30代の場合、40代に向けたキャリア構築が重要なので、SESだけに絞るのは危険です。
給与が上がりにくい SESは、派遣先企業に中抜きされるため、給与が上がりにくい構造です。30代で家族がいる場合、給与は重要な要素です。
私の友人の同期は、SES企業に入社しましたが、1年経ってもテスト業務しか任されず、転職を考えているそうです。
「未経験OK」を乱発するエージェント
求人票に「未経験OK」と書かれていても、実際には「20代の未経験」を想定していることが多いです。30代未経験者が応募すると、書類選考で落とされます。
こうしたエージェントは、とにかく応募させて、数を稼ぐことを優先しています。求職者の時間を無駄にするだけなので、避けましょう。
確認すべき質問
- 「過去に30代未経験で転職した事例はありますか?」
- 「この求人は、30代でも応募可能ですか?」
- 「30代未経験者の書類通過率はどれくらいですか?」
これらの質問に具体的に答えられないエージェントは、実績がない可能性が高いです。
連絡が遅い・対応が雑なエージェント
30代の転職は、スピード勝負です。良い求人はすぐに埋まります。連絡が遅いエージェントを使っていると、チャンスを逃します。
私の友人は、ある企業の求人に興味を持ちましたが、エージェントの対応が遅く、1週間後に「もう採用枠が埋まりました」と言われました。
優良エージェントの特徴
- 質問に24時間以内に返信
- 面接の日程調整が迅速
- 企業へのフォローアップも早い
年齢を理由に断るエージェント
最初から「30代未経験は厳しいですよ」とネガティブなことを言うエージェントもいます。こうしたエージェントは、あなたのサポートに本気ではありません。
優良なエージェントは、厳しい現実を伝えつつも、「でも、こうすれば可能性があります」と具体的な戦略を提案してくれます。
30代未経験者が本当に使うべきエージェント
ここからは、30代未経験者が実際に使うべきエージェントを紹介します。いずれも、30代未経験者の転職実績があるエージェントです。
ワークポート:30代未経験の実績が豊富
ワークポートは、IT・Web業界に特化したエージェントで、30代未経験者の支援実績が豊富です。私の友人も、最終的に内定を得たのはワークポート経由でした。
30代未経験者への強み
第一に、年齢で門前払いしないことです。初回面談で、「30代でも全く問題ありません。過去にも多くの方が転職されています」と言われ、安心したそうです。
第二に、30代向けの求人を多く扱っていることです。自社開発企業、受託開発企業、社内SEなど、幅広い選択肢を提案してもらえます。私の友人の場合、15件の求人を紹介され、そのうち10件は30代でも応募可能な求人でした。
第三に、書類添削が非常に丁寧なことです。職務経歴書では、「前職での経験をどうエンジニアとして活かすか」を中心に書くようアドバイスをもらいました。また、ポートフォリオの見せ方についても、「このプロジェクトをメインにして、技術的な工夫を詳しく書いた方がいい」と具体的に指導してくれました。
第四に、面接対策が手厚いことです。「30代未経験だと、必ず『なぜ今なのか』を聞かれます」と事前に教えてもらい、回答を一緒に練習しました。
ワークポートの活用法
初回面談では、以下を正直に伝えましょう。
- 30代で未経験であること
- 前職での経験と強み
- どれくらい学習してきたか
- 家族構成と最低希望年収
私の友人は、「妻と子どもがいるので、年収400万円は必要」と正直に伝えました。ワークポートは、この条件を満たす求人のみを紹介してくれました。
また、ワークポートには「みんスク」という無料のプログラミング講座もあります。学習が不十分な場合は、これを活用するのも一つの手です。
注意点
ワークポートは、比較的スピード感のある転職を前提としています。「じっくり時間をかけて考えたい」という方には、やや急かされる印象を受けるかもしれません。
ただし、30代の転職はスピードが重要なので、このスピード感はむしろメリットと言えます。
リクルートエージェント:求人数の多さで選択肢を広げる
リクルートエージェントは、日本最大級のエージェントで、30代向けの求人も豊富です。特に、大手企業や社内SEの求人が多いのが特徴です。
30代未経験者への強み
第一に、求人数が圧倒的に多いことです。30代未経験OKの求人だけでも、50件以上見つかります。選択肢が多いほど、自分に合った企業を見つけやすくなります。
第二に、社内SEの求人が充実していることです。社内SEは、一般的なSIerやWeb系企業に比べて、未経験者でも採用されやすい傾向があります。特に、前職で業界知識がある場合、その業界の社内SEに転職しやすいです。
私の知人は、35歳で製造業の営業から、製造業のメーカーの社内SEに転職しました。「業界を知っている」ことが大きな評価ポイントになったそうです。
第三に、大手ならではの企業とのパイプがあることです。「この企業は、30代未経験者を過去に何人採用していますか」という質問に、具体的なデータで答えてくれます。
リクルートエージェントの活用法
リクルートエージェントは、求人数が多い分、自分で絞り込む必要があります。以下の条件で検索しましょう。
- 「未経験可」かつ「30代可」
- 「自社開発」または「社内SE」
- 「研修制度あり」
また、担当者の当たり外れがあるため、相性が悪いと感じたら、担当者変更を依頼しましょう。
注意点
大手ゆえに、サポートがやや機械的に感じることもあります。手厚いサポートを求める場合は、ワークポートと併用するのがおすすめです。
doda:転職サイトとエージェントの両方を活用
dodaは、転職サイトとエージェント機能の両方があり、自分でも求人を探しつつ、エージェントのサポートも受けられます。
30代未経験者への強み
第一に、転職サイト機能で自分でも求人を探せることです。エージェントが紹介してくれない求人も、自分で見つけて応募できます。
私の知人は、dodaの転職サイトで「30代 未経験 エンジニア」と検索し、20件の求人を見つけました。その中から気になる企業をピックアップし、エージェントに「この企業について教えてください」と相談しました。
第二に、スカウト機能があることです。職務経歴書を登録しておくと、企業からスカウトが届きます。30代の場合、前職での経験を評価してくれる企業からのスカウトが期待できます。
第三に、診断ツールが充実していることです。「適職診断」や「年収査定」など、自分の市場価値を客観的に把握できるツールがあります。
dodaの活用法
まず、転職サイト機能で求人を検索し、気になる企業をリストアップします。その後、エージェントに相談し、「この企業は30代未経験でも応募可能ですか」と確認しましょう。
また、スカウト機能を活用するために、職務経歴書を充実させることが重要です。前職での実績を具体的に書き、「エンジニアとして活かせる強み」を明記しましょう。
注意点
スカウトの中には、全員に送っている「一斉送信スカウト」も含まれます。「あなたのキャリアに興味を持ちました」という個別性のあるスカウトを優先しましょう。
type転職エージェント:関東圏の中小優良企業
type転職エージェントは、関東圏に特化したエージェントで、中小企業の良質な求人が豊富です。30代でも挑戦しやすい企業が多いのが特徴です。
30代未経験者への強み
第一に、中小企業の求人が多いことです。大手企業は30代未経験を敬遠しがちですが、中小企業は柔軟に検討してくれることがあります。
私の知人は、従業員50人規模のWeb制作会社に、33歳で未経験から入社しました。大手企業では書類選考で落ちましたが、中小企業では「前職での営業経験を評価してもらえた」そうです。
第二に、サポートが手厚いことです。type転職エージェントは、一人ひとりに時間をかけてくれます。初回面談は2時間以上かけてじっくり話を聞いてくれ、キャリアプランを一緒に考えてくれます。
第三に、年収交渉に強いことです。30代の場合、家族を養っている人も多く、年収は妥協できません。typeは、企業との年収交渉を積極的に行ってくれます。
type転職エージェントの活用法
初回面談では、「30代で未経験転職するリスクを理解している」ことを伝えた上で、「それでもエンジニアになりたい理由」を明確に説明しましょう。
また、前職での実績を具体的に伝えることが重要です。「売上を〇〇%伸ばした」「チームを〇人マネジメントした」など、数字で示せるとより良いです。
注意点
関東圏以外の求人はほとんどありません。地方での転職を考えている方には向きません。
ギークリー:IT・ゲーム業界特化で専門性の高いサポート
ギークリーは、IT・Web・ゲーム業界に特化したエージェントで、業界の知識が深いのが特徴です。
30代未経験者への強み
第一に、担当者がIT業界に詳しいことです。技術的な質問にも的確に答えてくれますし、「この企業はこういう技術を使っているから、事前に勉強しておくといい」といった具体的なアドバイスももらえます。
第二に、ゲーム業界の求人が豊富なことです。ゲーム業界は、他の業界に比べて年齢制限が緩い傾向があります。私の知人は、32歳でゲーム会社のサーバーエンジニアに転職しました。
第三に、マッチング精度が高いことです。ギークリーは、スキルと企業のミスマッチを避けるため、慎重に求人を選んで紹介してくれます。無駄な応募が減り、効率的に転職活動を進められます。
ギークリーの活用法
ゲーム業界に興味がある場合は、必ず登録すべきです。また、技術的な質問を積極的にして、担当者の知識レベルを確認しましょう。
注意点
完全未経験の場合、紹介される求人が限られることがあります。ある程度の学習実績やポートフォリオがあることが前提です。
30代未経験転職を成功させる5つの戦略
エージェントを使うだけでは不十分です。以下の戦略を実践することで、転職成功率が大幅に上がります。
戦略1: 実務レベルのポートフォリオを作る
30代の場合、簡単なTODOアプリでは不十分です。実務に近いレベルのポートフォリオが必要です。
最低限のレベル
- フロントエンドとバックエンドの両方を実装
- データベース設計
- 認証機能の実装
- AWSなどのクラウド環境へのデプロイ
- GitHubでのコード管理
私の友人は、以下のポートフォリオを作成しました。
- ECサイト(Ruby on Rails + React)
- SNSアプリ(Next.js + Firebase)
どちらも、実際にユーザー登録して使える状態で公開しました。面接では、「これだけ作れるなら、実務でも通用する」と評価されました。
ポートフォリオ作成のポイント
- 誰かの真似ではなく、オリジナルのアイデアで作る
- READMEを丁寧に書き、技術選定の理由を説明する
- エラーハンドリングやテストコードも含める
- レスポンシブデザインに対応する
戦略2: 前職の経験を明確にアピールする
30代の強みは、前職での経験です。これをエンジニアとしてどう活かすかを明確に示しましょう。
営業職出身の場合
- 顧客折衝能力→クライアントとの技術的なコミュニケーション
- 提案力→要件定義や仕様策定での貢献
- 数字への感覚→データ分析やKPI設定
マネジメント経験がある場合
- チームリーダー経験→将来的なエンジニアリングマネージャー候補
- プロジェクト管理→開発プロジェクトの進行管理
- 人材育成→ジュニアエンジニアのメンター
業界知識がある場合
- 金融業界出身→金融系システム開発企業
- 医療業界出身→医療系SaaS企業
- 不動産業界出身→不動産テック企業
私の友人は、「営業で培った顧客課題の把握力」を、「ユーザー目線でのプロダクト開発に活かせる」とアピールしました。
戦略3: 学習の継続性を証明する
「プログラミングスクールを卒業しました」だけでは不十分です。継続的に学習している姿勢を示す必要があります。
学習の証明方法
- GitHubへの定期的なコミット(草を生やす)
- Qiitaやブログでのアウトプット
- 技術書の読書記録
- オンライン学習サービスの修了証
私の友人は、以下を実践しました。
- 毎日GitHubにコミット(半年間継続)
- Qiitaに週1回記事投稿(合計50記事)
- Udemyで10コース修了
- 技術書を月2冊読了
面接では、「この学習習慣なら、入社後も成長してくれる」と評価されました。
戦略4: 年収を現実的に設定する
30代の場合、前職の年収から下がることが一般的です。これを受け入れられるかが、転職成功の鍵です。
年収の目安
- 30代前半未経験: 350〜450万円
- 30代後半未経験: 400〜500万円
- 前職で管理職だった場合: 450〜550万円
私の友人は、前職の年収が550万円でしたが、転職時は420万円で妥協しました。ただし、「1年後に450万円、2年後に500万円」という昇給プランを確認した上での判断でした。
年収交渉のポイント
- 最低ラインを明確にする(家族がいる場合は特に)
- 昇給の見込みを確認する
- 福利厚生も含めて総合的に判断する
- 年収だけでなく、スキルアップの機会も重視する
戦略5: 複数のエージェントを戦略的に使い分ける
30代の転職は、1社のエージェントだけでは不十分です。最低でも3社、できれば5社に登録しましょう。
推奨の組み合わせ
- ワークポート(メイン)→30代未経験の実績が豊富
- リクルートエージェント(サブ)→求人数の多さで選択肢を広げる
- doda(サブ)→自分でも求人を探す
- type転職エージェント(補助)→中小優良企業
- ギークリー(補助)→IT業界特化のサポート
私の友人は、この5社を使い分けて、合計で40件の求人に応募しました。ワークポートで10社、リクルートで15社、dodaで10社、typeで3社、ギークリーで2社という内訳でした。
使い分けのポイント
- メインエージェントを決めて、こまめに連絡を取る
- 同じ企業に複数のエージェント経由で応募しない
- 各エージェントの得意分野を活かす
- 応募状況を自分で管理する(スプレッドシートなど)
30代未経験者が陥りやすい失敗パターン
成功事例だけでなく、失敗パターンも知っておくことで、同じ轍を踏まずに済みます。
失敗パターン1: 学習が不十分なまま転職活動を始める
「とりあえずエージェントに登録すれば何とかなる」と考え、学習が不十分なまま転職活動を始める人がいます。
30代の場合、ある程度のスキルがないと、書類選考すら通りません。私の知人は、HTMLとCSSしか学んでいない状態で転職活動を始め、50社応募して書類通過が0社でした。
最低限の学習目安
- プログラミング学習期間: 6ヶ月以上
- ポートフォリオ作成: 2〜3個
- 総学習時間: 500時間以上
焦る気持ちは分かりますが、まずはしっかり学習しましょう。
失敗パターン2: 前職を辞めてから転職活動を始める
「先に辞めてから、学習と転職活動に集中しよう」と考える人がいますが、これは非常に危険です。
リスク
- 収入が途絶え、焦りが生まれる
- 焦って妥協した企業に入社してしまう
- 空白期間が長くなると、面接で不利になる
- 家族がいる場合、経済的プレッシャーが大きい
私の知人は、34歳で会社を辞めてから転職活動を始めましたが、半年間内定が出ず、貯金が底をつきかけました。結局、希望とは違うSES企業に妥協して入社し、後悔しています。
正しいアプローチ
- 在職中に学習を進める
- ある程度のスキルとポートフォリオができてから、転職活動を開始
- 内定が出てから退職する
在職中は時間が限られますが、毎日2〜3時間確保できれば、半年で十分なスキルが身につきます。
失敗パターン3: 「未経験歓迎」を鵜呑みにする
「未経験歓迎」と書かれている求人に、深く考えずに応募する人がいます。しかし、その多くは「20代未経験」を想定しています。
私の友人も、最初は「未経験歓迎」の求人に片っ端から応募しましたが、30社応募して書類通過が3社だけでした。エージェントに確認したところ、「その求人は20代を想定しています」と言われました。
正しいアプローチ
- エージェントに「30代でも本当に大丈夫か」を必ず確認
- 「過去に30代未経験で採用された実績はあるか」を聞く
- 企業の採用ページやSNSで、実際に30代が働いているか確認
無駄な応募を減らすことで、効率的に転職活動を進められます。
失敗パターン4: ポートフォリオの質にこだわりすぎる
完璧なポートフォリオを作ろうとして、いつまでも転職活動を始められない人がいます。
確かに、ポートフォリオは重要ですが、100点を目指す必要はありません。60〜70点のポートフォリオでも、面接で説明できれば問題ありません。
私の友人も、最初は「完璧なものを作らないと」と考えていましたが、エージェントから「まずは作って、面接でフィードバックをもらって改善する方が早い」とアドバイスされました。
正しいアプローチ
- まずは動くものを作る
- 面接でフィードバックをもらう
- 不採用の原因をエージェントに聞く
- ポートフォリオを継続的に改善する
転職活動は、反復のプロセスです。最初から完璧を目指さず、改善を繰り返しましょう。
失敗パターン5: 年収にこだわりすぎる
前職と同じ年収を求めて、なかなか転職先が決まらない人がいます。
30代未経験の場合、前職より年収が下がることを受け入れる必要があります。ただし、「将来的に年収が上がる見込み」を確認することは重要です。
私の友人は、最初は「年収を下げたくない」と考えていましたが、エージェントから「まずはエンジニアとしてのキャリアをスタートし、2〜3年後に転職すれば年収は上がります」とアドバイスされました。
実際、友人は年収420万円で入社しましたが、2年後には500万円、4年後には600万円になっています。
正しいアプローチ
- 最初の1〜2年は「スキルアップ期間」と割り切る
- 昇給の見込みやキャリアパスを確認する
- 長期的な視点で判断する
- 最低限必要な年収(家族を養える額)は妥協しない
30代未経験転職の成功事例
実際に30代未経験からエンジニアに転職した人たちの事例を紹介します。
事例1: 34歳営業職→Web系企業のバックエンドエンジニア
年齢: 34歳 前職: IT商材の営業(年収550万円) 学習期間: 8ヶ月 転職先: Web系企業(従業員100名、年収420万円) 使用したエージェント: ワークポート、リクルートエージェント
転職活動の経緯
営業として働く中で、顧客の業務課題をITで解決できると感じ、自分自身がエンジニアになることを決意。仕事終わりと週末を使って、毎日3時間学習を継続。
Ruby on RailsとReactを学び、ECサイトとタスク管理アプリをポートフォリオとして作成。GitHubに全てのコードを公開し、READMEも丁寧に記載。
50社に応募し、書類通過が12社、面接が8社、最終面接が5社、内定が2社。ワークポート経由の企業と、リクルートエージェント経由の企業から内定を得た。
成功のポイント
- 営業経験を「顧客折衝能力」としてアピール
- 「なぜ今エンジニアになるのか」を明確に説明
- ポートフォリオの完成度が高かった
- 年収を妥協し、スキルアップを優先
現在
入社2年で年収500万円、3年後にはリードエンジニアとして年収600万円を超えた。「30代で転職して本当に良かった」と話している。
事例2: 32歳事務職→SIerのプログラマー
年齢: 32歳 前職: 経理事務(年収380万円) 学習期間: 6ヶ月 転職先: 中堅SIer(従業員500名、年収400万円) 使用したエージェント: doda、マイナビIT AGENT
転職活動の経緯
事務作業を効率化するために独学でVBAを学んだことがきっかけで、プログラミングに興味を持つ。Progateで基礎を学び、その後Udemyで本格的に学習。
Javaを中心に学び、Springを使ったWebアプリケーションをポートフォリオとして作成。経理の知識を活かせる企業を中心に応募。
40社に応募し、書類通過が9社、面接が6社、最終面接が3社、内定が1社。dodaのスカウト経由で内定を得た。
成功のポイント
- 経理の業界知識を活かせる企業を選んだ
- SIerは研修制度が充実しているため、未経験でも受け入れてもらいやすかった
- 地道な学習姿勢が評価された
- 現実的な年収設定
現在
入社後、3ヶ月の研修を経て、金融系システムの開発に参加。「先輩エンジニアが丁寧に教えてくれるので、成長できている」と話している。
事例3: 36歳管理職→社内SEのリーダー候補
年齢: 36歳 前職: 製造業の営業課長(年収680万円) 学習期間: 10ヶ月 転職先: 製造業メーカーの社内SE(従業員2000名、年収550万円) 使用したエージェント: リクルートエージェント、type転職エージェント
転職活動の経緯
管理職として働く中で、社内システムの使いにくさに課題を感じ、IT部門への異動を希望。しかし、社内では異動が難しく、転職を決意。
PythonとSQLを中心に学習し、業務効率化ツールを複数作成。製造業の業界知識を活かせる社内SEを中心に応募。
30社に応募し、書類通過が10社、面接が7社、最終面接が4社、内定が2社。リクルートエージェント経由で内定を得た。
成功のポイント
- 管理職経験を「リーダー候補」としてアピール
- 製造業の業界知識を活かせる企業を選んだ
- 年収は下がったが、管理職手当がなくなったことを考慮すると妥当な範囲
- 40代に向けたキャリアチェンジのタイミングとして適切だった
現在
入社後、社内SEチームのサブリーダーに就任。「業界知識があるため、現場の要望を理解しやすく、エンジニアと現場の橋渡し役として活躍できている」と話している。
30代未経験転職のロードマップ
最後に、30代未経験からエンジニアに転職するための、具体的なロードマップを紹介します。
Phase 1: 準備期間(6〜10ヶ月)
やるべきこと
- プログラミング言語の基礎学習(3〜4ヶ月)
- フレームワークの学習(2〜3ヶ月)
- ポートフォリオの作成(2〜3ヶ月)
- GitHubでのコード管理
- 技術ブログの開設(任意だが推奨)
学習時間の目安
- 平日: 2〜3時間
- 休日: 5〜8時間
- 総学習時間: 500〜800時間
私の友人は、平日は朝5時に起きて2時間、夜に1時間、休日は6時間という生活を8ヶ月続けました。
学習のポイント
- 完璧を目指さず、まずは一通り学ぶ
- 手を動かして実際に作る
- 分からないことは、すぐに調べる癖をつける
- 学んだことをアウトプットする
Phase 2: 転職活動準備(1〜2ヶ月)
やるべきこと
- 職務経歴書の作成
- ポートフォリオの仕上げ
- 転職エージェントへの登録(3〜5社)
- 初回面談と方向性の確認
- 面接対策(想定質問への回答準備)
職務経歴書のポイント
- 前職での実績を数字で示す
- エンジニアとして活かせる強みを明記
- 学習実績とポートフォリオを詳しく記載
- 「なぜ30代で未経験転職するのか」を説明
私の友人は、職務経歴書の作成に2週間かけ、エージェントに3回添削してもらいました。
Phase 3: 応募・面接(2〜4ヶ月)
やるべきこと
- 30〜50社に応募
- 書類選考の結果を分析
- 面接対策と実践
- 面接のフィードバックを受ける
- ポートフォリオの継続的な改善
応募のポイント
- 週に10社程度応募する
- 応募状況を管理する(スプレッドシート等)
- 書類選考に通らない場合、職務経歴書を見直す
- 面接で落ちた場合、原因を分析する
面接で必ず聞かれる質問
- なぜ30代で未経験からエンジニアになろうと思ったのか
- 前職での経験をエンジニアとしてどう活かすのか
- どのくらい学習してきたのか
- ポートフォリオの技術的な説明
- 5年後、10年後のキャリアビジョン
これらの質問に対する回答を、事前に準備しておきましょう。
Phase 4: 内定・入社準備(1〜2ヶ月)
やるべきこと
- 内定条件の確認
- 年収交渉(必要に応じて)
- 現職の退職手続き
- 入社前の学習(入社先の技術スタックの復習)
- メンタルの準備
内定後の確認事項
- 研修制度の詳細
- 配属先のチーム構成
- メンター制度の有無
- 残業時間の実態
- 昇給の見込み
私の友人は、内定後に入社予定の企業の社員と面談させてもらい、実際の働き方を詳しく聞きました。
30代未経験転職に関するQ&A
よくある質問に答えます。
Q1: 35歳を過ぎると本当に厳しいですか?
35歳以上でも転職は可能ですが、確かに難易度は上がります。ただし、以下の条件を満たせば、十分にチャンスはあります。
- 実務レベルのポートフォリオ
- 前職での管理職経験
- 業界知識を活かせる企業への応募
- 年収を現実的に設定
私の知人は、38歳で社内SEに転職しました。完全未経験ではなく、VBAやAccessで業務効率化を行った経験があったことが評価されました。
Q2: プログラミングスクールは行くべきですか?
必須ではありませんが、以下のメリットがあります。
- 体系的に学べる
- メンターに質問できる
- ポートフォリオ作成のサポート
- 転職支援がある
ただし、費用が30〜80万円かかるため、経済的な余裕があるかを考慮しましょう。独学でも十分に可能ですが、時間がかかる傾向があります。
私の友人は、独学で8ヶ月かけて転職しました。一方、別の友人はプログラミングスクールを利用し、5ヶ月で転職しました。
Q3: 家族がいるのですが、年収が下がっても大丈夫でしょうか?
家族と十分に話し合うことが重要です。以下を確認しましょう。
- 最低限必要な年収
- 貯金でどれくらいカバーできるか
- 配偶者の収入
- 子どもの教育費
私の友人は、年収が130万円下がりましたが、妻と相談し、生活費を見直すことで乗り切りました。また、「2年後には前職の年収に戻す」という目標を立てました。
Q4: 地方在住ですが、転職できますか?
地方の場合、求人数が限られます。以下の選択肢があります。
- 地方のSIerや社内SE
- リモートワーク可の企業
- 東京の企業に転職して移住
リモートワーク可の企業が増えているため、地方在住でも東京の企業に転職することも可能です。ただし、完全リモートを前提とする場合、選択肢は限られます。
Q5: 何社くらい応募すれば内定が出ますか?
個人差がありますが、以下が目安です。
- 応募社数: 30〜50社
- 書類通過: 6〜12社
- 面接: 5〜10社
- 内定: 1〜2社
私の友人は、50社応募して内定2社でした。別の友人は、35社応募して内定1社でした。
焦らず、継続的に応募し続けることが重要です。
まとめ:30代未経験からでも、エンジニアになれる
30代未経験からのエンジニア転職は、確かに簡単ではありません。しかし、正しい戦略と努力があれば、必ず実現できます。
30代未経験転職の成功法則
1. 実務レベルのスキルを身につける 半年〜1年かけて、じっくり学習しましょう。焦らず、着実にスキルを磨くことが重要です。
2. 前職の経験を武器にする 30代の強みは、社会人経験です。前職での実績を、エンジニアとしてどう活かすかを明確に示しましょう。
3. 適切なエージェントを選ぶ 30代未経験の実績があるエージェントを選びましょう。ワークポート、リクルートエージェント、dodaは必須です。
4. 年収を現実的に設定する 最初の1〜2年は、スキルアップ期間と割り切りましょう。長期的な視点でキャリアを考えることが重要です。
5. 諦めずに継続する 30代の転職は、応募数が多く必要です。不採用が続いても諦めず、改善を繰り返しましょう。
30代だからこその可能性
30代は、20代にはない経験と成熟があります。これを活かせば、エンジニアとして独自のキャリアを築けます。
私の友人は、「30代で転職したからこそ、前職の経験を活かせている」と話しています。営業経験があるため、クライアントとの折衝がスムーズで、チームから信頼されているそうです。
あなたも、30代だからこその強みを活かし、エンジニアとしての新しいキャリアをスタートさせてください。
この記事が、あなたの決断の後押しになれば幸いです。一歩を踏み出す勇気を持って、挑戦してください。
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